No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
41 |
マグネシウム合金の耐食性コーティング方法の開発 |
佐伯 功 |
室蘭工業大学 |
石坂 淳二 |
室蘭工業大学 |
本研究はマグネシウム合金の耐食性コーティング手法の開発を目的として行う。同合金は軽量かつ高比強度なためモバイル機器を中心に適用が拡大しているが、 大気中でも容易に腐食することが問題であり、ピンホールのない完璧なコーティングが必要である。現在のコーティングはピンホールをなくすために数10ミク ロンの膜厚を必要としているが不経済なため、本研究は厚さ10ミクロン以下でピンホールレスのコーティングを開発する。 |
107 |
光応答スイッチング機能を有する新規高分子の開発 |
中野 環 |
北海道大学 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
本研究は、光に応答してコンホメーションのスイッチングを起こす新規ならせん状光学活性ビニルポリマーの合成を目的とする。新規ポリマーは光照射により顕著なキラルコンホメーションの変化を起こし、光応答スイッチング機能を有する高分子材料へと応用できることが期待される。我々は、光によって高効率な高次構造変化を起こす新規高分子化合物の創成を目指している。 |
121 |
強磁性ナノ接合を用いた熱電高変換効率材料の開発とその応用 |
海住 英生 |
北海道大学 |
蛸島 武広 |
北海道大学 |
本研究課題では強磁性ナノ接合を用いた熱電高変換材料の開発を行い、実用化への可能性を明らかにすることを目的とする。 |
144 |
3次元Si貫通配線のための新規成膜手法の開発 |
武山 真弓 |
北見工業大学 |
有田 敏彦 |
北見工業大学 |
Si-ULSIのさらなる高集積化に、チップを3次元的に積層する実装技術が注目されている。中でも、積層チップ間を最短距離でつなぐSi貫通ビア配線の実現が鍵となるが、200℃以下で貫通電極を作製するプロセス開発が必須となる。現状ではこの要求を満足できるプロセスも材料も存在しないが、研究者は200℃程度以下のプロセスで貫通電極を実現できる新たな成膜技術と新規バリヤ材料を開発し、実用化に向けた装置化の基礎的部分を検討する。 |
167 |
CVD法による酸化チタン修飾シリカ繊維の調製と高性能光触媒への応用 |
長谷川 章 |
八戸工業高等専門学校 |
佐々木 健一 |
八戸工業高等専門学校 |
酸化チタンに代表される光触媒は、その強力な酸化作用を利用して悪臭の分解、抗菌、防汚などに利用される。本課題は、さきに代表研究者らが空気浄化機への製品化に成功した「角柱状酸化チタン」光触媒に関する新しい知見をもとに酸化チタン薄膜の積層によって極めて高活性な光触媒の合成を目指すものである。具体的には化学気相成長(CVD)法の手法によりシリカ繊維表面を酸化チタンで修飾し、極めて微量の酸化チタン担持量で高い光触媒活性を目指すものである。 |
169 |
耐熱性を有するバイオマス由来電気絶縁材料の開発 |
信山 克義 |
八戸工業大学 |
安保 繁 |
(財)21あおもり産業総合支援センター |
電気絶縁材料に使用される汎用プラスチックは枯渇資源である石油を原料としているため、資源循環型の材料開発が望まれている。そのような中、バイオマス資源を原料とし、生分解性を有するポリ乳酸(PLA)が注目されている。PLAは、常温において汎用プラスチックに匹敵する高い絶縁性能を示すが、摂氏60 度付近より高温になると絶縁性能が低下する問題がある。そこで、本研究においてPLA の物性改良を行い、PLA に耐熱性を付与しつつ高温下でも高い絶縁性能を有する新規PLA を開発することを目標とする。 |
231 |
書換消費電力の低減を目指した「PRAM用:新規Ge-Cu-Te合金」相変化材料の開発 |
須藤 祐司 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
次世代不揮発性メモリとして、コスト・集積度面で有利な相変化メモリ(PRAM)が注目を浴びている。PRAMは高抵抗アモルファス相と低抵抗結晶相の抵抗差を利用して情報を記録するメモリでありジュール熱を利用し相変化させる。現在PRAM材料として、Ge-Sb-Teが研究の主役となっているが、書換電力が高い課題を有する。本研究では、書換電力低減を可能とする低融点・高結晶化温度を併せ持つ新規相変化材料を開発する。 |
254 |
微小磁気抵抗素子のダイオード機能を利用した高感度検波素子の開発 |
永沼 博 |
東北大学 |
大野 健一 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
スピントランスファートルク(STT)現象はマイクロ波の検波に利用できることが期待される。現在、マイクロ波帯域の電波の検出(検波)には半導体ダイオードが広く用いられている。磁性検波素子の検波能力が上回るためには、STT現象が誘起される直流印加電圧の低下、低抵抗化、高磁気抵抗比化などが課題となる。本申請は種々の課題を解決するアイディアを提案し、半導体検波素子を上回る2乗検波特性を示す磁性体検波素子の作製を目指す。 |
268 |
希薄磁性透明導電膜を用いた環境調和型光アイソレータ材料の開発 |
山根 治起 |
秋田県産業技術総合研究センター |
高橋 慎吾 |
秋田県産業技術総合研究センター |
本研究では、人体に有害な物質を含まない環境調和型の高性能・短波長光アイソレータ材料の開発を目的とする。短波長光アイソレータとして実用化されている希薄磁性半導体はCd等の有害物質を含み、一方、希土類イオンを含有する磁性ガラスは、磁気光学性能が小さい為、素子の小型化・簡素化といった点で問題がある。本研究では、希薄磁性透明導電膜を用いることで、希薄磁性半導体と同程度すなわち従来の磁性ガラスに比べて10倍以上の性能を有する高性能磁気光学材料の開発を目指す。 |
294 |
ゴム電池およびゴムキャパシタの高出力化技術の開発 |
立花 和宏 |
山形大学 |
長谷川 宏哉 |
山形大学 |
折り曲げ自在という特異な利点を有する「ゴム電池」の実用化に取り組む。特に、実用化に向けた高出力化のための課題である電池の内部抵抗を低減するため、セパレータゴムに添加する最適な固体電解質の特定と混練条件を明らかにする。それらを通じ、非接触電源供給タイプのICカードなどのディスプレイ駆動の電源などへの応用を検討する。 |
298 |
シルセスキオキサン・チタニア微粒子を基盤とした高屈折率透明樹脂の開発 |
森 秀晴 |
山形大学 |
山口 一良 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
本研究では、可溶性で一次粒子の凝集が起こらない特殊なナノ粒子であるシルセスキオキサン・チタニアハイブリッド微粒子の合成を基盤とした次世代型高屈折率透明樹脂の開発を目指す。近年、無機系のナノ粒子をポリマーに分散させ、高透明化、精密屈折率制御などの究極的特性の獲得を目指した研究が盛んに行われているが、通常一次粒子の凝集を抑制させナノスケールで均一分散させることは困難であった。本研究では、可溶性ハイブリッド微粒子のナノ分散に起因する樹脂の透明高屈折化技術の獲得を目指す。 |
300 |
発光特性および加工性に優れた新規シロキサン系高分子材料の開発 |
根本 修克 |
日本大学 |
松岡 義人 |
日本大学 |
本研究では,優れた発光特性を有する芳香環部位をポリシロキサン主鎖中に有するポリ(シルアリーレンシロキサン)誘導体の合成を行うことにより,発光特性に優れ,高いガラス転移温度を有する加工性にも優れた新規シロキサン系高分子材料の開発を行う。さらに,シロキサン系高分子材料が生物学的に不活性であるという利点を利用し,芳香環上にイオン性基を導入し,生体内センサーなどにも応用が可能な水溶性光機能性高分子材料の創製へと展開する。以上のように本研究は,芳香族化合物の特性とポリシロキサンの特性の相乗効果による機能性高分子材料の高機能化を企図するものである。 |
344 |
偏光応答性記録媒体への三次元光情報記録装置の試作 |
茨田 大輔 |
宇都宮大学 |
小野 明 |
宇都宮大学 |
本研究は、偏光応答性記録媒体に、三次元的に光学異方性パターンを形成させ、高い記録面密度を実現しうる光情報記録装置の作製を目的とする。記録光として、青色レーザー光を用い、平行配列型液晶空間光変調器と波長板、ファラデー回転子を組み合わせることによって、任意の空間的な偏光パターンを生成させる。その偏光パターンを偏光応答性記録媒体に複数回照射することにより、三次元的な光学異方性パターンを形成させる。 |
387 |
目視で検出可能な新規有機ゲル型放射線量計 |
太刀川 達也 |
埼玉大学 |
角田 敦 |
埼玉大学 |
放射線に対して高い感度で発色し、また、有機ゲル化剤としての機能を併せもつカラーフォーマーゲル化剤を種々合成し、ゲル化能の向上、及び、放射線に対する発色感度の向上を目指す。そして、有機ゲルが深さ方向での情報検出が可能であることから、放射線強度の3次元的な検出が可能であることに着目して、重粒子線や電子線などの平面的な照射強度分布と三次元的に深さ方向の強度分布を検出する手段を提供する。 |
392 |
ガラス封止希土類錯体を用いた高効率波長変換薄膜の開発 |
鎌田 憲彦 |
埼玉大学 |
東海林 義和 |
埼玉大学 |
Si太陽電池の吸収は400nmより短波長の紫外域では低い。一方Eu錯体はこの紫外光を吸収して高効率な赤色光を生じるが、水や酸素に対する耐性が低い。そこでEu錯体をゾルゲル法によりシリカ骨格で覆い、水や酸素から封止する。さらに可視光の散乱損失を防ぎながら透明樹脂に均一分散して波長変換薄膜を作製し、Si太陽電池の表面に設置して未利用の紫外光を赤色光に変換し、太陽電池の内部量子効率改善に寄与する。 |
393 |
糖鎖−シロール複合材料を用いた迅速かつ簡便なウイルス・微生物類の検出法の開発 |
幡野 健 |
埼玉大学 |
東海林 義和 |
埼玉大学 |
感染症の原因となるウイルス"微生物の分泌する毒素の検出には、感染拡大を最小限現に止めるため、安価"迅速"簡便な方法が望まれている。本課題は、ウイルス"毒素に対し特異的認識能を有する糖鎖および凝集状態によりフォトルミネッセンス(PL)強度が変化するシロール基を併せ持つカルボシランデンドリマー群を用い、そのPL強度によりウイルス等を検出する安価"迅速"簡便な新しい検査方法の開発を目指すものである。 |
396 |
色素増感型有機太陽電池用機能性色素の合成開発 |
石丸 雄大 |
埼玉大学 |
東海林 義和 |
埼玉大学 |
本研究では、次世代太陽電池として注目されている色素増感型太陽電池用色素として、フタロシアニンを基本骨格にした新規機能性色素の合成を行う。本申請で提案した機能性色素は、今まで一般的に利用されていた色素増感型太陽電池用色素と比べ吸収範囲を約3倍に広げることができ、光電変換効率を今までの約1.5倍(10%超)にすることを目標とする。 |
458 |
ナノ微粒子-ポリマーコンポジットを用いたホログラフィック光メモリ材料の開発 |
富田 康生 |
電気通信大学 |
須藤 慎 |
株式会社キャンパスクリエイト |
本研究は申請者が世界に先駆けて開発した新規ナノ複合材料を用いて、ホログラフィック光メモリのための高性能な光記録メディアを実現することを目的とする。フォトポリマー中にナノ微粒子を一様分散させたフィルムへのホログラフィック露光によりナノ微粒子を暗部へ移動させ、ホログラム多重記録を行う。本研究では高屈折率変調かつ低重合収縮率の熱的安定性に優れた実用に耐えうるホログラフィック光記録メディアの開発を目指す。 |
465 |
電子注入型水溶性ポリチオフェン誘導体の開発 |
道信 剛志 |
東京工業大学 |
上羽 良信 |
東京工業大学 |
有機エレクトロニクスデバイスの正極代替または正孔注入材料として水溶性ポリチオフェン誘導体(PEDOT-PSS)の開発が進んでいる。ウェットコーティングで製膜可能であると共に、有機溶媒可溶の導電性高分子を多層コーティングできる利点が大きい。本研究では、ウェットプロセスのみでの低コストデバイス作製法の確立を目指し、負極代替あるいは電子注入層として応用可能な水溶性ポリチオフェン誘導体を開発する。 |
483 |
導電性高分子ナノファイバーを用いた透明導電不織布の開発 |
下村 武史 |
東京農工大学 |
田中 公 |
東京農工大学 |
析出法により作製した太さ10nmオーダーの導電性高分子(ポリアルキルチオフェン)ナノファイバーを用いて、透明性および導電性を有する不織布を開発する。極細のナノファイバーを低密度かつ極薄に成形した不織布は、高い空孔率と二次元に広がった導電経路を有するため、この問題の解決が期待される。高い柔軟性と加工性を有することから、フレキシブルタッチパネルなどへの応用を目指す。 |
505 |
生体組織イメージングのためのイオン化支援磁気ナノ微粒子の開発 |
一柳 優子 |
横浜国立大学 |
西川 羚二 |
横浜国立大学 |
遷移金属を含むナノメートルサイズの磁気微粒子を生成し、これらのイオン化支援機能を探索する。本磁気ナノ微粒子をイオン化支援剤のマトリックスとして用いることにより、従来では検出不可能であった質量領域におけるイオン化を実現させるとともに、質量分析スペクトルの高分解機能化をはかり、高解像度の分子イメージングへの発展を目指すことを目的とする。これまで不可能であった生体分子などの詳細な分布を得るための画期的なツールとなることが期待できる。 |
506 |
金属コーティングナノワイヤーの作製とその太さと屈折率の測定技術の開発 |
但馬 文昭 |
横浜国立大学 |
西川 羚二 |
横浜国立大学 |
100nm程度の太さでcmオーダーの長さの誘電体ナノワイヤーに金、銀等をコーティングすることで100nm程度の外径の金属コーティングナノワイヤーを作成し、それにレーザー光を当ててできる散乱光の強度の角度分布を測定することにより、コアとクラッドの直径と屈折率を決定する方法を開発する。精度目標は、コア径・屈折率が±10%程度、外径が±15%程度、クラッドの複素屈折率が実部虚部とも±20%程度である。 |
532 |
高品質へテロエピタキシャルダイヤモンドを用いた放射線センサの試作 |
澤邊 厚仁 |
青山学院大学 |
雨森 千恵子 |
(財)神奈川科学技術アカデミー |
ダイヤモンドは耐放射線性に優れ、構成元素が炭素である事から人体に近いエネルギー特性を有する携帯可能・リアルタイム放射線センサ用材料として期待されている。本課題では、本学のオリジナル技術であるヘテロエピタキシャルダイヤモンドを用いた放射線センサの試作を行なう。ヘテロエピタキシャルダイヤモンド厚膜(100μm以上)の成長面近傍の低欠陥部分を使用し、さらに電極構造の検討を通じて高い収集効率(60%以上)の実現を目指す。 |
533 |
次世代固定照明用透明蛍光体ナノ粒子の開発 |
冨田 恒之 |
東海大学 |
篠崎 文明 |
(財)横浜企業経営支援財団 |
LED固体照明用無機蛍光体として従来達成されていない、高い量子効率をもち、同時に光散乱を起こさなくなる微粒子蛍光体を合成する。その手段として、粒子サイズの制御を得意とする、化学的溶液反応を用いた均一沈殿法を選択する。焼成を経ず溶液中で直接的に蛍光体粒子を合成することで、蛍光取り出し効率の良い粒子サイズを有し且つLED励起光により発光可能な高い内部量子効率を併せ持つ蛍光体の合成を行う。 |
540 |
NiNbSnによる新熱電変換材料の開発と評価 |
ブンダリッヒ ビルフリド |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
従来の熱電交換材料の代表的なものは、ゼーベック定数+/-0.2〜0.4mV/Kである。しかしこれらは熱伝変換効率があまり高くないこと、毒性などの問題がある。シミュレーションなどによるマテリアル・デザインなどの新しい手法を活用し、従来の熱電変換材料に代わるものを提供することを目的にしている。特徴としては、毒性かフリーであること、高温度域でもしようできること、高い熱伝変換効率を期待できることである。 |
579 |
触媒反応を用いた高誘電率酸化物薄膜作製手法の開発 |
安井 寛治 |
長岡技術科学大学 |
入澤 壽逸 |
長岡技術科学大学 |
MOSトランジスタのゲート酸化膜やフラッシュメモリーのフローティングゲート上層間絶縁膜は、薄層化によりリーク電流の増大やデータ保持特性の劣化等の問題に直面しており、高誘電率絶縁膜の適用が必須となっている。本研究課題は、金属触媒体と酸素原料の組み合わせによる高効率触媒反応を用いて、次世代ULSIやフラッシュメモリー用高品位高誘電率絶縁膜を作製出来る技術を構築することを目的とする。 |
580 |
室温で動作する全半導体トンネル磁気抵抗素子の研究・開発 |
内富 直隆 |
長岡技術科学大学 |
入澤 壽逸 |
長岡技術科学大学 |
II-IV-V2多元系半導体であるZnSnAs2に磁性原子Mnを添加したMnドープZnSnAs2薄膜は、室温で強磁性を示しインジウムリン基板に格子整合することから半導体スピントロニクス材料の候補である。本研究では高品質な薄膜形成を実現するためにMnドープZnSnAs2薄膜の結晶成長条件と薄膜物性について調べ、その結果に基づいて、非磁性ZnSnAs2膜とMnドープZnSnAs2膜を組み合わせたすべて(全)半導体で構成されるトンネル磁気抵抗素子の開発を行い、室温動作の可能性を調べる。 |
583 |
パルス細線放電法による銀ナノ構造体開発と異方的導電材料応用 |
末松 久幸 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
気体中での高効率微粒子作製法であるパルス細線放電を活用し、液中パルス細線放電によりμmサイズの三角形、六角形あるいはひも状の銀ナノ構造体作製法の開発を行う。通電電流パルス幅や、液体の分子および温度を変化させての液中パルス細線放電実験を行い、この相、微構造、核形成および成長メカニズムを明らかにする。最後に、この銀ナノ構造体を活用し、異方性導電体等として利用可能なコロイド・スラリー化手法構築を目指す。 |
603 |
In, Gaを用いない紫外透明電極によるUV-ELの開発 |
喜多 正雄 |
富山工業高等専門学校 |
定村 誠 |
富山工業高等専門学校 |
水銀を用いない全固体の紫外エレクトロルミネセンス(UV-EL)は広い面積に照射可能な紫外光源である。UV-ELの表面電極には紫外透明導電性材料が必要であるが、これらにはInやGaなどのレアメタルが使用されていることが多い。資源が豊富な酸化亜鉛と酸化亜鉛類似構造の酸化物半導体の混晶を用いることにでバンドギャップを制御した紫外透明電極を作製し、UV-ELの開発を行う。 |
647 |
π共役高分子のキラル会合体形成を利用した高感度キラリティーセンサーの開発 |
前田 勝浩 |
金沢大学 |
分部 博 |
金沢大学 |
分子認識部位を導入したポリチオフェンやポリフェニレンエチニレン等の新規な光学活性π共役高分子を合成し、その貧溶媒存在下におけるキラル会合体形成を標的光学活性体との非共有結合相互作用を介して制御することにより、分光学的および視覚的変化をプローブにした簡便かつ高感度な新規キラリティーセンサーの開発を行う。 |
668 |
空気中安定な有機トランジスタの開発 |
藤原 明比古 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
山本 外茂男 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
柔軟性や耐衝撃性にすぐれている有機トランジスタは、ユビキタス社会の電子デバイスとして期待されているが、空気中での動作不安定性と低い性能(移動度)が応用上の問題となっている。本研究では、研究代表者が有する2つの技術、高移動度トランジスタ作製技術(平成20年度発掘試験)と大気中安定なトランジスタ作製技術を融合し、大気中安定で実用レベルの性能を有する有機トランジスタの開発とその有効性の実証を行う。 |
686 |
伸縮性電極層による高分子複合電極の創製と化学アクチュエータへの応用 |
庄司 英一 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
イオノマーと導電層からなる複合膜電極は、低電位動作による安全性や比較的安定に繰返し作動する化学アクチュエータとして、特に実用的可能性ある化学アクチュエータの一つとして重要である。本研究では①従来の直接メッキ法によるアクチュエータの高性能化の検討と、②直接メッキに替る電極層の接合導入法の検討を進める。後者では伸縮性かつ導電性に優れる電極材をイオノマー膜に一段階で接合する方法よりアクチュエータを創製し運動性能を見極める。 |
695 |
100kWパルス短ミリ波源の実証・開発 |
斉籐 輝雄 |
福井大学 |
巽 信夫 |
福井大学 |
本課題では、代表研究者がシーズを持っている高周波ジャイロトロン技術を基盤にして、短ミリ波パルス電磁波源を開発する。開発目標は、周波数約200 GHz、出力100 kW以上で数μsから数10μsのパルス幅、数10 Hzから数100 Hz以上の高繰り返しの高出力パルス短ミリ波源の実現である。これにより、電磁波加熱の手法による新機能性材料開発、短ミリ波応用計測装置を開発する上でもっとも基盤となる技術シーズを確立する。 |
712 |
高効率二光子吸収色素による光制限材料の開発 |
小川 和也 |
山梨大学 |
還田 隆 |
山梨大学 |
本試験では研究者がこれまでに開発してきた世界最高性能の二光子吸収色素を優れた新材料へ応用し、強い光の透過を制限する新規な光制限材料の開発を推進する。光制限材料は光センサーや肉眼を強い光から保護する材料であり、新しい用途・産業が見出されるものと大いに期待される。本提案では、大きな非線形光学効果が期待される各種候補材料の組み合わせについて光吸収特性を測定することで、詳細な材料設計指針を策定することを目標とする。 |
713 |
プラズマ支援分子線エピタキシ法形成ZnOナノ薄膜トランジスタの開発 |
村中 司 |
山梨大学 |
還田 隆 |
山梨大学 |
プラズマ支援による高効率な酸素ラジカルを利用した『プラズマ支援分子線エピタキシ(PAMBE)法』と呼ばれる成長技術を用いて、スパッタ法よりも薄く、かつ、低温で、膜厚を精密に制御することで、薄膜トランジスタ(TFT)等に適するZnO膜を形成する技術である。本提案では、成膜パラメータと膜の結晶性について詳細検討・最適化するとともに、膜の構造および電気的特性を測定して、TFTに好適な成膜条件を検討する。 |
718 |
(110)面を有するIV族歪みヘテロ薄膜の素子応用 |
有元 圭介 |
山梨大学 |
還田 隆 |
山梨大学 |
シリコン中の正孔移動度の向上を目的とした、(110)面上への歪みSi薄膜形成プロセスの改善に関する提案である。Si(110)面の活用及び歪み印加の効果を更に高めることにより、高正孔移動度の達成を目指す。これまでの研究成果を基礎に、さらなる移動度向上を実現するため、表面ラフネス改善プロセスの最適化などを行う。これにより、Si-CMOSデバイスの高速化を目指す。 |
719 |
高導電性・高透明性PEDOT/PSSナノ薄膜のタッチパネルへの応用 |
厳 虎 |
山梨大学 |
高田 誠 |
山梨大学 |
従来、タッチパネル用の透明電極にはインジウム・スズ酸化物(ITO)が使われているが希少金属であるインジウムが2011年で枯渇する恐れがある。そこで現在、導電性高分子のPEDOT/PSSをITO代替電極としたタッチパネルの開発が精力的に行われている。本研究では、我々がH20シーズ発掘試験を通じて開発した高導電性・高透明性PEDOT/PSSナノ薄膜のタッチパネルへの適用を検討しITOの完全代替を目指す。 |
722 |
超臨界流体を用いたサブナノ級薄膜細孔解析技術の開発 |
近藤 英一 |
山梨大学 |
菅原 幸雄 |
山梨大学 |
超臨界流体の細孔への高い浸透性を利用して、測定物質から反射する光の偏光パラメータが流体の細孔への浸透とともに変化することを計測して、測定物質の細孔体積や分布を計測する技術で、薄膜中のサブナノ級細孔の評価が可能である。本提案課題では、超臨界流体の揺動や高圧セルの窓材が偏光情報に及ぼす影響を抑制・補正し精度を高く測定するための技術の開発、ならびに細孔評価のための計測条件の系統的検討を行う。 |
779 |
広色域で発光色を変えられる有機化合物の開発 |
坂尻 浩一 |
岐阜大学 |
荒賀 年美 |
岐阜大学 |
本課題では、単一分子のみで広い可視域にわたって発光色を制御することができる有機化合物を開発する。当該化合物は媒体に応じて超構造を変化させることにより、様々な発光色を呈するので、電子デバイス製造のコスト削減やプロセスの簡略化などに有効であり、また新しい機構のデバイスを出現させ得る。具体的には、適当な置換基を導入したスター型フェニレンエチニレンの超構造と発光色の媒体依存性を検討し、最適な分子構造を見出す。 |
780 |
インドリン色素の高度な配列制御による色素増感太陽電池の高性能化 |
松居 正樹 |
岐阜大学 |
荒賀 年美 |
岐阜大学 |
酸化亜鉛を半導体基板とした色素増感太陽電池用インドリン色素の配列を制御して変換効率8% (現在は6.24%)を達成する。有機色素のうちで最も変換効率の高いダブルロダニンインドリン色素 (D149)は、インドリン部位に2箇所の不斉中心を有する。そのため、半導体基板上での配列はラセミ対を形成すると考えられ、この相互作用が励起状態を消光し、変換効率を低下させる。この欠点を打破するため、色素の合成過程で光学分割したエナンチオマーのみを用い、半導体基板上での色素の配列を飛躍的に向上させる。 |
807 |
π共役有機半導体による単一光子発生器の開発 |
阪東 一毅 |
静岡大学 |
伊藤 悟 |
静岡大学 |
光子には相互作用がないため、長距離を伝播しても量子状態が保持されやすく、量子情報通信に適している。特に光子で量子もつれ状態を生成し、原理的に盗聴不可能な量子暗号通信技術がすでに実証されてきている。これには単一光子発生技術が必要であるが、現在研究開発が主流となっている無機半導体に比較し有機材料で実現された場合、材料設計の自由度・簡易な製造工程・材料のフレキシブル性など、アドバンテージは極めて大きい。このような有機半導体材料による単一光子発生器を実現する。 |
814 |
紫外域にシャ−プな吸収特性をもつ有機系光分解性材料の開発 |
坂本 健吉 |
静岡大学 |
杉山 登英 |
静岡大学 |
本研究は、類例が無いほどシャープな吸光特性と光分解性を持つ新規なケイ素系材料について、ナノサイズ光加工性材料としての可能性を検討する。本材料は、ケイ素原子を鎖状に連結させたオリゴシランが基礎的な骨格であり、ケイ素鎖に導入した置換基の効果により多数の分子鎖を集積配列させて、極めて狭い吸収波長特性を発現させる。また、吸収波長を分子の構造制御でシフトさせることができる点も特徴的である。 |
818 |
レーザーアニール低温結晶化技術による高性能フレキシブル圧電体フィルムの開発 |
脇谷 尚樹 |
静岡大学 |
藤田 武男 |
静岡大学 |
研究者がこれまで開発してきたRFマグネトロンスパッタリング法による300℃以下におけるPtおよびLaNiO3酸化物電極の結晶化技術と、エキシマレーザー照射を用いたレーザーアニール法を組み合わせることにより、300℃以下での圧電体(PZT)薄膜の結晶化技術を応用し、300℃以下の温度で耐熱性を有するポリイミドフィルム上にこれらの材料を制膜することにより、フレキシブル素子としての機能を実証するものである。 |
819 |
ZnO量子ドット薄膜を安価でかつ大量に作製する新規プロセスの開発 |
小林 健吉郎 |
静岡大学 |
鈴木 孝典 |
静岡大学 |
