視点

吉田松陰と松下村塾から教育の在り方を考える

福岡大学 産学官連携センター 産学官連携コーディネーター 客員教授/社会連携センター コーディネーター 中川 普巳重

2022年6月15日

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春に萩を訪れ松蔭と松下村塾について学ぶ機会があった。松下村塾の塾生は近隣の弟子などで、初めから優秀な人材が集まっていたわけではない。ではなぜ後の時代をけん引するリーダーを多く輩出できたのか。①目的意識:松陰は単なる学問を教えることを目的としたのではなく、これからの社会を変革していける人材を育てようとした。②個性を伸ばす:塾生の個性を持ち前の洞察力で見抜き、個々人に合った教育方法を用い個性を生かした。③共同生活:寝食を共にしながら切磋琢磨に議論し合う環境も大きく貢献した。④強い信頼関係:身分や年齢にかかわらず平等な環境で学び合い、強い信頼関係を構築したことが後の社会変革時に役立った。

令和の時代の教育現場はどうだろうか。社会の変革を担う人材を育てているという意識、個性を伸ばす関わり方、合宿などの場で夜通し語り合う環境、いい塩梅の人と人の距離感と強いつながり、これらは実現できているだろうか。デジタルコミュニケーションが日常になる中、子供たちだけではなく、大人にとってもこのような場、「誠と思いやり」のある場が必要なのではないかと強く思った萩の旅であった。