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大学発ベンチャー創出推進

平成15年度採択課題事後評価報告書

 

 

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まとめ

 

平成15年度から本事業が開始され、現時点で採択13課題から8課題がベンチャー企業設立に結びついたことは十分評価でき、本事業が大学等発ベンチャー創出に対して有効であると言うことができる。

研究開発計画の達成度に関しては、多くの課題が技術的に概ね当初目標レベルに達していると評価できるが、有効性の検証が十分に出来ずに製品化まで至らなかった課題もあった。知的財産権の確保については、必ずしも十分とはいえない課題もあり、起業後の競争力確保のためにも更なる知的財産権の強化が望まれる。起業化計画に関しては、課題によってそのレベルに差異はあるもののコストやマーケティング戦略を十分練るとともに有力なパートナーとの連携などにより積極的な事業展開を図っていくことが期待される。新産業創出の期待度という点では、すべての課題の技術レベルは高いものであり、その応用・展開が期待されるが、特定の分野によっては技術の変化・競争が激しいため、競合技術と差別化要素を明確にし、ターゲットとなる市場を特定することが必要と思われる。

本事業では開発代表者に加え起業家を研究開発活動のメンバーとして配置したことがこのような高率のベンチャー起業に繋がった。一方、研究開発から得られる成果と事業化までの見通しを得つつ活動を進めるためには、開発代表者と起業家との連携が重要であり、また、ライフサイエンス分野の研究開発課題については許認可までの期間が長期間に亘るため、受託研究を収入源とするベンチャー会社としての起業が有望であるなど技術分野固有の状況も見受けられた。これらの知見には今後の事業運営において参考にすべき点が多々あり、これらを生かしつつ、イノベーション創出の原動力として成長・発展できる大学発ベンチャーを創出し、社会・経済への貢献を進めていきたい。

 

 

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This page updated on September. 10, 2007

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