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大学発ベンチャー創出推進

平成15年度採択課題事後評価報告書

 

 

4.

研究開発課題の個別評価

(1)ポリリン酸を有効成分とする歯周組織再生医療機器の開発 

 

研究代表者

山岡 稔(松本歯科大学 教授)

起業家

柴 肇一

 

1 ))

研究開発の概要

30歳を超えると日本人の約80%が罹患するとされる歯周病の治療を目的に、破壊歯周組織を再生できる見込みのある基礎試験データを有する中鎖ポリリン酸ナトリウムをベースとした歯周組織再生誘導製剤を開発し、臨床試験にて有効性を確認する。 

2 ))

事後評価内容

A)成果中鎖ポリリン酸ナトリウムを有効成分とするゲル状の製剤を開発し、その有効性を確認する目的で、33症例にて臨床研究を実施した。本試験結果から、本製剤が高齢者に対して有効である可能性と、退行性病変に対して有効である可能性を認めたが、試験設計と症例数の確保が不十分で、有効性の検証が十分にできず、製品化まで至らなかった。

特許出願数:国内出願数1件、外国出願数1件

 

B)評価

計画の達成度

実施例数は目標の100名に対し33名に留まるなど、試験設計が十分にできず、結果として有効性を客観的に検証できなかった。

知的財産権

研究開発期間中の出願は国内および海外出願で各々1件に留まった。

起業計画

臨床試験にてポリリン酸製剤の歯周病治療および予防への効果、および埋め込み型製剤による骨再生促進効果の検証を狙ったが、起業に繋がる十分な試験結果が得られなかった。今後の技術蓄積を期待したい。

新産業創出

今後の臨床試験等で有効性が検証できれば、医科向け以外の歯磨き剤等のオーラルケア製品として事業展開が期待される。

総合・その他

当初の計画から著しく遅延しており、研究開発期間中に実施した臨床試験でも有効性の確証を得ることができなかった。研究開発方針と起業計画の見直しが課題である。

 

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This page updated on September. 10, 2007

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