H14年度採用研究課題名と研究者紹介
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平成13年度 平成14年度 平成15年度
荒瀬 尚 川口 寧 坂口末廣 西川喜代孝 藤永由佳子 松本 功 和田昭裕
「ウイルス感染を制御する特異的レセプター群の解明と新制御法の開発」
千葉大学大学院医学研究院 助教授
荒瀬 尚
荒瀬尚(あらせひさし)
1984年
北海道大学医学進学課程入学
1990年
北海道大学医学部卒業後、北海道大学大学院医学研究科博士課程入学し、免疫科学研究所病理部門小野江和則教授のもとでT細胞についての研究を始める。その間、成熟型胸腺細胞中にユニークな特徴を持つNKT細胞を同定した。さらに、NKT細胞が強力 なIL-4やIFN-γ 産生能を示すことを初めて明らかにし、免疫応答の制御に重要な機能を担っていることを示した。
1994年
北海道大学大学院医学研究科博士課程修了後、千葉大学医学部附属高次機能制御研究センター遺伝子情報分野助手として、斉藤 隆教授のもとで、NKT細胞やNK細胞の機能について解析を進めた。その結果、NKT細胞やNK細胞がFASを介したアポプトーシスを誘導することや、新たなT細胞としてγ δ型NKT細胞を発見した。また、リンパ球活性化分子のスクリーニング方法として、特殊なレトロウィルスcDNAライブラリーを用いたNACS法を開発し、新たなリンパ球のシグナル伝達アダプター分子であるNFAM1 をクローニングした。
2000年
日本学術振興会海外特別研究員として、サンフランシスコ(UCSF Lewis Lanier教授) でNK細胞の抗原認識機構の研究に従事した。特にNK細胞によるウィルス感染細胞の新たな認識機構を明らかにした。
2002年
千葉大学大学院医学研究院遺伝子制御学助教授
2004年2月
大阪大学微生物病研究所助教授
2006年6月
大阪大学微生物病研究所 教授に昇任
研究内容紹介

 ウィルスは様々な手法を用いて免疫防御システムから逃れる手段を獲得してきた。その一つの手段として、ウィルスは抑制化レセプターのリガンドを獲得した。つまり、 免疫細胞は自己応答性を抑えるために様々な抑制化レセプターを発現しているが、ウィ ルスはそれを巧みに利用し、宿主免疫応答を逃れている。それに対し、マウスを用いた解析より、生体は抑制化レセプターをウィルス特異的な活性化レセプターに進化させウィルス感染に対処してきたという新たな仮説を提唱してきた。同様な認識機構は ヒトを含め様々なウィルスでも認められると思われる。そこで本研究では、NK細胞等の免疫細胞によるウィルス感染細胞の認識機構を明らかにし、ウィルス等の病原体感染に対する新たな免疫防御法や治療法を開発すること目指している。
 
 
研究所リンク
大阪大学微生物病研究所 免疫化学分野
http://immchem.biken.osaka-u.ac.jp/