原子力システム研究開発事業
目次 → IV. 募集、審査、研究管理、評価の実施
平成18年度募集要項― 特別推進分野 ―

IV. 募集、審査、研究管理、評価の実施

 本事業では、競争的資金の効率的な活用を図り、優れた成果を生み出していくため、プログラムディレクター(PD)及びプログラムオフィサー(PO)を配置し、PD及びPOを中心に、審査、研究管理、評価を実施しています。

1.事業の要件

 本事業においては、研究開発課題を実施するために必要な施設、人員、技術等を備えた研究代表者(IV.2.)が所属する機関(受託者)と文部科学省が単年度ごとに委託契約を締結し、受託者が文部科学省に代わって研究開発を実施することになります。
(1)研究開発期間及び研究開発に要する経費
・ 研究開発期間:4年以内
・ 研究開発に要する経費:1件あたり、年間4億円程度を上限とします。(真に必要とする金額を要求する提案を重視します。)
 上記の研究開発に要する経費は、研究開発に係る直接経費と直接経費の30%である間接経費で構成されます。
間接経費の取扱いについては、「競争的資金の間接経費の執行に係る共通指針における間接経費の主な使途の例示について(平成17年3月23日競争的資金に関する関係府省連絡会申し合わせ)」を参考にして下さい。

(2)採択予定数
II.2.に示す技術開発課題ごとに1件程度

(3)募集及び採択に関する制限
1 対象外となる提案について
 以下に示す研究開発課題の提案は募集の対象としません。
・ 単に既成の機械装置の購入を目的とする提案
・ 他の経費で措置されるのがふさわしい機械装置等の調達に必要な経費を、本事業の直接経費により賄うことを想定している提案
2 重複提案の制限・過度の集中の排除について
 研究代表者が以下に該当する場合は、審査の対象から除外され、採択の決定が取り消されますので注意して下さい。
・ 研究代表者について、同一の研究開発課題名または内容で、既に国または独立行政法人の競争的資金制度等(科学研究費補助金、戦略的創造研究推進事業等、各府省の競争的資金制度等)による助成を受けている場合、または採択が決定している場合。
 なお、申請段階(採択が決定していない段階)において他の競争的資金制度等へ提案することを制限するものではありませんが、その採否の結果については、判明次第、原子力業務室に報告して下さい。他制度における採択結果によっては、提案課題が審査の対象から除外されること等もありますので、留意して下さい。また、他制度の採否について虚偽の申告があった場合、採択を取り消すことがあります。

 研究代表者以外の提案課題に参画する研究者が以下に該当する場合は、当該研究者が実施予定の研究等については、本事業では実施できなくなる場合がありますので、注意して下さい。


・ 研究代表者以外の研究開発の実施者について、同一の研究開発課題名または内容で、既に国または独立行政法人の競争的資金制度等による助成を受けている場合、または採択が決定している場合。
 なお、申請段階(採択が決定していない段階)において他の競争的資金制度等へ提案することを制限するものではありませんが、その採否の結果については、判明次第、原子力業務室に報告して下さい。他制度における採択結果によっては、提案課題が審査の対象から除外されること等もありますので、留意して下さい。また、他制度の採否について虚偽の申告があった場合、採択を取り消すことがあります。

 既に国または独立行政法人の競争的資金制度等を活用して実施している研究等とは内容が異なる提案課題の研究代表者または研究開発の実施者となる場合は、上記の重複提案の制限の対象とはなりませんが、審査においてエフォート(様式6)等を考慮することとなりますので、留意して下さい。
 このため、提案書類の様式10「国による他の事業等での実施等」については、記載漏れ等がないよう十分確認して下さい。加えて、提案書類の提出後に、他の制度に申請を行った場合、或いは、他の制度における採否の結果が判明した場合等、記載内容に変更が生じた場合は、遅滞なく原子力業務室に報告して下さい。他制度の採否について虚偽の報告があった場合、採択を取り消すことがありますので、あらかじめ了承願います。
 なお、提案内容のうち、上記のような不合理な重複または過度の集中の排除のための調査に必要な範囲において国または独立行政法人の競争的資金制度等の担当者に情報提供を行うことがありますので、あらかじめ了承して下さい。また、他の競争的資金制度等(独立行政法人の事業を含む。)において上記と同趣旨の重複申請等に係る調査が行われる場合、必要に応じて、提案内容のうち必要な範囲において当該制度の担当者に情報提供を行うこともありますので、こちらもあらかじめ了承して下さい。

2.応募対象者の要件

(1)応募対象者
 自ら研究開発を実施する以下に示す国内の大学、研究開発機関、企業等に所属する職員、またはこれらの機関で構成するチーム(以下、「研究チーム」という。)とします。
・ 大学及び大学共同利用機関法人
・ 国公立試験研究機関
・ 独立行政法人、特殊法人及び認可法人
・ 民法第三十四条により設立された法人
・ 民間企業(法人格を有する者)
・ 特定非営利活動促進法第十条第一項の規定により認証を受けた特定非営利活動法人

