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平成19年度シーズ発掘試験 研究概要一覧(生活・社会・環境分野)


 エネルギー:50件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
34 自律駆動型水素吸蔵合金アクチュエータ実用化のための水素吸蔵放出特性試験 松村 一弘 函館地域産業振興財団 宮嶋 克己 函館地域産業振興財団 水素吸蔵合金(合金)は常温付近で多量の水素を吸蔵・放出する。この特性を用いれば小型高出力な自律駆動型水素吸蔵合金アクチュエータ(A-MHA)が構成できる。A-MHAは太陽光や廃熱など低密度熱エネルギを動力に変換できる。つまり、エネルギコストゼロで有益な仕事が得られる。本研究は、A-MHAの出力特性に影響する合金について、繰り返し水素の吸蔵・放出を行わせ特性を評価し、A-MHAの基礎データとする。
40 低廃棄物新規バイオディーゼル燃料の製造方法に関する技術開発 西川 孝二 北海道自動車短期大学 能戸 正 北海道自動車短期大学 本研究は、植物油等の生物由来原料油からバイオディーゼル燃料(BDF)を製造する手法として現在広く行われているメチルエステル化法に頼らず、原料油に対して、金属イオンを添加する手法を用いて、新規のBDFを製造する技術の開発を目的としている。添加物の混合比率を変化させ、機関性能試験を通して、この手法により製造されるBDFの性能評価を行うと共に、製造コストの低減を試み、その実用化を研究内容としている。
69 換気廃熱を利用する空気式融雪路盤の最適設計 富田 和彦 北海道立工業試験場 東藤 勇 苫小牧工業高等専門学校 換気排熱は温度と風量に制限を受けるため、その保有熱を融雪に最大限利用するためには、抵抗の少ない通風方式、並びに熱抵抗が小さく同時に融雪ムラの少ない熱特性に優れた融雪路盤が必須の条件となる。著者らは、融雪ムラの解消策として路面温度を均一化する路盤モデルを提案しており、本研究では、本モデルによる融雪路盤の最適設計のため、シミュレーション解析とその結果に基づく実証試験を行う。
101 有機半導体材料を基盤とした高活性光触媒の開発 阿部 敏之 弘前大学 工藤 重光 弘前大学 広範な可視光エネルギーに応答する有機固体を用いた光触媒技術に関する研究である。さまざまな有機半導体を用いて可視域光触媒材料を作製する。特に作製条件や作製方法等を種々変更し、より活性の高い光触媒界面(固/液界面)の創出を図る。光触媒界面で起こる有機物の分解反応を通して活性をモニターする。分解速度の解析を行い、得られた速度データを特性評価の基本指標とする。
139 自己組織化作用を利用する新規有機薄膜太陽電池材料の開発 遠藤 智明 宮城工業高等専門学校 小野 堯之 宮城工業高等専門学校 新規な有機薄膜太陽電池材料として、同一分子内にn型、p型の半導体の性質を有するユニットを導入し、自己組織化の作用によって、電子移動層とホール移動層のネットワークが自己形成される材料の開発を行う。n型半導体ユニットの材料としては、C60誘導体、p型半導体ユニットの材料としては、ポリチオフェン誘導体を想定している。太陽電池の研究用として上市できる性能を有する化合物の開発を目指す。
157 マイクロスラッシュ噴霧流利用型超高熱流束電子冷却システムの開発 石本 淳 東北大学 井硲 弘 東北テクノアーチ 超高熱流束106 W/m2レベルの超高熱流束冷却性能を有する新型電子冷却システムを開発することを主目的とする.次世代のプロセッサは全体の発熱が大きいだけでなく,ナノオーダ配線により発熱密度が不均一となり複数の「ホットスポット」がプロセッサ上に現れることが予想されている.本研究は,このような次世代のプロセッサに対しても高い冷却性能を有する電子冷却システムを開発するため,超高熱流束冷却を可能にする冷媒として新たに微小固体窒素粒子からなるマイクロスラッシュの高速噴霧流を採用し,その基礎熱伝達特性に関する検討を行う.
193 ナノスケール二酸化鉛・高導電性ポリマーを用いた高電流・高容量鉛バッテリー 田口 正美 秋田大学 森川 茂弘 秋田大学 自動車が高度に電子化され、ナビゲーションシステムなど様々な機器を搭載するようになった今日、その電源である鉛バッテリーに対する大電流・大容量化の要求はきわめて厳しい。この要求に対処するには、製品開発に関して従来の鉛バッテリーに囚われない革新的な取組みが必要である。本研究では、特殊な方法で得られるナノスケールPbO2と高導電性ポリマーから、従来にはない電極活物質を調製し、新しいタイプの高電流・高容量鉛バッテリーを製造する。
197 新規緑藻によるバイオ燃料向け脂肪酸誘導体の生産効率向上に関わる培養条件検討 伊藤 卓朗 慶應義塾大学 田村 光彦 科学技術振興機構 本試験は、高増殖性の緑藻・Pseudochoricystis ellipsoidea(仮名)が産生する脂質代謝物質をバイオディーゼル原料として実用化にすることを目的とする。具体的には、油滴産生時に増加する親油性代謝物質の定性・定量解析を行うことにより有用物質を特定したのち、効率的に有用物質が蓄積する二酸化炭素濃度・光量・温度といった培養条件の決定を行なう予定である。
215 β-FeSi2熱電変換半導体を用いた高耐久性融雪パネルの開発 東 之弘 いわき明星大学 坂本 美穂子 いわき明星大学 本試験では、研究担当者らが開発した安価な素材で高いゼーベック係数を得ることができるβ-FeSi2 熱電変換半導体の発熱効果を応用し、強度面に優れた大型融雪パネルの開発を目指す。具体的には、300 mm 角熱電変換モジュールの製作、ゼーベック係数、熱伝導率、電気伝導率の測定、融雪パネルとしての実証評価を行なう。
225 木質バイオマス利用に向けた高効率スターリングエンジンの開発 篠木 政利 福島工業高等専門学校 島田 靖孝 いわき市 本研究の目的は,木質バイオマスを有効利用するための高効率スターリングエンジンを開発することである.具体的には、数値計算コードの開発、実証実験用スターリングエンジンの製作、熱交換器および再生器の最適化を行う.また学会活動を通して評価のフィードバックを行うとともに、木質ペレット利用のスターリングエンジンの可能性を調査し,設計指標の作成と実用化に向けた活動を開始する.
230 米由来の廃棄バイオマスの燃料資源化技術の開発と応用 金野 満 茨城大学 高木 宣輔 茨城大学 国内で大量に生産されている米由来のバイオマス資源の内、食料需要と競合しない米ぬか,稲わら等の廃棄バイオマスから燃料を製造し,それを利用する基盤技術を開発することを目的とし,@米ぬか油のモノエステル燃料化と性状分析および燃焼特性の把握,A稲わらのマイクロパウダー化と物性および燃焼特性の把握を試みる。
309 産業廃棄物を原料とする環境低負荷排熱発電素子の開発 飯田 努 東京理科大学 角田 勝則 東京理科大学 産業廃棄物シリコンを独自プロセスにより純化し,熱電変換材料マグネシウム・シリサイド(Mg2Si)の原料として用いる排熱発電素子製造プロセスを開発する。Mg2Siは,資源埋蔵量が豊富で資源枯渇の危惧が無く、生体への毒性や廃棄時の環境負荷が小さい環境低負荷半導体材料である。温室効果ガス削減には,排熱の電気エネルギーへの再資源化が不可欠であり,そのための排熱発電素子を量産性重視のプロセスにより試作する。
311 木質バイオマスを原料とするバイオディーゼル燃料製造用固体塩基触媒の開発 古川 茂樹 日本大学 中小路 尚匡 千葉県産業振興センター 地球温暖化対策としてバイオマス資源のエネルギー利用拡大が急務であり、植物油(主に廃食油)をバイオディーゼル燃料(以下BDFと称する)に変換する技術が注目されている。BDF合成には固体塩基触媒が最適と考えられ、木質バイオマスを原料とした高活性固体塩基触媒を開発することを目的とし、最適調製条件の探索を検討する。本触媒は使用済み後もそのまま燃料化できる上、燃焼させても二酸化炭素を増加させない優れた特徴を有する。
328 エネルギー回生ダンパ装置の研究開発 中野 和司 電気通信大学 須藤 慎 キャンパスクリエイト 経済産業省と国土交通省は、乗用車には04年度比で15年には燃費を23.5%改善することを義務付けると公表した。提案の新技術は、燃費を改善する効果がある。自動車1台に4本使用されている油圧ダンパ(ショック・アブソーバとも呼ばれている)は、自動車の振動を抑えるために、運動エネルギーを熱に変えてエネルギーを消費している。そこで、油圧ダンパを廃止し、発電機を利用して電気エネルギーとして回生するとともに、スカイフック理論等に基づいた理想的な減衰特性を実現できる、エネルギー回生電磁ダンパ装置を開発する。
361 パイプライン輸送における脈動性を用いた摩擦抵抗低減技術の開発 岩本 薫 東京農工大学 保坂 真一 東京農工大学 21世紀における持続可能な社会の構築のためには、有限であるエネルギーをより一層有効利用することが肝要である.本研究では,石油や天然ガスのパイプライン輸送において,エネルギー消費量のほとんどを占めている乱流摩擦抵抗によるエネルギー損失を抑制し,省エネルギーに寄与する基礎技術を開発することを目的とする.
392 エチレンとメタノールからの選択的プロピレン合成 馬場 俊秀 東京工業大学 林 ゆう子 東京工業大学 本研究では,エチレンとメタノールから選択的プロピレンの新規合成法を提案する。
      CH2=CH2 + CH3OH → CH2=CH-CH3 + H2O
触媒には新たに合成するゼオライト系物質を用い,SAPO-34によるエチレン単独でのプロピレン転化速度に比べ,プロピレン選択率80%を維持しながら,プロピレン生成速度を10倍速くすることを目指す。
393 メタン−メタノール直接転化反応に利用する生体触媒の大量調製法の構築 宮地 輝光 東京工業大学 林 ゆう子 東京工業大学 石油代替炭素資源である天然ガス主成分のメタンからメタノールを合成するプロセスは、メタノールが燃料あるいは種々の化学製品の原料となるため、特に重要である。本課題では、メタンをメタノールに直接変換する触媒として利用できる生体触媒、膜結合型メタン水酸化酵素(pMMO)を大量に調製することをめざす。特に本課題では、pMMOのうちメタン−メタノール転化反応にかかわる活性部位領域を含むドメインのみを大量調製する方法を確立する。
415 プリズム集光器を用いたコンパクト太陽追尾モジュールの開発 山田 昇 長岡技術科学大学 佐々木 峰子 新潟ティーエルオー 薄型集光器と簡便な追尾機構の導入により、高価な太陽電池セル(以下、PVセル)の面積を抜本的に削減し、民生用に普及可能な低コストで設置性に優れた集光型太陽光発電システムを開発する.本モジュールは、プリズム集光器の集光面に小面積のPVセルを貼った複数のパネルがリンクされ,追尾アクチュエータにより追尾動作する新型の集光型太陽光発電モジュールである。試作試験により性能を検証し、実用化への課題を明らかにする.
