視点

BtoB企業のBtoC事業への取り組みから見えるコト

新潟工科大学 地域産学交流センターURA 髙橋 正子

2023年1月15日

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「VUCAの時代」や「SDGs」という単語が聞こえてきた2010年ごろから、自動車部品関連の地域の製造企業の方との雑談の中で「本当にEV一強になるのか?」や「内燃機関はどの程度不要か?」などの将来の見通しを立てるのが難しいとの言葉を聞く機会が多くなった。そのような中でBtoBの地域企業の方からBtoC事業として商品開発をし、ECサイトを開設したとの話を時々耳にしている。取り組みを始めた目的は、「社員の連携強化」や「技術力向上」、「ニーズ調査」など様々であり事業的に大成功していないことも多いが、一般販売を実現した商品いずれも、自社の高度な技術やノウハウを生かし、これまであまり関わりのなかったデザイナーなどの異分野異業種と連携し、造りあげている。この連携は社員の様々な固定概念を壊し、さらに今まで聞く機会のなかったユーザーの反応に直に接することにより社員自身が次の課題に気付き、社員の能動的な行動につながるようになったと、仕掛人(経営者や部門長)は言う。

産学官連携は、まさに異分野異業種交流である。もしターゲットユーザーが共通していたら、各組織の保有する知見や技術を生かして、実装する試行的な活動を通じて、真の課題が見えると感じている。