4.評価対象研究開発課題の個別評価
1.研究開発課題名称
ヒューマン・センタード・インターフェイス指向による「指マウス」の開発
2.開発代表者、起業家 氏名(所属)
開発代表者:松野 文俊(電気通信大学 教授)
起業家:余田 省二
起業家:余田 省二
3.研究開発の目的
自由で何ら制約を受けない自然な動きを大切にしようとする「ヒューマン・センタード・インターフェイス指向」に基づいて、従来のマウスと比較してサイズ、重量共に1/10以下の「指装着型マウス」(以下指マウス)を開発する。指マウスに親指で軽く触れることによって、ワイヤレスでパソコンの動作を指示できるため、操作時の姿勢や動きなどの制約が緩和され、デザインやアニメーション製作、ソフトウエアの開発、CADを利用した設計等に携わる人の身体や精神的な疲労を軽減し、生産性向上が期待できる。
4.事後評価内容
A)成果
センサー方式として機械式、静電式、光方式の試作を行い、最終的に違和感のない装着感を有し、ワイヤレス方式で入力が可能なキャパシティブタッチセンサー方式の指装着型マウスを開発した。実用化までには、ポインティング精度、移動の滑らかさなどの操作性において課題が残った。
センサー方式として機械式、静電式、光方式の試作を行い、最終的に違和感のない装着感を有し、ワイヤレス方式で入力が可能なキャパシティブタッチセンサー方式の指装着型マウスを開発した。実用化までには、ポインティング精度、移動の滑らかさなどの操作性において課題が残った。
本事業期間中の特許出願数:3件
B)評価
①研究開発計画の達成度
当初に比べると進歩したが、自己評価にあるように、マウスにとって重要なポインティング精度、移動の滑らかさが、目標から遠い状況であり、実用化に至る研究開発は達成されなかった。今後は、センサー方式等の変更により信頼性、耐久性も含めた商品開発を進めて、当初目標の達成を期待したい。
当初に比べると進歩したが、自己評価にあるように、マウスにとって重要なポインティング精度、移動の滑らかさが、目標から遠い状況であり、実用化に至る研究開発は達成されなかった。今後は、センサー方式等の変更により信頼性、耐久性も含めた商品開発を進めて、当初目標の達成を期待したい。
②知的財産権の確保
ポインティングデバイス関連の特許は輻輳しているので、指装着方式の特許出願により、本事業を十分に守れるかがポイントとなる。
ポインティングデバイス関連の特許は輻輳しているので、指装着方式の特許出願により、本事業を十分に守れるかがポイントとなる。
③起業計画の妥当性
研究開発成果が十分でないため、起業について慎重な態度であることは妥当である。市場分野をある程度絞り込んでいるが、より明確なマーケティング活動の上、開発を進めてほしい。
研究開発成果が十分でないため、起業について慎重な態度であることは妥当である。市場分野をある程度絞り込んでいるが、より明確なマーケティング活動の上、開発を進めてほしい。
④新産業創出の期待度
新たな入力インターフェースとして商品化できれば、売れる可能性は大きいが、現在のマウスの単なる代替として、指マウスを商品化しようとするのでは、市場でのシェア獲得は難しいと思われる。
新たな入力インターフェースとして商品化できれば、売れる可能性は大きいが、現在のマウスの単なる代替として、指マウスを商品化しようとするのでは、市場でのシェア獲得は難しいと思われる。
⑤総合・その他
当初の試作品に比べて装着性などの点では相当進んだと思われる。特殊用途、新用途開拓に集中すれば、実用的な商品を開発できる可能性はある。
当初の試作品に比べて装着性などの点では相当進んだと思われる。特殊用途、新用途開拓に集中すれば、実用的な商品を開発できる可能性はある。