本研究は、ZnOの気相薄膜堆積プロセスにおいて、基材となる有機物の特異吸着により形成される多数のZnOナノクリスタルを量子ドットとする、簡便な量子ドット作成手法の確立に関するものである。得られたZnO量子ドット薄膜を発光層とする紫外線LEDを作製する。正孔注入のp型ZnO,電子注入のn型ZnOを100℃以下でプラスチックス基板上に堆積させることにより、フレキシブルな大面積LEDディスプレイを作製する。 |
821 |
有機薄膜太陽電池用新規高性能ドナー・アクセプター材料の開発研究 |
融 健 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
大森 茂嘉 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
住宅、自動車、店舗、携帯電話などの装飾性を兼ね備えた次世代電池として有望である有機薄膜太陽電池は、まだ光電変換効率が低く、実用化の為には効率的な光電変換能を実現するドナーおよびアクセプター材料の開発が急がれる。代表研究者は、これまでに得た有機薄膜太陽電池の技術結果をさらに発展させ、分子間相互作用を考慮した独創的な新しいドナーおよびアクセプターを合成し、実用化が期待できる高性能有機薄膜材料の開発を行う。 |
883 |
ナノ構造・酸化物半導体を用いた高感度フォース・センサーの開発 |
市川 洋 |
名古屋工業大学 |
小澤 理夫 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
半導体材料に歪みを加えて発生する導電率変化(ピエゾ抵抗効果)は、半導体をロッド形状に加工し、長手方向に力を印加することで、格段に増大することが期待される。本課題では、半導体として酸化亜鉛(ZnO)を用い、そのナノ・ロッド群を上下電極で挟み込んだ構造のフォース・センサー開発を構想しており、センサーに高感度性を与え、基体形状に依らずセンサーの大面積化を可能にする要素技術の確立を行う。 |
891 |
Bi2Te3系を代替するホイスラー合金系ペルチェ素子材料の開発 |
西野 洋一 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
熱電冷却に利用されているBi2Te3系ペルチェ素子材料は、希少金属のBiやTeのほかに毒性の強い元素Seの添加が不可欠である。Bi2Te3系に替わる環境調和型熱電材料としてFe2VAl系ホイスラー合金に注目した。この合金はフェルミ準位付近に鋭い擬ギャップを形成することが特徴であり、熱電発電モジュールを試作してその効果を確認した。本研究では、擬ギャップ構造を改造してゼーベック係数の増大を図り、さらに元素置換の方法により熱伝導率の大幅な低減を達成して性能向上を目指す。 |
895 |
ホウ素錯体を組み込んだn型半導体の製造方法 |
小野 克彦 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
高度情報化社会の実現に向けて、安価で柔軟性をもつ有機電界効果トランジスタが注目されている。これまでに様々な有機半導体が開発されてきたが、高移動度を示すn型半導体は少ない。また、合成に際してコストが高く、高度な技術も必要とされる。そこで、ホウ素錯体を有機パイ電子系に組み込んだn型半導体の開発を行う。この錯体合成法は簡便であり、多様な分子構造に適用が可能である。この製造法を用いて高性能なn型半導体を開発し、有機トランジスタの実用化への見通しを得る。 |
926 |
元素置換材料を用いた超伝導体/誘電体複合型新規検出器の開発 |
井上 真澄 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
生体内の多種同位体の同時検出は医療・農業等の生体を扱う分野で非常に有効である。その検出効率および検出限界の向上に向け、簡易冷凍機での数Kで使用でき、現在使われている半導体検出器に比べ高感度で高エネルギー分解能を有する超伝導体/誘電体複合型放射線検出器を開発を目指す。本研究では、超伝導体と誘電体の特性変化を利用するこの検出器の基礎研究として、元素置換により特性を制御した誘電体薄膜および超伝導/誘電体積層共振器構造の作製技術を確立する。 |
927 |
緑および赤色発光を同時に示す希土類添加酸化物による白色LED用蛍光体の開発 |
吉野 正人 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
白色LEDに用いるための、青色励起で緑および赤色発光を示す、もしくは近紫外励起で三原色それぞれの発光を示す酸化物蛍光体の開発を目指す。作製条件および希土類イオン濃度によって変化する緑および赤色発光の強度比の制御、希土類イオンの吸収帯の青色〜近紫外域へのシフト、また、近紫外励起によるホストの青色発光、についての知見を、系統的な試料作製および発光・励起スペクトルの測定により得ることを目標とする。 |
959 |
歪み超格子半導体スピン偏極電子源の効率向上による小型・高性能化 |
竹田 美和 |
名古屋大学 |
野崎 彰子 |
名古屋大学 |
これまで開発してきたスピン偏極電子源は、励起光源にTi:Sapphireレーザーを必要とし、大型・高価で汎用性に欠ける。小型・低コスト化には、小型半導体レーザーで同等の性能を達成する必要がある。それには、フォトカソードのバンドチューニングと高量子効率化が鍵となる。そのため、半導体レーザー光の波長域で励起されるように、超格子構造の再設計によりバンドチューニングを行い、さらに、歪み補償型超格子の採用により結晶を高品質化することで量子効率を向上させ、これにより、汎用性の高い小型高量子効率スピン偏極電子源を実現する。 |
961 |
気相原料供給型溶液法によるSiCバルク結晶成長 |
宇治原 徹 |
名古屋大学 |
野崎 彰子 |
名古屋大学 |
パワーデバイス材料として期待されるSiCは、高品質結晶の成長が難しく、高コスト等の問題もある。近年、従来の昇華法に代わる方法として、高品質結晶育成に向いている溶液成長法が検討されている。溶液法は、これまで成長速度が遅いという問題が指摘されていたが、それについては溶媒への元素添加により目処がつきつつあり、いよいよ大型結晶化が現実味を帯びてきた。本研究は大型結晶化から量産へ向けて必須となる連続成長の課題を解決するものである。 |
973 |
高効率ポーラスSiC蛍光基板の開発 |
上山 智 |
名城大学 |
松吉 恭裕 |
名城大学 |
黄橙色のドナー・アクセプタ・ペア発光が可能であるNおよびBが添加された6H-SiC結晶を用い、陽極酸化によるポーラスSiCを作製技術を確立して、青色から緑色にかけての短波長蛍光材料の高効率化を行う。本課題では特に、結晶の平均サイズを制御する陽極酸化技術と、発光効率を支配する表面準位低減のためのパッシベーション技術に重点をおいて研究を実施する。 |
997 |
非極性窒化アルミニウム基板作製技術の開発 |
三宅 秀人 |
三重大学 |
新原 英雄 |
三重大学 |
深紫外領域をターゲットとしたAlGaN系の発光・受光素子への期待が高まっているが、その基板としてAlN基板結晶が強く求められている。本研究では、発光・受光効率の高い素子構造を実現するため、非極性面であるa面およびm面AlNの厚膜成長を、HVPE法を用いて行い、その基板作製技術の開発に繋げる。HVPE成長で用いる下地結晶には、AlNと格子定数が近く、かつ市場で入手可能である6H-SiCを用いる。また、下地結晶の剥離などにより、自立基板を作製可能な技術を開発する。 |
1008 |
高輝度擬似赤色発光ダイオード用の高輝度赤色蛍光体の開発 |
和田 憲幸 |
鈴鹿工業高等専門学校 |
澄野 久生 |
鈴鹿工業高等専門学校 |
現在、高輝度発光ダイオードが電車時刻表、看板などの電光掲示板、信号機などに多用されている。しかしながら、大部分の色覚障害者にとっては、赤色発光ダイオードがいくら高輝度であっても、発光波長幅が狭いことから視覚し難いという社会生活上の課題がある。本研究では、高輝度、ブロードな赤色蛍光を示すマンガンイオン含有ガラス蛍光体のガラス組成を設計し、蛍光波長650 nm、内部量子効率40%程度の高輝度擬似赤色発光ダイオード用の赤色蛍光体の開発を目指す。 |
1022 |
サファイア基板を要しない窒化ガリウム局所形成を行なう新プロセスの開発 |
柳澤 淳一 |
滋賀県立大学 |
安田 昌司 |
滋賀県立大学 |
本研究では窒化シリコン(SiN)薄膜が形成された基板に低エネルギーGaイオンを注入して表面付近に窒化ガリウム(GaN)を形成し、これを結晶成長の種として用いて通常の有機金属化学気相成長を行うことで、GaN層をSiN薄膜上のGaイオン注入領域にのみ成長させるプロセスの開発を目指す。Gaイオン照射・未照射表面におけるGaN選択成長が完全に実現でき、GaNの結晶性を改善するための成長条件の最適化について検討を行う。 |
1043 |
ナノサイズメソゲン基制御による新規液晶性電気粘性(ER)流体の合成と評価 |
中村 尚武 |
立命館大学 |
松田 純 |
立命館大学 |
均一系電気粘性(ER)流体としての液晶を研究対象とする。その際、ER効果は試料の分子量や分子構造に関連するとの立場から、分子量を視野に入れ、分子構造としては側鎖型液晶性高分子の側鎖部分の結合様式を変化させることにした。主鎖は出来るだけ柔軟に、また、側鎖の結合様式はネマチック相の発現を考慮する。得られた複数の試料について、ニートおよび混合系についてER効果の測定と評価を行う。 |
1075 |
プラズマ配向カーボンナノチューブ大面積成長装置の開発 |
林 康明 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究ではプラズマと基板の間に形成される強いシース電界を利用して、CVD(化学気相堆積)法によりカーボンナノチューブ(CNT)を自立させながら、大面積基板上に垂直に配向成長させる技術・装置を開発する。これまで、大面積化が可能な“RF支援DCプラズマCVD法”を開発し、予備実験において7cm角の基板上全面に自立配向したCNTを成長させることができている。本研究では、先鋭なCNTからの電界電子放出を利用したディスプレイ、キャパシタ、X線発生装置などへの応用を目指して、20cm角基板上全面へ自立配向CNT成長が可能な装置を開発し、実用性を実証する。 |
1102 |
強発光性パイ電子系分子の開発 |
畠山 琢次 |
京都大学 |
石田 政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
有機電界発光(EL)材料は次世代表示材料として注目を集めており、パイ電子系分子は中心的な役割を担っている。中でも、固体状態で強い発光を示安定性に優れた分子は、有機ELの表示素子として有望であり、近年盛んな開発が行われている。本研究では、代表研究者が独自に開発した手法を用いて含へテロ元素パイ電子系分子を広範に合成し、化学的・熱的安定性と固体状態での強発光性を兼ね備えた表示素子の創出を目指す。 |
1106 |
n型半導体材料としての複合ナノカーボン材料の開発 |
梅山 有和 |
京都大学 |
大西 晋嗣 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
カーボンナノチューブ(CNT)側壁上にフラーレンが配列した複合ナノカーボン材料(C60onCNT)を、有機薄膜太陽電池活性層のn型半導体材料として活用する。具体的には、ポリチオフェンなどの共役系高分子とC60onCNTの複合材料を創出し、電極上に薄膜化して太陽電池の光活性層に用いる。CNTを足場として一次元に電子ドナーとアクセプターが配列された複合体では、効率の良い光誘起電荷分離と、生じた電荷の電極への速やかな輸送が実現でき、光電変換効率の大幅な向上が期待される。 |
1133 |
室温動作マルチフェロイック酸化物人工超格子の作製およびメモリ応用 |
市川 能也 |
京都大学 |
門林 剛士 |
京都大学 |
(111)配向ペロブスカイト人工超格子すなわちBサイトイオンの岩塩型秩序配列を非平衡下で人工的に作製することで、複数のフェロ物性を持つ「新規マルチフェロ物質」創製する。この新規マルチフェロ物質の局所構造・構成イオンの結合状態・磁気特性・誘電特性・電子輸送特性を種々の実験手法を駆使して明らかにし、室温で動作する初のマルチフェロイックデバイスを実現することを目的とする。特にメモリデバイスについて特性評価も行い、実用上必要十分な特性の実現を目指す。 |
1139 |
金属ナノ構造を用いた半導体量子ドットの発光高輝度化とその応用 |
松田 一成 |
京都大学 |
河島 俊一郎 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
半導体量子ドットなどのナノスケール材料の発光の高輝度化は、細胞ラベリングや光デバイスの高効率化・高度化において重要な課題である。本研究では、異種材料(半導体量子ドットと金属ナノ粒子)を組み合わせたヘテロ界面で起こる金属中の表面プラズモンと半導体ナノ粒子の励起子との相互作用を利用することで、半導体量子ドットの発光の高輝度化を目指す。 |
1141 |
ナノ粒子の乾燥自己集積特性を利用したネットワーク型透明導電膜の開発 |
東谷 公 |
京都大学 |
河島 俊一郎 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
数十ミクロンの単分散ラテックス粒子の単層構造を基板上に形成させ、乾燥後、その上部から高濃度金ナノ粒子溶液を垂らし、再び乾燥させると、粒子・基板接点周り並びに粒子間に美しい細線の導電性ネットワークが出来ることを発見した。本研究は、この原理を利用し、種々なネットワーク細線を創製し、ITO膜に匹敵する性能を有する透明導電膜を開発しようとするものである。 |
1159 |
抗菌性を有する新規酸化亜鉛系ナノマテリアルの作製 |
廣田 健 |
同志社大学 |
永田 和彦 |
同志社大学 |
酸化亜鉛の抗菌特性のメカニズムを調査し、ZnO粒子表面で生成される活性酸素がその抗菌特性の由来であると一昨年学会で発表(「第45回セラミックス基礎科学討論会、2007年1月22-23日仙台、2A-02)したが、遮光下でも有効なZnOの抗菌特性のメカニズムは十分明らかになったとは言えず、今後さらに緊急度が高い強力な抗菌特性を示すナノマテリアルを合成するには,基礎的な研究が不可欠である。昨年度から開始した新しいZnOナノロッド粉体の水熱合成とその粉体のキャラクタリゼーション、化学発光による活性酸素発生の確認、およびその同定、活性酸素生成量と大腸菌を用いた抗菌力との相関の確認、ブドウ状球菌に対する抗菌力の確認、高分解能透過型電子顕微鏡HR-TEMを用いたZnO最表面層の観察等を行う。 |
1177 |
ポリシラザンをシリカ源とする有機・無機ハイブリッド薄膜製造技術の開発と実用化 |
幸塚 広光 |
関西大学 |
瀬尾 寛 |
関西大学 |
ペルヒドロポリシラザン(PHPS)をシリカ源とすることにより、(i) 従来のゾル-ゲル法では導入することのできない疎水性有機分子や疎水性有機高分子を高濃度に含有する有機・無機ハイブリッド薄膜を作製するためのプロセス技術、ならびに(ii) これら薄膜の高硬度化と高耐久性化を実現するためのプロセス技術を開発・確立し、新しい機能をもつ有機・無機ハイブリッド薄膜の製造プロセスの実用化を目指す。 |
1200 |
光励起高スピンπラジカルを基盤とする電界発光(EL)素子の試作と評価 |
手木 芳男 |
大阪市立大学 |
立川 正治 |
大阪市立大学 |
光励起高スピン状態をとるπラジカルを用いた安定な電界発光(EL)素子の可能性を探る目的で、ラジカルの種類、適合する電子輸送膜の探索等により、EL素子を試作し、その安定性や発光特性等の評価を行う。また、EL発光に対する外部磁場の効果もしらべる。これにより、より高度な分子素子化に向けたπラジカルの薄膜化の技術を確立する。この研究により光励起高スピンπラジカルの薄膜化技術が確立できれば、それらを利用した有機薄膜太陽電池等へ向けたシーズにつながる。 |
1204 |
超低電圧駆動型コンパレータ・ノイズ発生材料の開発と生体機能型素子応用 |
神吉 輝夫 |
大阪大学 |
吉田 昭彦 |
大阪大学 |
本研究では、生体の神経伝達機能に重要な役割を果たしている「確率共振」の原理を用いて、環境ノイズのエネルギーを利用し、情報を伝達する究極の低消費電力確率共振素子の実現を目指す。確率共振素子はコンパレータとノイズジェネレータから構成されるが、従来の半導体材料では達成が困難であった両素子の大幅な簡素化と小型化を可能にする巨大非線形特性を持つ酸化物材料を微細加工することにより、低電圧駆動・低消費電力化を試みる。 |
1213 |
シリコン基板上の化合物半導体コーディネート成長技術の開発 |
長谷川 繁彦 |
大阪大学 |
清水 裕一 |
大阪大学 |
シリコン上の決められた位置に目的とする化合物半導体をプロセスが調和した形で形成する技術(以後、コーディネート成長技術)の開発を目指している。本課題では、InP系化合物半導体を取り上げ、良質な単結晶をシリコン基板上に位置、結晶形状を定めて成長することを目的とする。シリコン上InPコーディネート成長に必要な選択成長領域の諸パラメータおよび選択成長条件を実験的に明らかにし、デバイスレベルのナノ結晶成長技術を開発する。 |
1215 |
パイ共役系拡張シロールの新規合成法の開発 |
茶谷 直人 |
大阪大学 |
西嶋 政樹 |
大阪大学 |
興味深い光・電子物性を示すことが知られているシロール誘導体の新規で多様性のある実用的合成法を開発する。本反応は、不活性なケイ素−炭素結合の切断という反応機構的にも困難な過程を含んでいるだけではなく、従来法では合成できなかった官能基を含む新規なパイ共役系拡張シロール類の合成が可能である。パイ電子系を拡張することによるLUMOの低下、結晶性の向上が見込まれ、特異な物性が期待される。さらに、ヘリセン骨格をもつ新規シロールなどの合成も検討する。 |
1220 |
発光性高移動度共役高分子複合体の開発と有機レーザーダイオード応用 |
藤井 彰彦 |
大阪大学 |
大屋 知子 |
大阪大学 |
本研究では、高い蛍光量子効率を保持し、大電流密度の電流注入可能な共役高分子複合体薄膜の探索を行い、その発光機構の解明とレーザー応用を目的としている。導電性と発光性を両立させる手段として異種分子が互いに分散あるいはミクロ相分離した共役高分子複合体をレーザー活性層媒質に用い、さらに、外部刺激に起因するコンフォメーション変化を利用し、高次構造の変化に起因する注入電流の変調と電流注入によるレーザー発振を実現する。 |
1225 |
室温動作有機ambipolar スピンFETの開発 |
夛田 博一 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
有機半導体は基本的に真性半導体であり、電界効果トランジスター(FET)において電極やゲート絶縁膜と有機材料の界面電子状態を制御することにより、p型にもn型にも動作(ambipolar 動作)できる。一方、強磁性体から有機半導体へはスピンの注入が可能であり、その輸送には分子軌道が重要な役割を果たすことを見いだした。有機 FET の電極に強磁性体を用いることにより、正負のキャリアおよびスピンを自在に制御できる素子の実現を目標とする。 |
1243 |
半導体・希土類酸化物複合結晶を用いた新規発光材料の開発とデバイス化 |
寺井 慶和 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
ユビキタス社会の到来に伴い、低消費電力で軽くて薄い新規ディスプレーの開発が要求されている。その次世代ディスプレーには、高輝度なエレクトロルミネセンス(EL)デバイスの開発が必要である。本研究では、酸化亜鉛(ZnO)と希土類酸化物から構成される複合結晶を高輝度発光層と機能させ、それを用いた新規無機ELデバイスの作製を目標とする。 |
1246 |
サスティナブルFe酸化物半導体スピンエレクトロニクス素子の開発 |
田中 秀和 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
地球上に豊富に存在し、高度な製錬技術を必要としない物質からなり、環境にも調和する“サスティナブル”Fe酸化物磁性半導体材料を用い、バイアス電圧によるスピン制御を利用した、超省エネルギーの酸化物スピンエレクトロニクスデバイス(電界制御型不揮発スピンメモリ E-MRAM)を作製する。 |
1248 |
大気中高性能の有機単結晶CMOS素子の開発 |
竹谷 純一 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
次世代のエレクトロニクス材料として期待される有機半導体について、現在は多結晶薄膜材料を利用する研究が主であるのに対し、代表研究者が独自に開発した手法によって構成した高純度ルブレン単結晶有機半導体を用いた電子デバイスが、桁違いに高い性能を示すことを明らかにしてきた。これまでに高性能p型有機単結晶トランジスタを構成した手法をベースとして、本研究では、まず1)大気中で閾電圧のない移動度1 cm2/Vs程度の高性能n型有機単結晶トランジスタを開発し、2)有機エレクトロニクス産業のキーテクノロジーと目されている有機半導体を用いたCMOS型低消費電力論理デバイスを実現する。 |
1255 |
低温で酸素イオン伝導性を有する新規ジルコニア材料の開発 |
稲村 偉 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
野坂 俊紀 |
大阪府立産業技術総合研究所 |
燃料電池に用いられている酸素イオン伝導体であるジルコニアは、作動温度が1000℃程度と高いことがネックとなっている。そこで、新規な安定化剤(アルミナ等)を用いたジルコニア材料を作製することによって、より低温での酸素イオン伝導度を向上させることに成功した。本研究では、成形法を含む作製法、および酸素イオン伝導度が最大となる組成について、さらに検討することによって、従来より低温、かつ実用性の高い酸素イオン伝導度を持つ新規なジルコニア材料を開発する事を目指している。 |
1265 |
青色りん光EL用ワイドバンドギャップ正孔輸送材料の開発 |
八木 繁幸 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
有機ELは次世代薄型ディスプレイや照明機器への応用が期待されているが、実用化への技術課題として青色発光素子の高効率化が残されており、これを克服する材料開発が急務である。本研究では、りん光材料による高効率青色ELを可能にするワイドバンドギャップ正孔輸送材料の開発と高輝度・低電圧駆動型青色EL素子の作製を行う。特に、大面積素子作製の低コスト化に有利である湿式プロセスに応用可能な、成膜性に優れた材料の開発を目指す。 |
1268 |
酸−塩基触媒ゾル−ゲル法による無機-有機複合系中空微粒子の作製と応用 |
忠永 清治 |
大阪府立大学 |
稲池 稔弘 |
大阪府立大学 |
中空粒子は、低密度、高比表面積、光散乱等といった特長を有することから、触媒、光学材料など様々な分野への応用が期待される。本研究では、フェニルシルセスキオキサンなどの様々な無機−有機複合系において、酸‐塩基ゾル−ゲル法を用い、鋳型を用いることなく中空粒子を作製する。その中で、粒径、粒径分布および殻の厚さの制御された中空粒子の作製法の確立を目指す。さらに、応用の一つとして中空粒子を堆積させた膜の形成に取り組む。 |
1271 |
金属ナノ粒子を用いたフレキシブル導電性パターンのワンステップ作製技術の開発 |
椎木 弘 |
大阪府立大学 |
亀井 政之 |
大阪府立大学 |
プラスチック表面と結合または相互作用する機能的な保護層を持つ金属ナノ粒子を用いて、プラスチックフィルムに金属ナノ粒子を固定化する省資源かつ低環境負荷な手法により、電子部品の微小化・高機能化のニーズに対応した新しい実装要素技術の開発を目指す。本課題では、透明プラスチック(PET)やポリイミドなどのフレキシブル基板上に金属ナノ粒子を固定化することによる導電性薄膜の作製技術を確立し、プリンターを用いた導電性パターンの形成法の開発を行う。 |
1283 |
太陽電池用 有機ドナー分子複合シアニン系新規色素の開発 |
藤原 秀紀 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
近年、有機色素分子を利用した色素増感太陽電池の開発に大きな注目が集まっているが、コスト面から希少金属を用いない色素材料の開発が重要な課題となっている。本課題では、有機ドナー分子であるテトラチアフルバレン(TTF)分子を組み込むことにより、TTF部位の安定な多段階酸化還元能と高いキャリア輸送能を活用した、安定な動作と高い光電変換効率を示す、より実用性の高い新規な金属フリーシアニン系色素増感太陽電池用色素の開発を目指す。 |
1295 |
磁気素子の新規動作機構の微視的開発とその応用 |
戸川 欣彦 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
電流(スピン流)を用いた磁化状態の操作技術は次世代磁気素子における素子動作の新しい基盤技術として実用化が期待されている。代表研究者らは最近、磁気応答の微視的観察を通じ、微細構造化磁性素子において電流が誘起する磁化反転の発生確率がごく微小な磁場の下で劇的に変化することを見出した。本研究ではこの成果を利用し、電流を用い磁性素子の磁化状態を直接的に効率よく制御する技術を開発する。開発する技術は微細化や集積化が進む次世代磁気素子において有用な素子の動作原理になりうる。 |
1301 |
ナノ構造を殻部分に持つシリカ中空粒子よる反射防止機能の創出 |
藤原 正浩 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
堀野 裕治 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
本課題では、独自のシリカ中空粒子を用いる新規な反射防止膜技術を研究する。透明基板上にシリカ微粒子等を塗布し、得られた基板の基本的な光の反射・透過特性を解析する。それにより、塗布剤の反射防止機能とシリカ粒子特性、特にシリカ粒子内の細孔構造や粒子サイズ等との相関を明らかにする。これらの知見から、反射防止膜用のシリカ粒子に要求される仕様を抽出し、有効な反射防止特性を有するシリカ粒子膜形成技術の基礎を確立する。 |
1325 |
シリコン複屈折光学素子の高性能化に関する研究 |
藤井 稔 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
シリコン(Si)結晶の陽極化成という簡便な方法により、Siのみで近赤外用高性能偏光素子(ダイクロイックルゲートフィルタ)を実現する。この素子は、従来の偏光素子に比べて設計の自由度が高く、従来複数の素子により実現していた機能を単一素子で実現できる可能性がある。本研究では、このSi複屈折光学素子のさらなる高性能化と高機能化を実現し、既存の近赤外用偏光素子を置き換えることを目的とする。 |
1329 |
イオン液体を用いた相変化型磁性材料の開発 |
持田 智行 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
代表研究者らが開発した、鉄を含む磁性イオン液体(フェロセン系イオン液体)は、鉄由来の磁気異方性を持つ、特徴ある磁性流体である。この特性を利用し、相変化型磁気記録材料としての性能評価を行う。 |
1342 |
光機能性素子用有機/無機ハイブリッド材料の作製に関する研究 |
石原 マリ |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
書き換え可能型光メモリ素子用有機材料の非破壊読み出し性能を向上させるための新材料開発を目的として、これまでに、複数の有機色素と無機化合物の複合化による新タイプの材料を開発し、これを用いて記録・消去に用いる光と異なる波長の可視光で読み出し可能であることを見出した。本研究では、開発した新タイプ複合材料の材料組成をさらに詳細に検討することにより、熱安定性・繰り返し特性の改善を図る。 |
