4.評価対象研究開発課題の個別評価
1.研究開発課題名称
知能性基板を用いた高感度・超小型強誘電体薄膜スマートセンサの開発
2.開発代表者、起業家 氏名(所属)
開発代表者:石田 誠(豊橋技術科学大学 教授)
起業家:村山 守男
起業家:村山 守男
3.研究開発の目的
エピタキシャルγ−Al2O3/Si基板(知能性基板)を用いることで、単結晶強誘電体薄膜センサとSi集積回路との一体化を図ったスマート赤外線イメージセンサ、超音波イメージセンサを開発する。高機能、高感度、超小型、低コスト化が実現できれば、赤外線センサは家電、防犯だけでなく、車載やFA等の分野へ、超音波センサは物体の3次元認識が可能となることによりロボット、医療等の広範な分野への応用展開が期待される。
4.事後評価内容
A)成果
スマートセンサの基板となる知能性基板の量産化技術を4インチモデルで検証すると共に、128×128イメージセンサを作製しイメージングに成功した。また、8×8素子の超音波センサアレイを作成し、プロトタイプ作成の目処を付けた。さらに、センサ材料となる非鉛系強誘電体薄膜としてNBT系薄膜を開発した。
スマートセンサの基板となる知能性基板の量産化技術を4インチモデルで検証すると共に、128×128イメージセンサを作製しイメージングに成功した。また、8×8素子の超音波センサアレイを作成し、プロトタイプ作成の目処を付けた。さらに、センサ材料となる非鉛系強誘電体薄膜としてNBT系薄膜を開発した。
本事業期間中の特許出願数:6件
B)評価
①研究開発計画の達成度
基礎的な技術は開発できたが、製品化に向けては一層の改良を要する。商品として競争力を持つためには、既存技術・製品との比較をしっかりと行い、必要な製品化開発の目標を定量的に明確にすべである。
基礎的な技術は開発できたが、製品化に向けては一層の改良を要する。商品として競争力を持つためには、既存技術・製品との比較をしっかりと行い、必要な製品化開発の目標を定量的に明確にすべである。
②知的財産権の確保
原権利12件に加えて、新たに特許6件が出願されており、概ね順調と言える。ただし、アルミナ基板を用いた方式ではないが、強誘電体を用いた非冷却赤外線イメージセンサは欧米では盛んに研究された時期があり、その後の状況など広い意味での特許調査が必要と思われる。
原権利12件に加えて、新たに特許6件が出願されており、概ね順調と言える。ただし、アルミナ基板を用いた方式ではないが、強誘電体を用いた非冷却赤外線イメージセンサは欧米では盛んに研究された時期があり、その後の状況など広い意味での特許調査が必要と思われる。
③起業計画の妥当性
起業までには、モノリシック型に目処を付けるための研究開発が必要であり、コストネックにもなるパッケージング技術の方針なども含めて商品全体のイメージを明確にした事業計画とする必要がある。
起業までには、モノリシック型に目処を付けるための研究開発が必要であり、コストネックにもなるパッケージング技術の方針なども含めて商品全体のイメージを明確にした事業計画とする必要がある。
④新産業創出の期待度
最終的な商品イメージが具体化されていないため、既存の赤外線イメージセンサ市場を発展させるような期待を抱かせるまでには至っていない。車載センサとして利用されるようになれば市場は大きいが、参入障壁は大きく、製品化に少なくとも数年を要すると思われる。
最終的な商品イメージが具体化されていないため、既存の赤外線イメージセンサ市場を発展させるような期待を抱かせるまでには至っていない。車載センサとして利用されるようになれば市場は大きいが、参入障壁は大きく、製品化に少なくとも数年を要すると思われる。
⑤総合・その他
研究と事業のギャップが大きく、競合技術に対しての競争力に不安が残る。赤外線イメージセンサの応用分野が広がる可能性はあるが、既に先行他社がかなりの完成度であること、米国の新方式センサのベンチャーの動向なども踏まえて事業計画の再検討が必要と考える。今後とも適切な開発を継続し、方式の改良・最適化を実施したサンプル品を開発し、ユーザからのフィードバックを得て、起業に継げて欲しい。
研究と事業のギャップが大きく、競合技術に対しての競争力に不安が残る。赤外線イメージセンサの応用分野が広がる可能性はあるが、既に先行他社がかなりの完成度であること、米国の新方式センサのベンチャーの動向なども踏まえて事業計画の再検討が必要と考える。今後とも適切な開発を継続し、方式の改良・最適化を実施したサンプル品を開発し、ユーザからのフィードバックを得て、起業に継げて欲しい。