視点

コロナ禍、2年

一般財団法人浅間リサーチエクステンションセンター(AREC)センター長・専務理事/信州大学 特任教授(産学官地域連携)/上田信用金庫 監事 岡田 基幸

2022年2月15日

  • Twitterを開く
  • Facebookを開く
  • LINEを開く
  • 印刷ボタン

2年にわたるコロナ禍で、テレワークやワーケーションという言葉が一気に浸透し、新しい生活様式が生まれた。オフィス移転が進み、地方にとっては都会から人を呼び込む好機になると思われた。ところが、ワーケーション需要もオフィス移転も当初の見通しほどは伸びず、もくろみは外れた。企業の採用試験がオンライン化されると、地方から都会を目指す人が増えた。オンラインセミナーも、同じテーマであれば都会のセミナーのほうが集客力に長ける。都会と同じ土俵で勝負するには、柔軟な発想で地方にしかない付加価値を高めなければならない。

地方ならではの付加価値とは何か。多摩大学大学院の田坂広志名誉教授は、ヘーゲルの「事物のらせん的発展の法則」を基に、ものごとは古く懐かしいものが一段上にアップデートした状態で復活すると説く。例えば、若者のライフスタイルは、寮からアパートの一人暮らし、そしてシェアハウス、ゲストハウスへと変遷した。人が集まる場に回帰し、人のつながりを求める機会が増えている。オンライン化と人が集まる場づくり。ここに、ヒントが隠れている。

コロナ禍前であれば荒唐無稽だと一蹴された考えも、聞く耳を持つ人が増えた。変化に対する社会的受容性が高まっている今こそ、地方の大転換のチャンスだ。