1343 |
その場レーザー光照射による高結晶性非鉛圧電薄膜の開発 |
泉 宏和 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
圧電薄膜は電子デバイスなどの幅広い製品における必須材料である。中でもチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)はきわめて優れた圧電性を示すことから、広く用いられているが、有害元素である鉛を約70重量%含んでおり、「環境整合性」に優れた代替材料の開発が望まれている。これに対しビスマス系複合酸化物は、PZT代替材料候補として注目されている。そこで本課題では、電子デバイスやセンサー材料としての実用化を目指し、その場レーザー光照射により高結晶性非鉛圧電薄膜を開発する。 |
1345 |
高輝度な赤色応力発光体を用いた応力が直接目視できるセンサーの開発 |
石原 嗣生 |
兵庫県立工業技術センター |
富田 友樹 |
兵庫県立工業技術センター |
摩擦、衝撃、圧縮などの機械的な外力(応力)によって、直接発光する高輝度・高効率な応力発光体センサーを創製することにより、新たな応力センシングが可能となる。本研究では、①圧電効果によるエレクトロルミネッセンスと、②摩擦による熱ルミネッセンスの提唱している2つのメカニズムを有効に活用し、瞬間の発光ではなく、十分な発光時間を有する硫化亜鉛系の高輝度な赤色応力発光体を開発し、目視による応力計測システムの構築を行う。 |
1355 |
高信頼性磁気センサー用ナノ結晶遷移金属-水素合金に関する研究 |
松田 均 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
最近、電気化学析出法(めっき)により作製した遷移金属系薄膜の中に、アモルファス相とナノ結晶相が規則的に2相分離したナノ変調構造やCo-H系立方晶などの、構造的にも物性(磁性)的にも興味ある各種新規物質を見出した。本研究は、これらの背景にあると考えられる水素誘起超多量空孔による金属固相反応の究明を行うとともに、これらの応用研究として、高密度磁気記録や磁気センサー用の新規ナノ磁性媒体開発を行う。 |
1360 |
強誘電体1次元ナノ構造の作製技術の開発と新機能応用 |
清水 勝 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
強誘電体(PbTiO3やPZT)1次元(1D)ナノ構造(ナノロッド、ナノチューブ等)の新機能創成と応用を目的に、ZnOナノロッドをテンプレートとし被覆性の優れた、MOCVD法により強誘電体1Dナノ構造を基板上に作製する技術を始めて開発した、これら高品質1Dナノ構造の圧電性・強誘電性を詳しく調べ、その特異性に由来する新機能を創成し、超高集積FeRAM用ナノキャパシタ、ナノ強誘電体FET、圧電振動発電デバイスなどの新規デバイスの開発を目指す。 |
1367 |
かご型シルセスキオキサンをナノフィラーとする有機−無機ハイブリッド材料の開発 |
足立 茂寛 |
奈良県工業技術センター |
池田 孜 |
(財)奈良県中小企業支援センター |
プラスチックの物性を改善するためにフィラーが使われることが多い。今まで様々なフィラーが使われてきたが、最近非常に注目されている物質として「かご型シルセスキオキサン(POSS)」がある。POSSは一つの分子の中に無機構造と有機構造を持った構造をしており、有機分子と無機分子の双方の特性を活かした新しい特性が期待されている。このPOSSをプラスチックにフィラーとして混合することで、プラスチックの分子鎖と分子レベルで相互作用させ、プラスチックの光学的分野を中心とした特性を制御・設計することを目的とする。 |
1371 |
カーボンナノファイバ複合体エミッタを用いた薄型照明デバイスの開発 |
柳 久雄 |
奈良先端科学技術大学院大学 |
戸所 義博 |
奈良先端科学技術大学院大学 |
電子放出特性に優れたカーボンナノファイバ(CNF)をAl等の母材に均一分散した複合体電子エミッタを用いて、水銀レス化、ITOレス化に対応した低環境負荷の薄型フィールドエミッション(FE)照明デバイスを開発する。CNF/Al複合体切断面から高効率の電子放出が得られる特徴を生かした側面電子放出型素子(SEED)を用いることにより、蛍光体陽極面が開口した両面発光型の薄型表示デバイスや、陽極にITOガラスを必要としない低コスト薄型FE照明デバイスを試作する。 |
1379 |
液中レーザーアブレ-ションによるナノ粒子を用いた有機EL素子作製 |
秋元 郁子 |
和歌山大学 |
稲木 良昭 |
和歌山大学 |
液中レーザーアブレ-ション法を用いて有機物のナノ粒子コロイド分散液を作製し、ウェットプロセスよる有機EL素子作製を実施する。貧溶媒中に分散させた有機結晶にナノ秒パルスレーザーを照射すると、直径数十ナノメートルの有機ナノ粒子を生成することが可能で、本来沈殿するはずの有機結晶が、ナノ粒子コロイドとして分散する。この技術を利用し、難溶性の有機化合物のナノ粒子分散液を作製し、ウェットプロセスよる有機EL素子作製を行う。 |
1420 |
極性な電子秩序の異方性制御による新原理電流制御素子開発 |
池田 直 |
岡山大学 |
遠藤 隆 |
岡山大学 |
電子秩序化によって新奇な強誘電体となる電子誘電体について、分極した電子集団の崩壊と再凝集過程を応用する新原理電子素子の開拓を行う。 |
1510 |
有機ELへの応用を目指した安定な高分子系発光材料の開発 |
大下 浄治 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
現在の有機EL(電界発光)材料の開発研究での重要な課題は、①紫外〜青色の安定な高エネルギー発光、②溶液プロセスでの薄膜化、③長寿命化である。本研究では、これらの課題を解決するために、申請者らが独自に開発した新規な発光性色素であるリン置換ジチエノシロールを種々の方法で高分子化することで、溶液プロセスで簡単に薄膜化することが可能な高効率の発光材料を開発し、有機EL素子への応用を検討する。 |
1513 |
光の三原色で発光するSiナノ結晶−ELへの展開− |
齋藤 健一 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
超臨界流体中で単結晶シリコンのパルスレーザーアブレーションを行い,可視発光するシリコンナノ結晶の創製に成功した。今までに行った,フォトルミネッセンス測定ならびに画像計測より,光の三原色(青・緑・赤)で発光するシリコンナノ結晶の生成が確認された。本研究では,励起源を光から電気に変え,エレクトロルミネッセンス(EL)測定を行う。そして三原色発光するシリコン発光デバイスの構築をはかる。 |
1519 |
柔軟性をもつフォトレジスト用クレゾールノボラック樹脂の開発 |
山ア 博人 |
宇部工業高等専門学校 |
大高 聰 |
山口大学 |
クレゾールノボラック樹脂は半導体集積回路の作成工程で使用され、ナノスケールに迫るレジストパターンを与えるフォトレジスト樹脂である。しかし、現在のフォトレジスト樹脂は膜質が脆く、柔軟性に欠ける為、フレキシブル基盤のポリイミドフイルム上に集積回路レベルの微細なリソグラフフィー描画は困難である。本試験研究は、ポリイミドフイルム上に2マイクロメートル未満の微細描画を実現するため、描画特性と柔軟性を併せもつクレゾールノボラック樹脂を開発することである。 |
1521 |
導電性と化学的耐久性を向上させたバナジン酸塩ガラスの開発 |
久冨木 志郎 |
宇部工業高等専門学校 |
大高 聰 |
山口大学 |
ガラスセラミックス系で世界最高の導電率を有する20BaO・70V2O5・10Fe2O3ガラスの導電性と化学的耐久性を向上させるべくLi+とPO43-をそれぞれ導入したバナジン酸塩ガラスを作成する。高い導電性と化学的耐久性を有するガラスの組成開発と熱処理条件の特定を行う。 |
1544 |
カルバゾール骨格を有する新規高分子材料の開発と応用 |
鬼村 謙二郎 |
山口大学 |
林 里織 |
山口大学 |
カルバゾール基は3,6位や窒素上に様々な置換基を導入することが可能であり、構造的にπ電子を含むベンゼン環と孤立電子対を有する窒素原子が連結しているため、光や電気により励起しやすい特性を有している。本研究課題では遷移金属触媒を利用したカップリング反応によりカルバゾール基を三次元的(樹木状)に配置したデンドリマーを新規に合成し、エネルギー変換素子として利用することができる新規高分子材料の開発を目的とする。 |
1551 |
可視光応答型光触媒用酸窒化物半導体のバンドギャップエンジニアリング |
吉田 岳人 |
阿南工業高等専門学校 |
宮城 勢治 |
阿南工業高等専門学校 |
本応募研究代表者が独自に開発した減圧反応性雰囲気パルスレーザーアブレーション(PLA)法を主体にした、薄膜・ナノ結晶育成法を、典型金属酸窒化物半導体の生成プロセスに応用する。先ず典型金属酸化物と窒化物が混晶を形成した際のエネルギーバンド構造変化(狭帯域化)を光物性的に明らかにし、次に可視光応答型酸窒化物半導体の薄膜・ナノ結晶育成法を構築する。ナノ領域(比表面積100 m2/g以上)の粒径を有する光触媒を実現することで、最終的には、現状の高温焼結法による酸窒化物半導体可視光応答型水分解触媒の量子収率を、大幅に向上させることを目標とする。 |
1580 |
レーザートラッピングによる生細胞の健康度センシング技術の開発 |
橋本 修一 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
蛍光色素、金ナノ粒子、半導体量子ロッド等を担持させて光機能性を持たせたゼオライト単結晶(5−10μm)微粒子を、レーザートラッピング法により遠隔操作して生きている細胞の活動状況を調べるカラーセンサーとして用いる。単一生細胞になるべく刺激を与えないようにして、細胞からの分泌物質を高感度に検出して、細胞の生きている状態を細胞レベルで把握する。 |
1607 |
干渉露光法を用いた金属ラティス構造の作製とスピン機能の制御 |
宮川 勇人 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
これまでに開発した高精度で高安定な静電容量計を元に、地盤や土構造物の変状計測のための各種静電容量型センサの開発を行うとともに、高密度センシングを実現するために、安価な多点計測に対応した計測システムを開発する。公共工事のみでなく、たとえば土砂災害が頻発する中山間地に暮らす個人宅のモニタリングへの活用や、高密度な地盤センシング、遠心模型実験用の小型センサなどへの応用を目指す。 |
1619 |
酸化物ナノアイランドを用いた簡易型紫外線センサの開発 |
岡野 寛 |
高松工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
光触媒の酸化還元反応を利用して、民生部品に使用可能な低コストの紫外線センサを開発する。金属上に酸化物光触媒を島状成長(ナノアイランド)させ、電解質中で紫外線を照射することにより光触媒の酸化還元反応に起因した電流を検出することができる。この電流は紫外線の強度や波長により変化するため紫外線センサへの応用が期待できる。光触媒の材料や被覆率、素子構造や検出回路を最適化することで、5段階程度で紫外線強度をビジュアル表示し、家電製品や自動車、健康器具に搭載可能な紫外線センサを開発する。 |
1627 |
近赤外領域における受光用有機燐光材料の開発 |
森宗 太一郎 |
詫間電波工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
本研究では有機受光素子の複合型デバイスとしての実用化を目標とし、受光素子特性において不可欠である近赤外領域での光学特性について検討する。使用する材料に三重項過程を有する燐光材料を用いることで、三重項によるエネルギー遷移を利用した受光素子について検討する。特に材料の薄膜状態での吸収、透過、発光の光学特性からエネルギー準位の関係を調べ、フタロシアニン系材料との積層化により近赤外領域に感度を持った有機受光素子への応用について検討する。 |
1628 |
発光デバイス材料の光励起過程評価システムの開発 |
矢木 正和 |
詫間電波工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
従来の光音響セルに関する重大な課題(感度、雑音、汎用性)を、全くユニークな方法により解決する特許を昨年出願した。光音響スペクトルは熱放出の励起スペクトルであるため、発光励起スペクトル(発光の励起過程)や光吸収スペクトル(全励起過程)と正確に比較することは、発光材料などの物性を調べる上で重要である。考案した光音響セルの特徴を生かしてこれらを同時に測定できるシステムの基本部分を構築し、その実用化の可能性を探る。 |
1654 |
希土類ガーネット系磁性材料の微粒子化と焼灼療法への応用 |
青野 宏通 |
愛媛大学 |
入野 和朗 |
愛媛大学 |
本研究は、希土類ガーネット系(R3Fe5O12系、Rは希土類元素)磁性材料について、癌の焼灼療法への応用を目指した交流磁場中で発熱する新規希土類複合材料の作製を目的としている。この発熱能を高めるために、①希土類置換により材料そのものの磁気モーメントを高める、②相変化によりヒステリシス損失を高める、③ナノ微粒子化により単磁区として飽和磁束密度を高める、などの手法を行なうことにより、発熱材料の設計指針を明確にすると共に、目的材料の実用化を目指す。 |
1675 |
低エネルギー電子線励起用 積層薄膜蛍光体のプラズマ処理による高効率化 |
松田 時宜 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
蛍光体はランプや薄型ディスプレイに必要不可欠な材料である。鉱物資源確保が国家戦略として叫ばれる中で、希土類を多く含む蛍光体に関しては対策が十分ではない。そのため、レアメタルを含まない薄膜蛍光体を基板に直接形成する技術を提案する。薄膜蛍光体の輝度が低く発光中心の活性化のために高温が必要であるという一般的な課題を低温でプラズマ処理することで解決を図る。各蛍光体薄膜を積層し、新規薄膜蛍光体を実現する。 |
1710 |
高配向カーボンナノチューブ組織体を利用した光電変換素子の開発 |
白木 智丈 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
カーボンナノチューブ(CNT)は、難溶性で取扱いが困難という問題がある。我々の研究グループは、天然から採れる多糖のβ-1,3-グルカンが、CNTを包接することを見出し、水溶液としての扱いを可能にすることによってCNTがナノレベルで高度に配向したサブミクロンスケールの組織体を構築することに成功した。本研究では、本組織体の、有機電子デバイスへの展開を目指し、①基板への固定化法の開発、②光増感色素や高い電荷分離能を発現させるためのホール輸送材料との複合化を行い、並行して、③機能特性の評価を行う。 |
1729 |
ナノ多層構造を有する新規機能性顔料の開発と応用 |
安田 敬 |
九州工業大学 |
堀田 計之 |
九州工業大学 |
酸化物薄膜からフレ−ク状粒子を得る粉体作製技術を開発し、多層フレ−ク構造とすることで特定の光の波長に対して高い反射・透過率が得られた。積層数、各層厚を変え反射波長、及び波長スペクトルの帯域幅特性変化を実証する。本研究課題である顔料への応用として赤外線反射材料の試作、及び反射光と透過光の色味が異なる効果を活かした意匠性顔料の試作を行い、企業での実用化に向けた実証評価を行い用途開発も進める。 |
1734 |
高い波長選択性を有する狭帯域応答有機フォトダイオードの創製 |
横山 大輔 |
九州大学 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
有機光導電材料は、高い波長選択性を有し、かつ低コストであるため、これまでも複写機の感光体等に積極的に応用されている。これまで、我々は有機半導体光導電材料を用いた有機薄膜型フォトダイオードが、特定の波長の光に応答できることを見いだした。本提案においては、さらに波長選択性を高めるためにJ会合体等による有機材料特有の狭帯域吸収を活かし、可視域や近赤外域における特定の波長の光に対して選択的に応答する狭帯域応答有機フォトダイオードの実現を目指して検討を行う。 |
1735 |
シート状電荷移動錯体を用いたプラスチック電子回路の基礎的検討 |
安達 千波矢 |
九州大学 |
八尋 正幸 |
(財)九州先端科学技術研究所 |
有機半導体に電気伝導性を付与するために、化学ドーピング法が用いられてきた。しかしながら、化学ドーピングでは、ドーパント分子の拡散が生じてしまう等の問題があった。最近、我々は、2層積層構造を有する有機半導体薄膜シートが、界面での電荷移動(CT錯体形成)現象によって、二次元界面で高い電子伝導性を発現することを見出した。本提案では、この発見を元に、有機半導体からなるプラスチック基板上にCT錯体からなる配線(導電路)を形成し、有機半導体からなるフレキシブル電子回路形成の可能性を追求する。 |
1741 |
0.78μm通信帯域−高分子電気光学材料の開発 |
横山 士吉 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究では、当分野において申請者が進めてきたシーズ研究をさらに展開し、車体や航空機等への搭載が期待されるプラスチック光ファイバー(POF)を用いた新たな光ネットワークシステムとマッチングの高い高性能電気光学(EO)材料の合成と光学評価を行う。現在、申請者が進めている高分子EO特性は、長距離通信用の近赤外通信帯域(1.3、1.5 μm)において世界レベルの性能を有している。そこで本研究では、これまでのNLO分子の合成技術をもとに、POF通信帯域(780nm)で実用可能なEO定数を達成する材料開発を行う。 |
1743 |
部分的純スピン流注入によるナノ磁石の新規な磁区構造制御技術の開発 |
木村 崇 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
強磁性体をナノスケールで加工したナノ磁石においては、形状を反映した特異な磁区構造を安定化させることができる。ナノ磁石に安定化する磁区構造には、エネルギー極小値に対応して様々な磁区構造が存在することが知られているが、従来の外部磁界による磁区構造制御法では、試料全体に磁界が加わるため、限られた磁区構造のみが形成されていた。本研究では、研究代表者が有する強磁性体への部分的な純スピン流注入技術により、一部の磁性体領域にトルクを作用させ、従来の磁化制御法では不可能な磁区構造を実現するとともに、新規記録素子としての可能性を追求する。 |
1747 |
液/液界面を反応場とする金ナノシートの調製と応用 |
木田 徹也 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究では、光触媒によってシート状の金単結晶粒子(ナノシート)を調製し、これを密に基盤にコーティングして導電性皮膜を形成する手法の開発を試みる。シート状粒子はその特異な形状異方性により、自己組織的にコートすることが可能であり、横方向に大きい単結晶粒子はバルクと同等の高い導電性を有するので、非常に簡易・簡便な導電皮膜形成手法となり得る。特に、50μm程度の均一な大きさのシート状の金粒子の調製を目標とする。 |
1750 |
金属ナノ粒子のオンファイバー界面合成による新規触媒材料の開発 |
北岡 卓也 |
九州大学 |
高田 仁 |
九州大学 |
持続的発展可能な社会の構築に向け、「環境に優しいものづくり」の要である金属ナノ触媒の開発が盛んに行われている。特に近年では、ナノ触媒の性能を最大限に発揮するには担体(マトリックス)の構造特性が重要であることが強く認識されつつあり、新規な担体開発の機運が高まっている。本研究では、天然多糖類セルロースの界面特異的酸化反応を介して、そのナノファイバー表面のみに貴金属ナノ粒子を直接合成する新規手法を駆使して、高活性な金属ナノ触媒をマトリックス表面に露出させたナノファイバーネットワーク型構造体触媒の開発と汎用合成触媒としての高機能化・高性能化を目指す。 |
1769 |
局在光制御を利用した単一波長励起小型プラスチックレーザーの開発 |
渡邉 博文 |
九州大学 |
前田 真 |
九州大学 |
本研究において、有機導波路レーザーの材料加工性を生かし大きな需要が見込める細胞検査チップへの搭載等を実現するために局在光制御法を極限まで利用し有機導波路レーザーの飛躍的な広帯域化を図り、高い実用性を確立させる。 |
1814 |
発光性多核金属錯体の開発 |
馬越 啓介 |
長崎大学 |
安田 英且 |
長崎大学 |
近年,発光効率の高い発光材料として,リン光材料に関心が集まっている.本試験研究では,有機EL素子の発光材料として単核イリジウム(III)錯体より優れた発光特性を持つ化合物の創成を目標としている.具体的には,「白金と金・銀・銅などの11族元素からなる混合金属錯体」および「白金と希土類元素からなる混合金属錯体」の合成を行い,生成物の発光特性を詳細に調べる. |
1818 |
ナノ構造制御された超多周期積層厚膜の高速作製技術の開発 |
福永 博俊 |
長崎大学 |
竹下 哲史 |
長崎大学 |
研究担当者らは、10[nm]程度の硬・軟磁性層を1000層程度積層したMEMS用厚膜磁石をレーザディポジッション(PLD)法により実現しているが、ドロップレットにより積層構造が一部崩れる問題があった。そこで、基板―ターゲット間に飛散されたドロップレットを補助レーザにより再アブレーションし、成膜速度を損なうことなくドロップレットを除去する「補助レーザ法」を開発・改良し、ナノ構造厚膜磁石の一層の高性能化を達成する。 |
1864 |
新規フォトニック液晶材料の開発 |
氏家 誠司 |
大分大学 |
森岡 勝彦 |
大分大学 |
本研究では、新規の光学活性液晶を合成し、それらの配向挙動および光学的性質を明らかにする。その結果をもとに構造と光学的性質の関係を評価し、三次元周期構造をもつ光学活性液晶を開発する。 |
1869 |
DNA−イオン液体コンポジットを応用したハイパー光電変換素子 |
信岡 かおる |
大分大学 |
二宮 章 |
大分大学 |
光電変換素子は、光誘起電子移動に基づき、光エネルギーを電気的出力に変換するものであり、光センサーや太陽電池へ応用されている。本研究では、電解質として色素増感型太陽電池やリチウム電池へ応用されているイオン液体を用いて、同じイオン性物質である生体高分子との融合による光機能の導出を目指す。 |
1878 |
生体親和性ナノ粒子コロイド溶液の高濃度化 |
甲藤 正人 |
宮崎大学 |
新城 裕司 |
宮崎大学 |
生体親和性材料は医用工学などの被膜材料として注目されている。本研究課題においては、水中レーザーアブレーションによる生体親和性ナノコロイド溶液の作製に関して、ナノ粒子の粒径の微細化ならびに分散溶液中におけるナノ粒子の高濃度化を目指す。 |
11(B) |
アモルファスブルー相を用いた新規液晶表示素子の開発 |
吉澤 篤 |
弘前大学 |
工藤 重光 |
弘前大学 |
微視的にはキラルネマチック秩序を持つが光学的には等方な液晶相であるアモルファスブルーを用いた新規液晶表示素子を開発する。本方式ではラビングなどの配向処理が不要で、視野角が広くコントラストが良好な表示が可能になる。課題は幅広いブルー相温度範囲と低電圧で高速応答可能な表示媒体を開発することにある。本研究では新規光学活性化合物の設計による温度範囲の拡大と高速化(1ms以下)を実現する表示媒体を開発し、さらにそれを用いた表示素子を試作する。 |
15(B) |
異種ハーフメタル粒子コンポジットによる低消費電力型磁気抵抗デバイスの開発 |
鈴木 勝彦 |
宮城工業高等専門学校 |
庄司 彰 |
宮城工業高等専門学校 |
磁場変化を電圧変化に変換して感知する低消費電力型磁気抵抗デバイスを実現することを目的とする。その実現のため、それぞれ正負のスピン偏極率を持つ二酸化クロム(CrO2)粒子とマグネタイト(Fe3O4)粒子をフィラーとする樹脂コンポジットを熱処理なしで作製して磁気抵抗バイアスを試作する。その際、それぞれの粒径と両粒子の成分比を変えて試作し、粒径と成分比と消費電力特性との関係を明らかにし、製品化のための基礎データを得る。 |
17(B) |
MOVPE法によるZnO基板上の「緑色発光用InGaN」の高温成長技術の確立 |
松岡 隆志 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
現在、市販されている「窒化物系発光デバイス」は、サファイア基板上に発光層InGaN(インジウムガリウム窒素)を積層して製品化されている。しかし、これら材料間の格子不整合率は14%に及び、LED特性向上の障害となっている。ZnO(酸化亜鉛)基板は、不整合率1.9%と小さく、サファイア基板の代替を切望されるも、実用に至っていない。本課題では、ZnO基板実用化の障壁である“原料アンモニアガスによるZnO基板の腐食”問題を克服し、ZnO基板上InGaNを800℃以上で高温成長する技術を確立し、ZnO基板を用いた発光デバイスの早期製品化に寄与する。 |
73(B) |
高容量かつ急速充電可能な分子クラスター電池の創製 |
阿波賀 邦夫 |
名古屋大学 |
井門 孝治 |
名古屋大学 |
近年、ポータブル電子機器の市場拡大に伴い、高性能な新しい二次電池の開発が求められている。これまで研究担当者は正極活物質に金属錯体クラスター分子を用いる『分子クラスター二次電池』を開発してきた。この電池反応は、錯体クラスター分子の多段階酸化還元に基づくため、高容量と急速充電の両方が実現できる。本研究課題では、正極活物質のための金属錯体クラスター分子の開発、活物質と電極間の接合改善、電解質の最適化などを行い、実用化レベルの高容量と超急速充放電を実現する。 |
113(B) |
希土類ナノ結晶を含む新型光アイソレータ材料の開発 |
長谷川 靖哉 |
奈良先端科学技術大学院大学 |
戸所 義博 |
奈良先端科学技術大学院大学 |
光情報通信帯域のブロードバンド化や多波長同時光通信に関する技術の進展およびレーザー加工機をはじめとする可視光レーザー技術の進展とともに、1μm以下で光磁気効果を示す新しいアイソレータ材料の開発が望まれている。本課題では、代表研究者が世界に先駆けて研究を開始した希土類半導体EuXナノ結晶の可視光対応型光アイソレータ材料への応用および製品化に向けた試作検討を行う。具体的には、1cmで1500 Oeの磁場印加により作動する可視光アイソレータ材料の開発を目指す。 |
120(B) |
可溶性両極有機半導体の開発と塗布プロセス有機CMOSへの応用 |
瀧宮 和男 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
有機半導体技術の特徴の一つに塗布プロセス性の良さが挙げられるが、この他に単一の半導体材料でn型とp型の動作が可能な材料(両極性有機半導体)が開発できる点がある。これら二つの有機半導体ならではの特徴を活かすことを目的に、本研究では,材料のフロンティア軌道のエネルギーレベルと両極特性発現との相関を精査しつつ新しい可溶性両極有機半導体材料の開発を行い、さらに塗布プロセスの最適化によりCMOS(相補型金属酸化物半導体デバイス)への応用を行う。 |
121(B) |
高性能有機ラジカル電池の開発 |
井上 克也 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
酸化・還元状態で安定な新しい有機ラジカルポリマーを用いた、高性能有機ラジカル二次電池を開発する。現在得られている炭化水素系有機ラジカルポリマーの酸化・還元能等必要な基礎データを集積し、応用の可能性を探る。 |
