つなぐしくみ申請
H20年4月


イネいもち病菌を弱毒化するマイコウイルスの性状解析とその生物防除資材(微生物由来農薬)としての開発研究

東京農工大学大学院 共生科学技術研究院

講師 森山裕充

1.課題概要

 本申請課題は、イネいもち病菌の中からイネいもち病菌の生育を阻害する弱毒化マイコウイルスを発見し、この弱毒化マイコウイルスを利用してイネいもち病菌の防除資材(微生物由来農薬)の開発を目指した研究である。



2.申請時の状況

 申請者は、アルタナリア・アルタナータ菌とイネいもち病菌の2種の植物病原菌を対象として、弱毒化ウイルスのスクリーニングを実施し、イネいもち病菌の生育を阻害して分生子形成を著しく抑制する弱毒化マイコウイルスの単離に成功していた。申請時はマイコウイルスを対象に、基礎研究段階であり、更なるマイコウイルスに関する基本データの蓄積と生物防御資材としての可能性を示唆するデータが不足していた。また、共同研究先もなかった。


3.つなぐしくみによる支援の内容

 「つなぐしくみ」の目利きレポートにて情報提供した特許調査および市場性情報等に関する事項等が活用され、平成20年度第2回NEDO産業技術研究助成事業(若手研究グラント)に採択された。また、「つなぐしくみ」で提供するデータ補完費の中でイネいもち病菌マイコウイルスの生化学的特性や抗体作製および細胞外感染経路の検証実験が遂行された(継続検討)。
 共同研究先の探索に関しては、JST「新技術説明会」および「イノベーション・ジャパン2008」など、企業とのマッチングの場を利用すると共に、このような機会と申請者の積極的な活動が功を奏し、企業との研究の取り組みも順調に推移している。



4.結果

 公的研究資金制度採択1件、共同研究1件、特許出願(海外)1件(JSTからの費用支援)の成果を得た。


(作成日:平成22年3月31日)

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