つなぐしくみ申請 H19年12月 |
本技術は、超音波振動を利用して、薬物を生体やその他の物質に効率的に拡散させる技術である。目的とする薬物の拡散物体に対するドリフトベロシティ以下の振動振幅スピードで、超音波振幅を鋸歯上にゼロから大きい振幅へ時間に対して一定の傾きで増大させることにより、生体内または特定物質等へ効果的に薬物を注入することが可能となる。主に美容用途の超音波美顔器などへ応用が想定される。
申請時には、超音波振幅をゼロから増大させることで効果的に薬物が注入されるという基本原理の有効性は確認されていたものの、美顔器として実用化するには実測データが不足しており、制御回路も未完成であった。そこで、課題解決に向けた支援とともに技術と市場に対する評価を希望して、つなぐしくみへの申請がなされた。
この支援により、人体皮膚への適用を実証するため皮膚の角質層の通過に限定し、薬物注入器としての有効性を確認することができた。一方で独自に美白剤も開発し、シミ、そばかすやニキビ除去を目的とした美白器を開発した。また、薬物注入器の別の応用として、糖尿病患者のための無針超音波インシュリン注入器の開発も行った。結果、これらに関連した大学発ベンチャー企業を立ち上げることができた。
(作成日:平成22年3月31日)