JST/CRDS 連続シンポジウム「様々な分野に広がるトラスト研究:総合知による取り組みへ」
第4回「Human-Robot/Agent Interactionとトラスト」

開催日程

2025年6月6日(金) 13:00~15:00

開催形態

オンライン(Zoomウェビナー)

開催趣旨

デジタル化の進展につれて、バーチャルな空間にも人間関係が広がり、AIのような複雑な技術を用いたシステムへの依存が高まり、だます技術も高度化してしまいました。その結果、デジタル社会と言われる今日において、社会におけるトラスト(信頼)関係にほころびが見られます。この問題は、自動運転車、AIエージェント、生成AI、メタバースなどの新技術・新サービスの社会受容を左右するとともに、フェイク・偽装・なりすましなどによる詐欺・犯罪の懸念を高めています。このような問題意識から、JST CRDSでは総合知による取り組みの必要性を提言し、様々な分野に広がるトラスト研究の間の分野横断的な議論・連携の機会として「連続シンポジウム」を企画しました。

その公開第4回では「Human-Robot/Agent Interactionとトラスト」をテーマとして開催します。近年のAI技術の発展も取り込んで、ロボットやエージェントの機能・対話性が高まり、人間のような振る舞い・応答も可能になりつつあります。ロボットやエージェント(擬人化されたものとは限りません)が、人間の助手や仕事のパートナーの役割を担い、人間と協働・共生するような将来社会像もしばしば描かれます。そのとき、ロボットやエージェントのような人工物と人間の間のトラスト関係はどのような形で成立し得るのでしょうか。よりよい協働・共生社会の実現に向けた課題を、トラストの観点から考えてみたいと思います。そのために、Human-Robot Interaction(HRI)、Human-Agent Interaction(HAI)、認知科学といった研究分野の専門家を招いて、今回のシンポジウムを企画しました。まず2名の専門家に講演いただき、そのあと、ディスカッサントとしてさらに2名の専門家にも加わっていただき、総合討論を行います。

プログラム

13:00~13:15 開催趣旨説明
福島 俊一(科学技術振興機構 研究開発戦略センター)
13:15~13:40 講演1:〈弱いロボット〉との相互行為における「賭け」と「トラスト」
岡田 美智男(筑紫女学園大学/豊橋技術科学大学)
13:40~14:05 講演2:Human-Agent Interactionとトラスト・信頼較正
山田 誠二(国立情報学研究所)
14:05~15:00 パネル討論
モデレータ:福島 俊一
パネリスト:講演者2名に加えて、下記2名
 植田一博(東京大学)、小野哲雄(京都橘大学)

講演概要

(1) 岡田 美智男:〈弱いロボット〉との相互行為における「賭け」と「トラスト」

自らではゴミを拾えないものの、まわりの手助けを上手に引き出しながら、結果としてゴミを拾い集める〈ゴミ箱ロボット〉、モジモジしながらティッシュを配ろうとする〈アイ・ボーンズ〉、言葉足らずな発話で懸命に思いを伝えようとする〈ブリコロ〉など、〈弱いロボット〉との社会的相互行為の周辺で生じる「賭け」や「信頼」に着目し、そのトラスト形成のプロセスやお互いの主体性・創造性を損なわない程度にゆるく依存しあったコンヴィヴィアルな関わりについて議論したい。

(2) 山田 誠二:Human-Agent Interactionとトラスト・信頼較正

これまで工学において行われてきたトラスト研究である「信頼工学(Trust Engineering)」におけるトラスト、適正トラストの概念および適正トラストの維持を意味する信頼較正(Trust Calibration)について説明する。そして、Human-Agent Interaction(HAI)とそれらの関係について触れる

参加申込方法

  • 事前登録制(参加無料)
    こちらの 「参加登録受付フォーム」からご登録ください。
  • 参加登録受付期限:2025年6月5日(木) 13:00

主催

国⽴研究開発法⼈科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)

問い合わせ窓口

E-mailアドレス 福島 俊一(JST CRDSフェロー)