(i) 青森県
事業の目標・概要
フラットパネルディスプレイは、21世紀の情報通信革命時代において娯楽用のテレビだけでなく、パソコンの入出力画面にもなり、インターネットにも接続できるなど代表的なヒューマンインタフェースとして、情報通信革命時代の中枢に位置する製品となるものである。
青森県では、平成13年1月にクリスタルバレイ構想を策定し、自然に恵まれた広大な産業用地がある「むつ小川原工業開発地区」に、今後急速な発展が予想されるIT産業、特にフラットパネルディスプレイ関連産業の生産工場の集積と研究開発機能の整備を図ることとしている。
本事業においては、FPDの世界的な研究開発に取り組むことにより、次世代技術に対応しうる実践的な研究ネットワークが構築され、地域COEが形成されるなど、クリスタルバレイ構想の早期実現に努めていくものであり、青森県の産業振興のみならず、我が国そして世界の産業経済の発展に資するグローバルな産業政策として位置づけて、積極的に取り組んできた。
研究テーマの概要は以下のとおりである。
A-1 超低電力、超高輝度、超広視野角液晶表示モードの創出
A-1-1:新規モードの考案(配向転移の高速化)
A-1-2:基本素子の作製/評価
A-1-3:視野角拡大光学補償フィルムの開発
A-1-4:超大型・低電力液晶ディスプレイ構築のための要素研究
A-1-5:フィールド・シーケンシャル法に適したバックライトシステムの設計・試作
A-1-6:駆動回路の設計理論の確立と最適設計およびシミュレーション
A-2 液晶応答速度の高速化
A-2-1:高速応答分子の設計と液晶組成物の開発
A-2-2:理論的アプローチによる液晶混合設計指針の検討
A-2-3:配向膜の構造とチルト角の相関解明
A-2-4:実用的な液晶材料の開発と高プレチルト角の配向膜材料の開発
A-3 高性能ディスプレイの測定、設計、評価技術の確立
A-3-1:現行測定法の課題抽出と解決
A-3-2:応答の基礎理論の確立および粘性係数測定法の開発
A-3-3:オプティカル・バンドパス・フィルタを用いた2次元画像スペクトル解析技術の開発
B-1 新駆動素子構造の創出
B-1-1:選択アディティブ配線形成技術及び装置の開発
事業実施期間中の研究項目と実施体制
研究項目 |
実施機関 |
グループリーダー |
JST負担研究費 (千円) |
A-1 超低電力、超高輝度、超広視野角液晶表示モードの創出 |
東北大学大学院、 (財)21あおもり産業総合支援センター、 八戸工業高等専門学校、金沢工業大学、 宇都宮大学、鞄東電工、 アルプス電気梶Aエーアイエス梶A 日本ビクター梶Aアンデス電気梶A 青森県八戸地域技術研究所 |
宮下 哲哉(東北大学大学院工学研究科 助教授)
関 秀廣(財団法人21あおもり産業総合支援センター 主席グループリーダー)
荒木 俊英(青森県八戸地域技術研究所FPD研究部 所長)
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841,000 |
A-2 液晶応答速度の高速化 |
弘前大学、山形大学、 東北化学薬品梶Aチッソ石油化学 |
吉澤 篤(弘前大学 理工学部 教授) |
91,000 |
A-3 高性能ディスプレイの測定、設計、評価技術の確立 |
(財)21あおもり産業総合支援センター、 東北大学大学院、中央精機梶A キョーエイセミコン梶Aシステムプレシジョン梶A 鞄本マイクロニクス、 鞄決氓cKK、シチズン・ディスプレイズ |
関 秀廣(財団法人21あおもり産業総合支援センター 主席グループリーダー)
宮下 哲哉(東北大学大学院工学研究科 助教授)
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120,000 |
B-1 新駆動素子構造の創出 |
東北大学大学院
青森県八戸地域技術研究所
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須川 成利(東北大学大学院工学研究科技術社会システム専攻 教授) |
73,000 |
合 計 |
1,125,000 |
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