低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2014-PP-04

蓄電池システム(Vol.2)
—高容量化活物質を用いた蓄電池のコスト試算と将来展望—

概要

 低炭素社会戦略センター(LCS)では、性能の向上と製造コストの低減を達成するための要素技術を評価し、その技術の導入効果を定量的に明らかにする蓄電池評価システムを構築している。前年度の蓄電池に関する提案書には、蓄電池の製造工程を詳細に分析し、現状の蓄電池製造コストが17.6円/WhSTであることを示した。また、将来の技術進展を考慮し、生産規模の拡大、収率改善および高エネルギー密度化により、製造コストを概算した。

 本稿では前年度の提案書の続報として、特定の新規正極活物質(酸化リチウム系)と新規負極活物質(シリコン系)を組み合わせた電池の製品形状を規定したうえで、その性能と製造コストを定量的に評価した。酸化リチウム系正極活物質とシリコン系負極活物質の採用により、製造コストは現行活物質を用いた電池の17.6円/WhSTから2030年に5.1円/WhSTまで低減の可能性があることを示した。さらに、製造コストの解析の結果に基づき、今後の技術開発課題を示した。

提案書全文

関連提案書