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地域結集型共同研究事業

平成19年度事業終了地域事後評価報告書

平成20年5月
独立行政法人科学技術振興機構 産学連携事業本部 地域事業推進部


(参考1)地域別事業概要
(iii) 滋賀県
事業の目標・概要

 企業等の生産工程から排出される廃棄物、廃熱、廃水を未利用資源として繰り返し利用し、新たな製品・原料に再生する技術の開発を行うとともに、それらの有効性を評価する手法の開発など、資源循環型の生産システムを構築するための基盤技術を開発する。

 研究テーマの概要は以下のとおりである。

1−1.固体廃棄物と廃熱のシーケンシャル・ユースによる環境負荷低減技術の開発
 水熱ガス化用の高活性ニッケル担持炭素触媒を開発する。この触媒を使って工場排水に含まれる有機物をエネルギーガス(メタンガス、水素ガス)に転換すると同時に工場排水を浄化する技術を開発する。
1−2.超臨界流体加工による高分子固体のシーケンシャル・ユース
 CO2やN2を原料樹脂に含浸させることにより、低環境負荷で高機能品が製造できる新しいプラスチック成形加工法を開発する。また、従来再生利用ができなかったフッ素樹脂加工廃棄物の再生利用技術を確認する。
1−3.無機廃棄物のシーケンシャル・ユースによる新規水環境浄化技術の開発
 多孔質水酸化鉄を利用した新しい高性能吸着材を開発するとともに、同材を大量生産する技術を確立する。新規吸着材を利用して排水中のリンイオンやフッ素イオンを捕集し、再資源化する技術を開発する。また、廃高分子材と多孔質無機材料からハイブリッド膜を作製し、それを排水浄化システムに応用する研究を行う。
2.有害物質捕集高分子の開発
 工場排水に含まれる環境ホルモンなどの有害物質あるいは金イオン等の有用物質を選択的に吸着し、pHや温度等を変化させることによって放出させることができる新規高分子材料を開発する。この材料を利用して工場排水中の金、白金、銅等の金属イオンを捕集し、再資源化する技術を開発する。
3−1.シーケンシャル・ユース・システム構築法の開発
 処理コストやCO2排出量を指標として、工場のさまざまな工程から排出される廃棄物と廃熱の最適な再利用システムの構築を支援するソフトウエアを開発する。
3−2.シーケンシャル・ユースの評価手法の開発
 産業内での原材料や製品等の投入・産出のみならず、廃棄物の排出・中間処理・再利用・最終処分、水質汚濁負荷の排出、CO2の排出等を含むすべてのマテリアルフローを産業連関表の形式で記述する滋賀県環境分析用産業連関表を作成する。この連関表を用いて経済活動と環境の相互関連性を分析する。

事業実施期間中の研究項目と実施体制
研究項目 実施機関 グループリーダ JST負担研究費
(百万円)
1−1.
固体廃棄物と廃熱のシーケンシャル・ユースによる環境負荷低減技術の開発
滋賀県産業支援プラザ、京都大学、立命館大学、大阪ガス梶A関西日本電気梶A三菱化学 京都大学大学院工学研究科
教授 三浦孝一
144
1−2.
超臨界流体加工による高分子固体のシーケンシャル・ユース
滋賀県産業支援プラザ、京都大学、龍谷大学、新生化学工業梶Aスターライト工業梶A滋賀県工業技術総合センター、滋賀県東北部工業技術センター 京都大学大学院工学研究科
教授 大嶋正裕
190
1−3.
無機廃棄物のシーケンシャル・ユースによる新規水環境浄化技術の開発
滋賀県産業支援プラザ、京都大学、神戸大学、桓゙ーシュー、橋金属梶A日本パーカライジング梶AJEFケミカル梶A日東電工梶A新日本製鐵 京都大学大学院工学研究科
教授 前一廣
208
2.
有害物質捕集高分子の開発
滋賀県産業支援プラザ、大阪大学、滋賀県立大学、福井大学、大阪府立大学、積水化学工業梶A東洋紡績梶A滋賀県工業技術総合センター、滋賀県東北部工業技術センター 大阪大学大学院理学研究科
教授 青島貞人
258
3−1.
シーケンシャル・ユース・システム構築法の開発
滋賀県産業支援プラザ、京都大学、関西日本電気梶A積水化学工業 京都大学大学院工学研究科
教授 長谷部伸治
107
3−2.
シーケンシャル・ユースの評価手法の開発
滋賀県産業支援プラザ、滋賀県立大学、立命館大学、大阪産業大学、鰍オがぎん経済文化センター、滋賀県琵琶湖環境部、滋賀県工業技術総合センター 滋賀県立大学環境科学部
教授 仁連孝昭
91
合        計 998

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