巻頭言

オープンイノベーションの創出を推進するまちづくり
―神戸医療産業都市を軸として―

神戸市長 久元 喜造

写真:神戸市長 久元 喜造

2022年8月15日

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神戸市は阪神・淡路大震災から27年を経過し、国内外の皆さまからの多大なご支援を賜りながら、まちの復興を成し遂げてまいりました。

震災の復興プロジェクトとして推進してきた神戸医療産業都市の取り組みにおいては、構想から25年を経て、370以上の企業・団体が集積する日本最大級のバイオメディカルクラスターへと発展しており、製薬企業や医療機器メーカーをはじめとする進出企業や、理化学研究所、大学などの研究機関、高度専門病院群からなる産官学医の連携に加え、優れた計算機能を有するスーパーコンピュータ「富岳」も立地する環境の下、健康・医療分野の研究シーズからのオープンイノベーションが次々と創出されています。

具体的には、再生医療の分野において、眼科領域ではiPS細胞を用いた世界に先駆けた臨床研究が数多く実施されるとともに、難治性疾患に対する新規治療法が開発されているほか、医療機器の分野において、企業間連携による手術支援ロボットの開発・実用化や、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた官民連携によるPCR検査体制がスピーディーに構築されるなど、さまざまな取り組みが実を結んでいます。

また、神戸大学や産業界との協働による「神戸未来医療構想」においては、神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センターを医療機器開発における実証・改良の場であるリサーチホスピタルと位置付け、医療従事者や工学研究者、企業等が一体となり、臨床現場と連携した医療機器開発拠点の構築や医工連携人材の育成などを推進し、医療機器産業のエコシステムの確立を目指しています。

さらに、まちの持続的な発展を実現するため、革新的なテクノロジーを駆使して新たなイノベーションを創出するスタートアップの育成・集積を推進しています。神戸市や兵庫県、産業界、大学などで構成する「ひょうご神戸スタートアップ・エコシステムコンソーシアム」が、大阪・京都の各コンソーシアムとともに、国の「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」のグローバル拠点都市として選定され、京阪神の連携により多様かつ力強いシナジー効果を発揮し、ライフサイエンスやものづくり、情報通信の分野を中心に、スタートアップ発による優れた製品やサービスの開発・社会実装の実現が図られるよう、積極的に取り組みを進めています。

人口減少や少子超高齢社会の進展、情報の複雑化・高度化、経済のグローバル化など社会情勢は目まぐるしい変化を遂げていますが、withコロナ時代、さらにはポスト・コロナ時代を見据え、令和の時代に間違いなく進化するテクノロジーを巧みに取り入れながら、堅実な成長戦略のもとさらなる都市の成長を促す好循環を創出し、持続可能な大都市経営に取り組んでまいります。