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地域イノベーション創出総合支援事業
重点地域研究開発推進プログラム「育成研究」
平成19年度終了課題 事後評価報告

平成20年5月
独立行政法人科学技術振興機構
 産学連携事業本部 地域事業推進部



(1)JSTイノベーションプラザ北海道

課題名: キラル触媒による光学活性化合物の製造
代表研究者北海道大学大学院工学研究科 教授 宮浦 憲夫
共同研究企業等三菱レイヨン(株)、萬有製薬(株)、和光純薬工業(株)
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】キラル触媒系の開発と製造プロセスの開発において短期間によく展開し、独創的な研究成果を挙げている。キラル触媒系を用いた血圧調整剤や鎮痛剤などの製法を開発するなど、実用化に結びつけており成果大なるものがある。日本でもジェネリックドラッグの開発に力を入れる基盤ができつつあり、本研究成果の利用が期待される。 以上より、研究投資に対する成果は十分と考えられる。


課題名伝統医学とバイオメディカル技術による生活改善食品の開発
代表研究者北見工業大学国際交流センター 教授 山岸 喬
共同研究企業等東京農業大学、北海道薬科大学、北海道食品加工研究センター、(株)はるにれバイオ研究所、(株)カイゲン、大塚食品(株)、協和発酵工業(株)
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】ハマナスなどの北海道伝承の北方系植物や昆布仮根の有効成分の探索を進め、バイオメディカル技術を伝統医学の解明に応用し、生活習慣病に効果が期待される有効成分の種々特定と健康食品上市等の成果を上げている。健康食品としての事業化はすでに実現ずみであり、更に医薬品としての展開が期待される。健康食品の有効性に科学的根拠を確定する事で需要拡大につながり、さらには地域活性化につながるプロジェクトとして評価できる。


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(2)JSTイノベーションプラザ宮城

課題名高効率常温磁気冷凍材料の実用化
代表研究者東北大学 大学院工学研究科 准教授 藤田 麻哉
共同研究企業等(株)東芝
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】世界的に「地球環境問題」が大きく取り正されている時期に、フロンフリーを狙いとした磁気冷凍材料の開発を行い、ほぼ目標とする成果を得る事が出来た。しかし、この材料を使う磁気冷凍システムは、様々な分野で多種多様の製品が考えられるため、本研究継続のターゲットは材料の商品化に絞るのが好ましい。材料メーカとの連携に視点をおいた研究開発体制等の見直しを行い、2010年度中には国内外の磁気冷凍システム研究機関へのサンプル出荷を実現させていただきたい。


課題名超広帯域バイオフォトニクス光源の開発
代表研究者東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授 横山 弘之
共同研究企業等東京農工大学、住友大阪セメント(株)
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】本研究の設定課題の中で、機能的には最も重要な「高出力化」が未達であった。(10kWの目標が1kW)しかし、レーザ光源市場の新しいライバルであるファイバーレーザと争うためにはこの目標の達成が不可欠であるため、研究体制などの見直しを行い企業の自前開発で、2008年度中の商品化を目指す。大学や企業の研究室で使用される商品から脳の神経細胞の活動を測定する各種診断設備への活用など、ビジネスモデルには可能性が認められるので、先行的ユーザ(研究者など)との連携体制を創り、早期にパイロット製品を市場へ出すことが重要である。


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(3)JSTイノベーションプラザ石川

課題名ペンシル型走査型プローブ顕微鏡の開発
代表研究者北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科  教授 富取 正彦
共同研究企業等金沢大学、フジ・インバック(株)
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】研究産業として位置付けされる課題であり、基本的な作製技術は完成されているが、汎用的な装置の研究開発から見れば研究から事業化への方向付けに不安な点が見られる。今後は実用化計画の更なる検討を行い早期の実用化を達成すると共に、実用化後はナノテクノロジー分野での様々な応用開発について先導的な役割が果たせるよう期待する。


課題名包接能化合物固定化技術の開発とその加工プロセスの実用化
代表研究者石川県工業試験場 繊維生活部長 山本 孝
共同研究企業等根上工業(株)、小松精練(株)、(株)シクロケム
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】本課題の主要部分であるシクロデキストリンを繊維に固定化する加工プロセスについて詳細な検討がされており、応用面での今後の展開も期待できる。今後は事業化の時期や出口等について十分な検討を行い、医薬部外品など各方面の用途をターゲットとして、戦略的な新製品開発により地元繊維産業の活性化に貢献できるようになることを期待する。


