低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2019-PP-10

バイオマス廃棄物のメタン発酵(Vol.4)
—発酵槽の2段化などの合理化と水素発酵の検討—

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概要

 下水汚泥や生ごみなどのバイオマス廃棄物からメタンを生成するメタン発酵技術については、長年多くの国で実際に利用されている。また条件により水素も生成するが、メタン発酵法の合理化や水素発酵の機構について定量的検討は十分でない。

 そのためここでは国際水協会(International Water Association)のADM1(Anaerobic Digestion Model No.1)を用いて、①メタン発酵を2段連続槽で行う、②55℃の高温で行う、2つのケースについて合理化の効果を検討した。下水汚泥の場合、発酵温度を55℃の高温で発酵すると、35℃の中温発酵に対して、COD分解率は33%上昇する。発酵槽を2段の連続発酵槽で行うと、COD分解率は35℃の場合6~8%増加する。またメタン発酵を酸性域で実施すると水素が生成する。メタン発酵との組み合わせにおいて、発酵温度、pH,滞留時間などエネルギー収率を高める効果について検討した。pH酸性域での水素発酵を滞留時間1日程度で行い、その後通常の条件でメタン発酵を行うと、COD分解率は8%程度、水素とメタンのエネルギー生成量は11%程度増加する可能性がある。

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