つなぐしくみ申請
H19年12月


閉塞しにくい省エネの吸引器具、吸引システムおよび吸引方法

京都大学大学院 医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

講師 金丸眞一

(医師 梅田裕生)

1.課題概要

本技術は主として耳鼻咽喉科分野における高粘性物質の吸引にかかる消費時間、消費電力の節約に寄与するものである。すなわち、高粘性の耳漏や鼻汁を吸引管の閉塞無く短時間吸引可能となる技術であって、医療従事者だけでなく患者の負担軽減が期待できる。さらに、耳鼻咽喉科の医療分野に限定せず、高粘性物質の効率的吸引という観点から、同じ原理を利用することによって、汚泥処理など他の産業分野においても応用の可能性が考えられる。



2.申請時の状況

本技術の適用分野は、当面は耳鼻咽喉科の医療分野であり、医療現場での評価が重要となるため、既に積み上げられた検証実績に基づき、独自に医療分野においての優先的な実用化展開を指向した研究開発をしていた。一方で、他の有用な分野への展開可能性を想定し、公害防止(汚泥、汚物処理を含む)、食品工業、石油工業関連などへの適用について、想定している市場調査、特許調査および、ライセンス先企業の調査支援を希望していた。


3.つなぐしくみによる支援の内容

・「目利きレポート」で本技術に関連した特許調査、市場調査を行い、特に汚泥処理分野における有用性が高いことを示した。しかしながら、本技術の今後の推進に関しては、他分野への展開ではなく、当面、医療機器への利用を目的として研究開発に注力することの重要性を指摘し、展示会等出展を通して共同研究企業との連携に向けた誘導を行った。
・研究成果をイノベーションジャパンで発表した(企業個別相談:医療機器メーカー3社)。



4.結果

イノベーションジャパンをきっかけに、企業の大学訪問、サンプル品試作などの協力関係が進み、共同研究、公的支援を受ける準備を進めるに至った。



(作成日:平成22年3月31日)

Copyright © Japan Science and Technology Agency. All Rights Reserved.