事業目標の達成度及び波及効果並びに今後の展望
事業の推進にあたって、北海道産の農水産物を研究対象にするなど、全体として北海道の地域の特性を生かしたユニークな見地からなされていることは評価できる。中間評価結果を受けて大胆なテーマの絞り込みを行った事により、個々のテーマには順調な進捗が見られる。
しかしながら、企業との連携体制も含めて、実用化への展開に向けた基盤整備は十分とは言い難い。これまでの事業が大学主導により運営されてきており、新産業の創出という視点が弱いため、今後の事業を継続的に発展させるために北海道としての戦略を明確にし、体制を見直すことが必要である。
|
研究開発目標の達成度及び成果並びに今後の展望
北海道大学を中心とする研究体制が組まれ、食品が生体調節に及ぼすメカニズム解明など科学的進展という目から見ればレベルの高い成果を得ている。
しかし、論文数・特許出願数ともに十分とは言えず、また、基礎研究から応用・実用化研究に着実に進展しているものも、あまり多く見られない。特に実用化という面では遅れがみられることが懸念される。特定保険用食品の開発は重要な課題であり、これまでの成果を整理し活用していく今後の取り組みに期待したい。
|
成果移転に向けた取り組みの達成度及び今後の展望
数は少ないがオリゴ糖の一種であるDFAIIIなど商品化への展開が期待できる成果もあり、特定の大手企業の販売力を活用できる体制も確保しつつある。
しかしながら、全体的には共同研究参加企業の広がりがあまり見られず、研究成果と商品化の間のギャップが大きく成果移転も順調とは思われない。十分なる製品の市場調査を行い、経済規模、波及効果などを考慮した上での成果移転活動を期待したい。
|
都道府県等の支援及び今後の展望
事業期間中におけるコア研究室、コラボほっかいどう等の環境整備や産学連携の推進への指導性の発揮に北海道の支援姿勢は認められる。
しかしながら、新事業・新産業の創出に向けた北海道としての主体的な関与姿勢は不十分であり、今後は地域産業活性化の観点から地域COE形成に向けた具体的な戦略を策定し、主体的な取り組みを期待する。 |