446 カプセル触媒によるジメチルエーテルの低温直接合成の技術開発 椿 範立 富山大学 岩瀬 洋一 富山大学 ジメチルエーテル(DME)はバイオマス,天然ガス等を原料とする合成ガスから,作ることが出来るため,石油代替効果と炭酸ガス削減効果が大きく,LPG代替燃料やディーゼル燃料として期待されている。現在DMEはメタノールの脱水反応を経る2段階反応で合成されている。我々は触媒表面に別の触媒を被膜したカプセル触媒の開発に成功している。この触媒は複数の触媒作用を示す優れた性能を持つ。本研究では,合成ガスから一段階でDMEを合成できるカプセル触媒の開発を行う。
477 逆送型高効率循環式ヒ−トパイプの開発 大西 東洋司 若狭湾エネルギー研究センター 祝 一裕 若狭湾エネルギー研究センター 当研究センターで開発した、気泡の膨張力と浮力を駆動力とする「泡ポンプ原理」を利用し、極めて効率の高い循環式ヒートパイプへの応用により、従来困難であった上部熱源から下部放熱部へと効率良く熱移送が可能なヒートパイプを開発する。
例えば、屋上の熱を階下に、屋内の熱を戸外路面に移送するなどの実用システムのモデルの試作と試験を行う。
481 融雪用自励振動ヒートパイプの開発 宮崎 芳郎 福井工業大学 上坂 治 ふくい産業支援センター 融雪においてヒートパイプは無動力で広い面積に熱を供給する方法として優れている。特に自励振動ヒートパイプは細管を何回も折り返しシート状に構成できるので従来の単管型ヒートパイプより、少ない本数で広い面積をカバー出来、埋設コストも安くなる。しかし熱輸送距離が短く長尺化が難しいという問題があった。本研究では逆止弁を用い、熱輸送距離を長くすることにより、一本で広い面積をカバーできる融雪面加熱用自励振動ヒートパイプを開発する。
487 レアメタルフリーポストリチウムイオン電池正極材料の開発 荻原 隆 福井大学 吉田 芳元 福井大学 エアロゾルナノ加工技術により導電性炭素を内包した高導電性リン酸鉄リチウムナノ粒子を合成する。リン酸鉄リチウム(LiFePO4)の導電性を10-1S/cmまで高め、シートセルベースでのリチウム二次電池の評価を行い、電気自動車(EV)としての要求性能である10C・150mAh/gの電気容量と2000サイクル充放電後の容量維持率90%の確保を目標とする。
488 ヒートアイランド防止のための路面冷却評価技術 福原 輝幸 福井大学 吉田 芳元 福井大学 当該システムはコンクリート製の高熱伝導防火水槽/舗装を用いて、夏の路面温度上昇を抑制し、ヒートアイランドを防止する。
具体的には、舗装と水槽の熱伝導率を2。5倍高め、夏期における舗装 ⇒水槽 ⇒周辺地盤への熱移動を促進させ、路面の熱回収を向上させる。
本課題は当該システムの路面冷却性能に及ぼす高熱伝導の有意性を野外実験から定量的に明らかにするものである。
510 高性能アイススラリーの微細管内における流動特性 熊野 寛之 信州大学 藤井 國久 信州大学 微細な氷結晶からなるアイススラリーは,閉塞の可能性が低くなるだけでなく,熱交換性能の向上などより高い性能を有する.また,微細な配管への流動も期待でき,低温の物流や電子機器の冷却等、広範囲な用途への応用が考えられる.本研究では,高分子材を添加することにより生成される非常に微細な氷結晶からなるアイススラリーを用いて,微細管内における流動特性を把握し微細間の設計応用に利用しようとするものである.
539 世界最小のマイクロコンバスタの開発とそれを用いた携帯用電源の開発 高橋 周平 岐阜大学 荒賀 年美 岐阜大学 炭化水素燃料の持つ高いエネルギー密度を微小な空間において活用するため、従来では不可能とされていた消炎直径以下の空間での燃焼を、多孔質のセラミックス管と触媒を用いて行う。これにより、内直径0.4mmというきわめて小さいに空間において、エネルギー発生密度10GW/m3、最高温度800K以上を達成させ、微小な高温点熱源として利用することができる。熱源自体としての利用だけでなく、熱電素子と組み合わせることで、小型電源としての応用が見込まれる。
565 水熱酸化による窒素含有バイオマス廃棄物のクリーン処理・熱回収装置の開発 岡島 いづみ 静岡大学 鈴木 孝典 静岡大学 含水率が高く腐敗しやすい家畜排泄物などの難処理窒素含有バイオマス廃棄物を、高圧加熱水蒸気と空気の混合流体を溶媒として用いて分解することにより、@乾燥や脱臭などエネルギーやコストがかかる前・後処理工程なしに、A短時間で二酸化炭素、水、窒素ガスといった無害な無機ガスまで完全分解でき、B分解時に発生する燃焼熱を効率よく回収・利用できる廃棄物のクリーン処理+エネルギー変換するためのプロトタイプの二段式水熱酸化反応装置を開発する。
566 バイオマス+プラスチック混合廃棄物からクリーン・高発熱量燃料合成装置の開発 佐古 猛 静岡大学 鈴木 孝典 静岡大学 本技術は、現在処理に困っている高含水率で腐りやすく場合によっては悪臭の発生する生ごみ等とプラスチックの混合廃棄物を、無害な200〜250℃の高温水を用いて、分別や乾燥といった人手やエネルギーを要する工程なしに、短時間にクリーンで高品位のエネルギー資源(石炭並みの高発熱量)に変換する技術を開発する。そして5 年以内に大学発ベンチャーによる実用化を目指す。
567 ジメチルエーテルを原料とした水素製造、それに用いる触媒の開発およびその大量試作 武石 薫 静岡大学 鈴木 孝典 静岡大学 燃料電池に必要な水素の貯蔵体として注目されているDMEから効率的に水素を製造できる触媒の開発を行う。われわれが開発した触媒は活性は高いが、多少高価になる可能性が大きい。そこで、新たに改良製法を開発することにより、安価な触媒にすることを試みる。本提案では1kgの大量試作を試み、実験室で従来行ってきた触媒調製(2g程度)での触媒との反応比較を行い、活性低下のない触媒とするのが目標である。
570 高耐熱性、高耐水蒸気性を有する自己複合化水素分離膜の開発と応用 永野 孝幸 ファインセラミックスセンター 山本 義明 ファインセラミックスセンター 水素は、現在その多くが複雑な製造工程を必要とする天然ガス(主成分:メタン)の水蒸気改質反応(800℃)によって製造されている。しかし、耐久性に優れた無機系水素分離膜を開発し、膜反応器を利用した天然ガスの水蒸気改質に応用することで、複雑な製造工程を一体化し500℃という低い反応温度でこれまでと同等のメタン転化率(80%)を得ることができる。本研究においてはアモルファスシリカ及びγ-アルミナ中間層の耐熱性、耐水蒸気性の向上を図り、膜反応器を用いた新しい水素製造システムの実用化を推進することにより、クリーンな省エネ社会の実現に貢献する。
601 柔軟性を有する人工毛皮面を用いた流動抵抗低減技術の開発 伊藤 基之 名古屋工業大学 岩間 紀男 名古屋工業大学 鮫肌を模擬したリブレット(微細な縦溝を持つ壁面形状)よりも流動抵抗低減効果が大きく、流れの変化が大きい工業製品への応用に適した新しい抵抗低減素材を開発する。本研究では、柔軟性を有する人工毛皮面に着目し、その最適な毛皮性状を明らかにする。さらに、実用化のための繊維の加工方法ならびに接着方法についても検討する。そして、開発した人工毛皮面を、ビル空調用配管、船底等へ適用することを目標とする。これにより、ビル空調用循環冷却水のポンプ動力のコスト削減、また、船舶の低燃費化に役立てる。
616 低毒性半導体ナノ粒子を用いる増感太陽電池の開発 鳥本 司 名古屋大学 大森 茂嘉 名古屋産業科学研究所 無機化合物の1つである半導体ナノ粒子は、量子サイズ効果の発現のために化学組成は全く同じであってもその形状に依存して、物理化学特性が大きく変化するという特徴をもつ。このような特徴は、有機色素にはない。本研究では、有機色素に代わる増感剤としてカルコパイライト構造半導体ナノ粒子をもちい、粒子サイズを精密に制御することにより、太陽光吸収特性を向上させる。さらに、酸化物半導体多孔質電極上に固定して増感太陽電池を作製し、そのエネルギー変換効率の向上を目指す。
642 分子クラスター二次電池の開発と応用 阿波賀 邦夫 名古屋大学 藤縄 祐 名古屋大学 携帯電話やポータブル電子機器には、広くリチウムイオン二次電池が使用されている。その負極には金属酸化物が用いられているが、充放電にはLiの浸入・排出過程を伴うことから、充放電時間の大幅な短縮はきわめて難しい。そこで本研究においては、二次電池の正極活物質に、配位子を介して遷移金属が結合した金属錯体クラスター分子を用いた『分子クラスター二次電池』を研究開発する。このような分子種を電子プールとして利用し、1分子の多段階酸化還元反応を利用することによって、高出力かつ迅速充放電を実現する。
661 高発電特性を有するYSZ/SDC-NiO 電解質膜のCVI 法による作製 菊地 憲次 滋賀県立大学 松居 祐一 滋賀県立大学 SDC-NiOのペレット上にCVI(Chemical Vapor Infiltration)法で透明で緻密なYSZ薄膜を作製する。SDC-NiOの面をカソードにして得た燃料電池の700℃での発電時の電力密度は同じ厚さのYSZ/SDC固体電解質を用いた燃料電池より約2.5倍大きくなる。さらに、NiOの含有率、NiOの粒径やSDCの粒径を制御して発電効率の向上を図り、YSZ/SDC固体電解質を用いた燃料電池より電力密度で4倍程度に大きくする固体電解質の作製を目的とする。
713 フラクタル形状を有する遮熱外壁の研究 酒井 敏 京都大学 高田 寛 京都大学 多数の小さな葉が一定の空間中にフラクタル構造(あるいは複数の三次元的なクラスター)をなすように分布するという植物の構造が、太陽光を遮りつつ、太陽光に由来する熱を効率よく大気へと放出するのに適しているのではないかとの着想を元に、効率的な遮光構造、および放熱構造を研究する。本研究は、現在問題視されている都市部のヒートアイランド現象を防止ないし抑制することを目的とする。
789 固体燃料を用いた携帯用マイクロ燃料電池の研究開発 杉野 隆 大阪大学 武井 廣見 科学技術振興機構 現在、固体高分子燃料電池の燃料開発は水素からメタノールへと移行して進められているが、メタノールは引火性があるため使用範囲が限定され、昨今のテロ対策等で航空機内への液体持込が制限されるなど、実用的な障壁が多い。また、メタノールは、白金電極の被毒、伝導膜のクロスオーバー等が問題となり、十分な発電性能が得られていない。本応募は、これらの問題を解決すると同時に、安全かつ軽量化が可能な固体燃料(ギ酸アンモニウム)を用いた携帯型燃料電池の開発をするための研究である。
819 生物的無毒化処理によるセルロース系バイオマスの効率的利用 片倉 啓雄 大阪大学 内田 国克 大阪大学 建築廃材等のセルロース系バイオマスを原料としてエタノールを製造する場合、酸加水分解による糖化反応が必要になるが、この時にフルフラールなどの発酵阻害物質が生じ、その後のエタノール発酵を阻害する。本研究では、酸加水分解液をある微生物で前処理することによって発酵阻害物質を除去し、エタノール発酵に用いる組換え大腸菌や酵母の活性を長期間維持し、これによりバイオマスエタノールの製造コストを低減させる。
826 溶融炭酸塩を用いた食品廃棄物の高付加処理法の開発 杉浦 公彦 大阪府立工業高等専門学校 阿部 敏郎 科学技術振興機構 現在,醤油や味噌メーカーから排出される食品廃棄物には,塩分が多く含有されているため,飼料化やメタン発酵によるガス化などは困難であり,地中埋設も塩分の流出により問題となっている.本研究は,溶融塩でこれら食品廃棄物をガス化するため,食品廃棄物中の塩,灰や硫黄分を溶融塩中に固定しながらガス化主成分であるCOとH2を得ることができる.従って,廃棄物処理のコスト低減が図れるばかりか,エネルギーを生み出すことができる高付加処理法である.本研究では,塩分含有率の高い醤油粕を用い,溶融塩ガス化の基本特性の取得を目的とする.
