三次元結晶の状態にある金属の特性は自由電子模型とバンド理論から非常によく理解・説明されてきました。一方、金属の構造を低次元化していくと、

２）一次元系において相互作用のある電子系では唯一の非Fermi液体の金属状態である朝永-Luttinger液体が現れ、電子の持つスピンと電荷の自由度が独立な素励起として振る舞うスピン・電荷分離の状態が出現します。

その他、
１）電荷密度波（CDW）およびスピン密度波（SDW）
３）一次元方向のコンダクタンスの量子化

など従来の金属には観られない興味深い物理現象が発現します。