課題名ヒト型トランスポーター遺伝子の新規発現系構築による薬物生体膜透過評価系の創出
代表研究者金沢大学 大学院自然科学研究科 教授 辻 彰
共同研究企業等(株)ジェノメンブレン
研究期間平成18年4月〜20年3月(平成17年度採択)
 
【総評】本課題はヒト型トランスポーター遺伝子を発現するアフリカツメガエル卵母細胞を用いた評価系の確立を意図したものであるが、製薬企業に提供できる商品化まで研究開発が進んでおり高く評価できる。今後は実用化された事業の更なる発展が望まれる。


課題名ナノめっき技術を用いた高強度Mg系複合材料の実用化技術開発
代表研究者福井大学 産学官連携推進本部 教授 高島 正之
共同研究企業等福井めがね工業(株)、清川メッキ工業(株)、 (株)ソディックプラステック
研究期間平成18年4月〜20年3月(平成17年度採択)
 
【総評】技術課題や知財ハンドリングには問題点もあるが、事業化の方向は見えており、良い成果が得られつつあると言える。共同研究企業との関係も良く、また商品コンセプトも明快であり実用化が期待できる。本課題の製品が実用化後、地場産業の振興に対し貢献できるようになることを望む。


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(4)JSTイノベーションプラザ東海

課題名強磁場カソードスパッタ装置による光学多層薄膜製造技術の研究開発
代表研究者(財)豊田理化学研究所 フェロー 水谷宇一郎
共同研究企業等名古屋大学、新潟大学、(株)イムラ材料開発研究所、(株)ニコン
研究期間平成17年4月〜19年3月(平成16年度採択)
 
【総評】
研究面では、多大な成果を挙げたと考えられる。特に、@強磁場を利用した新規装置を開発したこと、AMo/Siの多層膜の反射率を高めたこと、またB反射率低下の要因を特定できたこと等は、本研究における大きな成果と言える。
一方、研究成果の事業化スケジュールの具現化が課題である。現在の共同研究企業だけでなく、成膜装置メーカー等とも連携して事業化に取り組むことが求められる。
また、知的所有権を確立出来なかったことも、残念な点である。基本特許は、プロジェクトスタート前に出願していることから、研究期間中には実用化・事業化するための周辺特許の出願が求められた。これらの特許については、共同研究企業との連携によって生み出される部分が多いと考えられるのでより一層の連携が望まれる。


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(5)JSTイノベーションプラザ京都

課題名燃料電池への利用を目的とした水素製造用スピネル触媒の開発
代表研究者京都大学 大学院工学研究科 教授 江口 浩一
共同研究企業等出光興産(株)
研究期間平成16年10月〜19年9月(平成16年度採択)
 
【総評】本プロジェクトは、ジメチルエーテル(DME)改質による燃料電池用水素製造のためのスピネル構造をもつ触媒の開発を目指すものであり、Cu-Fe系スピネルの非貴金属系耐酸化性触媒として斯界でトップレベル(375℃においてDME100%改質率達成)の成果を得たことは評価できる。さらに、Cu-Fe系スピネルとアルミナとの混合物を高温焼成し、約1,000時間の寿命を達成している。組成材料の探索、スピネルと酸触媒との混合など触媒構造の最適化、触媒物性評価や、高分解透過電子顕微鏡による微視的な触媒の解析などを駆使して、ほぼ計画どおり目標が達成されている。Cu-Feコンポジットのスピネルで新しい相を見出したことやスピネルの熱処理で微粒子Cuを含むCu/Fe粒子を作る技術にメドをつけたことなど、長寿命化に繋がる重要な知見が得られているので今後の開発で新たな発展を期待する。


課題名バイオインフォマティクスに基づく新規糖尿病治療薬のデザインと開発
代表研究者京都大学 大学院薬学研究科 教授 辻本豪三
共同研究企業等(株)ファルマデザイン、ファルマフロンティア(株)、名古屋市立大学
研究期間平成16年10月〜19年9月(平成16年度採択)
 