841 ビル風における風害低減に有効な風力タービンとその応用 金子 憲一 大阪府立大学 松田 元伸 大阪府立大学 近年、都市部での乱立した高層ビル周りでの強風によるビル風公害も問題になっている。従って、マンションや高層ビルなどで発生するビル風の低減に着目し、抗力を利用した垂直軸風力タービンを設置することで、発電と防風の両方が達成可能であると考えられる。本研究の目的は、ビル風の特有の性質を把握した上で、ビルのコーナー部分の剥離流だけでなく、ビル壁面に衝突する風が偏流をともなった上昇流となる流れと相反して、下降流となって流れる強風を低減するための風力タービンシステムを構築し、その可能性を追求する。
850 天然ワカメ由来クロロフィル増感太陽電池の開発 王 暁峰 関西学院大学 山本 泰 関西学院大学 色素増感太陽電池(DSSC)の開発は新しい増感色素の発見、特に有機合成を中心としてやっている。本研究の出発点は増感色素の高い効率と安い価格の両方を考えて、応用化を目指している。天然物ワカメにたくさん存在している色素であるクロロフィルcは増感色素として以上の二つの優点が含まれている。その上、天然のクロロフィルcが持っているマグネシウムを亜鉛に交換すれば、色素は酸化し難くなるし、安定性は高くなるはずである。
919 太陽エネルギーを駆動熱源とする可搬式小型吸着式製氷機に関する研究 本間 寛己 松江工業高等専門学校 糸原 保 島根県 本研究では小型で持ち運び可能な吸着式製氷機の試作機開発を行う.本システムは駆動熱源として太陽熱を想定している.また,電気を消費するのは冷却水を循環させるポンプ,吸着器を回転させるモータ,制御用IC程度であり,小型バッテリーでの稼働が可能である.従って,林業における作業小屋等の電気の供給ができない場所や,東南アジア等の日差しが強く電気インフラの敷設が遅れているところでの使用が期待できる.
985 超高透過性を有する水素分離膜のセルフチューニング製膜 都留 稔了 広島大学 榧木 高男 広島大学 クリーンエネルギーである水素の分離精製技術は、今後のエネルギー問題解決のキーテクノロジーである。本研究では,水素分離膜の製膜基材として細孔径5nmから0.5nmのナノ細孔を有する多孔性無機膜の製膜技術を確立し,ナノ細孔内および表面に金属担持することで水素選択透過性膜を創製することを研究目的とする。圧延法,無電解めっき法などの水素分離膜に比べて,低コスト・簡易的製膜法であるだけでなく,超薄膜製膜可能となるため高透過性が期待できる。
990 パルスデトネーションエンジンにおける排気平滑化技術の開発 遠藤 琢磨 広島大学 松井 亨景 広島大学 パルスデトネーションエンジン(PDE)とは、パルス的なデトネーションを利用する内燃機関である。デトネーションは燃焼温度が高いため、高い熱効率が期待できる。発電等のためにPDEでタービンを駆動する場合、最も重要な技術開発課題は「燃焼器からのパルス的な排気をタービン入口までに如何に平滑化するか」である。本研究では、燃焼器下流の流路形状を変化させてタービン入口位置における圧力波形を調べ、排気平滑化技術を開発する。
992 マイクロ伸長流動ノズルを用いたPGSS法によるポリマー微粒子製造 木原 伸一 広島大学 松井 亨景 広島大学 ポリマー微粒子は、現在、主として有機溶媒中での懸濁重合や破砕研磨により製造されているが、有機溶媒除去の高コスト化や熱に弱い成分を含む微粒子化には適用できない等の問題がある。本研究では、地球環境への負荷が小さく汎用性の高いポリマー微粒子製造方法として、ポリマー可塑化溶媒に超臨界二酸化炭素を利用したガス飽和・懸濁溶液 (PGSS) 法に、新規に開発するマイクロ伸長ノズルを用いたプロセスを提案し、ポリマー微粒子化の高度化を行う。
1009 低品位パーム油を用いたディーゼルエンジン燃料の調製技術の開発 佐伯 隆 山口大学 大高 聰 山口大学 近年、食油やその廃油を原料とした環境に優しいバイオ燃料の研究や実用化が進められている。しかし、廃食油の回収に費用がかかるうえ、その量も十分ではない。本研究は東南アジア諸国でその処分が問題となっている低品位なパーム油を原料とし、廃食油と混合することで、常温で均一分散した低粘度液体燃料を開発する。この際、大がかりな改質や反応を利用せず、廃食油とパーム油を混合し、極微量のレオロジーコントロール剤を使用する方法を用いる。このため本研究では、廃食油とパーム油の最適混合条件、添加剤の選定と最適化、および混合燃料の流動特性の評価について検討する。
1133 スピン転移型多孔性錯体による効率的水素ガス貯蔵材料の開発 松田 亮太郎 九州大学 古川 勝彦 九州大学 水素ガスは高いエネルギー密度を有し、石油の代替エネルギーとして最も有力なものである。しかしながら水素は分子の特性上、ガソリンのように高密度に貯蔵し運搬する事は困難であり大きな課題となっている。代替エネルギーとして広範に普及するためには、革新的な物質開発が必要である。本研究課題では集積型金属錯体の合成手法を用いて、スピン転移機能と吸着機能有する新しい細孔物質の合成を行い、高効率な吸着材料としての可能性を探索する。
1154 現在の海における鉄鉱床形成を模した人工鉄沈降・鉄分離技術の開発 清川 昌一 九州大学 中武 貞文 九州大学 近年,鉄の高騰により金属資源の見直しが急務になっている.鉄は,25億年前の地球上に酸素濃度が上昇したときに,そのほとんどが沈殿した化石燃料であり,有限の産物である.我々は現在の鉄沈殿作用が行われている地域に注目して,実際に自然界において鉄を作り出しているメカニズムを解明し,最終的には,自然界から人工的に金属鉄を回収する未来の資源増強技術を確立することをめざし,基本技術・基本モデルを確立することを目指す.
