つなぐしくみ申請 H19年12月 |
本技術は極微量の眼薬を高い投与効率で投与することが可能な眼薬噴霧供給装置を実現するものである。従来の液滴式点眼法と比較し、ヒト角膜再生および術後治療に有効な神経増殖因子の投与量を均質に角膜表面に投与でき、効果的に病巣に薬液を噴霧することが可能となる。また、極微量投与により、極めて高価な薬物の投与量を削減できることから、より安価で、従来と同等以上の治療効果が期待できる。
申請時点において、本噴霧式点眼法は、従来の液滴式点眼法と比較し、薬液を均質に角膜表面に投与でき、かつ投与量を1/15〜1/30 程度まで削減できることが実験的に明らかにされていた。本治療技術を臨床応用に適用するために、動物実験を実施し、角膜再生速度の実測や炎症の有無など、極微量薬物投与法に関する有効性判定のためのエビデンスを得て、治療効果および安全性の確認などの研究開発をする必要があった。そこで、本技術が想定している市場調査、特許調査、ライセンス先企業の探索、および開発支援を希望して「つなぐしくみ」へ申請があった。
「目利きレポート」で本技術に関連した特許調査、市場調査を行い有用性の高いことを示し、実用化を促進するために「つなぐしくみ」で提供するデータ補完費により、実験検証を行った。薬液の極微量投与法をヒト角膜再生治療に適用するための動物実験を行った結果、臨床での角膜再生治療における術後管理として細胞増殖因子と免疫抑制剤の投与手法の有効性が確認できた。このことから、低コストで患者に負担をかけない有用な眼科治療法として、角膜再生治療に有用であるとの結論を得た。得られた成果についてはイノベーションジャパンの新技術説明会にて発表した。複数の医療機器メーカからの有用な相談があり、共同研究関係機関と調整段階にある。
特許出願1件、および共同研究に向けて関係機関と調整中。
良きコーディネータのアドバイスを得て、本技術の実用化へのステップを着実に推進している。特に、臨床前実験として、医療機器の安全試験を実施中である。また同時に、臨床適応への条件設定と市場への直接的なインパクトを検討している。
(作成日:平成22年3月31日)