低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2017-PP-16

エネルギー・環境分析に資する産業部門別エネルギー消費・CO2排出量データの作成

概要

 これまでにも環境産業連関表をはじめとする、産業部門別のエネルギー消費・CO2排出量データ(以下、部門別データ)を推計する研究が行われている。しかしこれらは分析者が自身の目的に応じて推計したものであり、作成のために利用したデータや作成に関する考え方が、分析の目的等によって異なっている。

 また、部門別データの推計に用いる各種政府統計には、公表年の違いや、統計データの収集に際しての産業部門のバウンダリーに関する情報の不足などの課題もある。そこで、本提案書では、毎年公表される総合エネルギー統計から部門別データの作成を行うための方法論の検討と課題の整理を行った。現行の総合エネルギー統計は、1990年から利用可能であり、新たに開発した方法論を適用することにより、同年からの時系列データとして部門別データを構築することが可能となった。この部門別データを用いることによって、応用一般均衡モデルをはじめとした、経済とエネルギー・環境の関係を定量的に分析することが可能となる。今後は同データを用いて、低炭素技術の導入・普及が将来の経済社会に与える影響分析を行い、低炭素技術がもたらす将来の経済社会シナリオを描いていく。

提案書全文

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