1173 新規電極構造を持ったバイオ燃料電池の開発と評価 綾戸 勇輔 産業技術総合研究所 若林 勝彦 産業技術総合研究所 バイオ燃料電池は、タンパク質等バイオ触媒を電極触媒として利用した燃料電池である。特に豊富に存在する糖、アルコール等が利用でき、常温で安全に運転できるため、超小型電源としての実用化が期待されている。しかしバイオ触媒は、温度やpH等外部環境の影響を受けやすく、電子移動反応が非常に起こりにくい。本応募課題では、ITO電極を用いたシンプルな電極構造を持つ新規バイオ燃料電池の開発と評価を行う。
1210 改質反応用貴金属代替Ni触媒の開発 永岡 勝俊 大分大学 安永 昌二 大分TLO この研究は独創的な卑金属触媒を用い、メタン改質に対するRu代替触媒としての有効性を実証するものである。触媒に関する特許が公開され、知的財産としての権利が確保されている。本研究において実用化に必要なDSS耐性、炭素耐性に対する知見を得ることにより、申請者が別テーマで共同研究を締結している企業と共同で、実用化を目指す予定である。
1235 メタンと二酸化炭素を含むバイオガスからの燃料電池用燃料(水素と一酸化炭素)の合成 松永 直樹 鹿児島大学 中村 恵造 鹿児島大学 燃料電池(SOFC)用燃料として、バイオガス中のメタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)の水素(H2)と一酸化炭素(CO)へのガス改質法を検討する。目標としてCH4分解量を700℃で80 %以上とし、H2とCOの生成率を700℃でそれぞれ40 %以上とする。また、バイオガス改質燃料によるSOFCの発電性能は600 μm厚さの電解質で300 mW/cm2以上(800℃)を目標とする。
1237 中温作動用固体酸化物形燃料電池の正極材料の開発 鮫島 宗一郎 鹿児島大学 中村 恵造 鹿児島大学 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の作動温度800〜1000℃(高温)を600〜800℃(中温)に低下させ、SOFCの普及を目指す。電解質には従来のイットリア安定化ジルコニアに替わり、高酸化物イオン導電体材料の希土類固溶セリア(RDC)を用いる。本研究では、RDC電解質と反応せず、電子導電性が高く、さらに酸素との反応性の高い正極材料を開発する。800℃、600℃でそれぞれ500、200mW/cm2の出力密度を目標とする。

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 廃棄物処理:19件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
11 高炉ダストを再活用した環境汚染物質の親環境型処理技術の開発 チャン ヨンチョル 室蘭工業大学 加賀 壽 室蘭工業大学 本研究開発は、製鋼用電気炉で発生する高炉ダスト(廃棄物)と硫酸塩還元菌との相互作用を活用し、有機塩素系化合物(TCE, DDT, PCB, endosulfan)や環境ホルモンによる汚染土壌をその場で浄化する画期的な親環境型処理システムである。本研究では高炉ダストの分解可能な有機塩素系化合物のデータベース構築及び分解特性を系統的に明確化させるとともに、硫酸塩還元菌の重金属安定化特性を検討し、実用化に向けた最適条件を見出す。
39 六価クロム(Cr6+)含有廃棄物の還元化処理法の実用化研究 岸 政美 北海道工業大学 蛸島 武広 科学技術振興機構 クロム(Cr)は酸性・アルカリ性の何れの場合でも有害な「六価クロム(Cr6+)」として溶解することが知られており、現在有効な除去処理法の開発に苦慮している。本研究では、木質抽出液および木材蒸煮液を用いた六価クロム(Cr6+)含有廃水および廃棄物の還元化による無害化処理の実用化研究を行う。「木質ボイラー残滓」、「発電ボイラー燃え殻」および「発電ボイラー煤塵」に対し「木質抽出液」および「木材蒸煮液」の各溶液を添加し、温度制御のもとで一定期間六価クロム(Cr6+)還元化処理試験を行う。
152 内熱式電磁溶融法による石炭灰の溶融減容化および利材化 谷口 尚司 東北大学 大野 健一 科学技術振興機構 わが国の石炭火力発電所から発生する石炭灰の総量は年間920万トン(2002年度)に上り、その75%がセメント原料に充てられているが、公共事業の縮小により、セメントの需要は減退しており、新たな利用先の開拓が求められている。石炭灰は嵩密度が小さく有害な重金属を含むため、ガラス化して減容化し、かつ重金属を封じ込めることが、最終処分あるいは利材化に有効である。本研究では、熱効率が高い内熱式の電磁溶融法によって、石炭灰の溶融・減容化および利材化を目指す。
189 廃棄珪藻土濾過助剤からのシリコンカーバイド及び金属シリコンの作製 村上 英樹 秋田大学 保坂 正晴 あきた企業活性化センター 本課題は、廃棄珪藻土濾過助剤から、簡易的な方法で、シリコンカーバイドと、珪素系高分子材料の原料となる金属シリコンを作製することを目的としている。現在、食品産業で大量に使用されている珪藻土濾過助剤は、使用後に有効利用されることなく、廃棄物として埋立処分されているので、これらの活用を目指す。
211 水蒸気接触法を用いた脱水性・乾燥性に優れた活性汚泥処理法の開発 高畑 保之 山形大学 村山 朋也 山形大学 下水処理施設等から排出される活性汚泥(下水・廃水の分解処理に用いるもので、微生物から構成される。)は、水分含有量が高く、処理に多大なコストを要することから、その減容化が大きな課題となっている。本応募課題は、水蒸気を活性汚泥に吹き付け接触させる方法(水蒸気接触法)により、活性汚泥の脱水性・乾燥性を飛躍的に向上させる効率的な活性汚泥処理法を開発するものである。本研究では、最適な処理プロセスを構築するため、水蒸気−活性汚泥接触の反応メカニズムと最適条件を解明し、効率的な装置の設計指針と運転管理法の検討を行う。
252 マイクロバブル技術を用いたバイオガス生物脱硫システムの開発 北村 豊 筑波大学 林 良夫 筑波大学 バイオ燃料の一つであるメタン発酵バイオガスに含まれる腐食性・毒性の強い硫化水素を,硫黄酸化細菌を利用した生物触媒により除去する生物脱硫法を確立する。ここでは触媒の活性化をマイクロバブル技術を用いた液相曝気法によって行なうことにより,従来の脱硫剤吸着法あるいは気相曝気法よりも安全で,効率が高く,かつ低コストでバイオガスを脱硫する技術の実用化を目指す。
255 放射線を用いたアスベストの無害化と可溶化に関する技術開発 永石 隆二 日本原子力研究開発機構 飯塚 隆行 日本原子力研究開発機構 アスベストは建築資材に多量に含まれ社会問題化しているが、高温溶融の処理法では1000度の高温加熱や大量の薬品を必要とする。そこで新たに放射線を用いた、環境適合性に優れたアスベストの処理法を開発する。すでにアスベストにガンマ線や電子線を様々な条件で照射し,構造変化や溶解度変化の予備的な知見を得ている。さらに研究を進め、粒状化や完全溶解による無害化を図り、環境負荷の低い画期的な処理法の開発を目指す。
257 生分解性プラスチック分解促進酵素の開発 北本 宏子 農業環境技術研究所 對馬 誠也 農業環境技術研究所 地球温暖化を防止するために、生分解性プラスチック(生プラ)の導入が図られている。しかし生プラは、使用中の崩壊や、使用後分解しにくいといった問題が、導入の障害になっている。提案者は既に、生プラ分解活性が高い微生物を分離し、生プラ分解酵素を単離している。本研究では、分解酵素の遺伝子とアミノ酸配列を明らかにする。また、酵素生産微生物をさらに効率よく分離する手法を開発する。
335 キヒトデ抽出物の抗真菌剤としての利用 石崎 松一郎 東京海洋大学 松山 祐子 東京海洋大学 本研究は、日本全国の沿岸部において採取されるキヒトデの有効利用方法を構築することが狙いである。キヒトデの抽出物に存在するさまざまな生理活性物質の中で特にヒトデサポニンの抗カビ作用の強さに着目し、天然成分由来の安全・安心な抗カビ剤の開発を目的としたキヒトデサポニンの高収率な回収方法を提案し、従来法とは異なるn-ブタノールを介さない新規抽出方法の開発と同時に有効成分であるヒトデサポニンの収率改善を目指す。
388 光化学分解によるディーゼル燃焼排ガス中NOxのカスケード除去試験 大山 龍一郎 東海大学 加藤 博光 東海大学 ディーゼル燃焼排ガス中のNOxを光化学分解する技術に関するものである。NOxの光化学分解には、結合解離エネルギーから189nm以下の波長の光が適しており、申請者は、キセノンランプからのエキシマ光によってNOxを選択的に光化学分解できることを実証してきた。今回、光解離酸素の再結合によるNO2へ変化等の問題を解決するため、光反応をカスケード構成にした照射システムを構築し、NOx除去プロセスを確立する。
428 ニッケルフェライトポーラスバルクを利用した高温エステルセンサー 末松 久幸 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 申請者らが発見した、ニッケルフェライトポーラスバルク材料における有機物吸脱着反応による電気抵抗率急変現象を活用し、環境ホルモンなどのエステル類を200℃以上で高温検知可能な素子を開発する。これにより、連続使用が不可能だった高温有機物センサーの実現を目指すことにより、煙突など高温下の環境浄化に寄与することを目指す。
431 稲わらの効率的メタン発酵技術の開発 小松 俊哉 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 下水道浄化センターの消化槽を利用した混合メタン発酵によって,未利用バイオマスから効率的なエネルギー回収が可能である。本課題では,稲わらを未利用バイオマスとして注目し,高温消化を適用した下水汚泥と稲わらの混合嫌気性消化法のシステムを構築することを目的とする。研究期間内の目標として,1)高濃度消化の系列も含めて連続実験を実施し,稲わらを投入した場合の消化特性を明らかにする。2)中温消化の結果も合わせてシステム全体のLCA評価を行う。
453 余剰汚泥からの共存型嫌気性プロセスによるエネルギーとりん回収技術の確立 池本 良子 金沢大学 奥野 信男 金沢大学 @バイオガス回収が可能なメタン発酵,A酸発酵を促進しリン回収可能な硫酸塩還元を活用した下水汚泥の嫌気性消化プロセスの実験的検討を行う。メタン発酵を主体とする嫌気性消化は,消化率が低いこと、リンの回収が困難などの指摘はあるが,資源回収システムとして見直されている。硫酸塩還元は,酸発酵とリン放出の促進に加え生成した硫化水素が脱窒に利用可能なことから,その利点を生かした共存型の嫌気性消化プロセスを提案する。従来型の嫌気性消化法と比較して大幅な汚泥発生量の削減とバイオガスおよびりんの回収,水処理系における窒素除去率の向上が期待出来る。
799 高次な環境浄化機能を有する酸化チタンナノチューブの高性能化 関野 徹 大阪大学 清水 裕一 大阪大学 本研究では、低温化学プロセスで合成される特異な低次元ナノマテリアルである酸化チタンナノチューブ(TiO2 NTs)に関し、その分子吸着メカニズム並びに光触媒機能とその相関を解明し、これを基礎に合成プロセス最適化や格子制御手法を併用することで、熱化学的に安定であり、多様な分子吸着機能と共に光触媒特性も共生的に兼備した全く新しい高次な能動型ナノ環境浄化材料ならびにそのシステム構築を目的とした研究開発を行う。
