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大学発ベンチャー創出推進
平成15年度採択課題事後評価報告書
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研究開発課題の個別評価
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(1)インテリジェント微粒子材料の創製技術の開発
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開発代表者
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:大久保 政芳 (神戸大学 教授)
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起業家
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:村上 功
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研究開発の概要
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異形粒子やカプセル粒子など様々な特長・機能を持つナノーミクロンサイズの機能性高分子微粒子を設計・合成する。電子画像形成材料や酵素・抗体の固定化担体など広く先端工業分野に適用され、その技術進歩に貢献するものと期待される。
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事後評価内容
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A)成果
表面に多数の凹部を有するゴルフボールのような多面体状の高分子微粒子や異種ポリマーを同心円状に交互に蓄積した複合高分子微粒子、エポキシ樹脂とウレタン樹脂の2成分を混ぜて1液型にした接着剤などに適用可能なカプセル粒子等様々な種類の高分子微粒子を設計・合成した。各微粒子は、それぞれ特異なレオロジー挙動や光散乱性を有し、光学微粒子材料や熱輸送蓄熱などへ広く応用が期待される。 これらの成果を基に株式会社スマート粒子創造工房を設立した。
特許出願数:国内出願数12件、外国出願数1件
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B)評価
計画の達成度
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:化学、電気電子、医療等の先端工業に重要なミクロ機能性高分子のさらなるインテリジェント化、応用化を目指した研究を行い、ナノからミクロンサイズの円盤、ボール、多面体、カプセル状の多機能性高分子の開発に成功するなど、目標は十分達成されている。
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知的財産権
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:積極的に知的財産権の拡充強化に努め、内容に新規性があり、他の競合に対して優位性が発揮出来る多くの特許を出願取得している。
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起業計画
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:綿密な市場調査により具体的な用途を絞り込み企業化し、既に複数の会社とのサンプル提供契約が予定されている。新設立会社は、ライセンスフィーを収益源とするリスクの少ないライセンス企業モデルであるが、現状では企業としてあまり大きな成長が望めないと思われる。
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新産業創出
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:ナノ・ミクロンの機能性高分子微粒子技術は電子材料分野、バイオテクノロジー分野など応用範囲が広く、今後の産業の進展に寄与するものと期待される。
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総合・その他
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:研究成果のナノ・ミクロンの機能性高分子微粒子技術は独創性が高く、電子材料分野、バイオテクノロジー分野など応用範囲が広い優れた技術である。一方、設立企業の事業形態は大学における研究活動の延長線上であるため、折角の優れた技術を社会に還元していくためのビジネスモデルの再構築が期待される。
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