JSTオープンイノベーションフェアWEST~関西発 大学技術シーズ見本市~

JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

熱版スマートグリッド「サーマルグリッドシステム」

大阪市立大学 複合先端研究機構 特命教授 中尾正喜

印刷する

シーズの概要

「サーマルグリッド」は既存街区の複数建物間に双方向で熱を融通する仕組みである。
既存街区の建物にある空調熱源を「サーマルグリッド」で相互接続することにより、熱源効率の向上、防災性の向上、未利用熱の利活用が可能となる。
現在の「サーマルグリッド」は、ダブルループ配管とルータと最適化制御モデルから構成されており、基礎的研究を経て、インテックス大阪で社会実証(環境省事業)を行い、一次エネルギー消費量を約半分にできることを実証した。
現在、普及を目指して、より簡易な制御モデルの構築、信頼性の高い最適化手法、より安定した熱搬送系制御システムの開発からなる普及版サーマルグリッド「サーマルグリッドS」の研究に着手している。

マッチングを想定する業界

①既存街区に「サーマルグリッドS」を構築し、熱融通ビジネスを行うエネルギーサービス事業者
②地域エネルギーマネジメントの構築事業者

用途利用分野

中央熱源の空調方式を採用している複数の建物からなる街区

事業化および新規産業形成の可能性

熱の融通を業とする新規ビジネスが創出できる。サーマルグリッドシステムを投資するだけで、既存の資産(空調熱源設備)を生かしつつ、既存建物間で熱の売買を仲介するビジネスである。個々の建物オーナーは省エネ、低炭素化、省コストを享受できる。

従来技術に対する新規性・優位性

既存熱源設備は各建物独立でありるため、ほとんどの時間が低負荷、低効率運転である。サーマルグリッドシステムにより大幅に性能を改善できる。熱の融通はすでに実施例があるが、双方向の自在な熱融通を実現可能とするものはサーマルグリッドシステムのみである。

Copyright(C) Japan Science and Technology Agency,Open Innovation Fair WEST. All Rights Reserved.
JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構