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地域結集型共同研究事業

平成19年度事業終了地域事後評価報告書

平成20年5月
独立行政法人科学技術振興機構 産学連携事業本部 地域事業推進部


(参考1)地域別事業概要
(iv) 高知県
事業の目標・概要

 高知県においては、平成9年度に「高知県科学技術振興指針」を策定し、電子・光や新材料技術の開発等による先端技術産業の創出を、県が取り組むべき重点課題として位置付けている。同時に、科学技術研究の拠点づくりと、産学官連携による産業振興を目的として、公設民営方式による高知工科大学を設立した。
 このような背景のもと、高知県は、将来の産業振興の主要な柱の一つとして、次世代のシーズや技術を有する企業の創出と集積を図るため、新材料の物性理論的研究、薄膜形成や次世代半導体開発技術等の分野で世界最高水準の研究レベルを持つ高知工科大学と県内外の企業グループとの共同研究を基に、新事業・新産業の創出を目指すべき機会が到来したと判断した。
 このため、県がリード役となって本事業を活用し、産学官の強力な連携による共同研究の仕組みづくりを進め、人的・財政的支援を行いながら、新材料と情報通信技術の融合による次世代の技術の獲得と新事業の創出を目指した「次世代情報デバイス用薄膜ナノ技術の開発」の研究に取り組むこととした。

  研究テーマの概要は以下のとおりである。


1.ZnO-TFT 技術の開発
 ZnO(酸化亜鉛)などを用いて、従来のa-Si-TFTや、低温多結晶Si-TFTを凌駕する高性能TFTを作るための基盤技術を開発する。
2.TFT の分析評価及びSiGe-TFT 技術の開発
 ZnO-TFTやZnO透明導電膜の主構造材料であるZnO薄膜の結晶構造・電気特性の評価ならびに評価・解析技術の開発を行い、ZnO膜の高品質化に寄与する。
3.次世代透明導電膜技術の開発
 ZnOを用いたTFTを液晶ディスプレイに適用する際、TFTのソース・ドレイン領域及び画素電極に必要とされる技術を開発する。さらに、従来の透明導電膜を凌駕する超低抵抗化技術を開発する。
4.紫外LED 技術の開発
 新材料の伝導制御技術を開発し、pn接合を形成する。さらに、ダブルへテロ接合技術によるLED技術を開発する。
5.電界電子放出型光源技術の開発
 炭素ナノ構造薄膜を合成し、電界電子放出特性の向上を図る。その薄膜を用いて、高効率かつ色が自由に設計できる面光源の原型開発を行う。


事業実施期間中の研究項目と実施体制
研究項目 実施機関 グループリーダー JST負担研究費
(百万円)
1.
ZnO-TFT 技術の開発
カシオ計算機梶A高知カシオ梶A鞄y佐電子、コニカミノルタテクノロジーセンター梶Aニッポン高度紙工業梶A大阪大学 高知工科大学
教授 平尾孝
425
2.
TFT の分析評価及びSiGe-TFT 技術の開発
名古屋大学、高知工科大学、大阪大学、高知カシオ 高知工科大学
教授 山本直樹
70
3.
次世代透明導電膜技術の 開発
高知工科大学、ニッポン高度紙工業梶A誠南工業梶A高知カシオ 高知工科大学
教授 山本哲也
315
4.
紫外LED 技術の開発
高知工科大学、京都大学 高知工科大学
教授 山本哲也
43
5.
電界電子放出型光源技術の開発
高知大学、富士重工業梶A高知県工業試験センター、諌ネルバ、(財)高知県産業振興センター、高知女子大学 (財)高知県産業振興センター
専門研究員 西村一仁
277
合        計 1,130

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