視点

一歩踏み出すリエゾン活動 ―コロナ禍で気を付けたいこと―

愛媛大学 社会連携推進機構 准教授 秋丸 國廣

2022年4月15日

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大学の産学連携部署の業務は、基本は大学の研究シーズの企業マッチングや技術移転活動、企業からの技術相談対応、産学連携リスクマネジメント、と整理できる。その中で契約などの個別支援や大型化の組織的対応まで幅広い業務が求められる。多くの大学では、配置されている人員と業務量は釣り合わず、できる業務には偏りが生じる。結果として、売り込み営業活動よりもどちらかというと外からの問い合わせ対応に重きを置かざるを得ない。私は、これを「待ち受け型リエゾン」活動と呼んでいるが、やることは多いのでどこか仕事をした気にはなるものの教員活動としての成果は乏しい。そのような中、本学の水産流通学の研究者と松山東雲短期大学が地元の食品加工会社と連携した共同研究に関わったが、結果として幾つかの製品開発につながったし、翌年の学生の取り組みにも発展した(詳細は本号掲載記事を参照いただきたい)。

事務作業がほとんどの「待ち受け型リエゾン」活動では、問い合わせ先企業の要望に応じて契約を結ぶことで終わりだが、このような地元企業密着型の活動は製品化という結末までちゃんと見届けることができる。事務作業に終始せず、研究者が何を得たのか、なぜ成功できたのか、まで付き合うと、次の「リエゾン」活動につながると思う。このような個別対応案件の積み重ねの延長に、組織対応企画が生まれる。人のつながりが問われるコロナ禍であり、一歩前向きの活動を意識したいものだ。