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大学発ベンチャー創出推進
平成17年度採択課題事後評価報告書

(参考2)独創的シーズ展開事業の課題評価の方法等に関する達


(平成17年3月31日 平成17年達第18号)
改正(平成18年3月29日 平成18年達第36号)
改正(平成18年10月11日 平成18年達第92号)
改正(平成19年3月28日 平成19年達第52号)
改正(平成20年3月26日 平成20年達第33号)

(目的)

第1条 この達は、事業に係る評価実施に関する達(平成15年達第44号)に定めるもののほか、同達第4条第2号の規定に基づき、独創的シーズ展開事業の課題評価の方法等を定めることを目的とする。

(評価の実施時期)

第2条 評価の実施時期は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 事前評価は、課題の選定前に実施する。
(2) 中間評価は、研究開発の期間が5年を超える課題について、研究開発開始後3年を目安として実施する。
(3) 事後評価は、研究開発終了後できるだけ早い時期に実施する。
(4) 追跡評価の実施時期については、別に定める。

(評価の担当部室)

第3条 この達における評価の担当部室は技術展開部及び開発部とする。

(評価における利害関係者の排除等)

第4条 評価にあたっては、公正で透明な評価を行う観点から、原則として利害関係者が加わらないようにするとともに、利害関係者が加わる場合には、その理由を明確にする。
2 利害関係者の範囲は、次の各号に定めるとおりとする。
 (1) 被評価者と親族関係にある者
 (2) 被評価者と大学・国研等の研究機関において同一の学科・研究室等又は同一の企業に所属している者
 (3) 被評価者の課題の中で協力研究者となっている者
 (4) 被評価者の課題と直接的な競争関係にある者
 (5) その他独立行政法人科学技術振興機構が利害関係と判断した場合

(事前評価)

