視点

自ら経験した多様性の意義

広島大学 オープンイノベーション事業本部 クリエイティブマネージャー 滝上 菊規

2022年8月15日

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最近、筆者が読んだ書籍に『多様性の科学』(Matthew Syed著)がある。ダイバーシティという言葉同様、よく目にする題名であるが、概念や知識を整理した教科書的なものではなかった。この本は、画一的な組織には目に見えない落とし穴が多く潜んでおり、問題解決しようとした時に複眼的視点からアプローチをしないとその穴に落ちてしまうことを史実に基づき論証するもので、大変興味深かった。

数カ月前に筆者が参画したプロジェクトは、偶然にもこれまで歩んできたキャリアが異なるメンバーで構成されており、あたかもこの書籍が発しているメッセージを踏まえているかのようであった。相互の価値観を尊重しながら、各自が専門性を発揮し知性を高めるチーム力。これこそが、組織に新たな考え方を取り入れ変革をもたらす「身近なイノベーション」であることを実感したのである。史実とは程遠い小さなスケールではあるが、「自分史」の中には大きな私実(造語)として刻まれた。

筆者も大学の産学連携部門に所属しているが、多様なメンバーで構成する「産学官金」のコンソーシアムを形成し、多面的視点で相互連携することにより、これまで想像もできなかったイノベーションを創造していきたい。