141(B) |
高速充放電対応型二次電池用ニッケル系正極材料の開発 |
酒井 剛 |
宮崎大学 |
和田 翼 |
宮崎大学 |
本試験研究では、導電性の向上と結晶性の制御を行った高比表面積を有する水酸化ニッケルナノシートおよびヘキサゴナルプレートを主材料として、高速充放電に対応できる二次電池用ニッケル系正極材料の開発を目的とする。具体的には、平成19年度および20年度のシーズ発掘試験研究で得られた成果、特に2件の出願特許を基に新たに見出した、高速充放電可能な正極材料が得られる可能性を実証する。 |
147(B) |
絶縁基板上光電機能素子用Si系半導体の製法と構造に関する研究開発 |
野口 隆 |
琉球大学 |
宮里 大八 |
琉球大学 |
薄いドープ層の上に非ドープのSi薄膜をスパッタ法により、室温でガラス基板上に2μm以下の厚さに堆積させる。その膜に対して、RTA(高温短時間加熱)法などにより結晶化させた場合、縦型のダイオード構造として、その光電特性、結晶性を評価する。膜物性の評価結果ををもとに光電機能素子としての応用の可能性を確認する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
102 |
針状窒化チタン導入による高靭性窒化ケイ素セラミック複合体の作製 |
清野 肇 |
北海道大学 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
窒化ケイ素(Si3N4)セラミックスの靭性の向上を目的に、針状窒化チタン(TiN)粒子を導入したTiN-Si3N4複合体の作製および作製プロセスの最適化を行う。針状TiN粒子は酸化チタン粉末を水熱処理で針状化し、アンモニア窒化することで作製する。強度低下を引き起こす原因となる針状TiN粒子の凝集体の出現を抑制し,少量のTiN粒子添加で高靭性化を達成することに重点を置く。 |
105 |
ハイパーブランチポリマーを用いた高性能潤滑剤の開発 |
佐藤 敏文 |
北海道大学 |
吉田 光則 |
北海道大学 |
研究者らは、ハイパーブランチポリマーがその特異的な球状分岐構造から、これまでに無い高い摩擦低減作用を有していることを明らかにした。本ポリマーは従来の直鎖高分子による潤滑剤に比べ劣化が少なく、高潤滑性・高耐久性を示す点で画期的である。本提案では、ハイパーブランチポリマーを用いた高機能潤滑剤の開発を目指して、ポリマーを精密合成し、高分子構造が潤滑作用に与える効果について検討する。 |
165 |
C/Cコンポジットを基材とする炭素・金属複合新素材の開発 |
杉山 和夫 |
八戸工業高等専門学校 |
野呂 治 |
弘前大学 |
本課題の目的はC/Cコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材料)中にチタンをはじめとする各種金属を含浸して再複合化し、超軽量かつ高強度、高熱伝導性、耐熱性、耐酸化性などの優れた特性を有する炭素・金属複合新素材[C/C/Mコンポジットと定義]を開発することである。本研究では、高周波誘導加熱法を用いてチタンなど高融点金属を複合したC/C/Mコンポジットを作製し、特性評価をする。合わせて被加熱物相互に作用する高周波誘導加熱の相乗効果を明らかにする。 |
208 |
微細加工基板による毛細管現象を利用したジョセフソン接合の開発 |
内山 哲治 |
宮城教育大学 |
大野 健一 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
超伝導のエレクトロニクス応用は、フィルターを除けば全てジョセフソン接合が必要である。一方、Bi系酸化物高温超伝導体は、その異方的結晶構造に由来した固有ジョセフソン接合(ジョセフソン接合アレイ)を発現することが知られている。我々は、これまでBi系材料において、基板と基板のサンドイッチ構造による成膜を行ってきた。本研究では、細工した基板上にBi系材料を導入し、固有ジョセフソン接合の作製を目指す。 |
251 |
フラーレンを使った合金鋼に対する新規な低温固体浸炭技術の開発 |
吉見 享祐 |
東北大学 |
山口 一良 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
C60などのフラーレン類が、ステンレス鋼をはじめとする合金鋼に対して最も効率的かつ効果的に浸炭する条件の探査を通して、フラーレン類が合金鋼に500℃前後で浸炭するメカニズムを解明する。またその成果に基づいて、浸炭に適したフラーレン原料とは何かを明らかにし、低温固体浸炭用のフラーレン類の調整方法ならびにそれらフラーレン類を使った合金鋼に対する新規な低温固体浸炭技術の開発を進める。 |
295 |
フラクタルAKDを用いたナノ空孔を有する多元系セラミックス微粒子の開発 |
松田 圭悟 |
山形大学 |
長谷川 宏哉 |
山形大学 |
リチウム2次電池の正極材料にはリチウム含有遷移金属酸化物が用いられているが、これらのイオン導電性は10-3〜-4S/cm2と低く、高速での充放電が困難になっている。しかし、これらの材料にナノ空孔を付与することが可能となれば、理論的に電極構造内でのリチウムイオンの拡散速度が増加し高いパワー密度が得られる。本研究では、 高出力電源へのニーズに応えるために、フラクタル構造を持つアルキルケテンダイマー(AKD)を鋳型に用いることで、多孔質構造を有する多元系セラミックスマンガン酸リチウム微粒子を開発することを目的とする。 |
313 |
耐酸化性金属銅ナノ粒子の液相合成とその接合特性に関する研究 |
小林 芳男 |
茨城大学 |
角丸 肇 |
茨城大学 |
微粒子化により発現する融点降下現象を利用した金属低温接合や低温電気配線等の技術の開発が期待されている。金属銅は安価でマイグレーション耐性が高いが、非常に酸化しやすい。合成は、大量合成可能、簡便、安価でかつ環境に優しい等の点から水相中で行うのが望ましい。しかし酸化が容易に起こるという大きな問題がある。本研究は、耐酸性を保持しながら接合性を安定して向上させる銅ナノ粒子の水相合成法を開発する。 |
319 |
実用可能なTi−Ta基高温形状記憶合金の開発 |
宮崎 修一 |
筑波大学 |
根本 揚水 |
筑波大学 |
従来のTi-Ni形状記憶合金の応用範囲は室温から80℃の間の僅か50℃程度の温度範囲に限定されていた。理由は、加工が困難で圧延や線引で加工ができないためである。本申請者らが最近見出したTi-Ta基合金は、冷間圧延加工が90%以上可能で、80℃から200℃の温度範囲で形状記憶効果を示す。特性の安定化のための加工熱処理法を開発することで、加工可能な実用高温形状記憶合金の開発を行う。 |
365 |
微細ナノシェル含有ナノカーボンファイバー触媒の開発 |
尾崎 純一 |
群馬大学 |
小暮 広行 |
群馬大学 |
ナノシェル炭素は、我々の研究グループが開発した酸素還元活性を有する炭素材料であり、固体高分子形燃料電池の非白金カソード触媒としてもっとも有望視されている材料の一つである。ナノシェル炭素がもつ触媒活性はその粒子径に依存し、より微細なナノシェルをつくることが重要な課題となっている。本研究開発では、ナノファイバーという制限された空間を利用することで粒子径の増大を抑制し、微細ナノシェル調製法の確立を目指す。 |
411 |
鉄アルミナイド基複合材料からなる切削工具材の創製 |
糸井 貴臣 |
千葉大学 |
井上 里志 |
千葉大学 |
本研究では、レアメタルを多量に必要とする高速度工具鋼に代替する切削工具材を創製する事を目標とする。金属間化合物の優れた高温強度に着目し、切削工具が工作物との摩擦で実際に昇温する600℃程度の温度域まで、強度と靭性を維持する鉄アルミナイド作製において、合金溶解中に炭素と遷移金属を添加して、硬質のTiC等の炭化物を合金溶解中に“その場合成”し、一度の溶解・鋳造プロセスで炭化物分散型のFe3Al基複合材料を作製する。 |
507 |
環境調和型触媒プロセスによる二価フェノールの高選択製造 |
窪田 好浩 |
横浜国立大学 |
西川 羚二 |
横浜国立大学 |
本研究では、MSE骨格をもつTi含有MCM-68ゼオライトを酸化触媒とする、過酸化水素(H2O2)によるフェノールの酸化により、環境調和型触媒プロセスによる二価フェノールの高選択製造を目指す。とくにTi-MCM-68の調製条件を制御して、過酸化水素の過分解を抑制でき、かつパラ体の二価フェノールであるヒドロキノンを高選択的に生成する酸化触媒を構築することを目的とする。 |
543 |
フレキシブルデバイス用無色透明耐熱プラスチック基板の開発 |
松本 利彦 |
東京工芸大学 |
雨森 千恵子 |
(財)神奈川科学技術アカデミー |
軽量で折り曲げ可能なオプトエレクトロニクス作製には、プラスチック基板上にセラミック透明電極の焼成プロセスが不可欠だが、この温度に耐える透明樹脂は皆無である。本申請では、我々が開発した無色透明な耐熱性樹脂“脂環式ポリイミド”をプラスチック太陽電池などフレキシブルデバイス用基板として実用化するための応用研究を行う。具体的には、良好な寸法安定性を実現し、電極焼成条件下での透明性保持技術を開発する。 |
554 |
窒素含有ニッケルフリーステンレス鋼の実用化研究 |
三浦 一真 |
新潟県工業技術総合研究所 |
磯部 錦平 |
新潟県工業技術総合研究所 |
フェライト系ステンレス鋼に窒素(N2)を熱処理により吸収させること(窒素吸収処理)で既存のSUS304、316等のニッケル(Ni)を含んだステンレス鋼と同等の靭性および延性を持ちながら、力学的特性および耐食性を大幅に向上させたオーステナイト相を有するステンレス鋼の開発を目的に窒素吸収処理技術に関する研究、および実用化に必要な各種特性の評価を行う。 |
571 |
高強度キラル超分子自立膜の開発と応用 |
浪越 毅 |
新潟大学 |
定塚 哲夫 |
新潟大学 |
高分子膜は高機能材料として気体の選択透過、光学分割などに利用されるが、これまで超分子からなる自立膜が合成され利用された例はない。本研究の目的は、らせん高分子膜に光照射を行うことで高分子主鎖が選択的に環化し側鎖構造のみからなる低分子量体が生成する反応を利用し、過去に例のない高分子自立膜からキラルな超分子自立膜調製方法を確立することで、環境浄化、創薬、新エネルギー等の分野における工業的実用化に資することである。 |
575 |
エンジン性能向上に向けた耐熱マグネシウム合金展伸材の開発 |
鎌土 重晴 |
長岡技術科学大学 |
吉野 好男 |
(財)にいがた産業創造機構 |
エンジン出力の向上のため過給機が使用されている.現在,この吸気圧縮用にC355またはAC4Cなどのアルミニウム合金が採用されている.しかし,今後欧州を中心とした排気ガス規制のため,マグネシウム合金を用いたエンジンの軽量化は避けられず,しかも最大使用温度170℃でも安定した高温強度を備える必要がある.そこで,本申請では希土類元素と合金組成の最適化を行う.また,得られた鋳造材に対して,最適な加工温度と加工速度,加工率を見出し,コスト的にもバランスした展伸加工材の創製を目指す. |
582 |
組織形態改質処理によるガスタービン翼超合金部材の寿命延伸技術の開発 |
阪口 基己 |
長岡技術科学大学 |
福島 忠男 |
長岡技術科学大学 |
現在、先進ガスタービンの動翼材には結晶制御により強化された単結晶Ni基超合金が用いられている。超合金は高温下での優れたクリープ・疲労強度を持つ耐熱材料であると同時に、力学的環境に依存して組織が様々な形態に変化し、その形態により材料強度が上昇・低減するという特徴を併せ持つ。本研究では、この超合金組織の特性と強度に与える影響を積極的に利用し、代表研究者が蓄えてきた学術的データベースを基に、超合金部材の組織を実機稼働環境に適した形態に変化させる組織改質処理技術を開発するとともに、それによるタービン翼超合金部材の長寿命化を図る。 |
610 |
新開発CrAlN/BN複合膜のメタルソーへの応用展開 |
野瀬 正照 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
金属機械加工用工具の長寿命化は常に求められてきた重要課題である。申請者らの研究成果であるDC-RF同時成膜法による独創技術のCrAlN微結晶と非晶質BN相のナノコンポジット膜が有する超高硬度と高耐熱・耐酸化性を活かし、長寿命の工具用保護膜として早期の実用化を目指す。本試験研究では、硬度と内部応力のバランスと密着性向上を図るため、成膜時の基板温度、BN相混合比、下地膜厚さ等の最適条件を検討し長寿命保護膜を開発する。 |
685 |
温度により変色する感温性ナノ粒子の開発 |
前田 寧 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
温度に応答して蛍光色を変化させる微粒子を開発する。具体的には、温度により粒子径を変化させる架橋高分子ゲル中に固定した蛍光色素間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の効率の変化を利用する。FRETの効率はドナー色素とアクセプタ色素の間の距離に非常に敏感(6乗に反比例)であるため、ドナーの吸収帯で励起するとき、ゲルが低温の膨潤状態にあるときにはドナーから直接蛍光が放射され、高温の収縮状態にあるときにはアクセプタから蛍光が発せられる。 |
692 |
熱水ろ過フィルターに使用するナノ繊維マットの開発 |
小形 信男 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
現在、ナイロン系ナノ繊維作製に多用されている溶媒静電紡糸法は溶媒に関わる諸問題を繊維製造時および製品(フィルター)に引き起こす。本研究の紡糸法は溶媒を使用しないため、ナノ繊維作製法として最適である。従来、ナイロン系高分子のメルトブロー紡糸では、1〜2μmが微細平均繊維径の限界である。そこで、申請者が開発した帯状レーザ溶融静電紡糸装置を用いて、ナイロン系ナノ繊維マットが作製出来る最適作製技術を確立する。 |
730 |
電気紡糸法による高性能・多機能カーボンナノファイバーの新規開発 |
KIM YOONGAHM |
信州大学 |
宮坂 秀明 |
信州大学 |
電気紡糸法を用いて、ナノサイズのカーボンファイバー(CNF)をシート状に配向させて形成する手法を活用して、従来の製造方法では達成できなかった高電伝性、熱伝導性、高強度、そして高感度センシング機能が付随した次世代スーパー繊維としての可能性を検討する。 |
748 |
小角電子線回折による多孔質材料の構造解析と開発 |
押田 京一 |
長野工業高等専門学校 |
坪井 開 |
(財)長野県テクノ財団 |
本研究は、活性炭などのランダムな最高を有する多孔質炭素材料の構造解析に、電子線回折による小角電子線散乱法を応用して、その細孔をビジュアル化して、3次元構造を正確に解析する技術を確立するものである。透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、電子線回折の中央部を解析するとともに、TEMの結像機能を利用して小角散乱した電子線を用いて結像し、視覚的に構造を把握して、材料設計に反映することを目的とする。 |
906 |
イオン性不純物への耐性を有するロバストな荷電コロイド結晶系の構築 |
豊玉 彰子 |
名古屋市立大学 |
片山 恵美子 |
名古屋市立大学 |
粒子表面に電荷を持つ粒子が水中に分散した「荷電コロイド系」は、粒子間の静電反発により規則正しく配列し、結晶構造を形成する。コロイド結晶の格子面間隔dは可視光波長のオーダーであり、新規光学素子への応用が期待されている。しかし粒子間静電反発は、数μMのイオン性不純物の存在により遮蔽され、結晶が融解する。コロイド結晶の実用化の大きな妨げとなるこの脆弱さを解消するために、本課題ではイオン性不純物への耐性を高めたコロイド系を構築する。 |
945 |
pH応答機能を有するハイブリッドマイクロカプセルの開発 |
片桐 清文 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
本研究課題では、コロイド粒子をテンプレートに用いて、その表面に交互積層法によって、層状複水酸化物(LDH)ナノシートをコーティングしてコア−シェル粒子を合成し、テンプレート除去によってマイクロカプセルを作製する。LDHナノシートの酸に対する溶解性を利用することで、pHの変化に応答して内包物をオンデマンドで放出する機能を発現させることを目指す。さらにLDHシートの積層数などで、内包物の放出速度をコントロールし、薬物運搬体などへの応用をはかる。 |
960 |
自動車用部材としてのハイコストパフォーマンスシリカ/ポリカーボネート系ナノコンポジット材料の開発 |
棚橋 満 |
名古屋大学 |
野崎 彰子 |
名古屋大学 |
量産に適した簡易手法により、高剛性・高耐衝撃性を有するシリカ/ポリカーボネート(PC)系ナノコンポジットを調製することを目的とした研究である。シリカナノ粒子の水溶液分散系(ゾル)の安定度を制御することで孔構造や強度を制御したシリカナノ粒子凝集体を予め作製し、これを溶融状態のPCと共に混練することにより、PC融体内部で解砕・分散させる。このような本系ナノコンポジットの簡易調製技術の確立に加え、コンポジットの機械的特性も評価して、耐衝撃性が要求される自動車用構造部材への適用の可能性を探索する。 |
1031 |
ナノ・メゾ調和構造制御による高性能実用金属材料の開発と応用 |
飴山 惠 |
立命館大学 |
服部 華代 |
立命館大学 |
従来からの材料強化法では、材料を均一微細な結晶粒組織にすることで高強度を得ているが、一方で延性低下が生じ、高強度と高延性・高靱性を両立することができない。これに対し、本研究テーマである「ナノ・メゾ調和構造材料」は、ナノ結晶組織とメゾ結晶組織を材料内部に調和的に配置することで、高強度と高延性・高靱性が両立できる。すなわち、この方法は従来材料を合金元素添加することなく先端材料とすることができる、革新的な方法である。 |
1072 |
難焼結性純六方晶窒化ホウ素の革新的焼結技術の開発と応用 |
大柳 満之 |
龍谷大学 |
石原 英昭 |
龍谷大学 |
六方晶窒化ホウ素焼結体は、高密度体を得るには、高融点であるため、高温・高圧雰囲気で、かつ焼結助剤を用いる必要があった。一方、窒化ホウ素の結晶構造が無秩序化した粉体を合成し、その焼結過程で構造無秩序-秩序化の伴う緻密化を促進し、助剤を用いることなく密度の高い焼結体を作製できることに成功している。本研究では、この焼結手法の最適化,熱伝導率測定,硬さ試験,曲げ強度試験,弾性率測定などを行う。 |
1076 |
イオン交換により誘起される分相を経由したポーラス材料の作製 |
角野 広平 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、ガラスのイオン交換により誘起される分相を利用し、ガラス表面の局所的微細な部分や、微小なガラスの表面のみを分相させ、更に酸処理により分相領域をポーラス化させることによって、均質層とポーラスガラス相が一体となった新規なポーラスガラスの作製を目指す。このような材料は、ガラスの良好な成形性も利用することによって、デバイス一体型機能材料として応用が期待される。 |
1083 |
プライマー法を用いたカーボンナノチューブ・汎用ポリマーコンポジットの開発 |
本柳 仁 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、カーボンナノチューブと汎用ポリマーの両方に親和性を有するプライマーとしてポリマー鎖を担持したトリフェニレン環を分子設計し、合成したプライマーを用いてポリマー中にカーボンナノチューブが均一に分散したカーボンナノチューブ/汎用ポリマーコンポジットの実現を目指す。これまでの単純に混ぜ合わせただけの既存コンポジットと比較して高い強度付与された高機能性を有する第二世代のコンポジットとなることを期待している。 |
1088 |
高気体透過性と高分離選択性を併せもつ高性能気体分離膜の開発 |
山田 保治 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
多分岐ポリイミド/シリカハイブリッド膜は、高気体透過性と高分離選択性を併せ持つ高性能な気体分離膜であり、温室効果ガスの一種である二酸化炭素の分離回収などへの展開が大いに期待できる。本研究では、膜中での気体透過メカニズムを解明し、ハイブリッド膜のナノ構造・サイズ、分散性、有機/無機成分の相溶性、分子間相互作用などの観点からより緻密な分子構造制御や分子末端の機能化を行なうことにより、更に高性能で実用的な気体分離膜の開発をめざす。 |
1101 |
多孔性高分子ゲルおよびカーボン材料の開発と応用 |
金森 主祥 |
京都大学 |
石田 政隆 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
ジビニルモノマーのリビングラジカル重合による架橋ゲル形成過程に、相分離誘起剤を共存させると、整った細孔径・形態を示す連続貫通孔を有する多孔性高分子ゲルモノリスが得られる。本試験研究では、このような高分子ゲルモノリスあるいはそれを炭素化したカーボンモノリスの、連続貫通孔による優れた通液特性を利用した一体型液体クロマトグラフィー媒体(モノリスカラム)への適用について検討し、実用化を目指す。 |
1119 |
リビングラジカル・カチオン連続重合による新しいブロック共重合体の創製 |
山子 茂 |
京都大学 |
冨松 亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
本研究では、代表研究者が開発した独自のリビングラジカル重合法とリビングカチオン重合法とが共通のへテロ元素活性末端を持つことに着目し、二つの機構的に異なるリビング重合を連続して行うことによる、ブロック共重合体の合成法について検討する。本研究により、ラジカル重合、あるいはカチオン重合に特徴的ブロックセグメントの組み合わせにより、従来法では合成できなかった新しいブロック共重合体の創製を行ない、その応用的利用法を探索する。 |
1186 |
イオン認識能を有する多重積層薄膜の開発 |
村岡 雅弘 |
大阪工業大学 |
辻 公志 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオン、有機アンモニウムイオンなどのセンシングに用いられているクラウンエーテル誘導体の構造は限られており、多種類の被検体に応じたオーダーメイド型センサーの開発が望まれている。本研究課題では、特定のカチオンを高感度にセンシングできるオーダーメイド型薄膜の開発を目的に、反応性側鎖を有するクラウンエーテル誘導体を基点に、多種類の多重積層薄膜へと応用し、イオンセンサーとしての機能評価へと応用展開を図る。 |
1236 |
相分離法を利用したナノ多孔体型分離フィルターの開発 |
辻本 敬 |
大阪大学 |
大野 安男 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
近年、様々な分野においてナノテクノロジーが注目され、三次元ナノ構造が制御された材料開発が盛んに行われている。本代表研究者らはこれまで安全性の高いアルコール水溶液へのアクリル樹脂の特異的な溶解挙動を利用し、相分離法による新規ナノ多孔体作製法を見出している。本研究ではこれらの知見を利用し、多孔表面にアミノ基を精緻に配置することでナノ多孔体にカチオン性を付与し、エンドトキシをはじめとするアニオン性物質の分離フィルターを開発する。また、ナノ構造と分離能の詳細に解析することで、分離フィルターの高性能化を目指す。 |
1250 |
植物由来シリカを用いた高耐塩素性・高耐摩耗性を有する複合ゴムの開発 |
梅田 純子 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
現行のEPDMゴムでは、補強材としてカーボンブラック(CB)を添加しているが、水道水中の残留塩素により溶出したCBが発癌性物質であり、現行ゴム素材における耐塩素性が問題視されている。本研究では、植物由来シリカ粒子が非発癌性で、かつ食品添加物試験・医薬部外品試験などをクリアした高い安全性と、シリカの特性である高剛性・超微細多孔質構造に着目し、CBを含まない植物由来シリカ補強複合ゴムを開発し、水道管や食品・薬品製造装置用パッキンへ適用する。 |
1368 |
プリンテッド太陽電池のための金属・半導体ナノ粒子インクの開発 |
直江 一光 |
奈良工業高等専門学校 |
河島 俊一郎 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
次世代太陽電池セルの工業的生産の実現には、金属または半導体結晶ナノ粒子をプリンティング(印刷)する技術の導入が不可欠である。本研究では代表研究者が有する金属ナノ粒子のサイズ、形状制御の技術を用いて、様々なサイズ・形状の金属並びに半導体ナノ粒子を調製し、それらが分散した溶媒の溶液物性を精査することによって、塗布・乾燥プロセスに適したナノ粒子インクの設計指針を得る。 |
1375 |
機能性人工血管開発のためのコンポジットコラーゲン・マイクロチューブの作製と評価法の確立 |
森本 康一 |
近畿大学 |
大野 安男 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
新規な構造と機能を有するアクチニダイン処理コラーゲンと各種添加剤を混合したコンポジットコラーゲンを、ポリジメチルシロキサンで作成したマイクロチューブに固定化した独創的な血管疑似モデル系を作製する。血管内皮細胞などをマイクロチューブに接着させて灌流培養し、形態変化と分泌物濃度を測定することで細胞機能を評価する。また、灌流速を変えて培養細胞をタイムラプス観察し、機能性人工血管モデルの評価系を構築する。 |
1388 |
機能性材料合成のための超高活性パラジウム触媒の実用化 |
奥村 和 |
鳥取大学 |
伊藤 邦夫 |
鳥取大学 |
パラジウムアンミン錯体を担持したゼオライト触媒に室温で水素を流通させることにより、ゼオライト細孔内に1ナノメートル以下の極めて微細なサイズを有するパラジウムクラスターを形成させることができる。このパラジウムクラスター触媒はベンゼン環どうしをつなぎ、医薬品や液晶などの機能性材料を合成する鈴木・宮浦反応に高活性を示す。本研究では、このパラジウムクラスタ−触媒を種々の炭素―炭素結合反応へ展開し、高活性発現の機構を解明するものである。 |
1467 |
遅れ破壊特性に優れた超高強度TRIP型マルテンサイト鋼の開発 |
塩田 祐久 |
津山工業高等専門学校 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
近年、乗用車の車体軽量化と衝突安全性の向上が求められている。現在、590〜980MPa級の高強度鋼板が多くの乗用車に適用されているが、将来的には1280MPa級以上の超高強度鋼板が必要となってくる。一般的に、高強度鋼板は980MPaを超えるとプレス成形性、衝撃特性が著しく低下する。さらに、水素による脆化が問題となる。本研究では、母相をマルテンサイトとしたTRIP型マルテンサイト鋼(TM鋼)の遅れ破壊特性を調査して、優れた水素脆化特性を有する超高強度鋼板を開発する。 |
1669 |
セルロースを用いたレアメタル回収材の開発 |
岡ア 由佳 |
高知県工業技術センター |
津嶋 貴弘 |
高知県工業技術センター |
近年、レアメタル(希少金属)はその固有の金属特性から、多くの産業で幅広く使用され、国内産業にとって必要不可欠な金属である。しかし、産地の多くの情勢不安やアジアを中心にした需要の急拡大等により、国際的な需要逼迫、価格の高騰等の事態を招いている。このような状況下において、国内での安定供給をはかるために、レアメタルのリサイクルに関心が集まっている。そこで本研究では、レアメタル資源確保のための回収及びリサイクルを目的としたセルロースを保持材とするレアメタル回収材の開発を目指す。 |
