視点

一歩踏み出す勇気

公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 三次元半導体部長(兼)社会システム実証部長 小野 昌志

2022年9月15日

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私は、歯医者嫌いだ。しかし先日、断続的に続く痛みに耐えられず、約30年ぶりに虫歯の治療のため、重い足取りで歯医者へ向かった。虫歯の応急措置はそこそこに、担当医から「良い機会ですから、本格的に悪いところを治しては?」とアドバイスを受けた。医者から見れば、30年もセルフケアonlyの口の中は、気になるところが満載なのだろう。ただ、私からすれば、痛みさえ取れればそれで良しだ。「そんなに若くもないし、治療する価値をあまり見いだせないんですけど~」と消極的な返答をしたところ、若い医者は、そんなことないと熱く語る。「(治療)期間は? コストは? (私が享受する)具体的なメリットは?」など、問い掛けたい事柄が頭の中に渦巻いたのだが、大勢の患者が順番を待っている中で長々と議論するのは悪いと思い、言葉を飲み込んだ。自分の歯の治療のことまでプロジェクトのように捉えているような感覚、これは職業病だろうか? 私は悶々(もんもん)とするのである。

明確な動機があり、資金もあって、しっかりした計画を立て一歩踏み出す勇気があれば、成功するかどうかは別として事は進むはずだ。だが、今の私には全てが欠けているようだ。一歩踏み出す勇気を蓄積するために、まずは歯石除去から始めます。