視点

イノベーションは起きるのか、起こすのか

三重県工業研究所 エネルギー技術研究課 主査研究員 山本 佳嗣

2022年1月15日

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この文を書いている現在、こと国内においては、猛威を振るったコロナ禍も少し落ち着きを見せ始めたように思われる。まだまだ油断は禁物とはいえ、このまま何事もなく治まってくれればと願う。それでも、この災禍がもたらした影響は様々あり、世の中の仕組みが変わった面も多々あろう。特に大きく変わったと感じるのは、人とのコミュニケーション手段ではないだろうか。今や、ちょっとした打ち合わせや会議のみならず、講演会のようなイベントも、まずはオンラインでできないか、と考えるようになった。考え方の優先順位、意識が変わったのだ。やってみれば便利な面もあり、これは、今後も元に戻ることは無さそうである。

人の意識が変われば、必要とされる技術やサービスも大きく変わる。となれば、これもイノベーションの一つと言えなくもない。あらがい難い外的要因により、意識も技術も急激に、無理やりに変革を促され、広まっていった感がある。

イノベーションは起きるのか、起こすのか。理想を言えば、準備万端整えて、自らの意志でイノベーションを起こしたいものだが、理想とは異なったものの、結果的にはコロナ禍によってイノベーションが起き、技術やサービスに「進化」がもたらされたのだ、と信じたい。

コロナ禍が完全に終息し、人類がウィルスに勝利した暁には、「大変な災禍だったが、世の中が進化した点も無いではないな」、と振り返りたいものである。