1*事業目標の達成度及び波及効果並びに今後の展望
個別の要素技術については、大学の研究成果をもとにして企業による製品化を目指した点は評価できるが、個々の成果が全体としてどのように環境調和型システム構築(シーケンシャル・ユース)と関連するかは必ずしも明確ではない。
排水からの資源回収、産業廃棄物の再生・再利用等の課題の明確なものに集中することで事業化に近い成果を上げているが、実用化、規模の拡大等の波及効果についてはさらに検討が必要と思われる。
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2*研究開発目標の達成度及び成果並びに今後の展望
工場廃水中の有機物成分を分解する水熱ガス化触媒となるNi-C触媒や多種類の陰イオン物質を効率的に吸着除去できる多孔質水酸化鉄吸着剤は優位性があり、製品化一歩手前の成果を上げていることから、産業化に繋がる可能性は高い。個々の要素技術については、多くが企業化まで至っているが、一方で、本来の構想であったシーケンシャル・ユースの構築としては不十分である。
今後は、主要テーマの担当者は県外の研究者が多いことから、県内の研究ポテンシャルを向上させるために、研究のキーパーソンとなる人材の確保が重要である。
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3*成果移転に向けた取り組みの達成度及び今後の展望
共同研究メーカーが主導して応用開発を進めており、成果移転はすでに実行段階にあると考えられる。シーケンシャル・ユースの評価手法やシステム構築を支援するソフトウエアに関しては、今後の事業展開を考えるのであれば、類似研究との差別化や特化が必要である。
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4*都道府県等の支援及び今後の展望
環境産業を結集させる取り組みは評価できるものの、今後、環境県として生きていくためには、若い研究者を定着、育成するシステムが必要である。
県によるコア研の設立、コア研の滋賀県立大学への移管、継続への努力は評価できるが、エコ・エコノミー・プロジェクトをどのような体制で推進していくのかが不明確である。
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