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大学発ベンチャー創出推進
平成16年度採択課題事後評価報告書
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研究開発課題の個別評価
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(8)機能性材料に対する高精度複雑形状放電加工技術の開発
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開発代表者
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:長岡技術科学大学 教授 福澤 康
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起業家
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:星 光男
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研究開発の概要
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絶縁性のため電気的な加工ができないセラミック材料表面に放電に伴う加工油の解離で生じる炭素を付着させることで加工面の導電性を保持して、導電性材料と同様に微細加工できる新技術を開発・実用化する。
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事後評価内容
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A)成果
補助電極材料、工具電極材料、油等の加工雰囲気、加工電源制御方式、超音波付加法、微細穴加工法など加工特性向上のための検討を種々行ってきた。その結果、ワイヤ加工における加工速度は設定最終目標値の14mm3/minは及ばなかったものの、当初の加工レベルの2倍を超える10mm3/minまで向上させることができた。また、SiCに対する形彫り、ワイヤ加工速度は、標準として行ってきたZrO2にほぼ匹敵するまで向上し当初値の10倍を達成した。
特許出願数:国内出願数2件、外国出願数 件
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B)評価
計画の達成度
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:表面に導電性を付与しながらセラミックス等の絶縁材を放電加工する技術について具体的成果を上げた。目標の加工精度10μmまでには届かなかったものの、事業化に近いレベルの高精度の加工技術を達成・確立した。
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知的財産権
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:開発状況に照らして現状の出願件数は十分とは言えないが、調査、検討に基づく絞込みを着実に進めている。海外出願については、今後の技術動向を考えて、適正に行う必要がある。
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起業化計画
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:絶縁性セラミックス材料の三次元複雑形状部品の受託製造の立ち上げを計画中であるが、加工の精度、安定性はさることながら、加工費用の原価管理なども重要であり、起業化する際には再度、事業計画の詰が必要である。
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新産業創出
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:セラミックス製品業界においては多品種少量生産のニーズがあるため、加工精度、経済的な採算が合えば需要は存在するものと思われる。本方法が優位性を発揮する新加工産業は何であるのかを精査する必要がある。
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総合・その他
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:未だ未解決の技術が多いので技術つくりに全力を上げるのが当面の緊急課題であるが、技術的、製品的には現状でも十分に可能性がある。
絶縁材加工の従来法(レーザー法)に比して本方法の優位性を発揮させるための工夫に全力投球し、その優位性を生かせる最も良い事業形態を考えてほしい。
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