巻頭言

随所にイノベーションの種あり

株式会社熊平製作所 代表取締役社長 熊平 明宣

写真:株式会社熊平製作所 代表取締役社長 熊平 明宣

2022年6月15日

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熊平製作所の源流は、1898年にさかのぼる。金庫の販売を当初の主目的に熊平商店としてスタートした。以来120年余り、「Security&Safety」をコンセプトとして歩んできた。現在では、ハード面からソフト面までトータルなセキュリティ事業を展開している。

ハード面では、社会インフラでセキュリティ空間の形成が必要な所に製品を提供している。金庫設備、書庫設備、収蔵庫設備などをはじめとする物理的セキュリティ対策を実現する製品が主なものである。ソフト面では、入退室管理システム、映像監視録画システムなどセキュリティのシステム製品が主なものである。最近では、クラウドを使ったサブスクリプション方式のセキュリティサービスを開始している。顧客の要望に応えるべく、セキュリティ運用のサービスのラインアップを今後とも増やしていく予定である。

弊社の製品・サービス開発は、長年蓄積してきたセキュリティのノウハウに依拠している。そして、ノウハウをブラッシュアップすべく、弊社の研究開発担当者は世界の技術情報を日頃から収集し分析している。また、イノベーティブな製品・サービスは社外との様々なコラボレーションで生まれることが多い。

弊社は、2020年に「近赤外光スペクトルを用いた液体爆発物検査装置の開発」によって第45 回井上春成賞を受賞した。これも大阪大学とのコラボレーションで生まれた。受賞は弊社にとって大変光栄なことであった。国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)とのご縁も大切にさせていただく。この検査装置は現在も製品として進化しており、日本全国の空港や税関、また海外でも採用いただいている。昨年は、東京2020オリンピック・パラリンピックにおいても活用いただいた。当製品はセキュリティ対策の一環として今後とも活用されるシーンが増加すると考えている。

別件では金融機関のビジネスマッチングによって、スタートアップ企業とのコラボレーションも実現している。こちらも今後のイノベーションの種になると期待している。また、弊社がセキュリティの哲学・設計思想を一定程度構築したことが事業展開の上で重要であった。これには日本の危機管理学の第一人者で、弊社顧問でもいらした佐々淳行氏によるところが大きい。「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」や後藤田五訓をはじめとする危機管理の哲学・思想を学ぶことができた。

以上のように随所で弊社にとって有意義な機会をいただいたことは大変ありがたいことであった。多くの関係者とのコラボレーション、パートナーシップこそがイノベーションの鍵であると確信している。

2022年春、弊社がその一員であるクマヒラグループの中にイノベーション研究所を設立した。多くのアイデアや知見を結集して応用し、未来を切り開いていきたい。弊社をはじめ、クマヒラグループが日本にとってなくてはならないセキュリティの企業グループとして進んでいけるよう、今後とも新しいことにチャレンジしていく所存である。