1721 |
ナノ表面複合化技術による可視光応答型光触媒殺菌材料の開発 |
村上 直也 |
九州工業大学 |
小川 勝 |
九州工業大学 |
光触媒の高性能化として、光触媒粒子の表面構造を制御する、即ち結晶表面を制御された粒子に、金属イオンを結晶面選択的に修飾することによって、可視光照射下においても酸化と還元の反応場が分離され、高効率な菌の酸化分解を可能にすることが出来る。この知見をベースにして、金属イオンの結晶面選択的修飾を行うことで、従来にない高い殺菌力を有する可視光応答型光触媒を開発する。 |
1744 |
窒化物を利用したステンレスピアノ線の創製 |
中田 伸生 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
ピアノ線は、フェライト鉄と炭化物(Fe3C)が層状に配列した組織を有するパーライト鋼を強伸線加工することで得られる高強度鋼線であり、構造物の軽量化、大型化・高層化を図るために不可欠な材料の一つであるが、耐食性や耐酸化性に乏しく、腐食環境下や高温での使用が制限される。本研究では、耐食性に優れたFe-Cr-N系合金で形成されるフェライト鉄と窒化物(Cr2N)の層状組織に強伸線加工を施すことで、強度と耐食・耐酸化性を兼ね備えたステンレスピアノ線の創製を試みる。 |
1745 |
バリア放電オゾン処理による高濃度カーボンナノチューブの水溶化とその応用 |
今坂 公宣 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
カーボンナノチューブ(CNT)は、優れた電気的、化学的、機械的特性から幅広い分野への応用が期待されている。しかし、CNTは疎水性を示し、水中では凝集してしまうため分散させることが困難であり、応用上、その本来の特徴を充分に発揮できないという問題がある。本課題では、高濃度CNTを必要とする複合材料や燃料電池等の応用分野をターゲットとして、ガス中バリア放電によって生成されたオゾンを用いた新たな高濃度CNT水溶化技術の確立を目的とする。 |
1788 |
せん断型微小疲労き裂進展試験装置の開発と応用 |
松永 久生 |
福岡大学 |
田中 洋征 |
福岡大学 |
接触動荷重が作用して起こる軸受のフレーキングや鉄道レールのピッチングなどのはく離損傷を疲労き裂進展問題として定量評価するためには,負荷形態のうち最も重要なせん断型(モードU,V)の疲労き裂進展特性の解明が不可欠である.本研究では,これまでにないせん断型き裂の進展試験に特化した安価な疲労試験機を開発し,種々の材料に対してき裂進展データを効率良く取得してはく離損傷評価への応用を図る. |
1790 |
殺菌機能性を有する高強度アルギン酸塩膜の開発 |
森田 洋 |
北九州市立大学 |
加藤 さとみ |
(財)北九州産業学術推進機構 |
本研究では研究者が既に確立した手法により製造された高強度のアルギン酸塩の薄膜に可視光応答型光触媒(S-TiO2)を複合化、光触媒を分散保持させ接触効率の向上で抗菌性を高める。他方、光触媒の複合化に伴う薄膜の変形や強度低下が予想されるが、これらをクリアする複合薄膜作成条件を確立する。また膜表面の接触角や光透過性等のデータを採取し、各種用途に対応し得る条件を把握し実用化を目指す。 |
1829 |
高速分離を可能にする耐圧性HPLC 用分離剤の作製 |
佐藤 崇雄 |
熊本県産業技術センター |
草野 民三 |
(財)くまもとテクノ産業財団 |
市販の食品や医薬品、化粧品などの多くは、厳密にその成分や微量の不純物の定性及び定量が義務付けられている。それらの測定の主力である高速液体クロマトグラフ(HPLC)の測定精度や効率はHPLC用分離剤に依存する。そこで本研究では、分離剤の基質に酢酸菌が創り出すナノサイズの繊維を利用し耐圧性を向上させ、さらに化学修飾を施しカラム充填することにより、高い分離能を有し再現性よく短時間で測定可能な分離剤を開発する。 |
1834 |
核酸選択除去剤としてのナノ構造制御高分子ビーズの開発と応用 |
坂田 眞砂代 |
熊本大学 |
古家 達也 |
熊本大学 |
DNAは、菌体・細胞由来の注射用試薬の原材料中に普遍的に存在している。DNAが注射等により体内に投与されると人体に発ガン遺伝子を増殖させる恐れがあるため、注射用溶液からDNAを除去することがWHOでも強く推奨されている。 本研究課題では、遺伝子組み換え大腸菌や培養細胞由来のワクチンや注射用タンパク質原材料中に残存している核酸 (DNA )を10 ng/mL以下の濃度に吸着除去することを目的にDNA吸着剤の開発とその実用化を目指す。 |
1859 |
高電気伝導・熱伝導をもたらすナノフィラーの開発と複合材への応用 |
豊田 昌宏 |
大分大学 |
近藤 晋一 |
大分大学 |
黒鉛を構成する炭素六角網面1枚を示すグラフェンは、2次元方向への優れた電気・熱伝導性を示すことから、高分子材料と複合化させた場合、これまでに無い電気・熱伝導材料として期待される。本代表研究者は、膨張黒鉛シートの電気化学処理とそれへの加熱処理により、グラフェン数層が積層したナノサイズまでの剥離(ナノフィラー)に成功した。この材料を用いて高電気・熱伝導特性を示す複合材料の調製を目指す。 |
1899 |
静水圧処理による刺激応答性材料の開発 |
山元 和哉 |
鹿児島大学 |
中武 貞文 |
鹿児島大学 |
静水圧処理により分子内および分子間に誘発される相互作用を利用した新しいナノ構造体の開発および多機能材料への展開を目指す。表面濡れ性の制御を目的とした機能性複合膜の調製の検討として、本手法で得られた複合ナノ粒子および複合膜の水環境中における安定性および機能性、さらに材料展開を視野に入れたモデル物質の担持能について評価する。 |
57(B) |
整合性制御により高強度・高延性化した新規アルミニウム材料の応用展開 |
松田 健二 |
富山大学 |
永井 嘉隆 |
富山大学 |
独自に開発した合金中のナノ金属間化合物の格子定数を変化させて材料を強化する整合性制御法は、既存のアルミニウム合金の20-30%の強度アップと2倍の延性改善が可能である。この手法を実用合金として実操業ベースでの使用を想定した鋳造・押出・熱処理工程に関する応用研究を実施して、性能を評価することで、強度や延性に優れ、しかも時効硬化速度が速く、建築分野のほか自動車などの輸送機関での使用にも適した6000系アルミニウム合金の提供を目指す。 |
99(B) |
強度異方性を解消した高衝撃エネルギー吸収性マグネシウム展伸合金の開発 |
近藤 勝義 |
大阪大学 |
武井 廣見 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
工業用最軽量金属であるマグネシウム(Mg)展伸合金の構造部材への適用を実現すべく、強い集合組織を緩和して押出材内での強度異方性を解消し、同時に高強度のみならず高い衝撃エネルギー吸収性を付与できる革新的なMg合金の製造方法を構築する。具体的には、Mg粗粒粉末に対して等方向的な加工歪を導入し、微細な動的再結晶粒の形成と配向性の無秩序化による組織制御を行うことで高強度化と強度異方性の解消を実現する。 |
101(B) |
次世代汎用型高強度・高耐摩耗性を有する耐熱金属間化合物合金の開発 |
金野 泰幸 |
大阪府立大学 |
阿部 敏郎 |
大阪府立大学 |
汎用多結晶鋳塊から繰り返し温間圧延−焼鈍プロセスを経て作製されるNi基およびCo基金属間化合物冷間圧延材は素材のもつ高強度特性に加えて強加工の効用によって現用金属材料の中でも屈指の高強度特性を示す。本開発材は貴金属など高価な元素を含まない単純な合金組成をとり、溶解鋳造、圧延など従来設備での製造が可能なためコスト的にも有利である。本課題では産業界から要望の高い特殊環境用摺動部品部材等への適用を目指し、強度、耐摩耗性、加工性、耐食・耐酸化性等のさらなる特性向上を図る。 |
118(B) |
高延性・高強度ナノボールの開発と応用 |
吉村 敏彦 |
呉工業高等専門学校 |
土井 章慈 |
呉工業高等専門学校 |
カーボンナノチューブやフラーレン等のナノ材料は、電子材料や燃料電池、複合材料、医療、バイオ等、様々な分野で適用が進められている。本研究では、真球度が高く、フラーレンよりも大きい数十nmから数μmサイズの高延性・高強度のナノボールを開発し、ナノボールを粒子分散することにより強化する複合材料や、ナノマシンを構成する部品としての実用化を目指す。 |
129(B) |
界面重合反応による新規ナノ構造体合成法を活用した機能紙の開発 |
市浦 英明 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
本研究では、界面重合反応を利用して、紙表面上でナノカプセル、ナノファイバーおよびナノ多孔体などの高分子ナノ構造体の合成を行い、それら形状の特徴を備えた機能紙の開発を試みる。 本技術の活用により、紙を反応溶液中に静置するだけで、紙表面上で3種のナノ構造体の合成が可能である。本申請では、界面重合反応による独自のナノ構造体合成法を活用し、そのナノ構造体の特徴を生かした紙の高度機能化とその機能開発を試みる。 |
135(B) |
省資源と高特性を両立する微細粒高窒素チタン合金の開発 |
土山 聡宏 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
Ti-6Al-4V合金等の現用のチタン合金において多量に使用されている高価な稀少金属元素の代替として、安価な「窒素」を高濃度に利用し、高強度・省資源・廉価型の新しいチタン合金を提案する。一般に窒素はチタン合金を脆化させる元素として知られているが、「結晶粒微細化」、「結晶粒等軸化」、「二相間窒素分配制御」、「軟質β相微細分散」に関する蓄積技術を活用することで、延性を損なうことなく一般的なチタン合金であるTi-6Al-4V合金を上回る強度特性を引き出すことが可能となる。 |
137(B) |
リグニンを原料とする中空炭素微粒子の環境調和型製造技術の開発と微粒子の実証評価 |
亀川 克美 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
安部 英一 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
再生可能資源であるリグニンと無機化合物から軽量の中空炭素微粒子を製造する技術をシーズ発掘試験Aにおいて開発した。本研究では、高分子との複合化に適した物理的強度を有する軽量中空炭素微粒子の製造条件を明らかにし、そしてそれを用いて製造した高分子との複合材料について軽量性などの評価を行う。そして更には、中空炭素微粒子の製造工程において発生する高濃度無機化合物水溶液を再利用するための技術を開発する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
87 |
新規磁性カーボンナノチューブによるナノカーボンの体内動態・安全性評価 |
阿部 薫明 |
北海道大学 |
清水 條資 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
ナノカーボン物質の一種、カーボンナノチューブ(以下CNT)は様々な分野への応用研究が試みられている。一方でアスベストに類似したサイズ・形状を持つCNTが存在することから、これらを一括して使用に規制しようという動きがある。本研究では磁性ラベル化CNTを作成し、実験動物への蓄積・代謝の様子、経時的な挙動を磁気共鳴画像(MRI)法により追跡し、CNTの生体刺激性やサイズ・形状等の影響を検討する。 |
124 |
薬物肺送達システムの担体となる新規エアゾール型リポソームの開発と応用 |
丁野 純男 |
北海道薬科大学 |
東 市郎 |
北海道薬科大学 |
呼吸器感染症など肺疾患の発症には、肺粘液層(ELF)や肺胞マクロファージ(AM)が関与している。研究者らは、肺疾患治療薬をELF及びAMに送達可能なエアゾール型リポソーム(AL)を開発してきた。ALのELF及びAMへの標的性を更に向上できれば、様々な肺疾患に対して高い治療効果が得られる薬物肺送達システムが構築できる。本研究では、製剤学的工夫により表面修飾したALを新規開発し、臨床応用を目指す。 |
141 |
スラリー埋入加熱処理を利用した高密着性ナノアパタイト被覆チタン材料の開発 |
大津 直史 |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
機械的特性に優れ生体への毒性が低いチタン金属は、骨代替材料として広く利用されている。しかし、通常、チタン金属が骨と直接結合することはありえない。本研究では、我々が新しく考案したスラリー状処理剤中に基材を埋入しそのまま加熱するという簡便な処理プロセスを用いることにより、骨と直接結合できる高密着性ナノアパタイト皮膜を有するチタン材料を開発することを目指す。 |
230 |
「純チタン薄膜」を用いた新規歯周組織再生バリアメンブレンの開発 |
石幡 浩志 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
本研究では,生体親和性を有する薄膜純チタンに「マイクロピアス法」にて数μmの小孔を無数に形成した「チタン薄膜フィルター」を製作し、現在、歯周組織内に埋設する組織再生膜(厚さ400μm)より大幅に薄く(約50μm)・同等機能・強度・抗菌性を実現した「新規歯周組織再生バリアメンブレン」を開発する。またその効果をさらに高める極薄高精細フィルター「貫通型ハニカムフィルム」(厚さ20μm以下)を付加した「ハイブリッドチタンメンブレン」を併せて開発し、早期の臨床応用を目指す。 |
242 |
ナノバブルを用いた転移リンパ節遺伝子治療法の開発 |
小玉 哲也 |
東北大学 |
渡邉 君子 |
東北大学 |
リンパ行性転移は原発巣からリンパ液の流れに沿って進行すると考えられている。微小転移の予防を目的に周辺のリンパ節をすべて除去する郭清が一般的におこなわれているが、この治療は多大な侵襲をともなう。本研究では、抗腫瘍遺伝子が長期に発現するプラスミドDNAをナノバブルに封入し、超音波照射によりこのバブルをリンパ節転移部位で破壊して、プラスミドDNAの導入と発現から治療を目指す、新しい転移リンパ節遺伝子治療法の開発をおこなうことを目的にする。 |
504 |
固形がん診断用高分子ミセルMRI造影剤の開発 |
白石 貢一 |
(財)神奈川科学技術アカデミー |
中村 英樹 |
(財)神奈川科学技術アカデミー |
精密に制御されたブロックコ共重合体が形成する10-200nmサイズの集合体である高分子ミセルは、固形がんへの抗がん剤ターゲティングに適した材料である。本申請研究は、高分子ミセルという同じキャリアを利用して診断と治療を結ぶ技術が確立されることを目指し、診断薬に求められる安全性と、固形がんへの高いターゲティング能を有するがん診断用高分子ミセルMRI造影剤の開発を行うことを目的としている。 |
607 |
マイクロマルチLDV法を応用した動脈血流情報による動脈硬化検査装置の開発 |
八賀 正司 |
富山商船高等専門学校 |
赤座 治郎 |
富山商船高等専門学校 |
動脈の血流速分布の時空間情報から、アテロームプラークの形成及び早期の動脈硬化を検査する装置の開発を行う。マルチLDV法を応用したレーザードップラー血流測定装置の改良(空間分解能:250μm→100μm)を行い、生体内の動脈血流情報計測から、血管内の有効内径(峡窄、閉塞、拡張)の評価診断、早期の動脈硬化の判定、及びプラークの破裂の可能性の評価を行う。 |
617 |
ビロソームによる膜蛋白質の膜間移行を利用したインフルエンザ人工膜ワクチンの製造 |
上野 雅晴 |
富山大学 |
佐貫 大三郎 |
富山大学 |
新規インフルエンザワクチンとして人工膜ワクチンを調製し、医療応用を念頭に投与経路を検討する。すなわち、サル腎由来CV−1細胞にインフルエンザウイルスを感染させ、膜表面に突出したインフルエンザ抗原蛋白質を膜蛋白質の膜間移行を利用してリポソームに移し、ビロソームを構築する。これを種々経路で実験動物に投与し、免疫能を評価する。この方法で調製したワクチンは感染力を有するウイルスへの復帰の危惧はなく、卵アレルギーの人への摂取を可能にする。 |
643 |
超音波刺激応答性ナノキャリアによるピンポイント抗がん剤投与システムの開発 |
清水 宣明 |
金沢大学 |
渡辺 良成 |
金沢大学 |
がん治療のひとつに抗がん剤投与があるが、腫瘍部位への薬剤作用だけでなく、正常組織への副作用が起きることが問題となっている。そこで本研究では、抗がん剤を熱応答性リポソームというナノカプセルに内包して投与した後、生体外から腫瘍部位への“収束超音波刺激”でリポソームを崩壊させ、抗がん剤を放出させるというDrug Delivery System(DDS)の開発を目的とする。これにより、腫瘍部位へのみピンポイントで抗がん剤を送達できるため、副作用を最小限に抑えることが可能になり、患者のQOLの向上につながる。 |
804 |
ガン細胞の増殖を抑える食品のためのペプチドの開発 |
大吉 崇文 |
静岡大学 |
粟田 正志 |
静岡大学 |
本研究は、ガン細胞の増殖抑制効果を示すペプチドの開発に関するものである。テロメア伸長やガン遺伝子の発現を抑えることができれば、ガン細胞の増殖抑制効果が得られると考えられている。すなわちテロメアやガン遺伝子の一部が形成するグアニン四重鎖核酸に結合する分子は、ガン細胞の増殖を抑制ことが期待できる。ガン細胞の増殖抑制効果を示すペプチドの開発と、そのペプチドを含む食品開発を目指し、医薬品への開発の可能性も探る。 |
898 |
歯科用う蝕防止シーリングガラスの開発 |
春日 敏宏 |
名古屋工業大学 |
岩間 紀男 |
名古屋工業大学 |
う蝕治療部の接着材の劣化などによる二次う蝕を防ぐための新しい歯科治療が望まれている。本研究では、う蝕除去部に塗布したガラス粉末に低出力炭酸ガスレーザーを照射して緻密な耐蝕性に優れる無機質膜を被覆するという、新しい歯科シーリング治療のための特殊ガラスを開発する。炭酸ガスレーザーがリン酸基や水酸基に吸収されることに着目し、リン酸塩系ガラスをベースとした組成を設計し、最適な粒度や照射条件などを検討する。 |
1117 |
高い腫瘍到達力を持つターゲティングプローブの開発 |
三木 康嗣 |
京都大学 |
冨松 亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
本代表研究者は近年、有機金属触媒を用いる両親媒性三成分共重合体の効率的な合成とその自己集合体である色素含有ミセル状ナノ粒子の創製に成功している。また、腫瘍が持つ物理的な要因によりこのナノ粒子がマウスの腫瘍組織に集積することを蛍光イメージングにより確認した。本試験研究では実用化に向けて、本代表研究者が見出した腫瘍イメージング剤に対する化学修飾によりその構造の強化を図り、副作用の少ない抗がん剤の開発を目指す。 |
1146 |
MEMSを用いた新規遺伝子導入技術の開発 |
岸田 綱郎 |
京都府立医科大学 |
羽室 淳爾 |
京都府立医科大学 |
ヒト細胞に安全に遺伝子を導入するには、レトロウイルスベクターやアデノウイルスベクターなどのウイルス性ベクターを使わない、いわゆる非ウイルス性ベクターを用いることが望ましいが、従来の非ウイルス性ベクターでは、安全性と同時に導入効率を上げることは難しかった。本課題では、MEMSを用いた全く新しい実用的な遺伝子導入技術を確立することを目標とする。 |
1196 |
中性子捕捉療法に向けた新規超分子ホウ素キャリアーの開発 |
長ア 健 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は腫瘍細胞にホウ素原子を選択的に集積させることができれば理論的には細胞単位でのがん特異的治療が可能である。従って、如何に効率的かつ選択的に腫瘍細胞にホウ素原子をデリバリーできるかがBNCT成功の鍵を握っていると言っても過言でない。そこで、簡便かつ高濃度に腫瘍細胞へデリバリー可能なホウ素キャリアーを構築するために、多糖と疎水性ホウ素クラスターからなる超分子複合体を調製し、腫瘍集積性等を検討し、BNCTに向けた基礎的知見を得る。 |
1235 |
免疫学研究のための擬似ウイルス型量子ドットの開発 |
藤井 文彦 |
大阪大学 |
大野 安男 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
本研究課題では、病原体によって引き起こされる免疫応答を理解するために、光学顕微鏡下で安定して追跡可能な擬似ウイルス型蛍光プローブの開発を目的とする。コア部分には光安定性に優れた半導体量子ドットを使用し、それをウイルス由来の核酸または殻で被覆することによって、ウイルスを模した免疫学研究用の蛍光プローブを開発する。 |
1284 |
簡便・迅速・高感度なキャピラリー型1段階ウイルス診断デバイスの開発 |
久本 秀明 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
本研究課題は、ウイルスマーカー抗原・検出試薬混合溶液を毛細管力で吸引するだけの1段階で、多段階の免疫・酵素反応が自発的に進行し、高感度な酵素反応増幅蛍光信号が得られるキャピラリー型ウイルス診断デバイスの開発が目的である。ここでは1例としてHIV診断用抗原のHIV-1 p24検出用化学修飾キャピラリーを作製し、従来法よりも簡便・迅速・高感度なウイルス診断技術として有用であることを示す。 |
1394 |
キチン・キトサンナノファイバーを用いた創傷被覆保護材の開発 |
伊福 伸介 |
鳥取大学 |
清水 克彦 |
鳥取大学 |
申請者はカニ殻に含まれる幅が僅か10 nmの極めて細く均質なキチンのナノファイバーを抽出することに成功した。キチンとその脱アセチル誘導体であるキトサンは生体親和性が高く、副作用が無く、鎮痛効果、止血効果、表皮形成、抗炎症作用など数多くの優れた生体機能を備えている。そこで、本事業では、この新規なキチンおよびキトサンナノファイバーを利用した創傷被覆材料の開発を提案する。 |
1416 |
関節軟骨変性疾患の2段階分子標的治療システムの開発 |
大橋 俊孝 |
岡山大学 |
大村 祐章 |
(財)岡山医学振興会 |
変形性関節症(OA)関節リウマチ(RA)など慢性の関節炎を伴う関節疾患は、関節の構成要素の退行変性により、軟骨の破壊と骨・軟骨の増殖性変化を来す疾患で、今後さらに増加が予想される。本課題は代表研究者らが確立した炎症指向性リポソームに同じく代表者らが発見した軟骨集積性保護剤を内包させる2段階分子標的システムを使った薬物送達法の開発である。つまり、2つの標的化技術を組み合わせて、全身性の関節炎に軟骨保護剤送達し集積を可能にすることを目指している。 |
1505 |
有機−無機複合体分子カプセルへの水素原子の高効率包接法の開発と応用 |
駒口 健治 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
ケイ酸の立方体型構造の各頂点に有機置換基を有する籠状シルセスキオキサン(POSS, R8(SiO1.5)8, R = H, Me, etc.)は、γ線照射されると籠状骨格内に原子状水素を包接する。この水素原子包接POSSは、水素原子の反応性を低く抑えながら、磁気的特性をそのまま保持した大変興味深い有機−無機複合体である。本研究では、水素原子包接POSSを効率良く製造できる簡便で新しい方法(電気放電法)を確立し、MRI分子イメージング用造影剤等への応用を検討する。 |
1563 |
大腸癌に対するマルチモーダルイメージングプローブの開発 |
中村 教泰 |
徳島大学 |
斎藤 祐一 |
徳島大学 |
代表研究者が世界に先駆けて開発し展開を進めている「有機シリカ粒子技術」を駆使し、大腸癌に対して一つの粒子で多角的な検出や評価が可能なマルチモーダルイメージングプローブを開発する。Magnetic resonance imaging と蛍光イメージングが可能となるマルチモーダルイメージングプローブを作製し、大腸癌の分子イメージング・画像診断への応用・発展を目指す。 |
1585 |
RNA干渉法を用いた創傷治癒促進・瘢痕形成抑制術の開発 |
泰江 章博 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
口唇裂・口蓋裂患者における裂隙閉鎖術後の瘢痕組織は、その強い瘢痕鈎縮により上顎骨劣成長や上顎歯列弓狭窄をもたらし、その結果患者は重篤な不正咬合を呈する。本課題は口蓋粘膜創傷治癒過程における瘢痕形成抑制法をRNA干渉法の利用といった遺伝子医薬という観点からアプローチ・検討するものであり、瘢痕組織形成抑制に対する新規遺伝子医薬開発の第一歩となるものである。実施内容は、アテロコラーゲンを遺伝子キャリアーとして、創傷治癒・瘢痕組織形成に大きく関与するSmad3遺伝子に対するsiRNAをマウスに導入することで、瘢痕形成抑制効果を評価するものである。 |
1587 |
先端医療応用に向けた革新的siRNA腫瘍選択的デリバリーシステムの開発 |
石田 竜弘 |
徳島大学 |
平岡 功 |
徳島大学 |
当該研究において、抗腫瘍活性を持つ短いRNA(siRNA)を搭載したリポソームの静脈内投与と腫瘍内新生血管の透過性を選択的に亢進して投与後のsiRNA搭載リポソームの腫瘍内移行性を向上させうる抗がん剤の投与とを組み合わせることで、より高い抗腫瘍効果が得られる革新的デリバリーシステムの開発を行う。 |
1677 |
走査型誘電泳動法による浮遊腫瘍細胞のワンステップ診断と識別回収 |
古沢 浩 |
高知工科大学 |
都築 俊夫 |
高知工科大学 |
走査型誘電泳動法(走査法)とは、液中への差し込み式走査型電極対の自在操作と先端対間の高電場域に起因した細胞の誘電泳動の連携により、非接触での微小物体の識別操作を実現する技術である。本課題では、 浮遊腫瘍細胞の “超”早期診断 の実現を目指して、周波数変調波を印加した走査型電極対による血液など体液中の3次元スキャン機能を有する細胞解析分離システムを開発し、白血病細胞の迅速診断と正常細胞からの識別回収を実証する。 |
1748 |
薬物のナノコーティング技術を利用した経皮免疫系の構築 |
後藤 雅宏 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
注射でしか投与できない薬物を経皮吸収製剤(塗り薬)化することは、製剤の安全性や患者のQuality Of Life(QOL)の向上の観点から、医療現場で強く望まれている。本研究で種々のタンパク質製剤を脂質膜でコーティングし、油中に活性を保持したまま安定に可能化する技術を開発する。疎水性の高い角質層の透過を大きく促進する技術を利用し、塗り薬ワクチンが実現可能な経皮免疫製剤の開発に挑戦する。 |
1784 |
超音波照射による光触媒の抗がん作用の確認および実用化研究 |
立花 克郎 |
福岡大学 |
坂本 弘明 |
福岡大学 |
本研究では、光触媒と超音波エネルギー照射の併用で生体内での抗がん作用を確認し、医薬品としての可能性を検討する。ポリマーで光触媒微粒子表面を処理した、ナノサイズにコントールされた光触媒微粒子を用い、がんに多くの物質を取り込み、保持するという特性を利用し、超音波エネルギー照射で光触媒を励起させ、その抗がん作用を発揮させる。超音波エネルギーは生体深達度が高いため、がん細胞死滅率が飛躍的に向上することが予想される。 |
1843 |
簡便なNO−トラフィックアルブミン調製方法の開発と臓器移植への応用 |
丸山 徹 |
熊本大学 |
森田 高広 |
熊本大学 |
臓器移植における臓器保護効果の持続性については、従来のNO補充療法では問題があることが分かっている。本研究では一酸化窒素トラフィックタンパク質として臓器保護効果が実証されているアルブミンの簡便かつ迅速な調製方法の開発と臓器移植への応用を検討する。 |
82(B) |
テーラーメード医療のための網羅的疾病診断システムの開発 |