837 大気圧常温プラズマと吸着剤を利用した高効率小型VOC無害化技術の開発 黒木 智之 大阪府立大学 稲池 稔弘 大阪府立大学 有効な処理方法が確立されていない小規模な発生源からのVOC(揮発性有機物)排ガス対して、大気圧常温プラズマと吸着剤を利用した高効率小型VOC無害化技術の開発を目的とする。特に、病理検査室や解剖室では、キシレン排ガスによる人体への影響が懸念されているため、吸着剤によりキシレンの排出濃度を0.2 ppm以下まで削減し、常温プラズマにより吸着剤を短時間で再生させることを研究し、実用化可能レベルに近づける。
1005 シクロデキストリン成分をもつ球状ヒドロゲルの調製とバクテリア固定化担体としての応用 山ア 博人 宇部工業高等専門学校 大高 聰 山口大学 シクロデキストリン(CyD) は分子内に空洞をもっており、水中ではその中に芳香族などの有機物を迅速に取り込むことができる。本試験研究は、シクロデキストリン成分をもつ球状ヒドロゲルを新規に調製し、そのバクテリア固定化担体としての応用を検討するものである。
1057 簡易自動処理装置による高濃度ホウ素およびフッ素含有廃水の処理実証試験 掛川 寿夫 香川大学 福井 次郎 香川大学 低コストで簡単に実用化できる高濃度ホウ素およびフッ素含有廃水の簡易自動浄化処理装置を開発する。現在、ホウ素やフッ素を現実的な処理コストで浄化処理できる装置や技術的展望は無い。我々は、これまでの基礎研究において、ホウ素やフッ素を簡単に新基準未満まで浄化処理できる新しい凝集沈澱法を開発し、すでに特許出願している。本研究の目的は、この基礎的な処理技術を基に、実用可能で安価な簡易自動浄化処理装置を開発し、高濃度ホウ素およびフッ素含有廃水の処理実証実験を行うことである。
1200 水銀の除去・回収能を有する電気透析−微生物ハイブリット型バイオリアクターの開発と応用 岩原 正宜 崇城大学 石川 宗晴 科学技術振興機構 Hg2+を含んだ廃液の処理には、一般に物理・化学的方法が用いられているが、Hg2+含有廃液の濃度は多岐に亘り、沈殿や吸着によって二次的に生じた廃棄物の処理が必要となり、処理工程の複雑化、高い処理コストが課題となっている。本研究では、「Hg2+耐性菌を用いた微生物処理法」および「電気化学的処理法」の双方の利点を活かし、広いHg2+濃度の範囲で処理・回収ができるという特長をもつ新規な処理法を開発する。
1208 静電微粒化水滴の注入による廃油・廃液のリユース化技術の開発 金澤 誠司 大分大学 森岡 勝彦 大分大学 外食産業からでる廃油は年間数百万トンにもなる。印刷業界では印刷終了後,印刷機に残留するインキを石油系溶剤で洗浄するが,その廃液はそのまま廃棄されるため膨大な量になっている。これらの廃油・廃液が環境に及ぼす影響や資源の有効利用およびコストの削減を考えると再生により再利用するリユース技術の開発が必要である。本研究では,これまで行われてきた薬剤の投入やフィルターによる濾過ではない,まったく異なる発想に基づく静電気力と流体の現象をベースにした新しい廃油・廃液処理の技術を提案し,実際の処理に利用できる装置の開発を行うことを目的とする。

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 リサイクル:16件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
60 新規機能性ケイ酸塩を応用した13族元素分離回収材の合成と実用化評価 國仙 久雄 北海道薬科大学 東 市郎 北海道薬科大学 GaとInは高度な生活水準を支えるエレクトロニクス分野で用いられている重要元素であり、埋蔵量の少ない希少鉱物資源である。本研究では資源再利用のため、13族イオン含有廃液中からGaとInを選択的に回収するための機能性ケイ酸塩分離材の合成を行う。分離材は、予備研究を行っている溶媒抽出試薬を表面修飾したシリカゲル上に担持して合成する。この分離材の金属イオン回収能と選択性の評価を行い、事業化への実現性を検討する。
63 高比表面積を有する排煙処理用高反応消石灰の開発 長野 伸泰 北海道立工業試験場 後町 光夫 北海道立工業試験場 製糖副産物であるライムケーキを焼成・水和し、高い脱塩化水素・脱硫効率を有する排煙処理剤を安価にかつ容易に製造する技術を開発する。
110 高圧熱水反応を利用した省エネルギー型フィッシュミール製造プロセスの開発 本間 哲雄 八戸工業高等専門学校 小野 堯之 宮城工業高等専門学校 魚類等の水産加工残滓の再利用において処理能力、省エネルギー、環境調和等の課題を解決するため、高圧熱水処理による密閉型処理を中心とした省エネ型再利用プロセスの開発を行う。先ず、水産加工残滓からの高品位のフィッシュミール・バイオディーゼル燃料の製造研究を行って、その要素技術を熟成し、さらに可搬式処理装置開発に必要な知見を得て、漁港から小売業者までの広い市場を対象とした実用化を最終目標としている。
158 強磁場と相平衡を利用した新しい電気炉ダスト処理法の開発 長坂 徹也 東北大学 井元 尚充 東北大学 本試験では、ダストをCaO と反応させることにより、ZnO とカルシウムフェライトに相分離せしめた後、両相の磁気的性質の違いを利用して強磁場を作用させてZnO を分離・回収するオンサイト処理の実用化を目指す。具体的には、相転化速度の向上策の検討、最適の磁場設計、Waeltz 法等既存のEAF プロセスとの比較検討を行なう。
187 塩化揮発法による種々の資源からのレアメタルの分離精製プロセスの開発 野中 利瀬弘 秋田工業高等専門学校 保坂 正晴 あきた企業活性化センター 本試験研究は、鉱石などに種々の形態で含まれるレアメタルを、塩素化反応を利用して高効率に分離精製する環境負荷低減型プロセスについて、実用化に向けた最適な反応条件を見出すことを目的としたものである。ここでは、分離精製プロセスの過程で生成するレアメタルを含む複合化合物について、その塩化揮発反応ならびに炭素共存下における塩化揮発挙動を実験的に明らかにし、レアメタルの分離率が最も向上し得る処理条件を推算する。
202 大型攪拌翼を用いたセルロース分解酵素の反応促進に関する研究開発 高橋 幸司 山形大学 近藤 健夫 山形大学 木質廃棄物からバイオエタノール、有用有機酸を製造する上でセルロース加水分解は,必要不可欠な技術である。しかし,そのためには高価な酵素を多量に使用しなければいけない。本研究では,その問題を解決するために,撹拌条件および攪拌翼・槽の検討を行うことで酵素量添加量の大幅な削減を目的とする。また,その条件をもとに大型装置を用いた実証試験の検討も行う。
272 廃潤滑油等の再資源化技術に関する研究開発 鈴木 崇 群馬県立群馬産業技術センター 上石 洋一 群馬県 アルミニウム等の精密切削技術は超精密加工への移行が著しく、加工精度や歩留まり向上のために、潤滑油中の金属微粉末が一定量に達すると廃棄され廃油量が増加している。廃油量増加による産廃コスト増、石油製品高騰、環境負荷低減への関心の高まりから廃油有効利用技術が求められている。廃油中の金属微粉末が除去できれば化学工学的手法で高エネルギーガスなどに変換出来る可能性が高い。本研究では電気泳動現象を利用して分離が難しい金属微粉末を廃油から除去し、かつ再資源化する技術の確立を目指す。
358 耐薬品性に優れた鋳型高分子ゲルを利用する遷移金属捕集材料の開発 前山 勝也 東京農工大学 高田 誠 東京農工大学 耐薬品性、成型加工性に優れた芳香族ポリケトンの機能材料への利用展開を図ることを目的とし、耐薬品性に優れた遷移金属塩の効率的・選択的捕集剤の開発を行う。具体的には、捕集したい遷移金属塩を配位させた状態で重合・架橋反応を行い芳香族ポリケトンゲルを得た後、脱金属化により、鋳型ポリマーを得る。得られた空孔を利用して当該金属を選択的に捕集できるよう、適切な分子設計・反応設計を行う。
525 産業廃棄物灰から合成した触媒による汚染土壌の浄化 錦織 広昌 信州大学 坪井 開 長野県テクノ財団 本技術は産業廃棄物焼却灰の吸着・分解作用に注目し、これら灰からゾルゲル法を用いて高分散で多孔なシリカ系触媒の合成を行い、固相における土壌汚染の浄化を目指すものである。本提案では、実験室レベルで模擬汚染土壌を用いた小規模な浄化実験を行って混合条件の最適化をはかり、さらに実際の汚染現場でその効果を試すことにより実用の可能性を求めるものである。
624 古民家等の改修における古材の物性に関する非破壊評価法の開発と応用 佐々木 康寿 名古屋大学 伊藤 靖浩 名古屋大学 現在、木造建築物の改修・改築等においては、熟練大工の目視と経験によって、部材(木材)の再使用を決定しており、保有強度に関する科学的検証は行われていない。このため、代表研究者は、建築物の状態で部材の「応力波伝播速度」を測定することにより保有強度を推定する方法を新しく開発した(特許出願中)。今回、実大の構造部材(柱、梁など)に対して新開発の方法により強度を推定すると同時に、解体後、静的負荷による曲げ強度試験を実施し、両者から得られる強度値の比較・検討を行い、部材保有強度推定法の妥当性を確認し、実用化に結びつける。
722 生分解性プラスチックの非滅菌酸発酵での材料生成とその合成技術の開発 津野 洋 京都大学 藤森 賢也 京都大学 有機性廃棄物の利活用は石油への依存率を低下させるだけでなく、カーボンニュートラルな性質のために地球温暖化防止に対しても有効である。また、生分解性プラスチックは、環境に優しく、市場認識が高まりつつあり、年々その普及率が上昇している。このような背景を踏まえ、本研究では生ごみやその他の有機性廃棄物から非滅菌酸発酵により生成したL‐乳酸を原料として、生分解性プラスチックであるポリ乳酸合成技術の開発を行う。
943 バイオポリマー循環利用プロセスのためのセラミックス固定化酵素の開発 酒井 貴志 岡山大学 梶谷 浩一 岡山大学 21世紀は石油ベースのオイルを基盤としたものづくりから、バイオ資源、バイオテクノロジーを基盤としたものづくり社会に変化しようとしている。ポリマーもバイオ資源からバイオテクノロジー(酵素)によって作り、使用後は酵素によってモノマーに戻す資源循環型のものが望まれる。生分解性バイオポリマーである。本研究では、ポリマー化にも、ポリマーの分解にも有効に働く実用的な多孔質セラミックス固定化リパーゼの開発と、効率的なポリマー・モノマー循環プロセスの開発を行う。
948 活性炭吸着有害有機塩素化物の直接電解還元無害化処理―活性炭循環系の構築 田中 秀雄 岡山大学 梶谷 浩一 岡山大学 本試験研究は,活性炭に吸着された有害有機塩素化物の直接電解脱塩素化・無害化処理に関するもので,焼却炉などの排ガスや廃水処理,PCB廃油やダイオキシン汚染土壌の処理等で使用された活性炭のうち,特に高濃度の有害有機塩素化物を吸着した活性炭の無害化処理法を開発する.さらに既報の活性炭賦活法と組み合わせることにより,活性炭再生・循環系を構築する。