第5条 事前評価の目的等は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 事前評価の目的
課題の選定に資することを目的とする。
(2) 評価項目及び基準
ア 権利化試験
(ア)研究成果の独創性
基本的特許に係わる技術内容が革新的であり、優位性をもち、かつ、実現可能であること。
(イ)権利化の必要性
技術の多展開への期待度・技術的な可能性があること。
(ウ)試験計画の妥当性
権利化に向けて、適切な試験計画であること。
(エ)波及効果
市場性が期待され、社会的な波及効果が大きいこと。
(オ)新産業の創出の可能性
新産業創出の可能性があること。
(カ)その他この目的を達成するために必要なこと。
なお、(ア)から(オ)に関する具体的基準及び(カ)については、権利化試験評価委員会が決定する。
イ 独創モデル化
(ア)課題の新規性
着想、プロセス或いは組成等の新規性があること。
(イ)新産業創出の効果
企業化の可能性及び社会的意義があること。
(ウ)モデル化の目標の妥当性
試作の妥当性及び有効性などが認められること。
(エ)その他この目的を達成するために必要なこと。
なお、(ア)から(ウ)に関する具体的基準及び(エ)については、プログラムオフィサー(以下「PO」という。)がアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
ウ 大学発ベンチャー創出推進(第一次事前評価に限る。)
(ア)技術の新規性及び優位性
提案された技術に新規性があり、かつ、競争優位性又は応用展開性があること。
(イ)技術目標とその解決策の妥当性
解決すべき課題と目標値、解決策が妥当であること。
(ウ)事業化の可能性
ターゲット市場、競合他社、市場動向を鑑みて、提案する製品・サービスに事業化の可能性があること。
(エ)業務計画の妥当性
事業化に向けての業務計画が適切であり、かつ、その実施体制が整っていること。
なお、この条において「業務」とは、研究開発以外の業務を指す。
(オ)その他この目的を達成するために必要なこと。
なお、(ア)から(エ)に関する具体的基準及び(オ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
エ 大学発ベンチャー創出推進(第二次事前評価に限る。)
(ア)技術の優位性
提案された技術が新規性に優れ、競合技術と比べて優位性があり、権利確保されていること。
(イ)研究開発の達成度及び次年度以降の計画
第二次事前評価時までの技術目標が達成され、技術動向や社会・市場ニーズの変化に合わせ次年度以降の研究開発計画の見直しが適切に行われており、かつ、研究開発の実施体制が機能していること。
(ウ)実用化・事業化の見通し
事業環境分析が適切になされており、かつ、新規市場参入する可能性が高い、又は、技術を応用展開した事業の多様性が期待されること。
(エ)業務計画の達成度及び次年度以降の計画
第二次事前評価時までの業務計画が遂行され、技術開発状況や事業環境分析の結果に対応し次年度以降の業務計画の見直しが適切に行われており、かつ、その実施体制が機能していること。
(オ)その他この目的を達成するために必要なこと。
なお、(ア)から(エ)に関する具体的基準及び(オ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
オ 委託開発
(ア) 技術の新規性
 原則として特許が出願されており、未だ企業化されていない新規な技術であること。
(イ) 国民経済上の重要性
 下記の要件のうち一項目以上を満たすこと。
  a 産業技術の発展かつ向上に寄与することが期待できること。
  b 国民生活の向上に寄与することが期待できること。
  c 科学技術の発展かつ向上に寄与することが期待できること。
  d その他国民経済上重要な技術と認められること。
(ウ) 開発に伴うリスク
 開発リスクは大きいものの、技術的に開発の可能性があるものであること。
(エ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)から(ウ)に関する具体的基準及び(エ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
カ 革新的ベンチャー活用開発(一般プログラム)
(ア) 技術の新規性
 原則として特許が出願されており、未だ企業化されていない新規な技術であること。
(イ) 国民経済上の重要性
 科学技術、産業分野、国民生活の発展向上への寄与が期待でき、事業性が見込まれること。
(ウ) イノベーションの創出の可能性
 我が国の産業における国際競争力を高める可能性があり、新たな社会的価値や経済的価値を生み出すことが期待できること。
(エ) 開発計画の妥当性及び実用化の可能性
 実用化を目指す上で、研究成果が十分蓄積しており、開発目標、解決すべき問題点を踏まえて、開発実施計画が合理的に立案されており、実用化の可能性が高いと期待できること。
(オ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)から(エ)に関する具体的基準及び(オ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
キ 革新的ベンチャー活用開発(創薬イノベーションプログラム)
(ア) 技術の新規性
 原則として特許が出願されており、未だ企業化されていない新規な技術であること。
(イ) 国民経済上の重要性
 科学技術、医療水準の向上、国民生活の発展向上への寄与が期待でき、事業性が見込まれること。
(ウ) イノベーションの創出の可能性
 我が国の医療分野における国際競争力を高める可能性があり、新たな社会的価値や経済的価値を生み出すことが期待できること。
(エ) 開発計画の妥当性及び実用化の可能性
 実用化を目指す上で、研究成果が十分蓄積しており、開発目標、解決すべき問題点を踏まえて、開発実施計画が合理的に立案されており、実用化の可能性が高いと期待できること。
(オ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)から(エ)に関する具体的基準及び(オ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
(3) 評価者
ア 権利化試験
評価者は、権利化試験評価委員会とする。
イ 独創モデル化
POがアドバイザーの協力を得て行う。
ウ 大学発ベンチャー創出推進
POがアドバイザーの協力を得て行う。
エ 委託開発
POがアドバイザーの協力を得て行う。
オ 革新的ベンチャー活用開発
POがアドバイザーの協力を得て行う。
(4) 評価の手続き
ア 権利化試験
(ア)応募された課題について、特許調査を行った上、評価者が、書類選考により絞り込みを行った後、必要に応じ面接を行い、課題を評価選考する。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ)評価結果の問い合わせに対しては、技術展開部技術育成課が対応する。
イ 独創モデル化
(ア)応募された課題について、評価者が、書類選考により絞り込みを行った後、必要に応じ面接を行い、課題を評価選考する。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ)評価結果の問い合わせに対しては、技術展開部技術育成課がPOと連携して対応する。
ウ 大学発ベンチャー創出推進
(ア)応募された課題について、評価者が、書類選考及び面接選考を行い、課題を評価選考する。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ)評価結果の問い合わせに対しては、技術展開部新規事業創出課がPOと連携して対応する。
エ 委託開発
(ア)応募された課題について、機構が行う被評価者との意見交換等による技術内容等の事前調査に基づき、評価者が、課題を評価選考する。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ)評価結果の問い合わせに対しては、開発部がPOと連携して対応する。
オ 革新的ベンチャー活用開発
(ア)応募された課題について、評価者が書類選考により絞り込みを行った後、面接を行い、課題を評価選考する。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ)評価結果の問い合わせに対しては、開発部がPOと連携して対応する。