熊田 陽一 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
本研究では、既存のナノスポッティング技術と独自に開発した「診断用抗体の安定な固定化技術」を融合し、低コスト、高感度かつハイスループットな免疫診断チップを開発することを目的とする。ポリスチレン親和性ペプチドを用いて診断用抗体を安定かつ高密度にチップ基盤上に固定し、さらに、検出用抗体として従来の蛍光色素の代わりにPS製蛍光ナノビーズを用い、検出感度の向上を試みる。 |
93(B) |
骨芽細胞を誘導できる高QOL型人工骨の開発 |
岩崎 光伸 |
近畿大学 |
松本 守 |
近畿大学 |
代表研究者は、独自に開発した微粒子添加アノード酸化法により、ハイドロキシアパタイト(HAp)ナノ粒子を強固に固着させた人工骨材料を作製し、このものが生体骨と強固に接着する新規人工骨であることをみいだした。本研究は、骨芽細胞を誘導できる細孔を人工骨表面に形成した生体骨と飛躍的に早く結合できる骨疾患患者のQOL(Quality of Life) が著しく高くなる人工骨を、微細パターニングとアノード酸化を組み合わせた非常にユニークな技術で開発するものである。 |
96(B) |
微小癌の早期発見と術中蛍光診断を達成可能な蛍光−MRIバイモーダル複合造影剤の開発 |
向 洋平 |
大阪大学 |
大野 安男 |
独立行政法人科学技術振興機構 |
本研究課題では、微小癌のMRIによる検出と、癌病巣の術中蛍光イメージングを同時に達成可能な、バイモーダル腫瘍造影剤の開発を目指すものである。本造影剤は、微細な腫瘍組織をMRIと蛍光イメージングの双方から検出可能であるため、MRIにより陽性と認められた患者の外科手術の腫瘍摘出蛍光ガイド試薬として用いることができる。本研究課題では、蛍光標識された腫瘍血管特異抗体と独自の金磁性ナノ粒子からなる新規の造影剤を設計し、マウスおよびラット腫瘍モデルを用いてその複合造影剤としての有用性を評価する。 |
116(B) |
新しい蛍光剤・酸化亜鉛ナノ粒子を活用した早期がん診断技術の開発 |
中村 守彦 |
島根大学 |
宮崎 稔 |
島根大学 |
島根大学で開発した毒性が無い蛍光剤としての酸化亜鉛ナノ粒子を活用して、現在では診断が困難な超早期の「がん」細胞の検出を可能にする技術を確立する。酸化亜鉛ナノ粒子の開発と培養がん細胞の検出技術は確立しているので、生体内の「がん」細胞を蛍光観察(バイオイメージング)できるシステムを開発する。これにより、内視鏡・胸腔鏡のプロトタイプを完成させ、最先端医療の実現を目指す。 |
123(B) |
ホウ素含有ナノ粒子の中性子捕捉療法用薬剤化に向けた薬物輸送機能付与のため表面修飾試験 |
石川 善恵 |
香川大学 |
渡辺 利光 |
香川大学 |
治療が困難な悪性腫瘍(メラノーマやグリオブラストーマなど)に有効な治療法として、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)がある。BNCTとは、大きな中性子吸収断面積を有する10B原子を腫瘍細胞に導入して中性子照射を行い、生成するα粒子により腫瘍細胞のみを選択的に破壊させる手法である。これまでに申請者はBNCTにおいて高い治療効率を見込める炭化ホウナノ粒子を開発しており、最終目標としてその薬剤化を目指す。本試験では、炭化ホウ素ナノ粒子の表面を腫瘍選択性を有する物質で修飾することによって、腫瘍細胞への選択的導入能を付与するための試験を行う。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
36 |
耐塩素性・耐窒素性分解触媒の開発によるプラスチックリサイクル技術の高度化 |
上道 芳夫 |
室蘭工業大学 |
加賀 壽 |
室蘭工業大学 |
塩ビやナイロンなどの異種プラスチックを含むポリオレフィン系廃プラスチックを高効率で石油化学原料へ転換する接触分解リサイクル技術の開発を目指している。そのため、ガリウム系分解触媒に対する異種プラスチックの影響を解明し、金属添加により耐塩素性・耐窒素性を賦与する触媒改良法について検討する。さらに調製した触媒の塩ビおよびナイロン許容濃度、最適反応条件などを検討してプラスチックリサイクル技術の高度化を図る。 |
47 |
マイクロ構造を用いた高効果光触媒薄膜の開発と応用 |
Karthaus Olaf |
千歳科学技術大学 |
大沼 友一郎 |
千歳科学技術大学 |
多孔質膜は高湿度下で高分子溶液をキャストすることにより簡単に作製できる。空気中の水分は有機溶媒上に吸着する。水滴テンプレートを用い多孔質膜作製のための自己組織化構造が作れる。本研究では亜鉛錯体と両親媒性高分子を有機溶媒に溶かし、ハイブリッド膜を焼成、作製された酸化亜鉛光触媒多孔質薄膜の評価を行う。さらに、高分子の多孔質膜をテンプレートし、酸化金属のナノ粒子を吸着、光触媒多孔質薄膜の評価を行う。 |
67 |
イカ墨色素粒子を用いた色素増感型太陽電池の開発 |
上野 孝 |
函館工業高等専門学校 |
東藤 勇 |
苫小牧工業高等専門学校 |
研究者らは、函館エリアでイカの加工工程から廃棄されるイカ墨袋から単分散の黒色色素粒子を分離・精製・濃縮することに世界で初めて成功し、食品などに直接印字する用途などで事業化に向けた開発を行っている。ルテニウム錯体を用いた色素増感型太陽電池は高い光電変換効率を有しているが、非常に高価であるため量産化には適していない。色素材料として精製イカ墨を利用し、電気への変換効率を実用化レベルまで引き上げる見通しを得る。 |
127 |
ホタテガイ副産物を利用した新規貴金属吸着剤の開発と応用 |
富田 恵一 |
北海道立工業試験場 |
作田 庸一 |
北海道立工業試験場 |
ホタテガイは北海道における主要な水産物であり水産加工により多量の貝殻および内臓が廃棄されている。これらは各種金属元素を濃縮していることが知られていることから、本研究では、その性質を利用することにより、廃電子基板等の含貴金属廃棄物からの貴金属吸着回収剤を開発し、実用化に必要な各種工業的特性を明らかにすることを目的とする。 |
143 |
中性電解質を用いた相補型エレクトロクロミック調光ガラスの開発 |
阿部 良夫 |
北見工業大学 |
内島 典子 |
北見工業大学 |
建築物の冷暖房負荷や照明負荷の低減による省エネルギー効果が期待されるエレクトロクロミック調光ガラスの開発を目的とする。このため、本研究では、還元発色型と酸化発色型のエレクトロクロミック材料を組み合わせた相補型の素子構造を採用し、電解質の最適化により高効率と高速応答性を実現する。 |
149 |
有機光触媒を用いた水素製造技術の開発 |
阿部 敏之 |
弘前大学 |
工藤 重光 |
弘前大学 |
本研究では、広範な可視光エネルギーを利用できる有機材料を用いて、水素製造が可能な高活性光触媒界面の構築研究を行う。具体的には、(1)p型及びn型の半導体特性を有する有機材料を用いて種々の二層構造フィルムを作製し、(2)フィルム作製の条件や方法等を種々変更し、有機固体の構造制御を図り、(3)(1)及び(2)で作製した光デバイスを用いて、水素生成に対する性能試験・評価を行う。 |
191 |
新規ナノコンポジット水素透過膜の開発と応用 |
山口 明 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
近未来に到来することが予測されている水素社会においては、水素を製造・高純度化するための水素改質・水素選択透過膜の普及が不可欠である。しかし現在想定されている材料は希少金属を大量に使用し、耐久性に劣るなど問題点が多い。本課題では申請者が発見した金属−セラミックスナノコンポジット膜を用いて新しい水素改質・水素選択透過膜材料を開発する。さらにそれを自立膜とするなど、新透過膜材料の有効な活用法を探求する。 |
197 |
Ti-S結合を利用した機能性色素錯体の集積とその機能評価 |
木村 毅 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
フタロシアニンは、有機色素太陽電池や有機半導体への応用が期待されているが、高凝集性、低溶解性のため、光機能性色素としての性能は充分発揮できていない。そこで、本応募課題ではフタロシアニン金属錯体の機能をさらに引き出すため、中心金属上の軸配位子を検討することで、フタロシアニンを半導体基盤表面等に集積させ、光機能性色素としての機能評価を行うことを目的とする。 |
198 |
新規ナノワイヤーの合成と高出力リチウムイオン二次電池への応用 |
明 承澤 |
岩手大学 |
小川 薫 |
岩手大学 |
リチウムイオン二次電池はクリーンなエネルギー源として、モバイル用電源から自動車や定置用電源まで幅広い分野における利用が期待されている。しかし、リチウムイオン二次電池の負極活物質として使用されている黒鉛はリチウムイオンの挿入により熱的に不安定になり、爆発まで至る場合も報告されている。そこで本課題では、これらの解決策として熱的安定性が優れた新しいナノワイヤーを負極活物質として提案し、電池の安全性向上と低コスト化を図ることを目的とする。 |
203 |
ホランダイト型MnO2を用いた高容量かつ低コスト新規正極材料の開発 |
門磨 義浩 |
岩手大学 |
中戸川 明広 |
岩手大学 |
近年、環境負荷低減のためクリーンエネルギーの利用への社会的要請の急速な強まりに伴い、車載用や電力貯蔵用電源としてリチウム二次電池大型化が急務となっている。本応募課題では、現行の正極材料であるコバルト酸リチウムと比較して、高い初期放電容量を示し、低コストであるホランダイト型マンガン酸化物に注目し、リチウム二次電池の大型化へ向けて高容量かつ低コスト正極材料の開発を行う。 |
227 |
窒化物半導体を用いた超高効率「太陽電池要素技術」の開発 |
劉 玉懐 |
東北大学 |
芝山 多香子 |
東北大学 |
持続可能な社会の実現のため、エネルギ問題は急務である。地球外から得られるエネルギである太陽光を利用する太陽電池は、この解決策の一つである。現用の太陽電池はシリコン製であり、その効率は最大22%である。Geや化合物半導体基板上に数種の半導体を積層して高効率化を図る試みもあるが、技術的に困難性を伴い、それに伴い作製コストは高く、廉価・高効率太陽電池の実現は難しい。本課題は、Si基板上の表裏に光の吸収波長の異なる窒化物半導体を積層した構造の太陽電池の提案である。本課題の目標は、超高効率「太陽電池」要素技術であるIn組成InGaN薄膜結晶成長技術の確立である。 |
285 |
部分還元したPt系酸化物による燃料電池用高活性アノード触媒の開発 |
田口 正美 |
秋田大学 |
仙波 日出夫 |
秋田大学 |
直接メタノール型燃料電池は、負荷応答性などに優れ、次世代電源として期待されている。しかし、現行のアノード触媒の活性不足などが原因で出力密度が上がらず、実用化に至っていない。今回調製したPt系酸化物では、部分的な還元処理を施すことで活性度が飛躍的に向上し、現行の100倍に相当する電流が観測できた。そこで、Pt系酸化物を出発材料とし、それを還元処理することで、高活性を有する新規アノード触媒を開発する。 |
286 |
ゼオライトを用いた重金属吸着電極の開発と汚染土壌修復への応用 |
鈴木 雅史 |
秋田大学 |
仙波 日出夫 |
秋田大学 |
近年問題となっている重金属等に汚染された土壌を修復する技術の一つに動電現象を用いた手法がある。これは、電界によりイオン化された重金属を排水とともに土壌中から除去するが、二次汚染の危険性もある。そこで、イオン吸着能力の高いゼオライトを導電性化し電極に用いることで、排水中の重金属イオンを除去することに着目した。これを用いて重金属除去ができれば、既存の動電現象を用いた土壌修復法が土壌処理法となる。 |
287 |
光学ガラスからの希少元素の選択的分離回収技術の開発 |
菅原 勝康 |
秋田大学 |
仙波 日出夫 |
秋田大学 |
カメラのレンズに使用される光学ガラスは、その主成分がランタンなどの希少元素から成り、数十種の元素の全てが海外からの輸入に依存している。特にレンズは、希少元素の混合原料を用いて溶解・成形・研磨の過程を経て製造されるが、製品はそのうちの約20〜30%で、残りは廃棄されている。そこで、塩素化ならびに還元揮発に適宜溶剤抽出を組み合わせ、廃ガラス中に含まれる多種の希少元素を分離・回収するプロセスを確立する。 |
340 |
機能付加型光触媒材料の開発 |
手塚 慶太郎 |
宇都宮大学 |
山村 正明 |
宇都宮大学 |
近年、有機物の分解性能の向上や水素生成反応への応用を目指して、高効率でかつ安定な光触媒の開発が盛んに行われている。しかし、これまでは光触媒活性のみに注目した材料開発がほとんどであった。最近は光触媒に付加機能を持たせた材料の開発も期待されてきている。申請者はこの点に注目し、高効率な光触媒活性と同時に別の高機能を有する複合機能材料の開発を行い、実用化へ繋げる。 |
371 |
有機ケイ素色素による色素増感太陽電池の高効率・高耐久化 |
花屋 実 |
群馬大学 |
小暮 広行 |
群馬大学 |
色素増感太陽電池は、製造コストが低く、製造時の環境負荷が小さいことから、次世代の太陽電池として期待を集めるクリーンエネルギーデバイスである。本研究では、色素増感太陽電池において太陽光-電気エネルギー変換の中心的役割を担う増感色素に「有機ケイ素色素」を用いることで、色素増感太陽電池の1)高効率化、2)耐久性の向上、3)製造コストの低減、の同時達成を目指す。 |
383 |
固体電解質のイオン伝導に及ぼす応力効果の解明 |
荒木 稚子 |
埼玉大学 |
永井 忠男 |
埼玉大学 |
固体酸化物形燃料電池は(SOFC)は、世界的な環境問題・エネルギ問題を解決する手段として注目されている。SOFC固体電解質の酸素イオン伝導は、電池性能と密接に関係する。本研究では、固体電解質に及ぼす応力の効果を明らかにすることを目的とする。これにより、応力の影響を考慮した安定的な出力制御が可能となるとともに、応力効果を能動的に利用した高性能電池の構造設計が期待される。 |
464 |
導波路型フィルム太陽電池 |
吉村 徹三 |
東京工科大学 |
塚本 勝 |
東京工科大学 |
太陽エネルギー利用の低コスト・ユビキタス化を目的として、太陽電池を集光フィルムに集積化した導波路型フィルム太陽電池を開発する。集光フィルムは多層導波路からなり広角集光機能をもつ。太陽電池には、新規提案の導波路型色素増感太陽電池を用いる。集光フィルムとのマッチングがよく、また、結晶性のよい薄膜半導体を用いることができるため、変換効率の向上が期待できる。集光フィルムと導波路型太陽電池を試作する。 |
476 |
安全で加工性に優れた次世代Liイオン二次電池用固体高分子電解質材料の開発 |
富永 洋一 |
東京農工大学 |
伊藤 和良 |
東京農工大学 |
固体高分子電解質(SPE)は、液漏れの心配が無く、加工が容易で、引火性が低く、フレキシブルであるため、新しい電解質材料として期待されているが、低いイオン伝導度や安定性に問題がある。本研究では、CO2を原料や処理媒体として利用することに着目し、10-5 S/cm以上の高いイオン伝導度を長期的かつ安定的に発現できるSPEの創製を試み、将来的にはオールポリマーバッテリーの実現につなげる。 |
534 |
カーボンナノチューブ/フッ素樹脂を用いた高耐食性燃料電池用セパレータの開発 |
庄 善之 |
東海大学 |
田巻 一彦 |
(財)神奈川科学技術アカデミー |
固体高分子形燃料電池に用いられるステンレス製セパレータ(電極)は、その表面が動作中に発生する酸性成分によって腐食され、発電出力を低下させるという問題を有している。本研究では、カーボンナノチューブとフッ素樹脂で構成された化学的に安定で、高い導電性を有する複合樹脂をセパレータの腐食防止膜として応用する。このことによって、1万時間以上の燃料電池の発電に耐えるセパレータの実現を目標とする。 |
539 |
高性能「色素増感太陽電池」用電解液の開発と応用 |
功刀 義人 |
東海大学 |
加藤 博光 |
東海大学 |
「色素増感太陽電池」は現行のシリコン太陽電池と比べ、製造エネルギーが低いなど、次世代の太陽電池として注目を浴びている。しかし、電解液に揮発性・可燃性の有機溶媒を使用しており、実用化へ向けて、安全・安価な新規電解液の開発が急務となっている。本研究課題では、不揮発性・不燃性の電解液として、ホスホニウム型イオン液体に注目し開発を行う。また、新規ヨウ素源としてのヨウ化ホスホニウムの開発も行うこととする。 |
566 |
水素生成型太陽電池を指向した光酸素発生アノードの開発 |
八木 政行 |
新潟大学 |
長濱 勝介 |
新潟大学 |
水素生成型太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換すると同時に、クリーンエネルギーである水素を水から生成する革新的な太陽電池である。これを作成するためには、光水素発生カソードと共に光酸素発生アノードの開発が重要であるが、光酸素発生アノードに応用可能な効果的な酸素発生触媒の開発が大きな課題となっている。最近、我々は従来の触媒よりも一桁高い触媒活性を示すルテニウムアコ錯体の合成に成功した。本研究では、この錯体触媒を応用した酸素発生光アノードの開発を目指す。 |
578 |
キノンポリマー型電子移動媒体を利用したバイオ燃料電池用酵素電極の開発 |
桑原 敬司 |
長岡技術科学大学 |
定塚 哲夫 |
長岡技術科学大学 |
キノンポリマーを電子移動媒体として利用し,高い電流生成能を示すバイオ燃料電池用酵素電極の開発を行う.キノンポリマーの電解による合成は電極修飾法として応用範囲が広く,新たな電子移動媒体の導入法として期待される.本課題ではグルコースなどのバイオマスを燃料とするバイオ燃料電池に作製した酵素電極を適用することを念頭に,様々なキノン類を用いた酵素電極の作製およびその性能評価を行う. |
638 |
能登珪藻土の吸湿能を活用したデシカント調湿空調システムの開発 |
児玉 昭雄 |
金沢大学 |
渡辺 良成 |
金沢大学 |
能登珪藻土の吸放湿能を活用した、安価で低温度再生が可能なデシカント調湿空調システムを開発する。50℃再生で従来吸着材ロータと同程度の除湿性能を示す能登珪藻土担持除湿ロータあるいは成型体とするため、短周期吸脱着操作における能登珪藻土(未焼成体および焼成温度・時間を変更したもの)の吸放湿挙動の把握、その吸放湿特性と成型性を考慮した除湿材形状と装置・流路構成の検討を行う。その後、実規模装置を用いた評価実験へと展開する。 |
642 |
低環境負荷ラジカル生成法による木質系バイオマスの糖化前処理 |
仁宮 一章 |
金沢大学 |
渡辺 良成 |
金沢大学 |
廃建材や稲ワラ等といった未利用のリグノセルロース系バイオマス原料からエタノール発酵に必要な糖を得る方法として、セルラーゼなどの酵素による糖化反応がある。しかし、セルロース繊維を取り囲むリグニンがセルラーゼ糖化酵素反応の障壁となっており、これがバイオエタノール製造における律速段階になっている。そこで、本研究では、我々が独自に開発した二酸化チタン/超音波触媒法(以後TiO2/US法)という高濃度ラジカル生成手法を用いた糖化前処理を行なうことにより、リグニン構造を緩めて糖化酵素がアクセスしやすい状態にする。これにより、糖化反応を効率的に行い、バイオマスエタノールの製造コストを低減させる。 |
679 |
低温動作ソリッドステート酸素センサーの作製 |
高島 正之 |
福井大学 |
奥野 信男 |
福井大学 |
燃焼状態管理において酸素センサーは必須の部品であり、全固体型としてはイットリア安定化ジルコニアを用いたものが広く普及している。しかし、その電導度から通常その動作は600℃以上に設定されており、耐久性や機器の設計自由度を改善するために動作温度の低温化が望まれている。本課題においては、400℃以下の低温で十分に高い酸化物イオン導電性を有するセラミックス電解質を用いた全固体酸素センサーの作製を試みる。 |
680 |
金属ポルフィリン固定繊維の調製と光照射下での水の還元による水素生産 |
堀 照夫 |
福井大学 |
奥野 信男 |
福井大学 |
スズポルフィリンが可視光照射下で水を還元し、水素を生産することから、柔軟で、強度が高く、大きな比表面積を有する繊維・織物に「電子線グラフト重合技術」で強固に固定化して耐久性を向上させ、また繰返し再利用できる材料の調整を目指す。具体的には、反応基を導入した金属ポルフィリンを電子線グラフト重合法により繊維表面に固定化し、これを水に浸漬、可視光の照射下で水を還元し、水素を生産する材料の調整を達成し、次の段階として、この技術を用いた大量に水素を生産できるシステム開発を目標とする。 |
702 |
高速1段階多電子移動有機分子を応用した色素増感太陽電池の効率化 |
西海 豊彦 |
福井大学 |
蓑輪 泰造 |
福井大学 |
近年、性能設計の導入や住宅の品確法の施行により、高性能・高耐久な住宅用布基礎の開発が求められている。本研究では住宅用布基礎を高耐久化させるために、鉄筋の代替としてアラミドロッドを使用する。また、施工を合理化し、高精度とするため、アラミドロッドの主筋とせん断補強筋を工場でユニット化させる。以上、本研究では、住宅用布基礎の補強材となる「アラミドロッドユニット筋」を開発し、それらを住宅用布基礎に適用するための設計手法を開発する。 |
731 |
改質カーボンナノチューブを用いた多機能性フィラーの開発 |
金 龍中 |
信州大学 |
宮坂 秀明 |
信州大学 |
技術内容としては、電気二重層キャパシタ(ELDC)用電極フィラー量産カーボンナノファイバー(CNT)の表面を化学的手法で改質し、高い比表面積と電気電導性を同時に兼ね備えた電極フィラ−を開発するものである。実施内容としては表面改質CNTの物理化学特性検討やキャパシタ特性に関わる電気化学特性検討である。目標値はカーボンブラック添加のELDCに対しエネルギー密度とパワー密度の10%以上改善である。 |
781 |
色素増感太陽電池用ピロメテン系近赤外増感色素の開発 |
窪田 裕大 |
岐阜大学 |
荒賀 年美 |
岐阜大学 |
石油資源枯渇や環境問題の観点から、再生可能でクリーンなエネルギー源として太陽電池が注目されている。色素増感太陽電池は現在主流となっているシリコン系太陽電池に比べ、製造コストが安いという利点がある。しかしながら、色素増感太陽電池の研究において、近赤外領域の光を高効率で電流へ変換できる増感剤は未だ見出されていないのが現状である。本研究では、DFT計算により近赤外領域に高い増感作用を持つことが期待されるピロメテン色素の開発を行う。 |
849 |
高耐食性・導電性ダイヤモンド状炭素膜の低温成膜と応用 |
中尾 節男 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
山東 睦夫 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
固体高分子型燃料電池のセパレータ電極には、金メッキした316ステンレス鋼が主に用いられているが、その耐食性は必ずしも十分ではない。また、セパレータ電極の組を多数直列に接続するため、電池全体が重くなるという欠点がある。一方、耐食性と導電性が十分確保できれば、電極材料は薄膜でも構わない。そこで、燃料電池の軽量化、低コスト化を図るため、高耐食性・導電性のダイヤモンド状炭素(DLC)膜を高分子上に直接電極として成膜可能な低温プロセス技術を開発する。 |
850 |
アルミナナノファイバーにより安定化された高温耐熱性白金触媒の開発 |
尾崎 利彦 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
渡村 信治 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
工場等からのVOC排ガス処理では厳しくなる環境規制に対応するため、低温での浄化性能の向上はもとより、より高い温度でも劣化の起こらない高温耐熱性触媒が求められている。本研究課題では、アルミナナノファイバーに均一サイズの白金ナノ粒子を固定化することで、高温での耐久性を備えた高性能な長寿命触媒を開発する。 |
874 |
新規希土類量子材料の低温熱光変換能の探索 |
田中 清明 |
名古屋工業大学 |
山本 豊 |
(財)科学技術交流財団 |
特定の希土類錯体で4f準位に空席を残したまま、200℃以下で5d軌道が電子により満たされる反転分布を発見した。これは5d-4f遷移により数eVの紫外光が得られることを示し、地球に充満し未利用のまま放置されている200℃以下の低級廃熱が、太陽光発電の夜間光源、水の電気分解等へ有効利用できる光となる可能性を示している。希土類化合物で発現した不安定な5d軌道に電子が遷移し留まる理由を究明し、希土類錯体の低温熱―光変換の機能発現の解明と効率的な機能発現をする物質の条件を探索・明確にし、産業利用へと展開する。 |
887 |
金属触媒を含まないナノカーボン材料の合成と応用 |
曽我 哲夫 |
名古屋工業大学 |
堀 伸一 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
カーボンナノチューブやカーボンナノファイバー等のナノカーボン材料は今後様々な応用が期待されている。しかし、合成時に金属触媒を用いることから、得られるナノカーボン材料には多量の金属を含み、残留する金属により特性が劣化する。本研究では触媒金属に代わりカーボンのナノ粒子を用いることで、金属を全く含まない高純度のカーボンナノチューブとカーボンナノファイバーを合成し、太陽電池への応用を行う。 |
931 |
触媒フリーのディーゼル微粒子処理技術の開発 |
山本 和弘 |
名古屋大学 |
押谷 克己 |
名古屋大学 |
バスやトラックなどのディーゼル車は産業や我々の生活に欠かせないが、その排気ガスに含まれるディーゼル微粒子は喘息や発がん性が懸念されるなど、人体や環境への影響が問題視されている。これにより東京都などの都市部では、非常に厳しいディーゼル微粒子の排ガス規制が導入された。しかし白金などの触媒に頼る従来の後処理技術では、貴金属の高騰や資源量の制約から今後の需要の増加に対応できない。そこで本研究では、触媒を用いないディーゼル微粒子処理技術の開発を行う。 |
944 |
低温燃焼用銀ナノクラスター触媒の開発と機構解明 |
清水 研一 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
高燃費、低CO2排出量の利点を持つハイブリッド車の普及が確実視されるが、ガソリン車に比べ排ガス温度が低いためCO、炭化水素の燃焼除去は一層困難となる。現在、白金系触媒による燃焼法がハイブリッド車、ガソリン車に搭載されているが、耐熱安定性の改善が強く望まれる。インド・中国での自動車需要拡大を考慮すると、安価で資源量の豊富な材料を用いた高活性・高耐熱性触媒の開発が急務である。本研究では代表研究者らが独自に開発したAgアルミナ触媒(Agクラスターをアルミナ表面に分散させた固体)の実用化に向けた触媒設計指針の構築を目的とし、CO、炭化水素燃焼における反応機構、熱・硫黄劣化抑制機構を検討する。 |
947 |
無機−有機ハイブリッド型結晶性固体リチウムイオン伝導体の開発 |
守谷 誠 |
名古屋大学 |
金子 靖 |
名古屋大学 |
現行のリチウムイオン電池に電解質として含まれる可燃性液体は漏液や発火事故の主たる原因となっているため、安全性向上のため電解質の固体化・不燃化が求められている。申請者は入手容易かつ安全な原料から、実用レベルに肉薄するイオン伝導度を示す新規無機−有機ハイブリッド型固体リチウムイオン伝導体を開発しており、本研究課題では得られたイオン伝導体のイオン伝導体とリチウムイオン輸率をさらに向上させ、固体リチウムイオン電池の実用化に貢献する。 |
964 |
ろ過性能を飛躍的に向上させる被処理液前処理技術の開発 |
森 隆昌 |
名古屋大学 |
野崎 彰子 |
名古屋大学 |
