つなぐしくみ申請
H19年12月


マイクロ磁気センサアレイによる鉄製凶器検出防犯ゲートの開発

財団法人 名古屋産業科学研究所 研究部

上席研究員 毛利佳年雄

1.課題概要

本技術は社会の安全・安心のために鉄製凶器のみを選択的に検出できる防犯ゲートシステムである。核となる技術は、アモルファス合金などの細長い磁性体に高周波電流を通電させ表皮効果を発生させることにより、外部印加磁界によって磁性体両端間のインピーダンスが敏感に変化する磁界センサ素子である。これにより、従来不可能であった2mm以下の微小寸法のヘッドをもつ高感度マイクロ磁気センサが実現できる。本センサをアレイ構成にすることで、ゲート通過者の保持品の磁場変動のみを選択的に検出し、鉄製凶器の所持が検知可能となる。



2.申請時の状況

研究グループが発明した超高感度マイクロ磁気センサは、既にその基本性能が得られており、一部実用にも供されている。しかし、申請時点では、本センサによって鉄製凶器と携帯電話内部の微小磁石を識別する技術は得られていなかった。実用化のためにはゲートに設置したコイルによる交流磁界の磁束変化を利用した識別法の開発と、その有効性、信頼性を確認する必要があった。そのため、想定市場の調査、ライセンス先企業の探索、関連特許調査、及び開発支援を希望していた。


3.つなぐしくみによる支援の内容

・「目利きレポート」による特許調査、市場調査で、本技術の有用性の高さを示すとともに、実用化促進に向け、データ補完費により申請時の課題事項解決への支援を行った。
・一方で、特許等の権利確保への助言、実用化技術移転に向け、企業との共同研究へ向けた継続的支援を行ってきた。



4.結果

・データ補完の結果、本技術の実用性を確認するに足るデータを得ることができた。
・新たな特許申請(1件)を行った。
・製品化を希望する企業へのデモ展示を行った。さらに携帯型の凶器検出装置を試作し、飛行場においてデモ使用を実施した。



(作成日:平成22年3月31日)

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