999 担体添加バイオスラリー法による実油汚染微粒子土壌の浄化 奥田 哲士 広島大学 榧木 高男 広島大学 油に汚染されている土地(土壌)を浄化する際に多く用いられる方法に土壌洗浄法があるが、そこでは通常大きな土壌のみが洗浄され、再利用されている。しかし、重量で全体の平均2割以上を占める100μm程度以下の微粒子画分に付着した油の浄化は難しく、通常は埋立処分されており、その浄化と再利用が望まれている。
本提案では、我々が取得した特許取得済の「担体添加バイオスラリー」法を基本に、これまで生物分解が非常に遅く問題となっていた上記の微粒子土壌上の油の生物浄化に関して、実際の汚染土壌に対して応用し、浄化速度を向上することを目的とする。
1074 レーザを用いた印刷用紙の再利用技術の開発に関する研究 井堀 春生 愛媛大学 神野 俊一郎 愛媛大学 使用済みのコピー用紙を通すだけで、印刷された部分を除去して印刷できるような装置があれば、印刷紙を手軽にリサイクルすることが可能であり環境保全に大きく貢献できる。また、シュレッダを使用することなく個人情報の消去をおこなうことができ、その場で消去の事実を確認できる利点もある。このような装置の実現を念頭に置き、本課題では、印刷用紙からトナーを除去する手法としてレーザを用い、そのレーザ照射条件を中心に検討する。
1146 産業廃棄物からの環境配慮型貴金属の分離・リサイクル方法の検討 渡邊 公一郎 九州大学 緒方 道子 九州大学 携帯電話やパソコンといった電子機器、燃料電池や自動車排ガス浄化触媒といった地球環境保護のための製品には、金及び白金族元素といった貴金属が多量に含まれており、その含有量は自然界の鉱床と比べるとはるかに高い。それらの廃棄物中から貴金属を高効率で回収・再利用できる手法は資源工学的見地からも早急な確立が望まれている。そこで本研究では、金属水酸化物を用いて、金及び白金族元素を経済的、安価かつ高効率に分離回収し、リサイクルする技術を開発する。

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 防災:18件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
94 地中探査レーダーによる知床峠積雪観測 佐藤 研吾 北見工業大学 百瀬 雅将 北見工業大学 地形、環境、風向などにより複雑に変化する積雪の堆積状況を知ることは重要である。雪渓・氷河の涵養機構や吹雪に伴う積雪の再配分機構を考える上で、堆積環境の把握は重要といえる。従来行われている断面観測や小規模なコアサンプル取得は、季節積雪の水当量や内部層構造は空間的変化に富むため、広範囲の堆積環境を知るという目的には不適当である。本研究では、電波を放射することで内部構造を非破壊かつ短時間で捕らえることのできるGPRを用いて、知床峠の積雪分布、積雪内部構造を観測し、知床における積雪特性について検討する。
318 地物データGISを活用した精緻な都市洪水流出予測モデルの開発 河村 明 首都大学東京 川原 正言 首都大学東京 都市型洪水被害の低減を目的として、人工的に形成された非常に複雑な都市型洪水流出に対し、まず、従来の土地利用情報のみならず、一つ一つのビルや家屋の地物データに、1/2500 地形図から得られる個々の土地利用要素の情報を抽出し、さらにマンホール、雨水・下水道網、河道網の情報を付加して洪水流出のための高度な地物データGIS を構築する。そして、正確な流出要素毎に水理・水文モデルを適用し、降雨の流出経路を物理的に忠実に表現可能な精緻な都市型洪水流出予測モデルを開発する。
353 土砂災害早期避難勧告発令用斜面モニタリングシステム開発 白木 克繁 東京農工大学 八木 茂 東京農工大学 豪雨時の土砂災害発生危険度の判定は、現在では主に降水情報に依存しており、地質や地形の相違を危険度予測に組み入れることが難しい。本課題では土壌水分情報や地下水位変動の観測値と、浸透数値シミュレーションによる予測値をカップリングさせてより確度の高い災害予測ができるシステムの構築を目指している。このためには地下水位などの地点情報がどの程度空間的代表性があるかを明らかにする必要がある。さらに、斜面における多点での土壌水分・地下水位変化の観測結果と、シミュレーション結果とどのように対応するかを明らかにし、新たな土砂災害発生危険度判定システムの構築を目指す。
419 縦渦励振発電を利用した電力自立型河川監視装置の開発 高橋 勉 長岡技術科学大学 福島 忠男 長岡技術科学大学 本課題は河川の流速・水位などの測定と結果の無線送信を自動で行い,これらの動作に必要な電力を河川の流れのエネルギを電力に変換することにより自給できる装置を開発する.電力の発生には本申請者らが開発中の縦渦励振現象を利用した振動発電装置を使用し,流速測定にはリングから流出するカルマン渦による抗力変動を利用する.本課題では発電部の最適化と流速測定部の検討を目標とする.
465 土壌不均一性を考慮した土壌不溶化技術の確実化手法の開発 川西 琢也 金沢大学 平野 武嗣 金沢大学 土壌は極めて不均質な媒体であるにもかかわらず,従来の汚染対策はこの不均質性を定量的に考慮していない。本研究は,(a) 基礎実験としての吸着量・速度に関する回分実験,(b) 1次元パラレル流路モデルに流路性状に分布を与えたモデル解析,(c)同一条件下でのカラム実験による再現性の検討,を通じて土壌汚染不溶化技術に土壌不均質性が及ぼす影響を定量的に検討し,確実な不溶化技術の確立を目指す。
479 獣害対策支援のための地理情報システムの開発 辻野 和彦 福井工業高等専門学校 上坂 治 ふくい産業支援センター 近年、福井県では中山間地域を中心にイノシシ等の野生獣類による農作物被害が深刻な問題となっている。そこで本課題では、福井県鯖江市における持続可能な被害軽減策立案に資する支援情報の提供、ならびに、住民の鳥獣害に対する意識啓発を目的として、イノシシ被害対策支援のためのGISを提案する。具体的には、@衛星画像を用いた竹林の分類、AGPSを用いたイノシシの行動範囲の把握、B耕区単位の危険度評価による被害予報の3項目を検討する。
480 緑被の生長を阻害しない薬剤散布による表層地盤の安定化工法 辻子 裕二 福井工業高等専門学校 上坂 治 ふくい産業支援センター 「土と石の強化保存剤」は、土の間隙を保持しつつ土粒子の結合を強化させる働きがある。本課題では間隙を保持する同保存剤の特徴を利用し、CO2固定に寄与する緑被の生長を阻害することなく、斜面(法面)の表層部分を安定化させる方法(工法)を提案する。テンションクラック発生時や林道の設置を起因とした大規模崩壊の防止、地震時の法面崩壊の防止に寄与するものと推察される。本研究期間においては屋外実験斜面を用い、@薬剤散布による緑被の生長/枯死、A斜面(法面)強化の面での効果と持続性について言及し、実用化を探る。
489 熱・水・塩収支法による路面雪氷状態予測モデルの開発と凍結防止剤の最適化 藤本 明宏 福井大学 吉田 芳元 福井大学 本モデルは、凍結・圧雪路面の回避に最適な散布量と散布時期の決定を目的に、数時間先の路面雪氷状態を予測する。
具体的には、凍結防止剤散布下における大気/車両-雪氷層-舗装間の熱・水・塩収支を解き、雪氷温度および雪氷状態(塩濃度、雪氷厚、含氷率)の時間変化を評価する。
564 衛星画像を用いた大規模災害時救助支援用道路閉塞検知システムの開発 佐治 斉 静岡大学 藤田武男 静岡大学 近年入手が容易になっている衛星画像を入力データとし、 広域道路情報を自動解析することで、災害時の 救助活動に役立てられるシステムの構築を目的とする。具体的には、災害後に撮影された衛星画像を入力とし、 道路閉塞領域を自動検知し、救助活動時での ルート選定に役立つソフトウェアシステムの構築を行う。
665 防災を目的とした超音波による地中含水量評価システムの開発 深川 良一 立命館大学 金丸 まや 立命館大学 降雨による斜面崩壊を予知するために、土砂中の水分量のモニタリングが重要である。現在、その方法として間隙水圧計測をベースとするテンシオメータが使われているが、常時計測セル内の水の補給管理が必要である。また土砂の導電率や誘電特性を電気的に測定して水分を測定する方法もあるが、設置上の問題などがある。そこで本研究では、小型で容易に設置できて常時メンテナンスを必要としない土砂中水分モニタリング法として、超音波を利用した非接触計測法を提案し、実用化に向けて基礎特性と有効性を明らかにする。
671 感度安定型PZT素子を用いたインフラ構造物の健全性監視システムの開発 日下 貴之 立命館大学 矢野 均 立命館大学 トンネル等でのコンクリート剥落事故に見られるように、様々なインフラ構造物で老朽化や強度不足が問題視されるようになっている。従来、この種の構造物の健全性評価は、定期検査ベースで行われるのが一般的であったが、近年、構造欠陥の早期発見、検査コストの削減などの観点から、構造物中に各種のセンサーを埋め込むことによって、構造物の健全性を常時監視できるシステムの開発が精力的に行われている。本研究では、これまでに申請者らが開発した高性能PZT素子と損傷可視化技術を応用して、鉄道橋や道路橋などの健全性を常時監視できるシステムを開発し製品化することを狙う。
922 下水汚泥の有効利用による海岸砂地からの飛砂防止植生導入技術の開発 増永 二之 島根大学 糸原 保 島根県 冬期の日本海沿岸に広がる海岸砂地では、強風で飛砂被害が生じている。一方、バイオマスニッポン総合戦略に沿って、有機性廃棄物の有効利用が求められているが、品質やイメージの悪さが制限となり実効的な用途や手段が見つかっていない。本研究では、海岸砂地での飛砂を抑制する方法として海岸砂地の在来植物を用いた砂防植生の導入を可能にする新規の技術(砂防植生バッグ)を下水汚泥を利用して開発することにより、海外砂地での砂防と下水汚泥の有効利用を実現・促進できる技術の確立を目指す。
977 microRNAを標的とした新世代型バイオドジメトリー・マーカーの開発 達家 雅明 県立広島大学 三宅 哲雄 科学技術振興機構 放射線被曝災害への対応策のひとつとして被曝した可能性のある大人数に対し、迅速な被曝者の同定と被曝程度の判定が求められる。現在、欧米を中心に複数のバイオドジメトリー・マーカーを用いた災害対応のマニュアル化が試みられているが、応用可能な生化学的マーカー候補は少ない。本課題ではヒトのバイオドジメトリーをより簡便に実践応用可能にする次世代型マーカーとして放射線応答性のmicroRNAを検索する。
1041 自主防災組織で活用可能な津波避難シミュレーションシステムの開発 成行 義文 徳島大学 平岡 功 徳島大学 住民の個別属性ならびに道路ネットワークの閉塞・切断等を考慮した実用的で精度の高い動的津波避難シミュレーションシステムの構築を目的として,「道路ネットワーク・沿道建物数等のGISによる自動生成・取得手法」,「ペトリネットを用いた全住民のマルチエージェントモデル」ならびに「住民・家屋等の個別属性データの調査方法」等の開発を行い,それらを組込んだシステムを津波被災リスクの高い地域に適用してその有効性を検討する.