被処理懸濁液中の微粒子を、一次粒子を残すことなく塊状に凝集させることができる調製方法を確立する。さらに塊状凝集処理した被処理懸濁液を代表研究者が開発した新規高濃縮ケークレスろ過技術に適用することで、これまでよりも高濃度まで流動状態を保ったまま被処理懸濁液を濃縮すること、及び高いろ過速度を維持したまま長期間運転できることを実現する。 |
968 |
耐塩性ラン藻のNa+/H+アンチポーター遺伝子を用いたストレス耐性エネルギー植物の開発 |
高倍 昭洋 |
名城大学 |
松吉 恭裕 |
名城大学 |
死海の耐塩性ラン藻(Aphanothece halophytica)のナトリウムの排出に関与するNa+/H+アンチポーター遺伝子をバイオエネルギー作物として注目されているシュガービートに導入し、塩、乾燥に強いエネルギー植物を開発する。このことにより、塩、乾燥地域でのエネルギー植物を開発するのみでなく、通常の条件でも糖含量の向上したエネルギー植物の作出を目指す。 |
969 |
温度差法を用いた持続的成長が可能な液相成長技術の開発 |
成塚 重弥 |
名城大学 |
松吉 恭裕 |
名城大学 |
本研究では、液相成長の限界を打破し、持続的に成長が可能な成長方法を提供することを目的とする。そのため、本研究では温度差法に着目する。温度差法では、原料基板側の温度を高くし成長原料を継続的に溶解させ、一方、低温に保った成長基板側では持続的に成長をおこなう。良好に温度差法をおこなうためには、溶液内の温度差を大きくつけることが必須であり、本研究では、効率よく温度差が形成できる成長炉の改良に主眼をおく。 |
981 |
水系スラリーを用いた中温作動型固体酸化物形燃料電池セルの開発 |
橋本 典嗣 |
三重県工業研究所 |
河合 真 |
三重県工業研究所 |
従来、固体酸化物形燃料電池セルの作製において有機溶剤を溶媒としたスラリーを用いたテープ成形が行われてきたが、環境負荷を低減させるために、水を溶媒とした水系スラリーへの転換が望まれている。そこで本研究では、水系スラリーを用いて燃料極を成形することで直径80 mmの平板型セルを作製し、セル材料の見直し、中間層の挿入によってセル構造を最適化することで650〜750 ℃の中温領域での出力向上を目指す。 |
1010 |
高誘電率・高抵抗のオゾン生成用ガラス電極の開発 |
宗内 篤夫 |
鈴鹿工業高等専門学校 |
澄野 久生 |
鈴鹿工業高等専門学校 |
上水・下水処理のオゾンは無声放電で生成されている。電極には特性を確保するため鉛を約30wt% 含む鉛ガラスが使用されている。しかし、ROHS規制等環境保全の推進により、鉛を含まない材料の開発が課題となっている。さらに、従来の鉛ガラス電極以上の生成効率が求められる。本課題では、オゾン発生用電極で、特に重要となる抵抗と誘電率の維持方法、別元素添加方法等による高誘電材料の開発とオゾン発生効率の向上を達成することで、エネルギ消費を削減し産業上の利点を導くものである。 |
1035 |
搬送・産業機械用コイル独立型同期ACモータと高効率エネルギー回生インバータの開発と応用 |
渡部 透 |
立命館大学 |
市原 岳洋 |
立命館大学 |
電車、電気自動車、ロボットなどで電力回生を行う部品点数の少ないシステムを開発し、エネルギー消費、CO2発生を削減する。3相ACモータのコイルを独立にデジタル制御する。複数インバータに対し、整流回路を1個のみとし、共通直流電線で電力の供給・回生を行う。回生は、スイッチング、回路切り替えにより供給線へ戻す、別の低電圧直流線へ戻すなどを比較する。理論的検討、計算機シミュレーション、DSPを使った制御実験で有効性を証明する。 |
1046 |
融液含浸ドーピングを利用したホモ接合型亜酸化銅太陽電池作製技術の開発 |
平井 豪 |
立命館大学 |
松田 文雄 |
立命館大学 |
電気化学堆積によって作製が可能な亜酸化銅-酸化亜鉛ヘテロ接合型太陽電池は、低価格・大面積の非シリコン系薄膜型太陽電池として注目を集めている。しかし、一般にヘテロ接合型では、電荷分離・取り出しに良好な接合界面を得にくく、高効率化が難しいとされている。そこで本研究では、ホモ接合型亜酸化銅太陽電池開発の第一歩として、p型の亜酸化銅薄膜上でドナー不純物源を融解、含浸させることによってp-n接合界面を形成させる技術を開発する。 |
1052 |
高速電着法によるCuInSe2薄膜太陽電池の開発 |
峯元 高志 |
立命館大学 |
安川 竜二 |
立命館大学 |
CuInSe2(CIS)太陽電池は省資源型の低コスト高効率薄膜太陽電池として期待されている。一方で、現在の高品質CIS薄膜は大きな初期設備投資が必要な高真空プロセスで形成されている。本研究では、低コスト化のポテンシャルが高い薄膜形成法である電着法によってCIS膜の形成を行う。特に、実用化を見据えて、短時間で必要膜厚2ミクロンを堆積できる高速電着法とその条件の確立を目指す。 |
1090 |
木由来のバイオマスから造る環境適合性超高性能ナノコンポジット材料の開発 |
池田 裕子 |
京都工芸繊維大学 |
行場 吉成 |
京都工芸繊維大学 |
バイオマス「リグニン」と多くのゴムの中で唯一のバイオマスである「天然ゴム」から、環境適合性が高く、かつ、カーボンブラック充てんゴムの物性に匹敵する超高性能ナノコンポジット材料を開発することを目的とする。成果は、多くのゴム材料製造に応用可能となり、「オールバイオマス」から作る高付加価値ゴム素材となると期待できる。 |
1113 |
プラズマを用いた半導体ナノワイヤ大量合成技術 |
斧 高一 |
京都大学 |
冨松 亮介 |
関西ティー・エル・オー株式会社 |
数十nm以下の直径を有する半導体ナノワイヤは、次世代の電子・光デバイスや環境・エネルギー関連デバイスなど様々な分野への応用が期待される。半導体ナノワイヤのボトムアップ形成について、従来の熱プロセス "VLS (vapor-liquid-solid) 法" にかわり、プラズマプロセスを適用した大口径化可能 (メートルサイズの基板にまで適用可能) な新しい高精度ナノワイヤ大量合成技術 "PLS (plasma-liquid-solid) 法" を開発し、その有用性・実用性を実証する。 |
1179 |
熱触媒および光触媒作用を併せもつ新規ナノ材料による効率的VOC浄化 |
古南 博 |
近畿大学 |
根津 俊一 |
近畿大学 |
酸化チタンに代表される光触媒(photocatalyst)は非常に強い酸化力をもち、反応は室温で進行するが、反応速度が小さいため一時的な大きな負荷に対して十分な触媒作用を示さなくなる。一方、通常、「触媒」と呼ばれているものは「熱触媒(thermocatalyst)」のことを示し、光触媒よりも大きい反応速度が得られるが、多くの場合、加熱が必要である。本研究では、熱触媒および光触媒作用を併せもつ新規ナノ材料を開発し、これを、印刷工場や塗装工場などで発生する揮発性有機化合物(VOC)の効率的浄化へ応用する。 |
1282 |
鉄触媒を搭載したホウ素水素化物系水素貯蔵デバイスの開発 |
松坂 裕之 |
大阪府立大学 |
植嶌 陸男 |
大阪府立大学 |
水素を車載燃料電池の燃料として利用するには、高圧ボンベにかわる水素貯蔵物質が必要である。安価で高密度に水素を貯蔵可能な水素化ホウ素化合物であるアンモニアボランがその候補として有力視されているが、その実用化には、低温で作動し、かつ大量供給の可能な触媒の開発が必須である。本課題では、鉄錯体触媒によるアンモニアボランの脱水素反応を基盤とした新規なホウ素水素化物系水素貯蔵デバイスの開発を行う。 |
1288 |
基盤免疫賦活により感染防御効果を発揮する新規魚類用飼料の開発 |
児玉 洋 |
大阪府立大学 |
西村 紀之 |
大阪府立大学 |
わが国の魚類養殖において多くの伝染病が発生し、毎年大きな経済的損害をこうむっている。基盤免疫賦活による感染防御能の誘導は、ワクチンとともに有力な予防手段のひとつである。本研究は、細菌と酵母の共棲発酵産物のコイ「穴あき病」予防効果について、研究室内での小規模実験では得られないデータを取得するため、野外試験によりそれを確認し、感染防御能を有する魚類用飼料の開発を行うことを目的とする。 |
1296 |
高効率CO2分離のための3次元細孔を有した緻密ゼオライトの開発 |
中平 敦 |
大阪府立大学 |
巴月 康彦 |
大阪府立大学 |
本研究では、無機膜分離によるCO2分離技術の実用化に向け、各種セラミックス支持体上に緻密ゼオライト膜の合成を進める。特に、数十ミクロン程度の膜厚でピンホールの無い、細孔ネットワークを保持した緻密ゼオライト膜を成膜し、緻密ゼオライト膜内部全体でミクロ細孔が3次元的に連結した良質なゼオライト膜の合成プロセスの確立を目指す。 |
1300 |
チタン乳酸錯体の電解による酸化チタン中空粒子構造体膜の作製 |
千金 正也 |
地方独立行政法人大阪市立工業研究所 |
水田 憲男 |
地方独立行政法人大阪市立工業研究所 |
酸化チタン薄膜は、色素増感太陽電池(DSSC)の電極として利用されている。その特性向上のためには、表面積の拡大が有効である。本研究では、表面積が広いDSSC用電極の低コストかつ低環境負荷な製造法開発を目的として、ポリスチレン粒子を透明導電膜被覆ガラス基板上に集積させて得た集合体テンプレート上に、電解還元によってチタン-乳酸錯体水溶液から酸化チタン膜をコートしたのち、溶剤によってPSテンプレートを除去しサブミクロンサイズの酸化チタン中空粒子の集合体膜を作製する。 |
1326 |
希土類エネルギー変換を利用した光増感太陽電池基盤技術の構築 |
喜多 隆 |
神戸大学 |
大内 権一郎 |
神戸大学 |
太陽電池のエネルギー変換効率をいかに向上させるかは、太陽光スペクトルをどれだけ有効に利用するかという問題に帰着する。現在主流である多結晶系シリコン太陽電池やシリコン系薄膜型太陽電池では太陽光スペクトルピーク近傍の500nm以下の可視域から紫外域の光を効率よく利用できていない。本研究課題では、500nm以下にブロードな光吸収バンドを有する窒化物半導体微結晶膜に効率の良いエネルギー変換を実現する希土類元素を添加した膜を作製し、太陽電池の光入力する面に塗布することで、従来のエネルギー変換効率の5%増強を実現する。 |
1336 |
色素増感太陽電池の発電効率向上を指向したオリゴチオフェンの分子設計 |
森 敦紀 |
神戸大学 |
中井 哲男 |
神戸大学 |
側鎖置換基にフッ素が置換したアルキル基をもつオリゴチオフェンを設計、合成し色素増感太陽電池の有機色素材料創製をめざす。オリゴチオフェン合成の際、代表研究者らが近年開発したヘテロ芳香族化合物のCH結合活性化に基づくカップリング反応を利用することにより、多様な構造を有する誘導体の効率的な合成手法を確立すると共に、数種類の誘導体を合成し機能評価することで高い発電変換効率を発現する色素増感太陽電池の分子構造を見出す。 |
1397 |
高分子ナノ繊維を集電体とした高容量Li-ion二次電池負極の作成 |
鈴木 純二 |
松江工業高等専門学校 |
糸原 保 |
松江工業高等専門学校 |
高容量Li-ion二次電池新規負極材開発のため、Si蒸着膜(非晶質Si)を、導電性を付与した高分子ナノ繊維表面または内部に分散させ、これまで実用化が理論上困難であると考えられていた高性能非晶質Si負極の実用的電極の試作を行う。この電極が作成されれば、これまで高性能を示しながらも厚膜化が困難なため実用化に至らなかったSi蒸着膜電極を実用・商品化することが期待され、省エネルギー社会・自然エネルギー利用電力の拡大の一翼を担う。 |
1406 |
廃木材からの高機能性木炭の製造技術の開発と木炭の利用 |
北村 寿宏 |
島根大学 |
丹生 晃隆 |
島根大学 |
(辞退) |
1427 |
揮発性有機化合物除去機能を有する綿繊維ベース素材の開発 |
林 秀考 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
(辞退) |
1433 |
多孔体を用いた新規排ガス浄化触媒の開発 |
田口 秀樹 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
ボイラーなどの燃焼機関から、燃料の不完全燃焼によって炭化水素などが大気中に排出されている。有害な排ガスを無毒化する排ガス浄化触媒として貴金属が使用されているが、より安価な触媒の開発が求められている。ペロブスカイト型酸化物は安価な触媒として注目されているが、特性を向上させるためには触媒の形状を検討する必要がある。本研究では、貫通した孔を多数有するペロブスカイト多孔体の作製条件を確立し、特性の向上を試みる。 |
1435 |
機能性ペプチドを利用した色素増感太陽電池の効率改善 |
北松 瑞生 |
岡山大学 |
梶谷 浩一 |
岡山大学 |
本研究の目的は「色素増感太陽電池(以下、DSSC)の電極上の色素の配置を制御することで、そのDSSCの光電変換効率を大幅に改善する」ことである。本目的のために、ペプチドを修飾した色素を用いる。このペプチドには「緩衝材」と「電極への吸着」という2つの機能がある。「緩衝材」とはペプチドの“かさ高さ”を利用したものであり、電極上での色素同士の接触を無くすことで電子消光を防ぐ役割がある。「電極への吸着」とは、ペプチドの配列を利用したものであり、電極へペプチドを強く吸着させることで、電極上の色素濃度を高くする役割がある。 |
1441 |
高活性燃料電池炭素電極のマイクロリアクターを用いた製造プロセスの開発 |
武藤 明徳 |
岡山大学 |
山田 嘉昭 |
岡山大学 |
本研究では、炭素多孔材料中にナノサイズの白金が高度に分散する複合材料の原料を、申請者の研究室で開発した二種の液体が瞬時に混合する精密な形状を有するマイクロリアクターにより調製する。さらにこれを本研究室において炭化処理を行い、白金含有量が少なくても高活性な発電能力に優れた燃料電池の炭素電極を開発する。本研究では、岡山県で都市エリア事業成果から生まれたマイクロリアクターの製作技術を活用し、その成果はベンチャー企業を通じて実用製造を目指す。 |
1488 |
非晶質遷移金属リン酸塩プロトン伝導体の開発 |
福岡 宏 |
広島大学 |
三原 博道 |
広島大学 |
これまで500℃以上の高温や、100℃以下の低温で高いプロトン伝導度を有する材料が発見されているが、最もエネルギー効率が高く、想定される使用環境に近い中温度領域(100℃〜350℃)で動作可能な伝導体の開発が望まれている。本研究では、この中温度領域で安定に作動する新規プロトン伝導体の研究・開発を行うことをめざしている。従来の研究では結晶性化合物が主体であったが、本研究では完全な非晶質、あるいはその大部分が非晶質構造をもつ安定な遷移金属リン酸塩を対象とし、安価で高性能なプロトン伝導体の開発を目的とする。 |
1502 |
低粘度イオン性液体の開発と非Ru系色素を用いた色素増感太陽電池への応用 |
宮碕 栄吾 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
イオン構造を持つにも関わらず液体状態をとるイオン性液体は新しい有機材料として注目されている。しかし、イオン性液体の多くは粘度が高く、反応溶媒や電池の電解液等への応用は困難である。助成申請者は低粘度のイオン性液体が開発できれば様々な分野への応用が可能になると考え、本研究では低粘度イオン性液体の合成ならびに精製法の開発を行う。また、合成したイオン性液体を非Ru系色素増感太陽電池における電解液に応用する。 |
1507 |
pH応答型ポリマーミセルを用いた低濃度内分泌撹乱化学物質の分離システム |
迫原 修治 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
環境中あるいは排水中の低濃度の内分泌撹乱化学物質の分離除去が大きな問題となっている。本研究では、単一ポリマーでミセルを形成し、しかもpHに応答してミセルの形成・崩壊が起こるポリマーに着目し、このミセルの疎水性ドメインを利用した低濃度内分泌化学物質の吸着分離システムの構築を目指す。具体的には、このポリマーを支持体にグラフトした分離材を作製し、pHスイングによるビスフェノールAの可逆的な取込み・放出システムの構築の可能性を明らかにする。 |
1508 |
多孔体と酸化チタン粒子の複合化による高活性光触媒の開発 |
犬丸 啓 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
酸化チタン光触媒は、有害有機物を浄化する優れた機能を有しているものの、実用範囲を広げるためには更なる機能向上が求められている。酸化チタンと多孔性吸着材料を組み合わせると、機能が向上し応用範囲が大きく広がるが、複合化のよりよい方法が模索されている。本研究では、無機合成化学の立場から多孔体と酸化チタンを複合化する新しい方法を探索し、高活性複合光触媒を開発する。 |
1511 |
ナノチューブ状突起物の開発 |
加藤 昌彦 |
広島大学 |
榧木 高男 |
広島大学 |
キャパシタは次世代蓄電素子として注目されている、キャパシタ容量の大幅な向上には表面積の増加が有効であると考えられる。新たに発見した直径0.1μm程度、長さが数10μmのナノチューブ状突起を電極に形成させることにより、表面積が大幅に向上させて、キャパシタのコンダクタンスを大幅に改善することを試みる。 |
1524 |
置換原子配列の規則化による高性能熱電クラスレートの開発 |
赤井 光治 |
山口大学 |
井本 良 |
山口大学 |
クラスレート半導体はガラス並みに低い熱伝導度を持ち、n型で高い熱電性能が実現している。しかし移動度が単結晶でも15cm2/Vs程度であり、移動度の向上が大きな課題である。本研究では添加した遷移金属元素が特定の副格子サイトを置換する特性を利用し、キャリア補償のため添加される置換元素の配列を規則化することにより移動度を向上させる。これにより、クラスレート系で最も高い特性が報告されている単結晶Ba8Ga16Ge30と同等の性能を持つ新規n型クラスレートの焼結体作製を目標とする。 |
1546 |
ナノ構造マンガン酸化物を活用する高エネルギー密度キャパシタセルの試作 |
中山 雅晴 |
山口大学 |
森 健太郎 |
有限会社山口ティー・エル・オー |
本課題は、環境負荷が低く安価なマンガン酸化物を活用した高エネルギー密度キャパシタセルを試作し、実用化を目指すものである。高エネルギー密度化の具体的なアプローチとして、①Mn酸化物のミクロ〜ナノ構造を電気化学的に制御し、高容量化を図る、②正極にナノ構造Mn酸化物、負極には負側の電位領域で電気二重層容量を発現する多孔質炭素材料を組み込んだハイブリッドセルを試作し、広い電圧範囲での電荷貯蔵を実現する。 |
1576 |
優れた光触媒特性を示す新規薄片状金属酸化物ナノシート触媒の開発 |
中川 敬三 |
徳島大学 |
大塩 誠二 |
徳島大学 |
光触媒の実用化に向けて、これまで吸着性能や触媒活性の向上などについて検討されているが、材料合成に特別な処理を必要とするためコストの増大は免れず実用化には不向きである。本研究課題では、低コストで合成しうる新規合成法による薄片状金属酸化物ナノシート触媒の合成及び光触媒特性の評価を行い、ナノシートを用いた新たな光触媒開発技術を検討する。 |
1592 |
マイクロ波電力伝送用高周波整流ダイオードの開発 |
大野 泰夫 |
徳島大学 |
牧野 正 |
徳島大学 |
マイクロ波による無線電力伝送における受電部用の整流ダイオードの開発を行う。マイクロ波の整流用ダイオードでは損失を抑えるため高耐圧に加え、低オン抵抗と低寄生容量が求められる。そのためには破壊電界が高いことが重要で、ワイドギャップ半導体は極めて有利である。今回はワイドギャップ半導体のGaNを用いてマイクロ波整流用ショットキーダイオードの開発を行う。 |
1609 |
高性能結晶面を有するTiO2ナノ粒子の開発と色素増感型太陽電池への応用 |
馮 旗 |
香川大学 |
倉増 敬三郎 |
香川大学 |
本研究は、色素増感型太陽電池用の高性能TiO2ナノ粒子の合成技術及びそれを利用した高性能太陽電池を開発することを目的とする。色素増感型太陽電池ではTiO2ナノ粒子の色素吸着量が電池特性に大きく影響し、その吸着量はナノ粒子の結晶面によって大きく異なる。本課題研究は、層状チタン酸ナノシートを出発原料とする新規ソフト化学合成法により、色素を多く吸着する結晶面を露出するTiO2ナノ粒子の合成技術を開発し、色素増感型太陽電池材料としての性能評価を行う。 |
1618 |
有機複合体材料への多重格子形成による省エネルギー型調光制御デバイスの開発 |
荻原 昭文 |
神戸市立工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
本課題では、有機複合体材料系に対しレーザ干渉露光を適用して、高効率での光制御が可能な体積型格子構造を形成する。レーザ露光照射条件を精密に制御しながら連続形成が可能なレーザ干渉露光システムを構築する。このシステムを用いて有機複合体材料内に多重格子構造を形成することで、広い入射角度範囲にわたって高効率な調光特性を有するデバイスの開発を行う。 |
1643 |
燃料電池用改質水素燃料中のCO高感度センサの開発 |
山浦 弘之 |
愛媛大学 |
瀬野 英二 |
愛媛大学 |
燃料電池に供給する水素ガス製造プロセスにおいて、CO濃度を連続的にモニターできる小型で安価な全固体型COセンサが求められている。このような高還元雰囲気における低濃度や高濃度のCOのモニターが可能になれば、燃料電池システムのコスト低減が図られ、普及に弾みをつけることができる。本研究では、CO活性成分を高分散担持した酸化物半導体型センサの開発を行っている。 |
1645 |
室内・車内空間の揮発性有機化合物(VOC)濃度計測用センサの開発 |
森 雅美 |
愛媛大学 |
瀬野 英二 |
愛媛大学 |
酸素センサとして実用化されている固体電解質イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いた電位応答型センサをVOCセンサとして応用することで、感度・選択性の向上を試みる。このタイプのセンサは、特定のVOCに対して特異的な酸化活性能を有する触媒微粒子を検知極材料とすることで高い選択性が得られることから、数種類のペロブスカイト構造を有する金属酸化物触媒を用いてセンサを作製し、それぞれの触媒の各種VOC酸化分解反応に対する活性能とVOCセンサとしての性能を調べる。 |
1648 |
脂肪酸アルキルエステル製造のためのCa系固定触媒の開発 |
川嶋 文人 |
愛媛大学 |
瀬野 英二 |
愛媛大学 |
バイオディーゼル燃料として使用される脂肪酸アルキルエステルの製造プロセスにおいて、現行の均一系アルカリ触媒法よりも効率よく、低コストかつ環境に優しいプロセスの開発を目的とし、流通プロセスで使用可能な固定触媒の開発を行う。これまでの検討結果からCa系触媒において高い触媒活性が見いだされており、本課題ではこれらの結果をベースに実用プロセスで使用可能な固定触媒の開発を行う。 |
1667 |
ディーゼルエンジン排出粒子状物質の低温酸化触媒の開発 |
中山 享 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
ディーゼル車から排出される粒子状物質(PM)中の主成分である微粉炭の除去に注目して、「ディーゼル・パティキュレート・フィルター」に使用する新しい炭素酸化触媒の開発を目的としている。現時点で最も優れた炭素酸化触媒(400℃付近で燃焼できる)としてペロブスカイト系セラミックスとセリア系セラミックスが報告されているが、本研究課題の最終目標は「ディーゼルエンジン」の低い排ガス温度に近い350〜400℃以下でのPM燃焼を目標としている。 |
1668 |
バイオフィルムを用いた海洋生物の付着防止技術の開発 |
早瀬 伸樹 |
新居浜工業高等専門学校 |
今井 正三郎 |
新居浜工業高等専門学校 |
海洋に浸漬したフィルター上に形成するバイオフィルムやイルカの皮膚から分離した細菌が形成するバイオフィルムに、フジツボや珪藻の付着を防止する活性を有することをこれまでに明らかにしている。このバイオフィルムの海洋生物付着防止機構を積極的に活用し、本機能の海洋生物付着防止技術への応用展開を図る。 |
1688 |
バイオマス由来化合物からのアクリル酸製造 |
恩田 歩武 |
高知大学 |
安田 崇 |
株式会社テクノネットワーク四国 |
バイオマス由来の原料からの石油代替素材の創生は喫緊の課題である。本課題では、バイオマス資源由来のアクリル酸を製造するための新規固体触媒の開発を目指す。従来技術で、アクリル酸は石油を原料として製造されているが、石油由来の場合には炭化水素を酸化する過程に問題がある。一方で、バイオマス原料は酸素原子を含有しており、CO2など副生成物の抑制が容易であり、炭素収率よくアクリル酸などの含酸素有機化合物を得る原料として適している。固体触媒開発は水熱合成法を駆使して行う。 |
1717 |
高変換効率を有する色素増感型太陽電池の開発と応用 |
能智 紀台 |
九州共立大学 |
福田 隆三 |
(財)北九州産業学術推進機構 |
透明導電膜を配した基板上に斜め蒸着法により傾斜した柱状構造粒子と微細な空隙からなる酸化チタン薄膜層を形成、柱状構造粒子の頭頂表面のみならず柱状側壁部も色素増感剤を吸着させ、光電変換に関与する有効表面積を増大させる。本研究では酸化チタン薄膜層形成時の入射角、酸素分圧、成膜温度等の成膜条件と結晶構造、膜の構造、光電変換特性等との関係を把握し、斜め蒸着法による色素増感型太陽電池の基礎技術を確立する。 |
1739 |
ヘテロ結合した活物質微粒子の新規液相合成と長寿命・ハイパワー電池の開発 |
山木 準一 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
リチウム二次電池や燃料電池では微粒子化された活物質や触媒を用いることにより電池性能が向上するが、電気化学反応に伴って微粒子が凝集または担持体から脱落しやすいため、高い電池性能を持続することが困難である。本課題では、リチウムイオン二次電池用次世代正極材料であるLiFePO4およびLiMnPO4に注目し、粒子径の揃った正極微粒子を電気化学的に安定な炭素ナノ繊維のベーサル面上に強固にヘテロ結合させるための液相合成技術を開発し、長寿命かつハイパワーの高性能リチウム二次電池用正極材料を提案する。 |
1740 |
有機−無機複合型超高活性酸素発生触媒の創製 |
正岡 重行 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
水の可視光分解反応は、クリーンな次世代エネルギーキャリアである水素を、クリーンかつほぼ無尽蔵に存在するエネルギーである太陽光を利用して製造する人工光合成技術の一つとして注目を集めている。本課題では、有機−無機複合材料を用いた水の可視光分解を目的とし、特に、有機−無機複合系光触媒が不得手とする酸素発生触媒の合成法の確立に焦点をあて、研究を進める。本研究が成就すれば、太陽光エネルギーを用いて水を直接分解し、安価に水素と酸素を製造できるようになり、人類は永遠にエネルギー問題から解放されることになるであろう。 |
1742 |
エアロゾル感染防止のための低温酸化触媒技術の開発 |
永長 久寛 |
九州大学 |
古川 勝彦 |
九州大学 |
本研究ではウィルスによるエアロゾル感染を防止するための空気清浄化技術の開発を行う。インフルエンザウィルスなどのバイオエアロゾルは、人体の健康を阻害するリスクを高めるため、室内環境からこれらの物質を速やかに排除する技術の開発が求められている。本研究では、光照射、オゾンの存在下で反応性の高い活性酸素種を生成し、室温付近の温和な条件でウィルスを酸化分解除去する低温作動型触媒技術の確立を目的としている。酸化チタンを基盤材料とした光酸化機能にオゾン酸化機能を付与した二元機能型触媒リアクタを開発し、室内環境保全と健康リスクの低減に資する。 |
1789 |
低温プラズマ技術による高感度可視光応答性光触媒微粒子の開発 |
山田 憲二 |
