1*事業目標の達成度及び波及効果並びに今後の展望
英虞湾の環境再生を目指し干潟・藻場の造成、里海の物質循環、環境動態の予測に関する検討を実施し、事業目標をほぼ達成した結果、目に見える大きな成果が得られた。中間評価を踏まえたテーマの整理統合により事業の方向性をしっかり定め、各テーマ間の充分な連携のもと手堅く実績を積み上げていったことは大きく評価できる。また、行政、漁業関係者、研究者、企業等複雑な利害調整を行いつつ実施したプロジェクト関係者のマネジメント能力が事業目標達成に大きく寄与した。今後は更に実地検証を進めていくとともに他の閉鎖性海域の環境創生に展開していくことを期待する。
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2*研究開発目標の達成度及び成果並びに今後の展望
個別、全体の研究開発テーマとも限られた予算と時間のなかで高い成果を上げたと評価できる。英虞湾における物質循環の解明、環境動態予測、人工干潟・藻場の実証試験等ローカルで地道な検討を積み上げて、他地域への応用も可能な技術を開発した。また、モデリングシステムの構築など、地元のニーズと学問的なシーズのマッチングも上手く行っており、将来にも継続できる内容となっている。
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3*成果移転に向けた取り組みの達成度及び今後の展望
英虞湾の環境改善、保全は長期的なテーマであり持続的な取り組みが必要であるが、環境再生プロジェクトとして息長く地域として取り組んでいく体制が構築されつつある。
本事業の成果を活かし、英虞湾の環境改善、保全可能な真珠養殖技術を構築していくことを期待する。
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4*都道府県等の支援及び今後の展望
環境再生、保全のプログラムを複数準備しており、今後も持続的な県の支援が期待できるが法的制約の克服や養殖業者組織との調整にも尽力していくことを期待する。また、閉鎖性海域における環境創生のモデルとして国内外へ発信する体制の構築を期待する。
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