つなぐしくみ申請 H19年12月 |
GaN(窒化ガリウム)基板のFETは、ワイドギャップ半導体であり、低損失電力素子として期待されてきているが、GaN素子は、LEDやレーザー用途に開発が進み、低損失電力素子としては、SiC半導体の方が注目を浴びている。この様な中、省エネ化に必要な素子として、低損失電力素子GaN(窒化ガリウム)FETの開発を行っており、これまで、実用上必要となるノーマリーオフ型のデバイス構造(右記の構造)を研究し、特許提案を行ってきた。
申請時にはノーマリーオフ特性の確認や耐圧のデータがあったものの、設計上のパターンサイズが小さく、Ids(ソース・ドレイン電流)が数mA程度で、デバイス企業が連携を模索・検討するに相応しいデータが整備されていなかった。また、信頼性・環境試験についても評価結果が無い状況であった。
追加データ取得で、右図の様な結果が得るとともに、ノーマリーオフ型FETにおいて他機関発表データ(A〜C)より優位なデータを得た。温度特性としても、約230℃までのノーマリーオフ特性を確認した。
今回のJST支援での耐圧データは、測定プローブ用端子間の空中放電の影響で、理論上、低い測定値となり、実力を評価できなかった。設計上の工夫を行えば、より高い耐圧のデータが測定できると思われる。半導体デバイス企業と連携をとって、より実用化に向けての一歩踏み出したい。興味のある企業の方は、御連絡を戴きたい。
(作成日:平成22年3月31日)