【総評】本プロジェクトは、代表研究者が天然リガンド(受容体に特異的に結合する物質)を同定した新規受容体GPR120(G protein-coupled receptor 120)に対して、特異的な作動活性を示すリード化合物を創出し、糖尿病治療薬を探索・開発することを目指すものである。当初の研究体制でのGPR120立体構造モデルの構築とin silico(コンピュータ解析による)バーチャルスクリーニングを通したアプローチでは新規な構造の活性化合物は見出されなかった。中間評価後に強化された研究体制により、論理的な取り組みによって新規な構造をもつ低分子化合物:NCG21、NCG46を見いだした。薬効として所望の、GLP−1(glucagons-like peptide-1) 分泌促進活性、選択性のあるGPR120作動活性を有する化合物を創出した成果は十分評価できる。代表研究者等の提唱するバイオインフォマティックスによる創薬(ゲノム創薬)の基礎研究として優れた結果を得たが、開発品としてはさらに薬効の向上が求められ、実用化に至るまでには臨床試験も含めて長期間とリスクを要する研究課題である。JSTの他事業等新たな継続的発展のための研究資金が得られれば、糖尿病治療薬として可能性が追求できる。一方、GPR120作動薬は、他の疾患治療薬にも展開の可能性があるので、これらを勘案すると、本プロジェクトは、創薬への入口へ到達できたと考えられ、育成研究の成果のひとつの形と評価できる。


課題名生分解性樹脂複合材料による骨再生用高機能スカフォールドの開発
代表研究者京都大学 大学院工学研究科 教授 北條正樹
共同研究企業等アルブラスト(株)(旧:オステオジェネシス(株))、(株)井元製作所、神戸大学、(財)先端医療振興財団
研究期間平成16年10月〜19年9月(平成16年度採択)
 
【総評】本プロジェクトは、生分解性樹脂複合材料による骨再生用の高機能スカフォールドを開発し、in vitro(細胞実験)での評価とin vivo試験(動物実験)を行い、さらに医師主導の臨床実験の準備を行って、商品化のためのスカフォールド開発と厚生労働省の認可申請に必要なデータ収集を目指している。異分野の多くの研究機関・企業が協力して、多岐に渡る研究課題について、材料複合化技術、スカフォールドの試作・製造、力学特性評価、製造工程のGMP(good manufacturing practice)化、細胞培養の性能評価などの成果を挙げた。動物実験、安全性試験などは目標の一部達成を見ており、先行開発の手編みスカフォールドを用いた医師主導による重度歯周病患者の臨床実験で有意な治療効果が得られているなど、進展が見られている。本来の目的である歯槽骨再生用高機能スカフォールドを事業化するには、厚生労働省への治験申請が必要である。最終目標の臨床現場で医師によりそのまま患部に活用できる医療機器として実用化するためには、まだ多くの課題が残っており、かなりの資金・労力・時間を要する。 本来の目的とは異なるが、スカフォールド単体の細胞培養装置への適用など異分野への販売や、研究目的での医療器具としての販売も目指している点は、評価できる。


課題名実時間観察型DNAマイクロアレイ計測技術の開発
代表研究者奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 准教授 杉浦忠男
共同研究企業等京都医療科学大学、(有)マイクロシステムズ
研究期間平成16年10月〜19年9月(平成16年度採択)
 
【総評】本プロジェクトは、エバネッセント照明検出とフローセルを組み合わせ、DNA(デオキシリボ核酸)のハイブリダイゼーション過程と検出過程を同時に行うことで、計測時間が従来比1/20以下(従来型は10時間程度)のDNAマイクロアレイ計測技術の開発を目指すものである。このチャレンジングな目標に対して、試作機により原理検証をほぼ完了した段階である。プロトタイプT(シングルスポット)で選択性を高めるためにエバネッセント光侵入長変調方式を考案し、プロトタイプU(12スポット)で12点にマルチスポットした1塩基違いのSNP(一塩基多型)を検出するなど、DNAマイクロアレイの実時間観察を実現するための計測技術の開発に見通しをつけた。一方、フロー系を含めた計測システム全体の検討、最適化は未完了で、育成研究の成果を直ちに技術移転できる段階には達していない。今後は、本研究成果であるリアルタイム観察の特長を活かす具体的な用途を設定し、これを実現するためのハードウエアを試作できる新規パートナーとの共同研究を期待する。