北九州工業高等専門学校 |
米倉 英彦 |
(財)北九州産業学術推進機構 |
可視光での光触媒作用発現の為、低温プラズマ技術でTiO2微粒子上への多電子還元性金属Cuの担持及び炭素ドーピングを同時に実現させ、460nmよりも長波長で光触媒作用を示す勝れた耐薬品性を示す高感度可視光応答型光触媒微粒子を開発。具体的には有機Cu化合物のプラズマCVD薄膜層をTiO2微粒子表面に形成した後、熱処理でCu担持・炭素ドーピングを進行させ、窒素ドープTiO2の16倍以上の可視光応答性を示す微粒子を生成。 |
1798 |
酵素反応で生成させたポリフェノールによる選択的貴金属の回収 |
川喜田 英孝 |
佐賀大学 |
原 尚道 |
佐賀大学 |
果実などに含有されるポリフェノールは、希少金属の回収に極めて有効であることを明らかにしてきた。このポリフェノールを、酸化還元酵素を用いて基質から生成させ、希少金属に対して高速高容量で、選択的な吸着剤の調製に取り組む。自然界に存在するポリフェノールとは異なり、基質特異性の高い酵素を用いて、ポリフェノール中の水酸基の位置や密度を人工的に設計し、工業用吸着剤に適したポリフェノールを重合する。 |
1802 |
マイクロバイオ燃料電池の開発と応用 |
宮崎 真佐也 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
安部 英一 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
本提案では、マイクロ流路の持つ比表面積の大きさを利用し、提案者の開発したマイクロチャネル表面への凝集膜形成による酵素固定化技術を応用してチャネル内に作製した金及び白金電極表面に酵素を多量に固定化し、糖類を含む緩衝液をマイクロ流路に流すことにより起きる糖の分解とそれにより生じる水素から水を生じる連続酵素反応の組み合わせを利用した高安定性・高出力のマイクロ燃料電池の開発を行う。 |
1835 |
ヘテロ接合構造体を利用した低環境負荷型反応プロセスの開発 |
池上 啓太 |
熊本大学 |
古家 達也 |
熊本大学 |
ヘテロ接合構造体に発現する酸・塩基共存場を利用した一段階有機合成プロセスの実現を目的とする。アルカリ土類金属含有メソ多孔体の合成および異種ナノシートの積層複合体の合成により、ナノレベルで制御されたヘテロ接合界面を設計し、均一に分散した塩基点および酸点・塩基点近接場を有する「ヘテロ接合ナノ構造体」を構築する。ヘテロ接合界面を反応場として各種塩基触媒反応および酸・塩基協奏反応に適用し、多段階反応を一段階で進行させることの可能な触媒系を開発する。これにより、合成過程の中間廃棄物の大幅な削減が期待できる環境低負荷型反応プロセスの確立を目指す。 |
1858 |
熱感応性ゲルを活用した新規蓄熱材料の開発 |
守山 雅也 |
大分大学 |
近藤 晋一 |
大分大学 |
本研究では高性能、安全で扱いやすく、繰返し利用可能な熱感応性ゲル材料を用いた新規蓄熱材(保温材)を開発する。吸熱時と放熱時の対流を制御することで、熱しやすくて冷めにくい、エネルギー利用効率の高い蓄熱材開発を目的とする。熱感応性ゲルの合成および詳細な熱的特性データの収集、それに基づくゲル材料分子構造の最適化等を行う。また、プロトタイプの保温材の試作および保温材としての有効性の検証を目標とする。 |
1860 |
ソフト溶液プロセスによる固体高分子形燃料電池用高耐久セパレータの開発 |
衣本 太郎 |
大分大学 |
近藤 晋一 |
大分大学 |
本課題では固体高分子形燃料電池構成材料の一つであるセパレータの高耐久性化を目指して、技術シーズを応用して低コストで耐久性の高い表面修飾セパレータを開発する。従来材料の二倍以上の耐久性を有する表面修飾カーボンセパレータの開発を目標として、試作・開発し、燃料電池疑似発電条件下での耐久性評価試験によりその有効性を検証する。現段階でこのような研究例はほとんどなく、本課題が先駆けであり、民生用燃料電池の本格的実用化に対する一つの技術とする。 |
1865 |
ソフトマターへ適用可能な気液界面プラズマ源の開発 |
金澤 誠司 |
大分大学 |
森岡 勝彦 |
大分大学 |
気体と水が接する界面において、大気圧放電プラズマを発生させることで、界面において高エネルギーの電子や高い活性をもつラジカルによる促進処理が可能である。高密度媒質である液体にプラズマを注入するための新たな放電プラズマ発生法の開発を行う。気液界面プラズマの状態を解明し、その応用として、液体の処理やバイオ・生体に関係するソフトマターへのプラズマの適用について検討する。 |
1870 |
木質系バイオマスの高効率エネルギー変換プロセスに用いるNi系触媒の開発 |
永岡 勝俊 |
大分大学 |
安永 昌二 |
有限会社大分TLO |
木質系バイオマスをガス化しSOFC(固体酸化物形燃料電池)で発電するという高効率な電気エネルギー変換プロセスの確立は全世界での関心事である。このプロセスでは、木質バイオマスの15-30%を占める難分解性のリグニンをどのようにして燃料電池の燃料に変換するかがキーであるが、近年、超臨界水中でリグニンを固体触媒と作用させると400℃という低温でCH4やH2にガス化可能であることが報告されている。そこで、本研究ではこの反応に用いる安価で高活性なNi触媒の開発を行う。 |
1871 |
多孔質陽極酸化アルミナを用いたプラズマ反応器によるディーゼル排ガス浄化 |
川崎 敏之 |
日本文理大学 |
二宮 章 |
大分大学 |
ディーゼル排ガス中のガス状、粒子状汚染物質の同時浄化が可能な装置開発が急務となっている。そこで、多孔質陽極酸化アルミナをバリアに用いた無声放電型プラズマ反応器を提案する。ナノオーダー直行細孔を多数有する多孔質陽極酸化アルミナは非常に興味深い材料であるが、これをバリアに用いた研究は極めて少ないのが現状である。本研究では多孔質陽極酸化アルミナの特徴を生かした反応器構造とその性能評価に関する研究を行う。 |
1895 |
新規吸着剤を利用した脱硫排水中のセレン除去法開発 |
中島 常憲 |
鹿児島大学 |
遠矢 良太郎 |
鹿児島大学 |
石炭燃焼にともない発生する湿式脱硫排水中には、排水基準を超過する難除去性の6価セレン[Se(VI)]が含まれる場合があり、排水基準をクリアするために、Se(VI)の効果的除去技術の開発が望まれている。本課題では、光還元反応を利用した脱硫排水からのSe(VI)除去技術を開発する。特に光触媒能を有する、光触媒-吸着剤ハイブリッドを利用した光触媒還元により、難除去性のSe(VI)を除去しやすいSe(IV)やSe(0)に変換して除去する技術を開発する。 |
12(B) |
セルロース系材料を電解質膜として用いた直接メタノール形燃料電池の開発 |
葛西 裕 |
青森県工業総合研究センター |
木村 公美 |
(財)21あおもり産業総合支援センター |
従来の直接メタノール形燃料電池(DMFC)には、燃料のメタノールが電解質膜を透過し電位が低下する問題があるため、メタノール透過性の低い電解質膜の開発が重要である。本研究は、天然材料であるセルロースを化学修飾することにより作製した電解質膜を、低メタノール透過性だけではなく低環境負荷でもあるDMFC用電解質膜として利用する技術を確立し、この電解質膜を用いたDMFCを開発することを目的とする。 |
45(B) |
直接メタノール燃料電池用電解質膜のメタノール透過性評価システムの開発 |
小川 邦康 |
慶應義塾大学 |
佐藤 修 |
慶應義塾大学 |
直接メタノール燃料電池(DMFC)で使用する電解質膜のメタノール透過性を評価するシステムを試作する。直径1mm程度の小型NMRセンサー(核磁気共鳴法を利用したセンサー)と小型永久磁石を用いて、電解質膜内のメタノール濃度を時系列的に計測し、透過性をメタノールの膜内拡散係数として算出する。本課題では、電解質膜のメタノール透過性をNMRセンサーを用いて評価するシステムを試作する。 |
61(B) |
ナノカーボン複合リン酸鉄リチウム二次電池正極材料の開発 |
荻原 隆 |
福井大学 |
吉田 芳元 |
福井大学 |
本研究の目的は、ハイブリッド自動車向けのリチウムイオン電池用正極材料として、低コストで、高容量、長寿命、高耐熱性を有するリン酸鉄リチウム正極材料を開発することにある。研究シーズである噴霧熱分解法によるマンガン系正極材料の研究成果を基に、カーボンをナノレベルで複合化する技術を開発して、低導電性等の課題を解決し、10C放電における容量150mAh/gの確保と1000サイクルまで安定な正極材料を実現する。 |
133(B) |
気相系光触媒及び放射線誘起表面活性における活性の定量評価方法の実用化 |
川口 俊郎 |
九州産業大学 |
藤本 敏樹 |
九州産業大学 |
光触媒反応や放射線誘起表面活性(RISA)で、気相中に生じる活性酸素種の電流は10−17Aレベルであるため、従来の装置・方法では電荷(電流)を定量的に測定できなかった。 そこで、10−17Aレベルで気相中の電流を測定できる磁気浮上電極電離箱を中核にした、差動型空間電荷測定装置を開発した。本装置を用いて活性酸素種の電荷を直接測定することにより、活性能力を定量的に評価する装置・方法を開発し実用化を行うとともに活性評価の標準化を目指す。 |
144(B) |
p型導電性高分子を用いた可視光応答する光蓄電池電極材料の開発 |
野見山 輝明 |
鹿児島大学 |
中武 貞文 |
鹿児島大学 |
光で充電できる蓄電池(光蓄電池)の開発を行っている。光蓄電池は、太陽電池+蓄電池ではなく、半導体的性質とイオンドープによる蓄電性を併せ持つ電極を用いて光励起キャリアをその場で蓄電する。このような光蓄電池は、ユビキタス電子機器の充電作業や配電線の不用な電源として最適である。平成21年は、従来の酸化チタン-ポリアニリン複合膜(n型)にp型導電性高分子ポリチオフェン膜を組合せてp-n相補型光蓄電池とすることで光蓄電エネルギ効率0.5%を実現する。 |
No. |
研究課題名 |
研究者 |
コーディネータ |
研究概要 |
氏 名 |
所 属 |
氏 名 |
所 属 |
156 |
RESS法を利用した水/油/水型分子集合体の高効率製造技術の開発 |
鷺坂 将伸 |
弘前大学 |
工藤 重光 |
弘前大学 |
安全性の高い界面活性剤および油を含む水/超臨界CO2エマルションを調製し、それを大気圧下の水相に噴出させ、形成された分子集合体の物性を評価することで、”二段階乳化法に、微粒子製造に利用されるRESS法を融合させた、水/油/水型分子集合体(マルチプルエマルションおよびリポソーム)の高効率製造技術”の開発を行う。 |
157 |
簡易な方法によるガラス表面への多孔質薄膜の形成と固相抽出への展開 |
糠塚 いそし |
弘前大学 |
工藤 重光 |
弘前大学 |
ガラス基材をゾル−ゲル溶液に浸すだけで、特別の装置を用いずに簡易に多孔質薄膜を形成する。これは吸着剤、センサー表面などにおいて、大きな比表面積を得ることができる。ガラス基材を特定の組成を持つゾル−ゲル溶液に一定時間浸すだけなので、基材の形状にかかわらず実施可能である。多孔性を持たせるための細孔径の制御を可能とする。新しいタイプの固相抽出剤への開発へと展開する。 |
441 |
雰囲気酸素分圧制御下における合金融体の表面張力測定 |
小澤 俊平 |
首都大学東京 |
栗田 良夫 |
首都大学東京 |
自由表面を有する高温融体プロセスの最適化のためには、正確な表面張力値が必要となる。しかし従来の表面張力測定では、測定が融点近傍に限られていることや、表面活性元素である雰囲気中の酸素の影響が殆ど考慮されていない等の問題がある。本研究では、電磁浮遊技術と酸素ポンプを組み合わせ、広い温度範囲において、雰囲気酸素分圧の影響を考慮した、合金融体の高精度表面張力測定技術の確立を目的とする。 |
509 |
ボンドコート層の組織制御による耐剥離性を有する遮熱コーティングの開発 |
長谷川 誠 |
横浜国立大学 |
西川 羚二 |
横浜国立大学 |
ガスタービン翼に用いられる遮熱コーティング(TBCs)はNi基超合金の上にBC層とTBC層を施工することにより作製される。使用中でのTBC層の剥離は超合金の劣化を急速に進行させるため、剥離進展の抑制は重要である。従来、剥離発生の抑制を目的としたHfやPtのBC層への添加が主に行われていたが、本研究ではBC層の組織制御により剥離先端の塑性域を増大させ、TBC層の剥離進展を抑制するTBCsを開発する。 |
555 |
コーティング界面じん性値の高精度測定装置の開発 |
山崎 泰広 |
新潟工科大学 |
有本 匡男 |
長岡市 |
セラミックスなどを表面に被覆することにより機能性・耐久性を付与したコーティング材は高付加価値材料として適用範囲が拡大している。コーティングの最適施工条件の選定や耐久性・信頼性評価には界面密着強度を界面じん性値などの破壊力学的パラメータとして評価することが必要となるが、未だその手法は確立していない。そこで、インデンテーション法による界面じん性値評価手法の確立とその標準化を目指し、測定精度および操作性に優れた界面じん性試験機を開発する。 |
663 |
防錆性能を有する有機-無機ハイブリッド膜の開発 |
嶋田 一裕 |
石川県工業試験場 |
沢野井 康成 |
(財)石川県産業創出支援機構 |
新たな表面改質の基盤技術として、金属基板上に有機物と無機物を分子レベルでハイブリッドさせた膜を開発している。この膜は有機、無機それぞれの特性だけではなく、単独では得られない特性をも表面に付加出来る可能性がある。これまでの研究で得られた有機-無機ハイブリッド膜は、防錆効果があることを見出した。実用化を目指すには、防錆性能を高めることが技術問題の核となる。そこで、本研究では防錆性能を高めることを目的とする。 |
728 |
VOC分解を目的とした金属担持中空状微粒子触媒の開発 |
岡田 友彦 |
信州大学 |
坪井 開 |
(財)長野県テクノ財団 |
本研究は、W/Oエマルション界面において有機シランの重合による有機シリカ中空微粒子を作成する技術を応用して、エマルジョンの水性部分に中空粒子触媒の源となる金属前駆体含有の水溶液を用いることで、触媒金属を坦持したした多量の中空微粒子触媒を得る技術を開発するものである。 |
738 |
プラズマアシストフラックス法によるバイオナノ結晶/ポリマー複合材料の開発 |
手嶋 勝弥 |
信州大学 |
田草川 信雄 |
信州大学 |
本課題は、溶液からの結晶育成法の一種であるフラックス法にて、外部エネルギーとして大気圧プラズマを用いて、ポリマー表面に高品質なナノ結晶層を直接形成した新規複合材料を開発する。通常のフラックス法では、溶液(反応系)を加熱・冷却し、過飽和度を制御することで結晶を作製する。本課題では、大気圧プラズマを用いることで、系の加熱が不要となり、ポリマーなどの非耐熱材料表面で結晶を直接作製できる。特に、さまざまな材料表面にアパタイト結晶層を形成し、新規バイオ材料(1種以上)を提案する。その際、バイオ応用の一指標となる、タンパク質吸着性(25mg/g)や生体親和性(細胞培養判定)の獲得をめざす。 |
755 |
極低粗度銅箔を用いた高密着ポリイミド/銅界面の作製 |
浅倉 秀一 |
岐阜県産業技術センター |
梅村 澄夫 |
岐阜県産業技術センター |
銅箔/ポリイミドから成るプリント配線基板の配線の微細化と信号の高周波数化に対応するためには、銅箔表面の粗さを極めて小さくする必要があるが、その場合、ポリイミドとの接着強度が低くなるという問題がある。本研究では、銅箔表面にアニール処理によってナノ凹凸構造を作製し、さらにポリイミドと相互作用を持つ単分子膜で修飾することで、物理的アンカー効果と化学的作用によって、低粗度でかつ高密着性界面の実現を目指す。 |
853 |
液滴の滑落性を向上させたガラスのはっ水/はつ油処理 |
穂積 篤 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
渡村 信治 |
独立行政法人産業技術総合研究所 |
液滴とガラス表面の相互作用を抑制し、滑落(飛散)性を大幅に向上させる新しいガラスの表面改質技術を開発する。枝状構造を有する有機シラン分子を、液相あるいは気相から強固な化学結合を介してガラス表面に固定化し、安定な分子膜を形成する。固定化した分子の嵩高さに起因する「分子傘効果」を利用して、液滴(水や油)とガラス表面の相互作用を抑制することにより、ヒステリシス(前進接触角と後退接触角の差)を極めて小さいし(<3°)、滑落性に優れた表面を発現させる。 |
886 |
トップダウンプロセスの微細化に資するナノパターニングシステムの開発 |
田中 正剛 |
名古屋工業大学 |
堀 伸一 |
(財)名古屋産業科学研究所 |
近年、半導体基板は極微細な周期での表面加工が求められており、ナノ精度で被膜できるマスク材の開発が必要とされている。本課題では高分子薄膜のマスク材としての応用を考え、10ナノメートル以下の微細な超分子構造を形成するペプチドを構成要素とするジブロック共重合体を設計し、これらの固体表面への吸着とペプチド部位のβ−シート化に基づく簡便で低コスト化が可能な自己組織化によるナノ微細構造の調製法を検討する。 |
963 |
アルミニウム表面への高摺動性皮膜の開発と応用 |
市野 良一 |
名古屋大学 |
野崎 彰子 |
名古屋大学 |
駆動系の機械部品には必ず摺動部が存在し、摺動部の特性は機械特性、さらにはエネルギー効率に影響を及ぼす。ここでは、アルミニウム部材の摺動部の高機能化について検討する。アルミニウムの高機能化の一つに陽極酸化法による皮膜形成がある。この陽極酸化皮膜は、作製条件によりバリアー構造やポーラス構造を形成し、機械的特性を発現させている。陽極酸化皮膜を複合化することにより、さらなる高機能化を図る。 |
1174 |
周期構造と光化学反応の重畳効果を利用した生体機能膜の開発 |
上田 正人 |
関西大学 |
柴山 耕三郎 |
関西大学 |
Ti表面に周期構造を有するTiO2、CaTiO3を低温合成し、擬似体液中で光を照射することにより骨の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAp)の形成を制御する。表面のナノ構造、周期性を制御することで表面積、ぬれ性を制御すると同時に、光の吸収波長・効率をも変化させる。光照射によりHAp膜形成の促進ならびに形態、結晶性、組成の精緻制御を達成し、生体硬組織を模倣した表面を有する硬組織代替材料を開発する。 |
1178 |
インプラントバイオマテリアルの感染防止に有効な表面改質材の開発 |
岩ア 泰彦 |
関西大学 |
瀬尾 寛 |
関西大学 |
本研究ではインプラントバイオマテリアルの最も重大な課題である感染を防止するための表面被覆ポリマーを新たに合成し、その機能を調べることを目的としている。この目的を達成するために、インプラントバイオマテリアル表面(特に金属表面)とある一定期間結合し、生体成分の付着(ファウリング)を抑制する機能を示し、インプラント後は分解し、インプラントと生体組織が安定に接合することを妨げないポリマーを新たに設計する。 |
1195 |
表面濡れ性のスイッチングを目指した易分解性コーティング剤の開発 |
佐藤 絵理子 |
大阪市立大学 |
渡辺 敏郎 |
大阪市立大学 |
撥水性表面の構築方法として、シランカップリング剤による疎水性官能基の導入、フッ素系樹脂コーティング、プラズマエッチング処理などがあるが、それぞれ適用できる基板に制限がある、基板の前処理が必要、大がかりな装置を必要とするなどの欠点があり、安価かつ簡便な撥水性表面の構築法が求められている。本研究は、簡便に表面濡れ性のスイッチングが可能なコーティング剤およびスイッチング技術を開発することを目指す。 |
1219 |
次世代半導体単結晶と電極金属膜の界面反応制御とコンタクト形成 |
前田 将克 |
大阪大学 |
多田 英昭 |
大阪大学 |
素子のエネルギー効率はSiからSiCへの置換により格段に向上できるが、SiCへのオーミックコンタクト形成が困難であることがこの置換推進を妨げている。特に、高出力用バイポーラ型トランジスタでは単結晶SiCウェハの両面にコンタクトを形成せねばならない。本研究では、種々のSiC結晶面と金属蒸着膜との適切な界面組織を形成するための界面反応制御法確立を目指す。 |
1228 |
次世代不揮発性メモリ開発に向けた超高密度金属酸化物ナノドットの創成 |
中村 芳明 |
大阪大学 |
藤原 昌平 |
大阪大学 |
情報技術の急激な進歩を背景に社会の高密度・大容量記録へのニーズは増大し、それに伴い、電界誘起巨大抵抗変化を利用したReRAM(Resistive random access memory)などの新規不揮発性メモリデバイス開発が盛んに行われている。しかしながら、更なる高密度記録を可能とする次世代メモリデバイスの開発が必要とされている。本研究では、薄膜ではなく超高密度・超微細構造を形成して、超高記録密度ReRAM実現の可能性を示すことを目的とした。具体的には、代表研究者独自の形成法を応用・発展させて、ReRAM材料の超微細構造を形成する新技術を開発し、電界誘起巨大抵抗変化効果を観測・解明を行う。 |
1353 |
めっき膜の内部応力発生機構のナノレベル解析と応力緩和 |
福室 直樹 |
兵庫県立大学 |
瀧澤 精一 |
兵庫県立大学 |
エレクトロニクスに応用されるめっき技術は高精細化し、析出初期の膜の内部応力が剥離等の不良の原因となるため、その制御が実用信頼性確保の上で重要である。本研究では、独自開発したTVホログラフィー干渉法により析出条件と応力挙動の系統的な調査を行い、電子顕微鏡観察、不純物分析および水素の挙動分析の総合的な解析から内部応力の発生機構を解明することを目的とする。さらに内部応力の制御について検討し、実質的な内部応力の低減法を提案するとともに実用めっきの内部応力の問題解決に応用する。 |
1362 |
高密度AHA 処理によるプラスチック基板上の結晶性Si 層の形成技術の開発 |
部家 彰 |
兵庫県立大学 |
八束 充保 |
兵庫県立大学 |
真空チャンバ内で水素ガスを加熱触媒体線上で解離させ、生成した原子状水素を基板表面に吹き付ける原子状水素アニール(AHA)法により、プラスチック基板上に低温で作製したSiO2膜表面を還元し、プラスチック基板上に結晶性Si層を形成する技術を開発する。本技術により軽量・低消費電力の情報端末であるフレキシブルディスプレイ(シートコンピュータ)の実現を目指し、誰もが安全かつ豊かな生活が送れる社会を構築する。 |
1478 |
無機ガラスに負けない耐傷付性を有する高機能樹脂ガラスコーティング技術の開発 |
小島 洋治 |
広島県立総合技術研究所 |
平田 敏明 |
広島県立総合技術研究所 |
研究代表者らは、樹脂表面にプラズマCVDの手法によりコーティングを行うことで、無機ガラス以上という耐傷付性能を有する透明樹脂作製の技術シーズを確立した。しかし、実用化に当たって作成コストが課題となっている。そこで、これまでの知見をもとに、硬化性樹脂により作製していた中間層を含め工程全般にプラズマプロセスを採用し、薄膜の物性を制御しながら作製時間を短縮したプロセスを開発することで、耐傷付性を有する樹脂ガラスを高効率で作製する手法の確立を目指す。 |
1479 |
鋼のスパッタエッチングによる光吸収特性に優れた微細突起物の開発 |
中佐 啓治郎 |
広島国際学院大学 |
山嵜 勝弘 |
広島国際学院大学 |
工具鋼をアルゴンイオンによりスパッタエッチングすると、表面に直径が1μm以下の微細な突起物が形成され、可視光線を吸収する。この突起物を金型とし、その反転材を再度型として用いると、突起を有する透明な高分子膜が製造でき、テレビ画面などの反射防止膜として利用できる。本研究では、鋼の合金成分・熱処理を変えて、突起物の種類、高さ/直径比を変え、硬さ・じん性を改良し、光反射防止膜製造に適した型を開発する。 |
1773 |
水酸基を利用したチタン表面のカルシウム修飾 |
石川 邦夫 |
九州大学 |
平田 徳宏 |
九州大学 |
本研究は骨組織再建などに用いられる高機能性医用材料の開発に関わるものであり、具体的にはオゾン処理等によってチタン表面の水酸基を増大させ、増大させた水酸基を介してチタン表面をカルシウム修飾する手法の骨伝導性、組織親和性への有効性を検討する。 |
1800 |
広範囲平滑性を有する高平滑性疎水性基板調製法の確立 |
大石 祐司 |
佐賀大学 |
佐藤 三郎 |
佐賀大学 |
高平滑性を持つ疎水性基板は、現在原子間力顕微鏡のサンプル固定台、界面研究においてニーズがあり、今後のタンパク質配置技術を応用したバイオセンサーや電子回路基板の構築おいて新分野を開拓する道具して重要である。しかし、高平滑性疎水性基板として通常使われる基板では①非常に高価である。②原子レベルで平滑な面が狭いという欠点があった。そこで原子レベルで広範囲な平滑面をもつ雲母の壁開面を化学的に処理する方法を用い“簡便”且つ“安価”に高平滑性を有する疎水性基板を調製する方法を確立する。 |
1836 |
高散乱・波長変換能を有するハイブリッド美粒子の開発と応用 |
伊原 博隆 |
熊本大学 |
古家 達也 |
熊本大学 |
申請者の技術シーズである造粒技術を用いて作製できる新素材は、ポリマー粒子の界面上に無機微粒子を配向(シェル化)させたものであり、微粒子の種類やサイズによって高光散乱性や波長変換能を示す。本申請では、この特異機能を活用した用途展開(スキンケアや化粧料への応用)を目指すため、無機材料としてシリカナノ粒子を中心に、粒径やシェルの配列構造を精密に制御することによって、機能をライブラリ化することを目標とする。 |
1863 |
生体分子認識機能を有するソフト配向界面 |
吉見 剛司 |
大分大学 |
森岡 勝彦 |
大分大学 |
本研究では、生体分子の認識機能を持つと期待される高分子液晶を開発し、それらの多層状高分子配向薄膜(LB膜)の作製および光応答特性について明らかにする。まず、この薄膜を「光で動く分子レベルのジャッキ」として利用し、膜内部や膜表面の超微細な構造制御を行う。さらに、構造制御された薄膜表面と生体系分子などとの相互作用を評価する。 |
23(B) |
マイクロ・ナノバブル技術を活用した半導体ウエハ、冶工具の洗浄技術開発 |
浅野 俊之 |
茨城県工業技術センター |
津田 征夫 |
株式会社ひたちなかテクノセンター |
半導体製造における異物など汚染物質の洗浄に関わる有機溶剤の使用量増大とその排液処理などの洗浄コストおよび環境負荷の増大が問題となってきている。そのため、昨年度の研究成果をもとに研究機関と民間企業が密接に協力連携して、異物や不純物の物性に応じたマイクロ・ナノバブルによる洗浄条件の確認と洗浄方法の実験研究を進めることにより、複雑多様化する半導体材料と製造現場での最適な洗浄技術を確立し、低コストで環境に優しい洗浄技術の早期開発と実用化を図る。 |
112(B) |
光応答性界面活性剤によるベシクル破壊と内包DNAの光放出 |
宇田 亮子 |
奈良工業高等専門学校 |
梅原 忠 |
奈良工業高等専門学校 |
本研究は、光照射によって両親媒性が発生する分子を用い、ベシクルの顕著な形態変化を促しベシクルを破壊させ、ベシクルに内包されたDNAの放出を光で促進させるものである。ベシクルはリン脂質にて構成し、光応答性を持たせるために光イオン化する化合物を含有させる。光応答性ベシクルにDNAを内包させたものを調整し、ベシクルからのDNA放出を蛍光顕微鏡で評価する。 |
131(B) |
静電誘導法を用いた超伝導体のナノ深さ表面抵抗測定装置 |
孫 勇 |
九州工業大学 |
大矢 伸宏 |
九州工業大学 |
室温超伝導体は夢の材料として研究開発があくことなく続けられている。超伝導への転移は、表面から始まり内部へ浸透し最終的に超伝導状態になるプロセスである。表面超伝導がより高い転移温度をもつことは予想されていた。しかし、極表面抵抗率の測定技術がなかったため表面超伝導の理論発展や実用化が阻害されている。本研究では、静電誘導法を発明し、表面から深さ〜1nmまでの表面抵抗率測定法を確立することを目標とする。 |