視点

産学官連携活動と幸福度

宮崎大学 地域資源創成学部 教授 丹生 晃隆

2021年6月15日

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筆者が所属する学部では、1年次から地域をフィールドとした実習を行っている。学生は、地域の実情に触れるとともに、様々な課題に向き合い、自分たちに何ができるのか、課題解決に向けた方策を考えることとなる。授業としての実習に加えて、お祭りなどのボランティア、地域の企業や団体でのインターンシップに参加する学生も多い。これらの地域での活動に関わっている学生は幸福度が高いのではないかという問題意識の下、地域活動と幸福度の関連性について卒業研究に取り組んだ学生がいる。昨今注目されている概念とはいえ、幸福度は極めて捉えづらい。この学生も試行錯誤をしながら質問項目を作成し、学部学生380人に対してアンケート調査を行った。限られたデータからは言い切ることはできないが、分析結果から、地域活動に関わることによって、学生の幸福度が増す可能性が示された。

その学生は今年4月から社会人になり、「地域のために」は「大切な誰かのために」に重なること、大切な誰かが幸福になることで自分も幸福になることに気づいたという。産学官連携活動も様々な人が関わる。活動度が増すほど幸福度が増すかどうかは分からないが、連携活動の先にはきっと「大切な誰か」がいる。これを少しでも意識することでわれわれの幸福度も増すのかもしれない。