課題名フォトンクラフト技術を利用した生体適応型メスの開発
代表研究者京都大学 大学院農学研究科 教授 植田充美
共同研究企業等大阪大学、神戸大学、三重大学、(独)大阪府立母子保健総合医療センター、(財)レーザー技術総合研究所、(株)東京インスツルメンツ、サイバーレーザー(株)、月桂冠(株)、積水化学工業(株)
研究期間平成16年10月〜19年9月(平成16年度採択)
 
【総評】本プロジェクトは、フェムト秒レーザ加工のもつ種々の特徴である、低侵襲性、高透過性、高い空間分可能などを活かした生体試料用フェムト秒レーザ微細加工装置を開発し、細胞のオルガネラ(小器官)や内部構造の破壊・切開、さらに細胞マニピュレーションに応用する装置を実用化することを目指している。バイオ科学への応用を目指したインターフェイス機器部の制御装置開発により、研究用としての細胞加工機能を有する試作品まで作製できた。生物試料への加工技術面では、植物細胞の単離、切り出し、さらに酵母の代謝変異誘導に成功して、高付加価値酵母を取得し、事業化の可能性まで進展させたのは高く評価される。一方、生体細胞内の特定部位の超微細加工操作という観点からは、限界が見えるところまで到達されておらず、分子メスとしての機能・有用性は明確には実証されていない。さらに、市場とコストに配慮しながら、種々の産業用途に向けたユーザーフレンドリーな市販用プロトタイプ作製までは実現しておらず、実用化のために今後の発展が望まれる。


課題名超高解像度大型平面入力スキャナの開発と画像材料推定システムへの応用
代表研究者京都大学 国際融合創造センター 教授 井手 亜里
共同研究企業等大日本スクリーン製造(株)
研究期間平成16年10月〜19年9月(平成16年度採択)
 
【総評】本プロジェクトは、超高解像度大型平面スキャナと画像材料推定システムを開発し、これらを文化財に適用してその現状を正確にデジタル記録するとともに、それらが描かれたときの色彩で復元することを目指している。実際に、文化財専用の大型スキャナ、文化財顔料推定システムを開発し、プロジェクトの成果を文化財現場で検証・評価を行うなど、採択時の技術的課題は、概ね、しかも、早期に達成している。 研究開発期間中に「研究開発資源活用型」に採択され、研究が次の段階へと発展している。テレビ/新聞等に取上げられることも多く、JSTのイメージアップにも貢献した。採算が取れる事業化プランは明確になっていないが、社会文化資産の保存・保護技術として標準化するなどの活動を期待する。


課題名染色体研究のブレークスルーを促進する電気浸透式スライドガラスの開発
代表研究者京都大学 大学院工学研究科 助教 鈴木孝明
共同研究企業等日本板硝子(株)
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】本研究は、細胞核に埋め込まれている長大な染色体DNAを伸張し、顕微鏡観察するためのガラス基板の開発を目指している。電気浸透流に加えて遠心ずり応力法を検討することにより、HeLa細胞から採取した分裂期染色体を1〜2mmに伸張し、また、リンパ腫に偏在する転座をFISHによる簡便な手法で検出できることを検証しており、当初の目標は一応達成している。しかし、伸張によるメリットを発揮する具体的な用途を提案するまでには至っておらず、技術シーズの原理的な検証段階にとどまっている。今後は、本研究成果をベースとして、医療診断やバイオ研究分野において具体的なニーズを持つユーザ側の海外を含む研究者・企業に技術を紹介し、染色体検査の新しい技法としての認知を確立することが先決である。


課題名パラレル・ナノライティングシステムの開発とナノデバイス創成への応用
代表研究者立命館大学理工学部 教授 磯野 吉正
共同研究企業等(株)ユニソク、住友精密工業(株)、兵庫県立大学
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】比較的短い期間で、育成研究の目標である研究室レベルのプロトタイプに近いものまで仕上げたことは、高く評価される。本研究の製品イメージは具体的であり、研究開発向けとして製品に市場性も予測される。大学発の技術としてはかなりの進歩が見えたものの、マルチプローブを利用したリソグラフィーが世界的競争にある中、パラレルナノライティングの特徴を活かした製品化戦略が必要である。そのために、ナノプロセス全体の中での適合性、描画速度、信頼性、使いやすさなど、他の製品との差異・特徴をアピールすることが望まれる。