1056 瀬戸内海沿岸域における災害予測・事前防災対策システムの開発 白木 渡 香川大学 福井 次郎 香川大学 最近、瀬戸内海の沿岸域で発生し、大きな被害をもたらした「高潮災害」、「重油流出災害」の2つを取り上げ、セルオートマトン(CA)技術を応用した被害拡散予測・事前被害対策システムの開発を目的とする。システム開発の目標は、災害の種類、発生場所、気象条件、海域環境条件、地理条件等を入力すれば、被害の拡散状況とそれに対して実施した被害軽減策の効果がリアルタイムに評価可能な機能を具え、地域自治体(町、村)、学校、自治会単位で、事前防災・減災のための教育・訓練に使用できるシステム開発である。
1155 ソーラシステムを導入した携帯型斜面危険度診断システムの開発 安福 規之 九州大学 坪内 寛 九州大学 地盤内の水分量や疎密状態を個別に測定する機器は従来から存在するが、両者を同時に測定可能なシステムは見当たらない。本研究では、申請者らが先に開発した「携帯型重錘落下型変形係数測定(FWDM)装置」に電気・熱変動探査機能と斜面表層内での地盤剛性探査機能を付加した「斜面危険度診断システム」を開発する。表層地盤の剛性と共に地盤の水分量探査や地盤の疎密状態探査を同時に実施可能で、かつ斜面での測定が容易なシステムの開発をめざす。
1183 無線ネットワーク情報伝達技術などを活用したリアルタイム道路斜面 蒋 宇静 長崎大学 森 紅美子 長崎大学 日本の道路は、斜面崩壊の予防的措置を講ずる上で、自然環境や地震などの外的要因を受ける斜面損傷による被害の可能性を的確に評価する必要がある。本研究で個別要素法による岩盤斜面の損傷解析と崩壊後の到達距離の評価法を確立し、評価結果に基づいた経済的かつ継続的な斜面監視システムの開発と実用化を目的とし、斜面崩壊箇所の選定と当該箇所における中・長期的な監視ネットワークを構築して、地域の防災・安全確保を図る。
1221 高解像度人工衛星画像による分水界の判読法の高精度化 竹下 伸一 宮崎大学 石川 正樹 宮崎大学 近年急速に利用が進む高解像度人工衛星画像を用いて,撮影画像内の稜線・尾根線・分水界を自動判読する手法の開発とその高精度化を実施する.本研究では,画像内に含まれる陰影情報に基づいて,稜線・尾根線・分水界を精度良く判読することを可能とする技術の開発を行う.これまでの研究により画像内に含まれる陰影情報のみから稜線・尾根線・分水界の判読が基本的には可能であることを突き止めている.本課題ではこの技術の有効性を様々な条件の下で試行し,その判読精度を高めることを目的とする.

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 生活:4件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
133 伝統家具に使用するための簡易的接合部品の構造開発とその応用 田中 隆充 岩手大学 小川 薫 岩手大学 日本の伝統工芸技術を活用し、且つ、使い手が簡易的に組み立てられる接合部品を開発する。日本の伝統工芸は海外で大変高い評価を受けている反面、家具類のほとんどは組み立てが出来ないため、輸送コストがあがり、結果的に販売価格が高く販路拡大が難しい状況にある。そこで、伝統工芸の高級家具としての付加価値要素を損なわず、且つ強度とユーザービリティーが保持される接合部品の基礎的開発を行うことが目的である。
749 カモフラージュの解析による環境に調和したパターン作成システムの開発 坂東 敏博 同志社大学 南 了太 同志社大学 物作りをする際に、そのデザインは目立つよりも背景の環境と調和するパターンを選ぶ必要性が高まっている。背景のパターンとの調和を考える時、動物が長い進化の過程で獲得したカモフラージュが参考になる。本研究は、背景に従って体表パターンを変化させ見事なカモフラージュをする動物の体表パターンの画像解析を行い、背景に溶け込むために重要なパターンの特徴を明らかにすることで、背景にマッチしたパターン作成を支援するシステム開発を目指すものである。
842 カメ培養肝細胞を用いた簡便で再現性の高い環境汚染評価法の開発 鎌田 洋一 大阪府立大学 西村 紀之 大阪府立大学 卵生動物のオスが女性ホルモン活性のある汚染物質の曝露を受けると、ビテロジェニン(VTG)という卵黄前駆体が肝臓で合成され、血液中に放出される。私は野生のクサガメオスの血中VTG濃度と汚染物質の相関を調べ、環境の良否を評価してきた。本研究ではカメ肝細胞の培養システムを確立し、汚染物質によって肝細胞から誘導されるVTGをパラメータとして、簡便で再現性が高く、検査施設間等での変動のない安定した環境汚染評価法を開発する。
894 抗真菌活性を有する新規防臭剤の開発 鈴木 孝仁 奈良女子大学 藤野 千代 奈良女子大学 植林されたスギ、ヒノキ、ヒバの間伐材や他の木材に由来する精油成分を利用し、これまでのアルコールや塩素系の殺カビ剤とは異なる原理で微生物、とくに真菌(カビ)に増殖抑制効果を示す、安全な防菌防臭剤の開発を行う。顕微鏡観察法とクロマトグラフィーを組み合わせた解析方法によって、どのような抽出法と精油成分の混合比がカビの増殖の抑制に最も効果的なのかを判定しながら製品化につなげる。

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 健康:28件

No. 研究課題名 研究者 コーディネータ 研究概要
氏 名 所 属 氏 名 所 属
18 事象に関連した確率推論による疲労度の収束的推論システム 魚住 超 室蘭工業大学 朝日 秀定 室蘭工業大学 人間の疲労度は声や表情に表れる。本システムは、音声と顔つきに含まれる疲労情報をマイクとカメラにより事象(音声合成による質問)に対する反応として取得する。音声情報からはピッチや振幅,ゆらぎ等の特徴量を解析し、ユーザの動画像から瞬目の回数、眼の細さ等を解析する。ベイジアンネットワークを用いて複数の関連ネットワークから構成される疲労度の推論システムを構築し、音声での確認反応を取得するシステムである。
44 魚類の新たな生体指標蛋白を利用した環境エストロジェン評価系の構築 平松 尚志 北海道大学 小川 晴也 北海道大学 ビテロジェニン(卵黄前駆蛋白)は環境エストロジェン活性を評価する生体指標として汎用されているが,低濃度領域ではビテロジェニン誘導と生殖異常との相関が認められないこともある。本研究ではコリオジェニン(卵膜前駆蛋白)を用いることによる高感度測定法の開発を行なう。具体的には,ボラ科魚類の血清からコリオジェニンを分離精製,特異抗体を作製後SRID法による測定法を確立,ビテロジェニン法との比較を行なう。
113 歯垢形成抑制効果を持つ多糖の開発 吉田 康夫 岩手医科大学 佐々木 蔵寿 いわて産業振興センター 初期口腔バイオフィルムの主要な構成菌であるレンサ球菌と放線菌は、レセプター多糖(RPS)と呼ばれるレンサ球菌の菌体表層多糖と放線菌の2型繊毛を介して結合することが知られている。以前我々はIn vitroの実験系を用いて、GalNAcb1-3Galを含むRPSがこのレクチン様結合を強く阻害することを明らかにした。本研究では、流動系を用い実際にバイオフィルムを作製させ、同多糖のバイオフィルム阻害効果を明らかにする。
127 生物酸化と共沈によるヒ素汚染地下水の簡易浄化技術の開発 伊藤 歩 岩手大学 今井 潤 岩手大学 本技術は、地下水に含まれる亜ヒ酸(As(III))を、ヒ素酸化微生物によってヒ酸(As(V))へ酸化し、ヒ素を金属水酸化物ポリマーによって除去しようとするものである。本研究の目的は、ヒ素酸化微生物が生息する生物膜のプラスチック担体への形成の可能性とその形成条件を明らかにするとともに、共沈剤としての金属水酸化物ポリマーの有効性を明らかにすることである。最終的には、ヒ素汚染地下水の効率的な簡易浄化技術を開発する。
130 ローヤルゼリー機能代替ペプチドの応用開発 鈴木 幸一 岩手大学 小川 薫 岩手大学 ローヤルゼリーペプチドには、免疫賦活機能と女王バチ誘導補助因子機能があることを明らかにしている。しかし、製品開発のためにはいくつかの課題がある。糖鎖付加したローヤルゼリーペプチドが強力な免疫賦活活性を有しているが、製品化のためには、ローヤルゼリーに変わり得る機能代替ペプチドの応用開発を目指すことが重要な目的になる。
176 ガス除去フィルタの開発とその応用 野ア 淳夫 東北文化学園大学 半田 篤志 東北経済連合会 現在、室内空気汚染に対する有望な対策技術の一つとして空気浄化装置に期待が寄せられている。しかし、当該装置に設置される吸着方式のガス除去フィルタはある使用時間を超えると化学物質除去性能が著しく劣化し、それ以降の化学物質除去性能は期待できない現状にある。 本課題では代表研究者の開発した新技術により、化学物質除去性能の向上とその長期的維持のため、1)化学吸着剤をガス除去フィルタの濾材や吸着材に定期的に添加する機構、2)固相物理吸着材を定期的に交換する機構を確立するものである。
238 骨関節健康増進への応用を目指した動的な関節力学特性計測方法の開発 金子 文成 産業技術総合研究所 池田 喜一 産業技術総合研究所 変形性膝関節症(膝OA)による疼痛を予防する運動教室など,フィールドで使用することを想定した,動的な関節力学特性(DJMP)の計測装置を開発する。またその装置を用いて,膝前十字靭帯(ACL)損傷例および継続的医療の対象ではないが日常に膝痛を訴える膝OA症例について,DJMPの特徴を明らかにする。DJMPとして,膝関節に対して多方向から矩形状に負荷量が変化する負荷を与え,その時の応答を解析する。
254 発生工学技術を応用したカーボンナノチューブの生体リスク評価系の確立 高橋 智 筑波大学 林 良夫 筑波大学 カーボンナノチューブは、従来のマクロ材料にはない特性を有しており、エレクロトニクスをはじめ、バイオやエネルギー産業といった産業への応用が広く期待されている。しかし一方で、ナノ素材の安全性に対して社会的に様々な不安や懸念が持たれている。そこで本申請は、遺伝子工学技術を用いて、ナノ素材に対して、正常の動物より鋭敏な感受性を示すモニター動物を開発し、生体に対する鋭敏なリスク評価系の開発するものである。
271 マイタケ中に存在する神経細胞死抑制物質の探索と製造方法開発 仁科 淳良 群馬県立群馬産業技術センター 上石 洋一 群馬県 多くの認知症やストレス性のうつは神経細胞の死滅が原因で引き起こされることが分かっている。また、脂質等の血液脳関門を通過する可能性を持つ低分子物質による神経細胞死の抑制に関心が持たれている。本試験研究では、マイタケ中のリゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)の抽出法の確立、抽出物中のLPEの純度向上法確立、実験動物の行動に対するLPEの作用測定を行うことにより、認知症やストレス性のうつの予防効果を持つ機能素材を実用化を目指す。