 文部科学省との委託契約は、これら国内の大学、研究開発機関、企業等が行う研究開発に係る費用のみを対象としますが、その一部を国外の研究開発機関等が請負うことは可(ただし、研究開発成果は授受できない)とします。
 なお、応募から研究開発終了に至るまでの間に資格の喪失、外国出張その他の理由により、研究開発の実施者としての責任を果たせなくなることが見込まれる者は、研究開発の実施者となることを避けて下さい。また、委託契約の履行能力を確認するため、審査時に、機関の営む主な事業内容、資産及び負債等財務に関する資料等の提出を求めることがあります。

(2)研究代表者の指定
 研究開発課題における代表者(以下、「研究代表者」という。)を指定して下さい。
 本事業では、一人の研究代表者が、特別推進分野の複数の研究開発課題の研究代表者となることはできません。ただし、基盤研究開発分野で採択された研究開発課題の研究代表者が、さらに特別推進分野の研究開発課題の研究代表者となることは可能です。また、研究代表者が、他の研究開発課題における研究チーム内において研究開発の実施者となることは可能です。

(3)事務連絡担当者の指定
 JSTとの事務連絡を速やかに行うことができ、かつ常に研究代表者と連絡をとることができる、研究代表者の所属する機関と同じ機関に所属する担当者(以下、「事務連絡担当者」という。)を指定して下さい。なお、研究代表者が事務連絡担当者を兼ねることはできません。

(4)研究開発課題に関する経費の不正な使用等を行った研究開発の実施者に対する申請及び参加資格制限
 本事業における研究開発課題実施において、研究開発課題に関する経費を不正に使用した場合(偽り、その他不正の手段による受給を含む。以下、「不正使用等」という。)、不正使用等を行った研究開発の実施者※1については、その旨を公表するとともに、以下のとおり、一定期間、本事業への申請及び参加※2を認めないこととします。
※1 研究代表者であることに拘らず不正使用等を行った研究開発の実施者(再委託先を含む)を指します。また、不正使用等の共謀についても対象となります。
※2 「申請及び参加」とは、新規研究開発課題の提案、応募、申請を行うこと、また研究チーム内の研究開発の実施者として新たに研究に参加することを示します。また、申請及び参加資格の制限の適用にあたって、進行中の研究開発課題(継続課題)への参加については、別途協議とします。
不正使用等の内容 申請及び参加が制限される期間
単純な事務処理の誤り なし
不正使用(本事業による業務以外の用途への使用がない場合) 2年
不正使用(本事業による業務以外の用途への使用がある場合)
<例>
・ 本事業による業務に関連する研究等の遂行に使用(2年)
・ 本事業による業務とは直接関係のない研究等の用途に使用(3年)
・ 研究等に関連しない用途に使用(4年)
・ 虚偽の請求に基づく行為により現金を支出(4年)
・ 個人の利益を得るための私的流用(5年)
2〜5年
(具体的期間は、程度に応じて個々に判断される。)
不正な行為による受給
<例>
・提案書類における虚偽申告
5年
 また、文部科学省または文部科学省所管の独立行政法人が運用する競争的資金制度(以下、「文部科学省関連の競争的資金制度」という。)、文部科学省以外の府省またはこれらが所管する独立行政法人が運用する競争的資金制度(以下、「文部科学省関連以外の競争的資金制度」という。)のいずれかにおいて、不正使用等当該制度の趣旨に反する不正行為が行われた場合、当該制度において事業への参画が制限される期間と同じ期間、本事業への新たな申請及び参加が制限されます。