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(6)JSTイノベーションプラザ大阪

課題名細菌感染防止を実現する界面融和型経皮デバイスの開発
代表研究者国立循環器病センター研究所 生体工学部 室長 古薗 勉
共同研究企業等東京工業大学、(株)井元製作所、(株)東海メディカルプロダクツ、 (株)ソフセラ
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】 当初計画どおりほぼ技術的課題は達成できており、実用化が期待できる。今後事業化に向け価格の検討、品質の更なる安定化を図るとともに、特許戦略も考慮に入れた実用化戦略を構築し、認可申請のスケジュールを明確にして進歩することを望む。


課題名ナノインプリント法による高性能病理検査チップ開発
代表研究者大阪府立大学 大学院工学研究科 教授 平井 義彦
共同研究企業等大阪府立産業技術総合研究所、DSファーマバイオメディカル(株)、 神戸バイオロボテックス、王子計測機器、松下電工(株)
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】肺がんの新規マーカーの開発には進展が見られたが、定量的評価が今後不可欠となり、初期肺がんでの検出が重要で、検体数を増やす必要がある。目標のマイクロチップの事業化については不安要素が残る。参加企業はそろっているので、互いの連携を図り、製品化に向けて今後の頑張りを期待する。


課題名がん-ホウ素中性子捕捉療法に最適化された10B-ホウ素ナノクラスター化合物の創製
代表研究者大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 教授 切畑 光統
共同研究企業等神戸学院大学、京都大学、大阪大学、大阪医科大学、川崎医科大学、ステラケミファ(株)、(株)バイオリサーチ
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】 段階を踏んで進歩している。またBSH(ウンデカボロンチオール)の抗体作製の成功等、科学的にも評価される。概ね目標は達成されつつあると思われるが、事業化に向けたより詳細なプロセスを明確にするべきである。製品化までは多少距離があると考えられ、今後の継続的開発を期待する。


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(7)JSTイノベーションプラザ広島

課題名ニワトリモノクローナル抗体を利用した簡易検査薬の開発
代表研究者広島大学 大学院生物圏科学研究科 教授 松田 治男
共同研究企業等湧永製薬(株)、DSファーマバイオメディカル(株)
研究期間平成17年4月〜20年3月(平成16年度採択)
 
【総評】
抗H-FABPニワトリモノクローナル抗体の調製・物性確認、その大量調製法の確立、H-FABP測定/検査システムの構築など主要な研究項目は、ほぼ計画通りに進捗した。今後は、検査しようとする新規ターゲットの探索が望まれる。
ニワトリモノクローナル抗体とマウスモノクローナル抗体との組合せで、従来のマウスモノクローナル抗体システムよりも非特異性の少ないキットの原型が出来たので、今後の展開が期待される。


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(参考)

POおよびアドバイザリグループ長名簿
プラザ 役職 氏名 所属
プラザ
北海道
プログラムオフィサー 大味 一夫 JSTイノベーションプラザ北海道 館長
アドバイザリ
グループ長
冨田 房男 放送大学 北海道学習センター 所長/
北海道大学 名誉教授/北海道TLO 取締役社長
プラザ
宮城
プログラムオフィサー 中村 慶久 JSTイノベーションプラザ宮城 館長
アドバイザリ
グループ長
中島 一郎 東北大学 未来科学技術共同研究センター
センター長
プラザ
石川
プログラムオフィサー 三谷 忠興 JSTイノベーションプラザ石川 館長
アドバイザリ
グループ長
山本 和義 北陸先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究調査センター長
プラザ
東海
プログラムオフィサー 浅井 滋生 JSTイノベーションプラザ東海 館長
アドバイザリ
グループ長
小林 猛 中部大学応用生物学部 教授
プラザ
京都
プログラムオフィサー 松波 弘之 JSTイノベーションプラザ京都 館長
アドバイザリ
グループ長
今田 哲 神戸大学 連携創造本部 客員教授
プラザ
大阪
プログラムオフィサー 村井 眞二 JSTイノベーションプラザ大阪 館長
アドバイザリ
グループ長
岩田 一明 高知工業高等専門学校 前校長
プラザ
広島
プログラムオフィサー 佐々木 博司 JSTイノベーションプラザ広島 館長
アドバイザリ
グループ長
矢部 彰 独立行政法人産業技術総合研究所
産学官連携推進部門 部門長

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