つなぐしくみ申請 H19年12月 |
建築・配管業界では設計図を基に配管種別毎に管サイズ、長さを求め、使用資材量を算出し見積もりを行っている。現在、この使用量拾い出しは手作業に頼ることが多いため負荷が大きく、また個人差もある。本申請は、CAD図面(Jw_cad準拠)から配管種別使用量の自動算出技術を実用化するものである。
申請時には、中小規模の建築業界の企業に最も普及しているCADソフトであるJw_cadを用いて、このソフトで作成された図面から給水管、給湯管などの配管種別、サイズを認識するためのアルゴリズムを開発し、見積もりの基礎となる官公庁向け届け出可能フォーマット資料も可能としたソフトウェアに仕上げていた。また、現場における実証評価実験に於いても精度は熟練者と同等で、所要時間は1/50程度の処理時間であることが確認されており、技術的には機能向上の改善の余地は残されていたが完成度の高い段階に達していた。これまで富山県内での普及を図ってきたが全国的な展開を目指して「つなぐしくみ」へ応募があった。
「目利きレポート」ではまず特許関連調査を行い全般的な出願状況と関連企業の情報を提供するとともに、出願特許に直接関連すると思われる3件の特許を抽出し、これを精査して場合によっては請求項の補正などに対応する必要があることを指摘した。また、市場性、事業化の可能性についても調査検討し、実用化する上での解決課題を提示した。企業探索においてはJST新技術説明会での発表、イノベーション・ジャパン(大学見本市)への出展を行い、企業に対して技術PRを実施するとともに、テクニカルアイを作成しWeb上での技術紹介も行った。この活動を通して技術導入に関心を持つ企業が現れて、技術移転するための交渉が開始された。
建築関連積算システムのソフトウェアを販売する企業と富山県立大学との間で特許使用許諾に関するライセンス契約が成立した。
(作成日:平成22年3月31日)