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大学発ベンチャー創出推進

平成15年度採択課題事後評価報告書

 

 

4.

研究開発課題の個別評価

(1)単分散ミクロスフェア高速製造装置の研究開発

 

開発代表者

荻原 隆 (福井大学 助教授)

起業家

樋田 俊一

 

1 ))

研究開発の概要

従来のエアロゾルプロセスにおけるミスト発生方法や反応炉の燃焼方法、粉体捕集方法などを改良して、球状でかつ単分散の粒径分布を有する高品質な金属やセラミックミクロスフェアを短時間で効率良く大量製造する技術を開発する。 

2 ))

事後評価内容

A)成果
ダウンフロー方式のミスト発生法の採用により、導入されたミストを全て均一に熱分解させることができ,収率を100%に高めることに成功したほか、都市ガスまたはLPガスを熱源とするガス燃焼式反応炉の採用により、リチウム2次電池等のエネルギー材料,チタン酸バリウム等の電子材料などを従来よりも20〜30%も低コストで生産することができた。
これらの成果をもとに、
株式会社ナノリサーチを設立した。

特許出願数:国内出願数3件

 

B)評価

計画の達成度

エアロゾルプロセスのミスト発生、燃焼、粉体回収方法などの技術を改良して、応用価値の高い機能性金属や酸化物の高性能粉体(単分散ミクロスフェア)を高効率で製造する技術を確立した。

知的財産権

製造装置と電池用酸化物粉体製造方法の基本特許は出願されたが、今後も優れた特長をもつ材料技術の発明が予想されるため、これを連続的に権利化するなど、なお一層の知財権の充実が望まれる。

起業計画

開発されたリチウム電池材料は市販製品の性能をしのぎ優れた製品である。市場の要求を満たすべく、企業との連携を密にしてしっかりとしたビジネスモデルを構築することが期待される。

新産業創出

単分散のナノ粒子は非常に意義深く用途も広範囲にわたるため、新産業へとつながる可能性が高い。引続き、新しい機能性材料開発を期待したい。

総合・その他

技術的には目標を十分クリアしており優れた製品が完成している。しかし事業計画がやや不明確で、量産装置の生産能力、ナノ粉末機能性材料の市場性、設備投資や運転資金調達の目処等々に不安材料がある。引続き事業化に向かって継続した努力を期待したい。

 

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This page updated on September. 10, 2007

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