連載とある科学の研究管理者(アドミニストレーター)

#4 鬼殺隊9人(校)の柱

本誌編集長 山口 泰博

2020年11月15日

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レベル5から「鬼殺隊」最高位に立つ9人の「柱」**1

前号の本誌10月号でレベル5とし紹介した指定国立大だが、早々と構成の変更が必要になりそうだ。文部科学省は、指定国立大学法人を、筑波大と東京医科歯科大を新たに指定したと発表したからだ。国立大86校の中で既に指定されている7校と合わせ、指定国立大は計9校となり、追加の2校は、2022年度に始まる第4期中期目標期間から指定国立大として扱われる。

9校…9人…と思案を巡らせると、コロナ禍で経済の停滞が危惧される中で、「日本経済の柱」「寒い日本経済に煉獄(れんごく)さんが炎を灯してくれた」など、日本経済を支えているとまで言われ快進撃を続け経済効果を生む「鬼滅の刃」をご存じだろうか。そこに登場する「鬼殺隊」最高位に立つ9人の剣士の「柱」も欠かせない存在だ。「とあるシリーズ」での7人しかいないレベル5が、9人(校)になった手前、「鬼滅」がイノベーションを起こすほどの人気にあやかって、本誌の存在も知ってもらえるといいのだが。

今さらだが認知度の低い産連

さて、今さらだが、社会貢献の中心は産学連携や社会連携、地域連携(以下、産連、社連、地連)と呼ばれる場合が多い。

産連は、「産学」の文言の後に「官金」が隠れ、「産」は企業、「学」は大学や研究機関、「官」は国や自治体などの行政機関を指し「公」とする場合もある。「連携」は一部で「協創」や「協働」などとする場合もあり、教育と研究とは異なり地域、大学や研究機関によってその表現にはばらつきがある。なんとか統一され、一言で誰もが分かり馴染めるワードや表現はないものかと常に考えてしまう。世間の認知度が低いのは、何をしているのか分かりにくいうえに呼称に統一感がないからだろう。

政府が発信する表現は、産学連携がほとんどだが、呼び方の制約はなく内容が伴えば表現にはこだわっていない。従ってこの連載では勝手に短縮し、産学連携を「産連」と呼ぶことにする。

だが常々疑問が消えず鬱積(うっせき)していることがある。「社会」は世の中の大きな括りである。その中には企業などの産業界の「産」、地方自治体や市区町村の地域全体の「地域」が入っている。つまり、「社会」の部分集合が「産」だから「社会⊇産」であるし、同様に「社会⊇地域」なのではないか。この疑問を関係者にぶつけても明快な答えが返ってくることはなく、モヤモヤが消えることがない。いっそのこと総称して社連にしたほうが世間に受け入れやすいのではないだろうか。

大学で教員として学生に〇〇を教えている(「教育」)とか、〇〇を「研究」していると言えば理解されるだろうが、産連(社会貢献)していると言っても「狭い業界関係者」以外、誰も理解してくれない。理解が進まなければ地域に入っていけない。そこで活躍するアドミストレーターやコーディネーターはどう考えているのだろうか。

(次号へ続く)

参考文献

**1:
©吾峠呼世晴/集英社
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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