291 高熱流束プラズマジェットのVOC排ガス/ナノ粒子同時処理装置への展開 関口 和彦 埼玉大学 市川 世司 埼玉大学 ディーゼル車や工場から排出される、揮発性有機化合物(VOC)ガスや粒径が100 nm以下の超微小粒子(ナノ粒子)を対象とした、高熱流束マイクロプラズマジェット技術を用いた空気浄化手法を開発する。実際に実証装置を作製し、VOCガス/ナノ粒子の分解特性を除去率から把握するだけでなく、組成成分の観点からもその有効性を明らかにし、排ガス除去フィルターや空気清浄機への設置など、健康リスクを考慮した実用化研究を行う。
306 大気環境計測用小型サンプラーの開発 大坪 泰文 千葉大学 枝村 一弥 東京都 大気中には様々な汚染物質が存在し、環境対策のために行政により屋外での計測が行われているが、一般家庭内でも日常的に排出されている汚染物質があり、室内および個人暴露の状況を計測する必要がある。本研究は、個人レベルで使用可能な簡易型の大気環境汚染物質捕集用小型サンプラーの開発を目的としており、特に酸性ガスとオゾンの同時測定が可能な捕集用サンプラーを102年で実用化することを目指すものである。
449 DNAマイクロアレイにおける外部標準データベース構築 石垣 靖人 金沢医科大学 増田 浩子 金沢医科大学 DNAマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析は、疾患の治療標的やマーカーの探索に必須のツールとしてハードウエアとしては成熟してきた。現在必要とされているのは得られた膨大なデータをいかに効率よく正確に処理するかというソフトウエア面での開発である。本試験は補正方法とそれに必要な方法論を提供し、今後蓄積していく膨大なマイクロアレイデータの処理の精度向上を促進することを目指す。
451 施設入所高齢者の転倒予防のための擬似体験型歩行訓練器具の開発 佐藤 進 金沢工業大学 角井 嘉美 金沢工業大学 高齢化社会が急速に進行する我が国において、高齢者の転倒予防対策は重要課題の一つとされている。現在、様々な観点から高齢者の転倒予防に関する研究や取り組みが行われている。本研究は、環境への適応を重視した、現有の身体能力による効率的な高齢者のための転倒予防を意図し、居住環境内での移動を疑似的に体験できる歩行訓練装置の開発を主目的としている。
523 人工嗅覚細胞による健康モニタセンサの開発 木村 睦 信州大学 清水 信孟 長野県テクノ財団 生体内の嗅覚細胞に模倣したナノ構造体を人工的に構築し人体から発生する臭い分子を高選択的および高効率に捕捉するデバイス構築を目的とする。人工嗅覚細胞が模倣することができれば、臭い分子の追跡によって健康状態をモニタすることができる。ナノ空間を持つ臭い分子に対する人工レセプターの合成、臭い分子を濃縮するナノ界面の構築について開発を進め、人体から発生する健康情報のにおいを捕捉する健康センサへの展開を図る。
669 ヒトの筋出力特性を三次元曲面により評価する新手法の開発とその応用 伊坂 忠夫 立命館大学 西村 亮 立命館大学 これまでの筋出力特性の評価法において、これまで三次元曲面のデータが提示された研究はみられるが、定性的な評価のみで定量的な解析は行われていなかった。われわれは、すでに制御精度の高いインピーダンス可変測定装置を開発し、それを利用して、角度・角速度・トルクのデータを同時取得し三次元定量評価法を開発している。本研究ではさらに詳細な検討と実際のトレーニング場面へ応用するための試験的なトレーニング実験を行う。
724 医学用語シソーラスに基づいた効率的医療情報検索システムの開発 金子 周司 京都大学 樋口 修司 京都大学 インターネット上に氾濫する間違った医療健康情報は、一般市民だけでなく医療従事者および医学系学生にも悪影響を及ぼしつつある。本研究は、様々なポータルサイトが収集している情報から、科学的に実証された正しい情報のみを効率よく検索することを可能にする新しい医療情報検索システムを開発する。この新ポータルを活用すれば、一般市民が正しい医療健康情報を容易に得られるとともに、医学系大学や医療機関等に対してEBM(根拠に基づく医学)実践のための有用な教育資源となる。
839 新規な酵素を用いた新規なキチンオリゴ糖の調整とその利用 上田 光宏 大阪府立大学 下田 忠久 大阪府立大学 多糖類がエネルギー源だけでなく種々の生理機能を持っていることが明らかになりつつある.これまでに部分脱アセチル化したキチンに作用する新規な酵素の単離に成功した,その結果を基にして,今まで得ることが非常に困難であった重合度7以上の部分脱アセチル化キトオリゴ糖を作成し,これらのオリゴ糖の生理活性作用について検討する.さらに重合度の大きなオリゴ糖のできるメカニズムを酵素タンパク質レベルで解明する.
856 ランダム・セントロイド最適化法を用いた新調理システムによる健康調理条件の探索 後藤 昌弘 神戸女子大学 亀治中 吉男 神戸女子大学 スチームコンベクションオーブンを用いた煮物料理に焦点をおき,従来の調理法に比べ,より減塩もしくは減糖されて,おいしいく調製する最適調理条件の探索をランダム・セントロイドプログラムによって行う。また,加熱調理だけでなく,製造後ブラストチラーにより冷却し,保存した場合に調味液が浸透することが考えられることから,この冷却,保存を含めた条件設定で同様の調査を行い,クックチルで提供する場合とクックサーブで提供する場合の条件のちがいを明らかにする。また,これらの調理条件下での栄養成分の変化についても調査する。
878 ダイオキシン類の高感度多検体簡易測定法開発 芦田 均 神戸大学 鶴田 宏樹 神戸大学 現在、わが国においてダイオキシン類の汚染は年々減少しているが、分解性の低さ故に環境中には多くのダイオキシン類が存在する。そのため、環境中のダイオキシン類をモニタリングする必要性は高く、時間や費用がかかる公定法に代わる簡易法の開発と適用が望まれている。多くの簡易法が既知物質を測定対象としているのに対し、本課題では、ダイオキシン受容体の形質転換を指標として、ダイオキシン類の毒性を総括的に評価できる高感度多検体対応の簡易測定法開発を試みる。
924 長期治療患者のための受診タイミング自己管理システムの開発と実地評価 平川 正人 島根大学 丹生 晃隆 島根大学 長期治療が必要な患者の受診タイミングは必ずしも各患者の病状に見合う形で決められているとは言いがたい現状がある。その結果として、残念ながら治療のタイミングを逸するという事態も少なくない。本研究では、それぞれの患者が自分自身の体調管理を行い、各自の状況に合わせて診察を受けられるようにすることで、健全で健やかな日常生活の営みを支援する、携帯電話をツールに用いた受診タイミング自己管理システムの開発を目指す。
980 アスベスト検出酵素を利用した喀痰アスベスト検査法の開発 西村 智基 広島大学 安田 昌司 広島大学 本研究代表者らは、既にアスベスト(クリソタイル)に結合するタンパク質を発見し、それを利用した大気中あるいは建材中の簡便なアスベスト検出法を開発した。今後、アスベスト含有建築物等の解体・建て替えの増加に伴い、飛散アスベストの増加が心配されるが、現在のところ個人暴露を簡便に評価できる技術はない。そこでアスベスト検出酵素を用いた簡便な検出法を、生体試料(喀痰)用に改良し、個人暴露のモニタリング技術として応用開発する。
1055 快適空間創造のための快適度センシング技術の開発 土居 俊一 香川大学 福井 次郎 香川大学 快適な生活空間を創造するため、快適感を感じるときの人間の心身状態の特徴を科学的に捉えその心身状態に導く手法開発をめざす.このためには心身状態センシングが必要となるので,まず精神状態をよく反映する自律神経の活動を示す血流の脈波を利用した快適度センシング技術を開発する.また,五感により快適度を向上させるための手法のうち快適度に関連していると思われる嗅覚(香り)を用いた快適度制御手法の基礎検討を行う.
1063 カオリナイト系セラミックス処理による水の機能化と機能水の応用 佐藤 一石 徳島文理大学 細川 純 産業技術総合研究所 化学産業などの製造・開発現場は水が何らかの影響を及ぼすことを経験している。本研究は、現象論にとどまることなく基礎科学的視点から水の動的構造を明らかにし、得られた知見を各種産業の生産工程の革新などに応用することにより、新たな事業構築の基礎づくりを将来的な目標とする。ここでは、設置コストが低く実用性に優れるカオリナイト系粒状セラミックス処理水を研究の対象とし、水の機能化メカニズムの解明と、処理水の応用を探索する。
1081 栗渋皮中の血糖値上昇抑制物質の同定と利用 辻田 隆廣 愛媛大学 鈴木 貴明 愛媛大学 糖尿病は食生活の変化と共に、近年着実に増加している疾患の一つであり、病気の進行にともなって発現してくる様々な合併症が問題となる。申請者は栗の渋皮に糖分解酵素であるアミラーゼ阻害作用があり、食後血糖値の上昇を抑制することを発見した。栗は愛媛県の特産品であり、栗渋皮は剥き栗製造過程で産出する廃棄物である。本応募課題では廃棄物の有効利用をはかり、血糖値が気になる中高年を対象とした、血糖値上昇抑制機能性食品素材の開発を目的とする。
1115 斜め蒸着法による高効率光触媒の研究開発 能智 紀台 九州共立大学 中川 祥次 福岡県産業・科学技術振興財団 (辞退)
1144 酸化ストレス性疾患の予防・改善に向けた新規抗酸化物質の開発 山田 健一 九州大学 山本 英樹 九州大学 本研究では酸化ストレス性疾患の予防・改善に向けた新たな抗酸化物質を開発するための合成・評価を行う。代表研究者らは既に抗酸化能を有する新規ニトロキシルラジカルの合成に成功しており、多種類のニトロキシルラジカル化合物を保有している。これら化合物を中心に細胞・動物への適用と、さらなる化合物の開発を平行して行い、動物レベルで最適な物質を見出し、酸化ストレス性疾患の予防・治療を目指した研究を行う。
1158 標準化された多様な炭素ナノ同素体の肺障害評価系による安全性材料の開発 田中 昭代 九州大学 平田 徳宏 九州大学 本研究では、標準化炭素ナノファイバー材料(CNF)を用いた気管内投与による肺障害評価系を確立し、機能性の向上と安全で安心なCNFの開発を行う。CNFは、アスベスト繊維に類似した極細の繊維構造を有しているため、人体が吸入した場合、肺内に長期間貯留し、持続的に肺を損傷することによる健康障害が危惧されている。標準化CNFを用いた肺障害評価系を構築することによりCNFの毒性の比較を行うことが可能になる。
1170 鹿角霊芝中のβ−グルカンの高温高圧溶媒による高効率抽出 林 信行 佐賀大学 原 尚道 佐賀大学 代表研究者らが開発した高温高圧溶媒抽出法は、水のみでなく、アルコールやヘキサンなどの有機溶媒あるいは緩衝液などを用い、加圧環境下で100℃をはるかに超える高温度条件で抽出する抽出法で、従来法にはない特徴を有する。本課題では、健康補助食品として市場規模を拡大しつつある鹿角霊芝を対象に、薬効成分であるβ グルカン等の高効率抽出条件を確立し、得られた抽出物の生理活性評価と安全性評価を行う。

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