(文部科学省関連の競争的資金制度)
○科学研究費補助金
○戦略的創造研究推進事業
○科学技術振興調整費
○研究拠点形成費等補助金(21世紀COEプログラム)
○キーテクノロジー研究開発の推進(ナノテク融合、社会のニーズを踏まえたライフサイエンス、次世代IT)
○地球観測システム構築推進プラン
○先端計測分析技術・機器開発事業
○革新技術開発研究事業
○独創的シーズ展開事業
○産学共同シーズイノベーション化事業
○重点地域研究開発推進プログラム
○地域結集型研究開発プログラム等
(文部科学省関連以外の競争的資金制度)
○食品健康影響評価技術研究(内閣府)
○沖縄産学官共同研究の推進(内閣府)
○戦略的情報通信研究開発推進制度(総務省)
○先進技術型研究開発助成金制度(総務省)
○民間基盤技術研究促進制度(総務省)
○消防防災科学技術研究推進制度(総務省)
○厚生労働科学研究費補助金(厚生労働省)
○保健医療分野における基礎研究推進事業(厚生労働省)
○新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業(農林水産省)
○生物系産業創出のための異分野融合研究支援事業(農林水産省)
○先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(農林水産省)
○産学官連携による食料産業等活性化のための新技術開発事業(農林水産省)
○産業技術研究助成事業(経済産業省)
○大学発事業創出実用化研究開発事業(経済産業省)
○石油・天然ガス開発・利用促進型事業(経済産業省)
○地域新生コンソーシアム研究開発事業(経済産業省)
○革新的実用原子力技術開発事業(経済産業省)
○運輸分野における基礎的研究推進制度(国土交通省)
○建設技術研究開発助成制度(国土交通省)
○環境技術開発等推進費(環境省)
○廃棄物処理等科学研究費補助金(環境省)
○地球環境研究総合推進費(環境省)
○地球温暖化対策技術開発事業(環境省)

 なお、申請等資格制限の取扱い及び対象制度が変更になった場合は適宣、文部科学省及びJSTホームページ等でお知らせいたします。

3.研究開発課題の審査、研究管理、評価

 特別推進分野では、PO及び外部有識者から構成される審査委員会での審査結果を踏まえ、PD及びPOが採択課題候補案を取りまとめ、これをもとに採択課題を選定することとしています。また、POが中心となって、研究開発課題の進捗状況を把握し、必要に応じ助言を行う等、適切な研究管理に努めていきます。さらに、研究開発課題の中間及び事後評価を実施します。
(1)研究開発課題の審査
1)審査方法
 審査委員会における審査は、外部からの影響を排除し、応募された研究開発課題に含まれるノウハウ等の情報管理を行う観点から非公開で行います。
 具体的には、応募された研究開発課題ごとに、様式不備の有無、対象とする研究開発分野及び事業の要件との合致性を確認するとともに、以下に定める審査基準に基づいて、審査委員会による書類審査及びヒアリング審査を実施します。
 ヒアリング審査は、書類審査によって選定された研究開発課題のみ実施します。また、書類審査における指摘に基づき、ヒアリング審査までの間に、研究開発計画の見直しや追加資料の提出を求める場合があります。
2)選定結果の通知
 JSTから、ヒアリング審査対象課題の研究代表者及び事務連絡担当者に対して、ヒアリング審査実施の連絡をします。また、研究代表者に対して審査結果(採択の可否)の通知書の送付を行います。  なお、審査の途中経過等に関する問い合わせは一切受け付けません。  また、採択にあたっては、審査委員会が研究開発課題の内容、研究開発期間、研究開発に要する経費、実施体制等に関し、条件を付すことがあります。
3)審査基準
 提案された研究開発課題は、以下に示す審査基準に基づき審査を行います。
1 技術開発課題が設定する目的、達成目標、前提条件を満足し、期待される成果を得ることができること。(研究開発の目的との合致性)
2 提案する技術が期待される成果を得るために最も優れたものであり、実用化を目途とした研究開発に大きく貢献できること。(技術の卓越性)
3 期待される成果を得るために適用する技術の工学的実現可能性が、具体的な根拠をもって示されていること。さらに、その技術を適用することによって、期待される成果を得るための方策が具体的に示されていること。(技術的な実現性)
4 研究開発を実施するために適切な人材、研究開発体制が確保されていること。(実施能力の充足性)
5 真に必要とされる研究開発に要する経費が具体的、かつ合理的に策定されており、研究開発の達成に向けた実施方法やスケジュール等が適切に設定されていること。(研究開発計画の妥当性)

(2)研究管理の実施
 平成18年度に募集を行う研究開発課題は、国のプロジェクトの一部として、研究開発によって得られる成果が着実に高速増殖炉サイクルの実用化に向けた研究開発に反映される必要があることから、当該研究開発課題の円滑な推進を図るため、採択された研究開発課題ごとに、PO、研究代表者、再委託先の研究責任者、文部科学省、日本原子力研究開発機構、外部有識者からなる会議体をJSTに設置し、進捗状況の確認と必要に応じてその後の研究開発計画の調整を行います。

(3)研究開発課題の評価
1)中間評価
 研究開発期間が3年を超える研究開発課題については、3年目終了までに中間評価を実施します。中間評価の結果によっては、次年度以降の研究開発計画の変更、あるいは研究開発の中止を求めることがあります。
2)事後評価
 全ての研究開発課題は、研究開発期間終了後すみやかに事後評価を実施します。
3)必要書類の提出
 全ての研究開発課題について、毎年度の事業成果報告書(V.2.)等の提出の他に、必要に応じて、進捗状況の説明を求めることがあります。
III. 技術開発課題← →V. 委託契約の締結等

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