(中間評価)

第6条 委託開発及び革新的ベンチャー活用開発で行う中間評価の目的等は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)中間評価の目的
 課題毎に、開発の進捗状況や開発成果を把握し、これを基に適切な予算配分及び開発計画の見直しを行う等により、事業運営の改善に資することを目的とする。
(2)評価項目及び基準
 開発の進捗現状と今後の見込み
 なお、具体的基準については、開発のねらいの実現という視点から、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
(3)評価者
POがアドバイザーの協力を得て行う。
(4) 評価の手続き
ア 開発課題毎に、被評価者からの報告、被評価者との意見交換等により評価を行う。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
イ 評価の実施後、被評価者が説明を受け、意見を述べる機会を確保する。

(事後評価)

第7条 事後評価の目的等は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 事後評価の目的
ア 権利化試験
 試験の実施状況、当該試験の成果等を明らかにし、今後の成果の展開及び事業運営の改善に資することを目的とする。
イ 独創モデル化
 成果の技術展開に資する程度を判断するとともに、今後の事業運営の改善に資することを目的とする。
ウ 大学発ベンチャー創出推進
 研究開発の実施状況、研究開発成果等を明らかにし、今後の成果の展開及び事業運営の改善に資することを目的とする。
エ 委託開発
 開発結果の成功・不成功の判定を行うとともに、今後の開発課題の選考に資することを目的とする。
オ 革新的ベンチャー活用開発
 開発目標の達成度、成果の実施見込み等を判断するとともに、今後の事業運営の改善に資することを目的とする。
(2) 評価項目及び基準
ア 権利化試験
(ア) 権利化の状況
(イ) 成果の実用化の可能性及び波及効果
(ウ) 新産業創出の期待度
(エ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)から(ウ)に関する具体的基準及び(エ)については、権利化試験評価委員会が決定する。
イ 独創モデル化
(ア) モデル化目標の達成度
(イ) 知的財産権等の発生
(ウ) 企業化開発の可能性
(エ) 新産業及び新事業創出の期待度
(オ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)から(エ)に関する具体的基準及び(オ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
ウ 大学発ベンチャー創出推進
(ア) 研究開発計画の達成度
(イ) 知的財産権の確保
(ウ) 起業計画の妥当性
(エ) 新産業創出の期待度
(オ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)から(エ)に関する具体的基準及び(オ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
エ 委託開発
(ア) 開発目標の達成度
(イ) 開発目標が達成されない場合にはその要因
(ウ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)及び(イ)に関する具体的基準及び(ウ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
オ 革新的ベンチャー活用開発
(ア) 開発目標の達成度
(イ) 成果の実施見込み
(ウ) イノベーション創出の可能性
(エ) その他この目的を達成するために必要なこと。
 なお、(ア)及び(ウ)に関する具体的基準及び(エ)については、POがアドバイザーの意見を勘案し、決定する。
(3) 評価者
ア 権利化試験
評価者は、権利化試験評価委員会とする。
イ 独創モデル化
POがアドバイザーの協力を得て行う。
ウ 大学発ベンチャー創出推進
POがアドバイザーの協力を得て行う。
エ 委託開発
POがアドバイザーの協力を得て行う。
オ 革新的ベンチャー活用開発
POがアドバイザーの協力を得て行う。
(4) 評価の手続き
ア 権利化試験
(ア) 試験終了後、評価者が、終了報告書に基づき、被評価者からの報告、被評価者との意見交換等により評価を行う。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ) 評価実施後、被評価者が説明を受け、意見を述べる機会を確保する。
イ 独創モデル化
(ア) 実施計画終了後、評価者が、成果報告書に基づき、被評価者からの報告、被評価者との意見交換等により評価を行う。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ) 評価実施後、被評価者が説明を受け、意見を述べる機会を確保する。
ウ 大学発ベンチャー創出推進
(ア) 研究開発終了後、評価者が、終了報告書及び起業計画に基づき被評価者からの報告、被評価者との意見交換等により評価を行う。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ) 評価実施後、被評価者が説明を受け、意見を述べる機会を確保する。
エ 委託開発
(ア) 調査審議に先立ち、機構は、開発が終了した課題の開発結果について説明資料の調整、取りまとめを行う。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ) 評価者は、終了報告書に基づき、被評価者からの報告、被評価者との意見交換等により評価を行う。
(ウ) 評価実施後、被評価者が説明を受け、意見を述べる機会を確保する。
オ 革新的ベンチャー活用開発
(ア) 開発終了後、評価者が、被評価者からの報告、被評価者との意見交換等により評価を行う。この場合、必要に応じて外部専門家の意見を聴くことができる。
(イ) 評価実施後、被評価者が説明を受け、意見を述べる機会を確保する。

