編集後記

時を巻いて戻すすべはない

2021年4月15日

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科学技術基本法が科学技術・イノベーション基本法に改正され、それに伴い第5期科学技術基本計画も第6期科学技術・イノベーション基本計画へと引き継がれ2021年度がスタートした。

5年間で政府の研究開発投資は総額約30兆円、実質的なイノベーションを起こすためのその原資を基に、官民合わせた研究開発投資を総額120兆円規模に高める設定だ。さらに10兆円大学ファンドにも注目が集まる。そして、デジタル変革(DX)などによる社会変革、研究力強化、人材育成の3本柱は、イノベーション創出への意気込みとして熱気を帯びる。

本誌もこれらの方向性に沿った編成方針を計画するのだが、気になるのは新型コロナウイルス感染症と東京五輪だ。感染者が一定以上下げ止まり、終息の兆しが見えないと五輪開催も危うくなる。金余りの蛇口を全開にしたような株高は、コロナバブルの様相を呈し、実体経済との乖離(かいり)も見られ気掛かりだ。現時点では、この1年を見通せない危うさが残る。

しかし時を巻いて戻す術はない。イノベーションを起こす手立ての参考になるよう、新たな気持ちで有益な情報をお届けできるよう気を一新するしかない。

本誌編集長 山口 泰博