原子力システム研究開発事業
目次III. 技術開発課題 → 【課題5】保守・補修性を考慮したプラント設計
平成18年度募集要項― 特別推進分野 ―

III. 技術開発課題

○ ナトリウム冷却炉に関する技術開発課題

【課題5】保守・補修性を考慮したプラント設計
(1)研究開発項目
・ナトリウム中構造物及びナトリウム冷却系機器の運転中健全性モニタリング技術(形状、変位)の開発
(2)目的
 ナトリウム冷却炉では、高温、高放射線、化学的活性、不透明なナトリウムを冷却材として用いているため、保守・補修性の向上が実用化に向けた重要な課題である。特に、安全上重要なナトリウム冷却系機器については、構造物の欠損、破片、接合部の喪失等の機械的及び構造的な異常を運転中に検知することが可能になれば、プラントを停止して行うナトリウム中に設置される構造物の検査を合理化することができるとともに、状態監視保全が導入可能となり、設備利用率の向上を図ることができる。
 本技術開発課題では、運転中にナトリウム中構造物及びナトリウム冷却系機器の健全性に係わる空間的な形状や変位をモニタリングする技術を開発する。
(3)達成目標
 1次冷却系主配管や冷却系機器等を対象としたセンサ及び信号処理に関する技術開発を行うことにより、本技術についてのプラント設計への反映見通しを得ることを目標とする。
 期待される成果は、検出器の原理、仕様を明らかにし、主要な要素技術の見通しを得るとともに、対象機器に対する検出性能評価等のプラント適用性を明らかにすることである。
 本技術開発課題における具体的な開発要件は以下のとおりである。
・ASME B&PV Code Sec.XIDiv.3 IMA-2213に定めるVTM-3相当の検出精度を有すること。
・構造物の機械的及び構造的な異常をプラント運転中に検知し、状態監視保全に適用できること。
・外管及びガードベッセルの外側にセンサを設置し、センサの保守が容易に実施できる構造であること。
・1次冷却系主配管、ポンプ組込IHXの外周部及び原子炉容器の外周部に対する適用性を評価すること(これら対象機器の詳細な構造は技術検討書の「(5)関連技術情報」における2.1.3節を参照)。
(4)前提条件
・構造物材料:高クロム鋼及び316FR
・供用期間:運転中〜炉停止時(定検期間中)
・対象機器:1次冷却系主配管、ポンプ組込IHXの外周部及び原子炉容器の外周部
・使用環境:不活性雰囲気又は大気(検査部位の周囲環境に準ずる)
・使用環境温度:格納容器内雰囲気温度10〜65℃
(5)関連技術情報
・技術検討書 - (1)原子炉プラントシステム - 2.1.3節及び2.3.1.2節
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科学技術振興機構 原子力システム研究開発事業 原子力業務室