4.評価対象研究開発課題の個別評価
1.研究開発課題名称
燃料電池自動車(FCV)向けの水素貯蔵合金用水素量センサーの量産技術開発
2.開発代表者、起業家 氏名(所属)
開発代表者:原田 修治 (新潟大学 教授)
起業家:滝澤 信也
起業家:滝澤 信也
3.研究開発の目的
水素吸蔵合金は燃料電池自動車(FCV)の水素燃料容器として有力視されているが、合金中の水素残存量を計測することが重要な技術要素であり、熾烈な開発競争が繰り広げられている。水素ガス圧から間接的に測定する方法や質量や格子膨張あるいは電気抵抗などを測定する方法など数々の研究が行われているが、いずれの方法も未だ完全な信頼性を勝ち得ていない。本研究開発では、水素吸蔵合金からなる検出電極と水素に対して反応性のない基準電極との間の化学ポテンシャル差に由来する起電力をモニターすることによって、水素吸蔵合金中の水素量を直接測定できるEMF型水素センサーを開発・実用化する。本技術は新しい燃料電池自動車(FCV)の普及と安全・信頼性の向上に飛躍的に貢献できる。
4.事後評価内容
A)成果
研究開発は順調に進捗し、実用化レベルのEMF型水素量センサーが完成した。自動車業界における燃料電池用水素貯蔵合金に関する急速な立ち上がりが期待できない現状を踏まえ、自動車業界以外のマーケットについて調査も行い、水素貯蔵合金用以外の他用途への使用も検討し応用範囲が広がっている。
研究開発は順調に進捗し、実用化レベルのEMF型水素量センサーが完成した。自動車業界における燃料電池用水素貯蔵合金に関する急速な立ち上がりが期待できない現状を踏まえ、自動車業界以外のマーケットについて調査も行い、水素貯蔵合金用以外の他用途への使用も検討し応用範囲が広がっている。
本事業期間中の特許出願数:3件
B)評価
①研究開発計画の達成度
EMF型水素センサーの技術は、ほぼ開発目的を達成した。更に高濃度下での機能も確認されたことにより応用範囲が広げられた。
EMF型水素センサーの技術は、ほぼ開発目的を達成した。更に高濃度下での機能も確認されたことにより応用範囲が広げられた。
②知的財産権の確保
特許マップの整理がなされ必要な特許は出願されており、EMF型水素センサーの特許については、必要なものは押さえている。しかし、利用される分野での特定の機能に関して、細かな点の知財も注意深くチェックしておく必要がある。
特許マップの整理がなされ必要な特許は出願されており、EMF型水素センサーの特許については、必要なものは押さえている。しかし、利用される分野での特定の機能に関して、細かな点の知財も注意深くチェックしておく必要がある。
③起業計画の妥当性
燃料電池自動車の先行きが見えない状況で、当初、主ターゲットの一つとしていた自動車業界における燃料電池用水素貯蔵合金に関する急速な立ち上がりが期待できなくなったので、他用途への展開も考慮した事業計画の見直しが必要である。
燃料電池自動車の先行きが見えない状況で、当初、主ターゲットの一つとしていた自動車業界における燃料電池用水素貯蔵合金に関する急速な立ち上がりが期待できなくなったので、他用途への展開も考慮した事業計画の見直しが必要である。
④新産業創出の期待度
今後、水素を利用したシステムの普及あるいは水素社会の到来が期待される。その普及に伴い安全管理技術が必要となり、本センサーへの需要も高まることが予想され新産業創出の期待度は高い。
今後、水素を利用したシステムの普及あるいは水素社会の到来が期待される。その普及に伴い安全管理技術が必要となり、本センサーへの需要も高まることが予想され新産業創出の期待度は高い。
⑤総合・その他
本研究開発のEMF型水素センサーは他に例がなく、今後、マーケットの成長次第で大きな製品に育つ可能性がある。他用途への使用の広がりにも対応できるよう事業計画の見直しが必要である。
本研究開発のEMF型水素センサーは他に例がなく、今後、マーケットの成長次第で大きな製品に育つ可能性がある。他用途への使用の広がりにも対応できるよう事業計画の見直しが必要である。