(追跡評価)

第8条 追跡評価の目的等は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)追跡評価の目的
 研究開発終了後一定期間を経過した後、副次的効果を含めて研究開発成果の発展状況や活用状況等を明らかにし、事業及び事業運営の改善等に資することを目的とする。
(2)評価項目及び基準
ア 研究開発成果の発展状況や活用状況
イ 研究開発成果から生み出された科学技術的、社会的及び経済的な効果・効用及び波及効果
ウ その他前号に定める目的を達成するために必要なこと。
なお、ア及びイに関する具体的基準並びにウについては、評価者が決定する。
(3)評価者
機構が選任する外部の専門家が行う。
(4)評価の手続き
ア 研究開発終了後一定期間を経た後、研究開発成果の発展状況や活用状況、参加研究者の活動状況等について追跡調査を行う。
イ 追跡調査結果等を基に評価を行う。

(評価方法の改善等)

第9条 評価の手続きにおいて得られた被評価者の意見及び評価者の意見は評価方法の改善等に役立てるものとする。

附 則
1 この達は、平成17年4月1日から施行する。
2 この達において、科学技術振興審議会技術移転部会等運営細則(平成16年3月11日科学技術振興審議会技術移転部会決定)第2条並びに第5条第4項に規定する委託開発事業評価委員会は委託開発評価委員会に、委託開発事業は独創的シーズ展開事業委託開発に、研究成果最適移転事業成果育成プログラムA(権利化試験)は独創的シーズ展開事業権利化試験に、研究成果最適移転事業成果育成プログラムB(独創モデル化)は独創的シーズ展開事業独創モデル化に、大学発ベンチャー創出推進事業評価委員会は大学発ベンチャー創出推進評価委員会に、大学発ベンチャー創出推進事業は独創的シーズ展開事業大学発ベンチャー創出推進に、それぞれ読み替えるものとする。
附則(平成18年3月29日 平成18年達第36号)
1 この達は、平成18年4月1日から施行する。
2 独創的シーズ展開事業委託開発において、この達の施行前に開発期間が終了する課題については、別に定めるところによる。
附則(平成18年10月11日 平成18年達第92号)
この達は、平成18年10月11日から施行する。
附則(平成19年3月28日 平成19年達第52号)
この達は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成20年3月26日 平成20年達第33号)
この達は、平成20年4月1日から施行する。


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