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地域結集型共同研究事業

平成18年度事業終了地域事後評価報告書

平成19年3月
独立行政法人科学技術振興機構 産学連携事業本部 地域事業推進部


(参考1)地域別事業概要
(ii) 千葉県
事業の目標・概要

 ポスト・ゲノム時代を迎えるにあたって、(財)かずさDNA研究所が蓄積してきたヒトcDNAライブラリーに関連する技術及び情報を基にして、医療関連の創薬研究用ツール、臨床診断薬、遺伝子診断・治療、医薬、検査機器、動物実験等の社会的ニーズに対応する新技術・開発シーズの獲得を目指す。具体的には、県内の関連企業を中心として、経験、実力を持ち本事業における補完的関係にある企業、研究所、大学を結集して、マウス(ヒトの病態モデル生物)におけるヒトcDNA関連遺伝子の探索を行い、それら遺伝子から「蛋白質のハイスループット合成法確立」、「精製方法の確立」、「遺伝子発現パターン解析用アレイの作製」、「蛋白質に対する抗体の作製」、「抗体アレイ作製」、「高精度スポッテイング技術の確立」、「アレイ高感度検出技術の確立」などの基盤的新技術の開発を行うことによって、ヒトの病因遺伝子の発見、機能解明、診断や治療薬の候補化合物選択等に応用できるポスト・ゲノム・シークエンシング時代の先端技術の研究開発を実施する。また、千葉地区の健康・医療研究機関(千葉大学、千葉県がんセンター)と共同して、かずさに蓄積した遺伝子、抗体など研究資源を基にした応用研究開発を行う。

 研究テーマの概要は以下のとおりである。

1.マウス長鎖cDNAの取得・構造解析とそのための効率化技術の開発
 (財)かずさDNA研究所が保有するヒト長鎖cDNAに対応するマウス長鎖cDNA2,000種の取得を目指す。マウスは最も良く研究されたモデル生物であり、創薬研究に広く用いられているので、本研究により取得の難しい長い(4,000塩基以上)cDNAの遺伝子バンクを構築する。
2.マウス長鎖cDNAがコードする蛋白質に対する抗体作製技術の開発及びその作製・評価
 効率的に多数の抗体を取得するための技術を確立し、実用化が可能となる抗体(2,000種)を開発する
3.DNA・抗体マイクロアレイの作製技術開発及びその作製・評価
 取得したcDNA・抗体を固定化する技術を創出し、2,000種のcDNAあるいは抗体をスポットしたマイクロアレイ並びに、改良型アレイヤー及びアレイ高感度検出器等の装置及びツールの開発を目指す。さらに、機能がほとんど知られていないマウス長鎖cDNAについて機能の解析を共同研究により行う。
4.共同研究全般にわたるデータベースの構築及び管理
 上記のcDNAクローン、抗体、マイクロアレイの研究成果に対応した総合DBを構築する。さらに、そのマウスとヒトのDBをリンクさせた統合DBを構築する。


事業実施期間中の研究項目と実施体制
研究項目 実施機関 グループリーダ JST負担研究費
(千円)
1.マウス長鎖cDNAの取得・構造解析とそのための効率化技術の開発 千葉県産業振興センター、
かずさDNA研究所、
神戸大学
古閑 比佐志(千葉県産業振興センター・かずさDNA研究所) 228、000
2.マウス長鎖cDNAがコードする蛋白質に対する抗体作製技術の開発及びその作製・評価 千葉県産業振興センター、
かずさDNA研究所、
(株)プロテイン・エクスプレス、
国立精神・神経センター、
産業創造研究所
島田 希代(千葉県産業振興センター) 631,000
3.DNA・抗体マイクロアレイの作製技術開発及びその作製・評価 千葉県産業振興センター、
かずさDNA研究所、
(株)カケンジェネックス、
富士フィルム(株)、
理化学研究所、
千葉県がんセンター、
千葉大学、徳島大学、
東京都精神医学総合研究所、
東京大学
今井 一英(千葉県産業振興センター・(株)カケンジェネックス) 158,000
4.共同研究全般にわたるデータベースの構築及び管理 千葉県産業振興センター、
かずさDNA研究所、
新日鉄ソリューションズ(株)、
(株)数理システム
村上 正利(千葉県産業振興センター・新日鉄ソリューションズ(株)) 260,000
合        計 1,277,000

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