視点

デザイン思考と産学官連携

岩手大学 研究支援・産学連携センター 教授 今井 潤

2022年7月15日

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筆者がデザイン思考に出会ったのは、2013~14年の文部科学省COIイノベーション対話促進事業などに岩手大学が採択されてからである。慶應義塾大学大学院SDM研究科によるトレーニングを研究員や学生と共に受けに行った。地方大学では、事業化の可能性が高い研究シーズはなかなか見つからず、産学官連携に閉塞感が見られていた状況で、デザイン思考は、現状を打破でき、すぐにイノベーションが起こせるのではないかと、非常に魅力的に映ったことを覚えている。

現在まで、300回以上のワークショップなどを、社会人、大学生、高校生たちを巻き込み、様々な課題解決に取り組んだ。必ずしもイノベーティブなソリューションがいっぱい出たわけではない。むしろ失敗する場合の方が多い。でも楽しく、やたら元気で、前向きな大学生や高校生が育ってくる。

デザイン思考の実践が、産学連携の課題の解決にすぐつながったわけではないが、自分の思考のOS(行動の基準となる基本的な考え方)は大分変わってきた。産学連携と同じく、デザイン思考もすぐに成果が出るわけではない。デザイン思考が当たり前のスキルになり、課題解決の取り組み方が変わり、バイアスを壊すイノベーティブな産学官連携プロジェクトが次々と起きる未来を期待している。