巻頭言

産学官連携による地方創生

岐阜県知事 古田 肇

写真:岐阜県知事 古田 肇

2022年9月15日

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地方では、人口減少・人材流出が加速する中で地域を支える人材をどう確保・育成するかなど、様々な課題があります。これらに対して岐阜県では、オール岐阜の「産学官連携」による対応が不可欠と考え、地域課題や産業界のニーズをもとに、積極的に取り組んでいます。

まず、「地域からの人材流出」に対応するため、2015年に県内大学、産業界、金融機関、行政が一体となって「産学金官連携人材育成・定着プロジェクト推進協議会」を設立し、以後、大学と県内企業が協力した企業現場実習や、学生と県内企業が一堂に集う企業説明会「オール岐阜・企業フェス」の開催など、企業の人材確保・育成・定着を総合的に支援する活動を展開しています。

また、直近では、若者の修学・就業を促進し、地方への新しい人の流れをつくるため、国内初となる航空宇宙生産技術に関する体系的な教育・研究を行う「航空宇宙生産技術開発センター」を岐阜大学内に設置しました(2019年)。全国を代表する航空宇宙産業の集積地である、東海地方ならではの人材育成や技術力向上の新たな拠点を目指しています。これは「地方大学・地域産業創生交付金(内閣府)」を活用した7カ所のプロジェクトのうちの一つとして、全国で初めて採択されたものです。

このセンターでは、航空宇宙産業の生産性向上などの課題を解決する、高品質で短納期、低価格なモノづくりが実現できる「生産システムアーキテクト(生産技術者)の育成」と、「新たな生産プロセスを生み出す最先端の生産技術に関する革新的な研究開発」に、岐阜大学、名古屋大学および地域企業が連携して取り組んでいます。

さらに、本県は製造業の割合が多い「モノづくり」県であり、このようなアプローチを他の製造業へも幅広く展開し、地域産業全体の生産性向上を図ってまいります。

以上に申し上げたような産学官連携の中核となる岐阜大学と県との間では、2008年に包括連携協定を締結し、以来、緊密な関係を築き上げてきました。

例えば、地域防災力強化を目的に共同設置した「清流の国ぎふ 防災・減災センター」(2015年)、鳥獣害対策として共同設置した「岐阜県野生動物管理推進センター」(2022年)、さらには、全国で初めて国立大学のキャンパス内に設置した「中央家畜保健衛生所」(2016年)や「食品科学研究所」(2019年)などです。これらの機関では、連携活動を通じ、地域を支える専門人材の育成という側面にも力を入れています。

さらに、岐阜大学と名古屋大学とが「東海国立大学機構」として統合されたことにより、連携活動のウイングが一段と広く深くなっていくことが期待されます。

まさに、産学官連携は「地方創生のエンジン」です。