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地域結集型共同研究事業

平成17年度事業終了地域事後評価報告書

平成18年3月
独立行政法人科学技術振興機構 地域振興事業評価委員会


(参考1)地域別事業概要
(iv) 横浜市
事業の目標・概要

 バイオテクノロジーは、国の総合科学技術会議の定めた4重点研究開発分野の一分野であり、生命科学産業は、横浜市が今後積極的にベンチャー集積や産業クラスター形成を推進していく重要目標である。バイオの分野は、ゲノムからプロテオームの世代に入り、プロテオミクスの研究開発が、国際的に熾烈な競争裡に急速に進展している。
 横浜市には、タンパク質の構造解析、機能解析や相互作用解析などの分野で、夫々特徴ある機能をターゲットとして先端的研究を推進している大学、研究機関や関心の深い企業研究所も多い。これらを結集して、研究開発ネットワークを形成し、低分子化合物とタンパク質との相互作用の解析、機能性タンパク質の同定を柱とした新技術の開発を達成目標とし、創薬・機能性食品開発の基盤技術として優位性の高い機能性タンパク質の解析評価システムを確立する。
 同時に、この研究開発事業の発展段階に応じて、必要な、或いは関心のある研究者や中小企業を含む企業に共同研究の輪を広げ、地域COEの構築を目指す。

 研究テーマの概要は以下のとおりである。

1.薬物候補低分子化合物とタンパク質の相互作用を網羅的かつ迅速に解析する新技術の開発
1−1:タンパク質回収フロー型自動NMR測定装置の開発
標的タンパク質と結合する低分子化合物を網羅的かつ迅速に同定する解析機器を開発する。
1−2:アフィニティー型キャピラリー電気泳動質量分析装置の開発
分子間相互作用を示すタンパク質の網羅的解析を目指した多次元キャピラリー電気泳動質量分析システム(CE/MS)を開発する。
1−3:DNA結合タンパク質同定装置の開発
転写因子など特定の塩基配列のDNAに結合するタンパク質の配列特異性を網羅的に同定する技術開発を行う。
2.細胞機能上重要なタンパク質を網羅的かつ迅速に同定する新技術の開発
2−1:分泌タンパク質マッピング技術の開発
細胞機能を調節する重要な分泌タンパク質、特に細胞接着分子、プロテアーゼなどの分子種や機能を効果的に分析する技術を開発する。
2−2:シグナル伝達モニタリング技術の開発
リン酸化コンセンサス配列を認識するリン酸化部位特異的なモノクローナル抗体の作成技術とシグナル伝達の一挙モニタリング法を開発する。
2−3:プロテオーム解析技術の開発(平成16年度)
ダイヤモンド様炭素皮膜処理基板(DLC基板)を用いて電気泳動後のタンパク質を固定化し、MALDI‐MSの試料標的として使用できる技術を開発する。

事業実施期間中の研究項目と実施体制
研究項目 実施機関 グループリーダ JST負担研究費
(千円)
薬物候補低分子化合物とタンパク質の相互作用を網羅的かつ迅速に解析する新技術の開発
横浜市立大学、大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学、広島大学、静岡大学、東京工業大学、太陽日酸(株)、(株)資生堂、ブルカー・バイオスピン(株)、旭化成ファーマ(株)、味の素(株)、キッセイ薬品工業(株)、島津製作所(株)、(株)パイケーク、日立ソフトウェアエンジニアリング(株) 西村善文
(横浜市立大学)、
明石知子
(横浜市立大学)
石川冬木
(東京工業大学、平成12〜13年度)
786,000
細胞機能上重要なタンパク質を網羅的かつ迅速に同定する新技術の開発
横浜市立大学、キリンビール(株)、(株)ファンケル、(株)エーシーバイオテクノロジーズ、大鵬薬品工業(株)、(株)医学生物学研究所、東洋鋼鈑(株)、SUS(株) 宮崎香
(横浜市立大学)、
大野茂男
(横浜市立大学)、
平野久
(横浜市立大学、平成15〜16年度)
342,000
合        計 1,128,000

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